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第1章 幼年期
2.奇跡
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エルメンガルドの部屋を出たたロイス達は一室に集まり、先程誕生したばかりのノエル・クーレルの顔を覗いていた。
「めちゃくちゃ可愛い……」
次男のローレンツが口を開いた。ローレンツは深い青色の短髪に、同じく深い青色の目を持った8歳の少年だ。そんな普段は表情が固い彼が、家族ですら見た事のないような顔で口角を吊り上げている。
「ロイのそんなぽけーっとした顔初めて見たよ。確かにノエルはめちゃくちゃに可愛いけれど…」
長男のルーベルトがローレンツの肩に手を置き、その背後から、産まれたばかりの赤子の顔を覗き込んだ。
ルーベルトは少し長めのブロンドの髪を後ろでひとつで纏めて、父と同じく深紅の目を持った9歳の少年だ。
「あぁ……、マジで可愛い。」
「っふ…やばい、ロイの顔が面白すぎる…、っく」
ローレンツはルーベルトにからかわれるように笑われ、いつもの真顔に戻ってしまった。
「お前も普段からノエルみたいにちょっとは可愛い顔してみろよ。」
「無理。」
そう言うと再びノエルの方に顔を向け、話を聞かなくなってしまった。
「まぁ、いっか。僕もノエルの顔見よーっと。」
そう言って、ルーベルトも再度ノエルの眠るベッドを覗き込んだ。すると、ノエルは可愛らしく声を発した。
「………ぅあ…」
「おい、ルー!ノエルが喋ったぞ!!やばいほんとに可愛い、なぁ抱っこしたい!してもいいか…?」
すると、近くにいた乳母がノエルを優しく抱き上げた。
「ローレンツお坊ちゃま、絶対に手を離しちゃいけませんよ?乳母がこちら側からも支えておりますから。首をしっかりと支えてあげてくださいな。」
ローレンツは乳母からノエルを受け取り、その腕の中に抱き抱えた。
「ぁあ!」
ローレンツがノエルを抱えるその微笑ましい光景に、一同が笑みを深めた。
「次は僕にも抱っこさせて!」
ルーベルトもローレンツの腕の中にいるノエルを自身の胸に譲り受けると、そっと優しく抱き抱えた。
ロイスはそんな幸せな光景をにこやかに見つめる一方、思考はどこか明後日の方向を向いていた。
リーゼルの血は通っていないはずなのに似通った容姿の子が、ノエルが、生まれてきてくれた奇跡に今は亡き妻に思いを馳せていた。
リーゼル、最後に私達に最高の宝物を残してくれてありがとう。本当は君とずっといたかったが……君の分まで俺達がこの子を愛してあげよう。
ロイスは幸せな光景に再度目を細め、そう心の中で呟いた。
「次は私にノエルを抱かせてくれないか?ロイ?」
「もちろん!お父様もこっちに来てください!」
「めちゃくちゃ可愛い……」
次男のローレンツが口を開いた。ローレンツは深い青色の短髪に、同じく深い青色の目を持った8歳の少年だ。そんな普段は表情が固い彼が、家族ですら見た事のないような顔で口角を吊り上げている。
「ロイのそんなぽけーっとした顔初めて見たよ。確かにノエルはめちゃくちゃに可愛いけれど…」
長男のルーベルトがローレンツの肩に手を置き、その背後から、産まれたばかりの赤子の顔を覗き込んだ。
ルーベルトは少し長めのブロンドの髪を後ろでひとつで纏めて、父と同じく深紅の目を持った9歳の少年だ。
「あぁ……、マジで可愛い。」
「っふ…やばい、ロイの顔が面白すぎる…、っく」
ローレンツはルーベルトにからかわれるように笑われ、いつもの真顔に戻ってしまった。
「お前も普段からノエルみたいにちょっとは可愛い顔してみろよ。」
「無理。」
そう言うと再びノエルの方に顔を向け、話を聞かなくなってしまった。
「まぁ、いっか。僕もノエルの顔見よーっと。」
そう言って、ルーベルトも再度ノエルの眠るベッドを覗き込んだ。すると、ノエルは可愛らしく声を発した。
「………ぅあ…」
「おい、ルー!ノエルが喋ったぞ!!やばいほんとに可愛い、なぁ抱っこしたい!してもいいか…?」
すると、近くにいた乳母がノエルを優しく抱き上げた。
「ローレンツお坊ちゃま、絶対に手を離しちゃいけませんよ?乳母がこちら側からも支えておりますから。首をしっかりと支えてあげてくださいな。」
ローレンツは乳母からノエルを受け取り、その腕の中に抱き抱えた。
「ぁあ!」
ローレンツがノエルを抱えるその微笑ましい光景に、一同が笑みを深めた。
「次は僕にも抱っこさせて!」
ルーベルトもローレンツの腕の中にいるノエルを自身の胸に譲り受けると、そっと優しく抱き抱えた。
ロイスはそんな幸せな光景をにこやかに見つめる一方、思考はどこか明後日の方向を向いていた。
リーゼルの血は通っていないはずなのに似通った容姿の子が、ノエルが、生まれてきてくれた奇跡に今は亡き妻に思いを馳せていた。
リーゼル、最後に私達に最高の宝物を残してくれてありがとう。本当は君とずっといたかったが……君の分まで俺達がこの子を愛してあげよう。
ロイスは幸せな光景に再度目を細め、そう心の中で呟いた。
「次は私にノエルを抱かせてくれないか?ロイ?」
「もちろん!お父様もこっちに来てください!」
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