71 / 72
第3章 学園生活 前期
21.病床にて
しおりを挟む
…………………なんかお腹の辺りが重たいんだけど。
そう思って頭を少し起こして見てみると、そこにはルーベルトの頭があった。
時計を見てみると針は既に7時を指していた。
僕めちゃくちゃ寝ちゃってたんだ…。もしかしてルー兄さんずっと待っててくれたのかな……だったら悪いことしちゃったかも。
すると、微かにお腹の辺りの頭が動いた。
「……………、ノエルおはよう。体調は大丈夫?」
「うん、沢山寝たから元気になったみたい。」
「それは良かった。………晩御飯はどうする?」
「普通にお腹減ってるから食べれそうだよ。」
ルーベルトは、「そっか。」と、言いノエルの頭を優しく撫でると、夕飯を取りに行くと言い部屋から退出して行った。
ノエルがまだ小さかった頃、ルーベルトはノエルが風邪をひくと決まって、眠りにつくまで横に居て、ある時は本を読んでくれたり、ある時は昔話を聞かせてくれたりと、毎回ルーベルトが世話を焼いてくれていたのだ。
そういえば、ルー兄さんは昔から風邪の時僕の面倒見てくれてたなぁ。僕が1人で寂しいだろうからってずっと傍に居てくれて、何度もおでこのタオルを取り替えてくれたり薬を飲ませてくれたり………
ルー兄さんって昔っからすっごく優しかったなぁ、
そんなことを考えているとガチャリと扉が開かれ、ルーベルトが片手に粥を持ちながら入ってきた。
「まだ完全には回復してないだろうから、今日は
これ。昼間より量は多めにしてあるから。」
「うん、ありがとうねルー兄さん。」
ノエルはそう言うとスプーンを手に取り、パクパクと頬張り始めた。
そして数分が経つと、また扉が開かれた。
「ノエル、体調はどう………大丈夫みたいだな。」
今日に限って学校から大量の課題が出されたらしく、机に向かうのが苦手なローレンツは、課題をこなすのには人並み以上の時間がかかるらしく、ローレンツはノエルの元に訪れるのが遅れてしまった、という訳なのだ。
勿論ローレンツは帰ったと同時にノエルの元を訪れようとしたが、侍女に止められたらしい。
「ロイ兄さんもお疲れ様、ありがとうね。もう僕大丈夫だよ。明日には元気いっぱいだから!」
「そうか、それなら良かったよ。」
そう言ってローレンツはノエルの頭をくしゃりと撫でると、「邪魔してごめんな。これ食べて早く元気になれよ。」そう言い、傍にあるソファへと腰掛けた。
「ロイは夜ご飯食べなくていいの?」
「後ででいい。」
「ロイ兄さん、まだ食べてないの?じゃあ早く食べに行かなきゃだよ。僕は大丈夫だから。」
「いや、だって……………」
「ほら、ノエルもそう言ってるんだし早く行ってきな。僕がノエルと二人きりで話してるから。」
「っ、………………。行ってくる。」
明らかに、悔しそうな表情でローレンツは部屋を後にした。
ちなみにその後、10分も経たないうちにローレンツは再び部屋へと戻ってきたらしい。
そう思って頭を少し起こして見てみると、そこにはルーベルトの頭があった。
時計を見てみると針は既に7時を指していた。
僕めちゃくちゃ寝ちゃってたんだ…。もしかしてルー兄さんずっと待っててくれたのかな……だったら悪いことしちゃったかも。
すると、微かにお腹の辺りの頭が動いた。
「……………、ノエルおはよう。体調は大丈夫?」
「うん、沢山寝たから元気になったみたい。」
「それは良かった。………晩御飯はどうする?」
「普通にお腹減ってるから食べれそうだよ。」
ルーベルトは、「そっか。」と、言いノエルの頭を優しく撫でると、夕飯を取りに行くと言い部屋から退出して行った。
ノエルがまだ小さかった頃、ルーベルトはノエルが風邪をひくと決まって、眠りにつくまで横に居て、ある時は本を読んでくれたり、ある時は昔話を聞かせてくれたりと、毎回ルーベルトが世話を焼いてくれていたのだ。
そういえば、ルー兄さんは昔から風邪の時僕の面倒見てくれてたなぁ。僕が1人で寂しいだろうからってずっと傍に居てくれて、何度もおでこのタオルを取り替えてくれたり薬を飲ませてくれたり………
ルー兄さんって昔っからすっごく優しかったなぁ、
そんなことを考えているとガチャリと扉が開かれ、ルーベルトが片手に粥を持ちながら入ってきた。
「まだ完全には回復してないだろうから、今日は
これ。昼間より量は多めにしてあるから。」
「うん、ありがとうねルー兄さん。」
ノエルはそう言うとスプーンを手に取り、パクパクと頬張り始めた。
そして数分が経つと、また扉が開かれた。
「ノエル、体調はどう………大丈夫みたいだな。」
今日に限って学校から大量の課題が出されたらしく、机に向かうのが苦手なローレンツは、課題をこなすのには人並み以上の時間がかかるらしく、ローレンツはノエルの元に訪れるのが遅れてしまった、という訳なのだ。
勿論ローレンツは帰ったと同時にノエルの元を訪れようとしたが、侍女に止められたらしい。
「ロイ兄さんもお疲れ様、ありがとうね。もう僕大丈夫だよ。明日には元気いっぱいだから!」
「そうか、それなら良かったよ。」
そう言ってローレンツはノエルの頭をくしゃりと撫でると、「邪魔してごめんな。これ食べて早く元気になれよ。」そう言い、傍にあるソファへと腰掛けた。
「ロイは夜ご飯食べなくていいの?」
「後ででいい。」
「ロイ兄さん、まだ食べてないの?じゃあ早く食べに行かなきゃだよ。僕は大丈夫だから。」
「いや、だって……………」
「ほら、ノエルもそう言ってるんだし早く行ってきな。僕がノエルと二人きりで話してるから。」
「っ、………………。行ってくる。」
明らかに、悔しそうな表情でローレンツは部屋を後にした。
ちなみにその後、10分も経たないうちにローレンツは再び部屋へと戻ってきたらしい。
2
お気に入りに追加
2,282
あなたにおすすめの小説
使命を全うするために俺は死にます。
あぎ
BL
とあることで目覚めた主人公、「マリア」は悪役というスペックの人間だったことを思い出せ。そして悲しい過去を持っていた。
とあることで家族が殺され、とあることで婚約破棄をされ、その婚約破棄を言い出した男に殺された。
だが、この男が大好きだったこともしかり、その横にいた女も好きだった
なら、昔からの使命である、彼らを幸せにするという使命を全うする。
それが、みなに忘れられても_
転生して悪役になったので、愛されたくないと願っていたら愛された話
あぎ
BL
転生した男子、三上ゆうきは、親に愛されたことがない子だった
親は妹のゆうかばかり愛してた。
理由はゆうかの病気にあった。
出来損ないのゆうきと、笑顔の絶えない可愛いゆうき。どちらを愛するかなんて分かりきっていた
そんな中、親のとある発言を聞いてしまい、目の前が真っ暗に。
もう愛なんて知らない、愛されたくない
そう願って、目を覚ますと_
異世界で悪役令息に転生していた
1章完結
2章完結(サブタイかえました)
3章連載
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
平凡でモブな僕が鬼将軍の番になるまで
月影美空
BL
平凡で人より出来が悪い僕、アリアは病弱で薬代や治療費がかかるため
奴隷商に売られてしまった。奴隷商の檻の中で衰弱していた時御伽噺の中だけだと思っていた、
伝説の存在『精霊』を見ることができるようになる。
精霊の助けを借りて何とか脱出できたアリアは森でスローライフを送り始める。
のはずが、気が付いたら「ガーザスリアン帝国」の鬼将軍と恐れられている
ルーカス・リアンティスの番になっていた話。
謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません
柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。
父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。
あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない?
前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。
そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。
「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」
今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。
「おはようミーシャ、今日も元気だね」
あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない?
義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け
9/2以降不定期更新
傾国のΩと呼ばれて破滅したと思えば人生をやり直すことになったので、今度は遠くから前世の番を見守ることにします
槿 資紀
BL
傾国のΩと呼ばれた伯爵令息、リシャール・ロスフィードは、最愛の番である侯爵家嫡男ヨハネス・ケインを洗脳魔術によって不当に略奪され、無理やり番を解消させられた。
自らの半身にも等しいパートナーを失い狂気に堕ちたリシャールは、復讐の鬼と化し、自らを忘れてしまったヨハネスもろとも、ことを仕組んだ黒幕を一族郎党血祭りに上げた。そして、間もなく、その咎によって処刑される。
そんな彼の正気を呼び戻したのは、ヨハネスと出会う前の、9歳の自分として再び目覚めたという、にわかには信じがたい状況だった。
しかも、生まれ変わる前と違い、彼のすぐそばには、存在しなかったはずの双子の妹、ルトリューゼとかいうケッタイな娘までいるじゃないか。
さて、ルトリューゼはとかく奇妙な娘だった。何やら自分には前世の記憶があるだの、この世界は自分が前世で愛読していた小説の舞台であるだの、このままでは一族郎党処刑されて死んでしまうだの、そんな支離滅裂なことを口走るのである。ちらほらと心あたりがあるのがまた始末に負えない。
リシャールはそんな妹の話を聞き出すうちに、自らの価値観をまるきり塗り替える概念と出会う。
それこそ、『推し活』。愛する者を遠くから見守り、ただその者が幸せになることだけを一身に願って、まったくの赤の他人として尽くす、という営みである。
リシャールは正直なところ、もうあんな目に遭うのは懲り懲りだった。番だのΩだの傾国だのと鬱陶しく持て囃され、邪な欲望の的になるのも、愛する者を不当に奪われて、周囲の者もろとも人生を棒に振るのも。
愛する人を、自分の破滅に巻き込むのも、全部たくさんだった。
今もなお、ヨハネスのことを愛おしく思う気持ちに変わりはない。しかし、惨憺たる結末を変えるなら、彼と出会っていない今がチャンスだと、リシャールは確信した。
いざ、思いがけず手に入れた二度目の人生は、推し活に全てを捧げよう。愛するヨハネスのことは遠くで見守り、他人として、その幸せを願うのだ、と。
推し活を万全に営むため、露払いと称しては、無自覚に暗躍を始めるリシャール。かかわりを持たないよう徹底的に避けているにも関わらず、なぜか向こうから果敢に接近してくる終生の推しヨハネス。真意の読めない飄々とした顔で事あるごとにちょっかいをかけてくる王太子。頭の良さに割くべきリソースをすべて顔に費やした愛すべき妹ルトリューゼ。
不本意にも、様子のおかしい連中に囲まれるようになった彼が、平穏な推し活に勤しめる日は、果たして訪れるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる