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第2章 少年期
5.パーティー
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僕は今日、いつもよりそわそわしている。
何故かって、今日は、ルー兄さんの卒業パーティだからだ。
「ノエル坊ちゃん、御髪を整えて用意された衣装に着替えましょうね。」
「はぁーい!」
そう言ってノエルは思い切り右手を上にあげた。
エマや侍女のみんなが僕の準備を手伝ってくれるからすっごく着替えは、楽なんだよなぁ。
ただ、髪の毛を整えられていると眠たくなってくるのがダメだぁ………。
そんなこんなで準備が終わり、昼食を食べ終えた。
今日は、ルー兄さんもロイ兄さんも忙しいみたいで、昼食にはお父様しかいなかった。
ちょっぴり寂しかったけど、これからパーティが待ってると思うと全然平気!
そしてノエルはパーティーの始まる時間が来るのを待つのであった。
♢♢♢
「ノエル、そろそろ行こうか。」
お気に入りの絵本を読んでいると、扉の方からルー兄さんの声が聞こえてきた。
「うん!今行くね。」
僕は絵本を机の上に置いてルー兄さんと手を繋ごうと手を伸ばした。
「本当に可愛い………、じゃあ行こうか。」
ルーベルトはノエルの手を取り馬車が止まっている場所に向かって歩き出した。
そしてロイス、ルーベルト、ノエルはそれぞれ馬車に乗り込み、パーティ会場である学園へ向かった。
パーティーってどんなだろ?お菓子いっぱい食べれるかなぁ…。お友達もたっくさんいるのかな?すっごく楽しみだぁ……!
ノエルはそんなことを考えながらいつもの如く、ルーベルトの膝の上で馬車中の時間を過ごした。
馬車がゆっくりとスピードを落とし、完全に停止した。
「よし、ノエル降りようか。」
そう言ってルーベルトは、ノエルの手をとり馬車から降りた。
すると同時に、ルーベルト達に向かってたくさんの視線が注がれた。
「ルーベルト様よ、相変わらずお美しいわ…。」
「あの幼子は誰だ…?まさかクーレル家の三男か!?初めて見たが、なんとも………後で声を掛けよう。」
言わずもがなルーベルトは、見目麗しいことで学園の内外で有名であった。
そして、この頃のノエルは何とも儚げかつ可愛げのある、ご令嬢方も竦んでしまうような超絶美形に成長していたのだ。
僕、なんかか見られてる…かな?にっこりしといたらいっか!
そう思い、ノエルは視線が注がれている方へ、いつもの如く破壊力が凄まじい天使スマイルを向けた。
「………………!!!!」
笑顔を向けた方から声にならない声が次々と上がっている。
「はぁ………、こうなると思ったからあまり外に出してこなかったのに。まぁいいか、ノエル、絶対に私とルーベルトのそばを離れるなよ?」
「分かった!お利口にしてます!」
そう、今日ノエルの一番の目的はお菓子とお友達なのだ。ノエルは、とりあえずお菓子だけでも食べれれば、程度にしか考えていないので右手を上に掲げ、子供特有の通る声で「はい!」と返事をした。
そして、ルーベルト達はパーティー入場の為に入口の前で待機列へと並んだ。
その間も沢山の好意の目や、勇猛果敢に声を掛けてくる輩がいたが、ロイスがその眼圧で全て一掃していった。
そしてルーベルトの名が呼ばれ、クーレル家一同が入場した。
すると、今までにはない程の黄色い歓声と、自分の娘をあわよくば、と狙う刺すような視線が嫌という程注がれた。
流石にこの場でルーベルトの手を握れないノエルは、ロイスの服の裾を小さくつまんでいる。
「ノエル、大丈夫。すぐ席につくから安心しろ。」
小さな声でロイスがノエルに話しかけてくれた。
すっごく皆に見られてる気がして恥ずかしいなぁ。でもルー兄さんの卒業パーティなんだから僕が緊張しちゃダメだよね、うん。
そうしてノエルは長いようで短い距離を歩ききり、席に着いた。
………ふぅ。とりあえず席に着けて良かった…。
ルーベルトの卒業パーティーは、まだ始まったばかりである。
何故かって、今日は、ルー兄さんの卒業パーティだからだ。
「ノエル坊ちゃん、御髪を整えて用意された衣装に着替えましょうね。」
「はぁーい!」
そう言ってノエルは思い切り右手を上にあげた。
エマや侍女のみんなが僕の準備を手伝ってくれるからすっごく着替えは、楽なんだよなぁ。
ただ、髪の毛を整えられていると眠たくなってくるのがダメだぁ………。
そんなこんなで準備が終わり、昼食を食べ終えた。
今日は、ルー兄さんもロイ兄さんも忙しいみたいで、昼食にはお父様しかいなかった。
ちょっぴり寂しかったけど、これからパーティが待ってると思うと全然平気!
そしてノエルはパーティーの始まる時間が来るのを待つのであった。
♢♢♢
「ノエル、そろそろ行こうか。」
お気に入りの絵本を読んでいると、扉の方からルー兄さんの声が聞こえてきた。
「うん!今行くね。」
僕は絵本を机の上に置いてルー兄さんと手を繋ごうと手を伸ばした。
「本当に可愛い………、じゃあ行こうか。」
ルーベルトはノエルの手を取り馬車が止まっている場所に向かって歩き出した。
そしてロイス、ルーベルト、ノエルはそれぞれ馬車に乗り込み、パーティ会場である学園へ向かった。
パーティーってどんなだろ?お菓子いっぱい食べれるかなぁ…。お友達もたっくさんいるのかな?すっごく楽しみだぁ……!
ノエルはそんなことを考えながらいつもの如く、ルーベルトの膝の上で馬車中の時間を過ごした。
馬車がゆっくりとスピードを落とし、完全に停止した。
「よし、ノエル降りようか。」
そう言ってルーベルトは、ノエルの手をとり馬車から降りた。
すると同時に、ルーベルト達に向かってたくさんの視線が注がれた。
「ルーベルト様よ、相変わらずお美しいわ…。」
「あの幼子は誰だ…?まさかクーレル家の三男か!?初めて見たが、なんとも………後で声を掛けよう。」
言わずもがなルーベルトは、見目麗しいことで学園の内外で有名であった。
そして、この頃のノエルは何とも儚げかつ可愛げのある、ご令嬢方も竦んでしまうような超絶美形に成長していたのだ。
僕、なんかか見られてる…かな?にっこりしといたらいっか!
そう思い、ノエルは視線が注がれている方へ、いつもの如く破壊力が凄まじい天使スマイルを向けた。
「………………!!!!」
笑顔を向けた方から声にならない声が次々と上がっている。
「はぁ………、こうなると思ったからあまり外に出してこなかったのに。まぁいいか、ノエル、絶対に私とルーベルトのそばを離れるなよ?」
「分かった!お利口にしてます!」
そう、今日ノエルの一番の目的はお菓子とお友達なのだ。ノエルは、とりあえずお菓子だけでも食べれれば、程度にしか考えていないので右手を上に掲げ、子供特有の通る声で「はい!」と返事をした。
そして、ルーベルト達はパーティー入場の為に入口の前で待機列へと並んだ。
その間も沢山の好意の目や、勇猛果敢に声を掛けてくる輩がいたが、ロイスがその眼圧で全て一掃していった。
そしてルーベルトの名が呼ばれ、クーレル家一同が入場した。
すると、今までにはない程の黄色い歓声と、自分の娘をあわよくば、と狙う刺すような視線が嫌という程注がれた。
流石にこの場でルーベルトの手を握れないノエルは、ロイスの服の裾を小さくつまんでいる。
「ノエル、大丈夫。すぐ席につくから安心しろ。」
小さな声でロイスがノエルに話しかけてくれた。
すっごく皆に見られてる気がして恥ずかしいなぁ。でもルー兄さんの卒業パーティなんだから僕が緊張しちゃダメだよね、うん。
そうしてノエルは長いようで短い距離を歩ききり、席に着いた。
………ふぅ。とりあえず席に着けて良かった…。
ルーベルトの卒業パーティーは、まだ始まったばかりである。
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