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第3章 学園生活 前期
16.お出かけ
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3人は指定された席へと腰を下ろした。
「ルー兄さん、ここって凄くいい席だよね?物凄く舞台と近いよ!凄い!」
「そうみたいだね。こんないい席、お父様は誰に貰ったんだろうね。」
本当にこんなにいい席をなんで譲ってくれたかは分からないけど、その人の分まで楽しまなきゃだね。
他愛も無い会話をしていると会場が暗転し、会場全体にナレーションと思われる声が響き渡った。
✿✿✿
「んーーー、面白かった!まさかニーナに妹がいるなんてびっくりした!」
「そうだね、ノエルが楽しんでくれてたなら何よりだよ。…………おーい、ロイ起きてる?」
「ん、………起きてる。」
「絶対寝てたろ……。」
「まぁいいや。結構いい時間だし昼食もこのまま町で食べて行こうか。」
「やった!久しぶりの外食だー。」
最近は、忙しかった事もあってか中々時間を取れず、外食をする機会が無かったのだ。
「前にロイ兄さんと食べたサンドイッチが良い!」
「あぁ、ノエル気に入ってくれたのか。じゃあそこに行こうか。」
そう言って3人は席を立ち、食事を取りに行こうとした最中、ノエルが声を上げた。
「あっ、ウィル様だ!」
するとそこには、変装をしたウィルフリートとジークフリートらしき人物が座って居た。
「ノエル、やっと気づいてくれたね。」
そう、彼らはノエル達が座っていた席と同じ列に座っていたのである。
「あのね、僕らお父様にチケット譲ってもらって……」
「あぁ、多分それ僕のお父様だよ。四枚あげれなくてごめんねって言ってたよ。」
「そうだったんだ。ありがとうね、すっごく面白かった!」
そんな事を話していると、段々と周囲がどよめき始めた。
「そろそろ不味いかも。じゃあ僕らは撤退するね。また学園で。」
そう言い残すと、ウィルフリートとジークフリートは颯爽とその場から去って行ってしまった。
「ノエル、僕らも早めに撤退した方がいいかも。」
「あれって、クーレル家のご子息達じゃない?」
「もしかして先程お話になっていたのって……」
既に周囲は気づき始めているようで、更にその場にざわめきが広がる。
「もしかしてルーベルト様でしょうか……?」
近くに居た男性が、ルーベルトに対して問いかけてきた。
「よし、ノエル行くぞ」
そう言うとローレンツはノエルの右手を掴み、入口へと向かった。
「ちょっと?僕を置いてかないでよ!」
「………………。」
「無視するなよ!」
その男性の行動を皮切りに、あっという間にルーベルトの周りには大きな人集りが出来てしまった。
「ロイ絶対許さないからなー!」
「ねぇロイ兄さん、ルー兄さん置いてきて大丈夫だったの?」
「あぁ、あいつは後から来るよ。先に店に入っておこうか。」
この後ルーベルトは、人集りから抜け出すことが出来ず、ローレンツはノエルと2人きりで昼食を嗜むのであった。
「ルー兄さん、ここって凄くいい席だよね?物凄く舞台と近いよ!凄い!」
「そうみたいだね。こんないい席、お父様は誰に貰ったんだろうね。」
本当にこんなにいい席をなんで譲ってくれたかは分からないけど、その人の分まで楽しまなきゃだね。
他愛も無い会話をしていると会場が暗転し、会場全体にナレーションと思われる声が響き渡った。
✿✿✿
「んーーー、面白かった!まさかニーナに妹がいるなんてびっくりした!」
「そうだね、ノエルが楽しんでくれてたなら何よりだよ。…………おーい、ロイ起きてる?」
「ん、………起きてる。」
「絶対寝てたろ……。」
「まぁいいや。結構いい時間だし昼食もこのまま町で食べて行こうか。」
「やった!久しぶりの外食だー。」
最近は、忙しかった事もあってか中々時間を取れず、外食をする機会が無かったのだ。
「前にロイ兄さんと食べたサンドイッチが良い!」
「あぁ、ノエル気に入ってくれたのか。じゃあそこに行こうか。」
そう言って3人は席を立ち、食事を取りに行こうとした最中、ノエルが声を上げた。
「あっ、ウィル様だ!」
するとそこには、変装をしたウィルフリートとジークフリートらしき人物が座って居た。
「ノエル、やっと気づいてくれたね。」
そう、彼らはノエル達が座っていた席と同じ列に座っていたのである。
「あのね、僕らお父様にチケット譲ってもらって……」
「あぁ、多分それ僕のお父様だよ。四枚あげれなくてごめんねって言ってたよ。」
「そうだったんだ。ありがとうね、すっごく面白かった!」
そんな事を話していると、段々と周囲がどよめき始めた。
「そろそろ不味いかも。じゃあ僕らは撤退するね。また学園で。」
そう言い残すと、ウィルフリートとジークフリートは颯爽とその場から去って行ってしまった。
「ノエル、僕らも早めに撤退した方がいいかも。」
「あれって、クーレル家のご子息達じゃない?」
「もしかして先程お話になっていたのって……」
既に周囲は気づき始めているようで、更にその場にざわめきが広がる。
「もしかしてルーベルト様でしょうか……?」
近くに居た男性が、ルーベルトに対して問いかけてきた。
「よし、ノエル行くぞ」
そう言うとローレンツはノエルの右手を掴み、入口へと向かった。
「ちょっと?僕を置いてかないでよ!」
「………………。」
「無視するなよ!」
その男性の行動を皮切りに、あっという間にルーベルトの周りには大きな人集りが出来てしまった。
「ロイ絶対許さないからなー!」
「ねぇロイ兄さん、ルー兄さん置いてきて大丈夫だったの?」
「あぁ、あいつは後から来るよ。先に店に入っておこうか。」
この後ルーベルトは、人集りから抜け出すことが出来ず、ローレンツはノエルと2人きりで昼食を嗜むのであった。
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