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第3章 学園生活 前期

5.話を

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そんなこんなで車中を過ごしていると、段々と家が大きくなって来た。


それからしばらくすると、馬車が停止した。

「ロイ兄さん、着いたよ!早く降りよ!」

ノエルは、今すぐにでも父やルーベルトに今日あった出来事を話したいようで、先程からずっとうずうずしている。

「分かったからそんなに慌てるなよ。怪我するぞ。」

「はぁーい。」

一応その言葉を聞き入れたのか、ゆっくりと降車した後に、ポーチへ向かって走り出した。


「お父様、ルー兄さん!ただいま!」

ノエルがそう叫ぶと、奥の方からルーベルトがこちらに向かって歩いてきた。

「あぁ、ノエルおかえり。学校はどうだった?」

そう言って、優しくノエルの頭を撫でた。


「うん、楽しかった!友達もできたんだよ?」

「そうか、じゃああっちでお茶を用意させるからゆっくり話を聞かせてくれ。」


そう言って、ルーベルトはノエルの手を引きテラスのある場所に向かって歩いた。


一方ローレンツは必要とされなかったようで、2人に置き去りにされ、自室へともどって行った。



そして2人が例のテラスに着くと、既に紅茶とクッキーが用意されていた。そこに2人が腰掛けると、ルーベルトが口を開いた。

「ノエル、今日あった話を詳しく聞かせてくれないか?」

「うんいいよ!さっきの続きなんだけど、その友達、リュカって言うんだ。そのリュカのお兄さんがロイ兄さんの友達でね………………」

ノエルはそのまま立て続けにと今日あった出来事を話し続けた。



「それは大変だったな。」

苦笑混じりにルーベルトがそう答えた。

「ノエルの魔力属性は水か……。僕が教えたかったんだけど残念だな………。」

「んー、じゃあルー兄さんには勉強教えてもらう!」

そう言って、ニッコリと微笑んだ。




そんな他愛も無い会話を繰り返した。日も段々と下がり始め、暖かな日差しが彼らの元に降り注ぐ。するとそれに伴って、徐々にノエルの頭がこくこくと傾き始めた。

そんなノエルを見兼ねて、ルーベルトがノエルに声をかけた。

「ノエル、…………ノエル、ベッドで寝ようか。」


そう言ってルーベルトは、ノエルを部屋まで抱き抱え、運んで行った。



✿✿✿


ローレンツは、ノエルをベッドに寝かせた。


「ん…………、る、にーさん………。」

「おやすみノエル。」

そう言ってローレンツがノエルの額にキスを落とした。すると、安心したのかすぅと寝に入った。


まだ、ノエルの新しい学園生活は始まったばかりである。


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