ドラゴンテイマー

第一章オオカミの子

〜過去〜

こくっこくっ

キリアは、ふねを漕ぎ始める。

「キリアちゃん、眠いの？」

『まぁ、今日はいきなり色々あったしね。
　キリアが落ちない様に抑えててくれるよね？』

「勿論よ」
……………………
大体10歳かそこらの時

「お前、孤児で化け物のくせに！オレらより成績良いとかなまいきなんだよ！！」

「「そーだ、そーだ！」」

理不尽だ。

　否定しようと口を動かす。
「私は…化け物じゃない」

しかし言い返した言葉は、思っていたよりかぼそくて

「聞こえねーな！」
　そして私を押し倒し、私の持っていた教科書やノートを踏みつける

せっかく買ってもらった教科書を
「やめて…やめて」
……………………
「やめて！」
「大丈夫！？キリアちゃん！」

    夢……いつぶりだろうあの時の、夢を見るなんて

「大丈夫…ありがと」

大丈夫…大丈夫…ここでは、私を化け物って言う人はいないだいしょうぶ…
小刻みに震える私を抱きしめるようなかたちでフィンが言う。

「よっぽど怖い夢を見たのね…大丈夫よ何があっても私とカル様で守るから。」

なんでなのかは、分からないけど目からポロポロと涙が溢れる

「…ありがとう……」