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ケーキとサンタと
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玄関チャイムを鳴らすと、すぐに扉が開いた。
「ただい――えっ? 大おじさん、来てたの?」
「ちょっと卓くんに頼まれていた資料を届けに来たんだ」
「もしかして、それって……」
直くんの改名についての資料かと思って、小声で尋ねると大おじさんは笑顔で頷いた。
大おじさんと伯父さんがこんなにもすぐに動いてくれたなら、改名も早く進みそうだ。
「ありがとう、大おじさん」
「ははっ、私にとっても可愛い孫のことだ。気にしないでいいよ」
可愛い孫、か……。
もう大おじさんにとって、直くんは絢斗さんの本当の子どものように映っているんだろうな。
直くんと絢斗さん、だんだんと似てきたしそう思っても不思議はないのかも。
「昇さーん! お帰りなさい!」
玄関先で大おじさんと話をしていると部屋の奥から直くんが笑顔で駆け寄ってきた。
「ただいま。何かしてた?」
「はい。ふーちゃんと毅パパの動画を見てて……」
「母さんと父さんの?」
一体何の動画だろう?
不思議に思いつつも中に入ると、直くんが俺の胸に飛び込んできた。
「サンタクロースが届けてくれたんですよ!」
嬉しそうに俺に抱きつきながら教えてくれるけれど全くわからない。
けれど、直くんは笑顔のまま俺の頬におかえりのキスしてくれた。
それを見ていた大おじさんの表情が一瞬止まっていたけれど、これは止めようがないことはわかってくれているだろう。
「直くん、おやつを食べながら話をするといい」
「はーい! 僕も準備しますね!」
大おじさんの声かけに直くんは俺からパッと離れるとキッチンのほうに駆けていった。
「あの、大おじさん……」
「昇も早く着替えて来なさい」
「あ、うん」
大おじさんは俺と直くんのことを認めてくれているけれど、目の前で俺と直くんの戯れというかああいうものを見るのはちょっと嫌なのかもしれない。
俺を玄関に置いてスタスタとキッチンに歩いていく大おじさんを見ながら、伯父さん……絢斗さんと結婚する時、大変だったんだろうな……と思ってしまった。
でも、俺は伯父さんだけでなく、大おじさんやじいちゃんからも認めてもらわないといけないのか……。
多分、直くんと結婚できるまであと十年くらいかかりそうだけど、それまでに必死で認めてもらわないとな。
気合いを入れながら、一度自分の部屋に行き、着替えを済ませてからリビングに向かった。
「あ、ケーキ?」
「はい。おじいちゃんがお土産に買ってきてくれたんです。昇さんは何がいいですか?」
ものすごく食べたそうな顔をしているのに、俺に聞いてくれる直くんが可愛い。
「直くんが食べたいものを選んでからでいいよ」
俺の言葉にぱあっと顔を綻ばせた直くんは絢斗さんと話をして、決めたようだ。
直くんはフルーツがたくさんのったタルトを、絢斗さんはモンブランをそれぞれ選んでいた。
残ったケーキはチョコレートケーキとイチゴのショートケーキ、そしてチーズケーキとプリンか。
多分、チョコレートケーキとイチゴのショートケーキは絢斗さんと直くんのために買ってきたものだろう。
「よかった、俺チーズケーキ好きなんだ!」
俺が箱からチーズケーキを取り出すと直くんが嬉しそうに笑う。
大おじさんの前にプリンを置いて、楽しいお茶の時間が始まった。
「んー! おじいちゃん、このケーキ。とっても美味しいです!」
「本当! お父さん、このモンブラン最高だよ!」
「ははっ、そうか。気に入ってもらえて嬉しいよ」
直くんと絢斗さんのおかげで大おじさんが上機嫌になっている。
本当によかった。
「直くん、このチーズケーキも美味しいよ。食べてみる?」
フォークにのせて差し出すと、直くんの小さな口がケーキをパクッと食べる。
それが可愛くてたまらない。
「んー! 美味しいです!」
また大おじさんを不機嫌にさせてしまうかと少し思ったけれど、直くんが喜んでいるから大丈夫っぽい。
ふぅ……よかった。
「それでさっきのサンタがどうのこうのって話は何?」
「あ、それは……」
「ねぇ、直くん。せっかくならおっきな画面で見ようよ」
絢斗さんの提案で、直くんのスマホにある動画を絢斗さんのスマホに送り、そこから部屋にあるプロジェクターに映した。
直くんはウキウキしている様子だけど、俺は何が出てくるかわからない。
ちょっと緊張してみていると、スピーカーから久しぶりに聞く声が聞こえた。
――二葉は先に直くんからの贈り物を開けるといい。私は昇の手紙を読んでおくよ。
これ、父さん?
俺からの手紙って……まさか。
「もしかして、もう届いたってこと?」
「せいかーい!」
「えっ、でもあれからまだ数日しか経ってないけど……」
驚く俺の隣で直くんが嬉しそうに教えてくれた。
「サンタさんが、ふーちゃんと毅パパのところに持っていってくれたんです」
「えっ……」
驚いて大おじさんをみると笑顔で頷いているのが見える。
それって直接父さんたちのところに持っていってくれたってこと?
フランスまで?
しかもその時の様子を動画に残してくれているなんて……。
そりゃあ直くんがサンタクロースだと思うのも無理はない。
驚く俺を横目に画面の中の母さんは、直くんがラッピングした包みからマフラーを取り出していた。
――わぁ! とても温かいわ!! 直くん、素敵なマフラーを選んでくれたのね。寒いフランスにはぴったりだわ。
息子の俺にも、母さんが心から喜んでいる様子が伝わってきて嬉しくてたまらなかった。
直くん、一生懸命編んでいたからな。
あの笑顔を見るために頑張ったんだもんな。
本当によかった。
「ただい――えっ? 大おじさん、来てたの?」
「ちょっと卓くんに頼まれていた資料を届けに来たんだ」
「もしかして、それって……」
直くんの改名についての資料かと思って、小声で尋ねると大おじさんは笑顔で頷いた。
大おじさんと伯父さんがこんなにもすぐに動いてくれたなら、改名も早く進みそうだ。
「ありがとう、大おじさん」
「ははっ、私にとっても可愛い孫のことだ。気にしないでいいよ」
可愛い孫、か……。
もう大おじさんにとって、直くんは絢斗さんの本当の子どものように映っているんだろうな。
直くんと絢斗さん、だんだんと似てきたしそう思っても不思議はないのかも。
「昇さーん! お帰りなさい!」
玄関先で大おじさんと話をしていると部屋の奥から直くんが笑顔で駆け寄ってきた。
「ただいま。何かしてた?」
「はい。ふーちゃんと毅パパの動画を見てて……」
「母さんと父さんの?」
一体何の動画だろう?
不思議に思いつつも中に入ると、直くんが俺の胸に飛び込んできた。
「サンタクロースが届けてくれたんですよ!」
嬉しそうに俺に抱きつきながら教えてくれるけれど全くわからない。
けれど、直くんは笑顔のまま俺の頬におかえりのキスしてくれた。
それを見ていた大おじさんの表情が一瞬止まっていたけれど、これは止めようがないことはわかってくれているだろう。
「直くん、おやつを食べながら話をするといい」
「はーい! 僕も準備しますね!」
大おじさんの声かけに直くんは俺からパッと離れるとキッチンのほうに駆けていった。
「あの、大おじさん……」
「昇も早く着替えて来なさい」
「あ、うん」
大おじさんは俺と直くんのことを認めてくれているけれど、目の前で俺と直くんの戯れというかああいうものを見るのはちょっと嫌なのかもしれない。
俺を玄関に置いてスタスタとキッチンに歩いていく大おじさんを見ながら、伯父さん……絢斗さんと結婚する時、大変だったんだろうな……と思ってしまった。
でも、俺は伯父さんだけでなく、大おじさんやじいちゃんからも認めてもらわないといけないのか……。
多分、直くんと結婚できるまであと十年くらいかかりそうだけど、それまでに必死で認めてもらわないとな。
気合いを入れながら、一度自分の部屋に行き、着替えを済ませてからリビングに向かった。
「あ、ケーキ?」
「はい。おじいちゃんがお土産に買ってきてくれたんです。昇さんは何がいいですか?」
ものすごく食べたそうな顔をしているのに、俺に聞いてくれる直くんが可愛い。
「直くんが食べたいものを選んでからでいいよ」
俺の言葉にぱあっと顔を綻ばせた直くんは絢斗さんと話をして、決めたようだ。
直くんはフルーツがたくさんのったタルトを、絢斗さんはモンブランをそれぞれ選んでいた。
残ったケーキはチョコレートケーキとイチゴのショートケーキ、そしてチーズケーキとプリンか。
多分、チョコレートケーキとイチゴのショートケーキは絢斗さんと直くんのために買ってきたものだろう。
「よかった、俺チーズケーキ好きなんだ!」
俺が箱からチーズケーキを取り出すと直くんが嬉しそうに笑う。
大おじさんの前にプリンを置いて、楽しいお茶の時間が始まった。
「んー! おじいちゃん、このケーキ。とっても美味しいです!」
「本当! お父さん、このモンブラン最高だよ!」
「ははっ、そうか。気に入ってもらえて嬉しいよ」
直くんと絢斗さんのおかげで大おじさんが上機嫌になっている。
本当によかった。
「直くん、このチーズケーキも美味しいよ。食べてみる?」
フォークにのせて差し出すと、直くんの小さな口がケーキをパクッと食べる。
それが可愛くてたまらない。
「んー! 美味しいです!」
また大おじさんを不機嫌にさせてしまうかと少し思ったけれど、直くんが喜んでいるから大丈夫っぽい。
ふぅ……よかった。
「それでさっきのサンタがどうのこうのって話は何?」
「あ、それは……」
「ねぇ、直くん。せっかくならおっきな画面で見ようよ」
絢斗さんの提案で、直くんのスマホにある動画を絢斗さんのスマホに送り、そこから部屋にあるプロジェクターに映した。
直くんはウキウキしている様子だけど、俺は何が出てくるかわからない。
ちょっと緊張してみていると、スピーカーから久しぶりに聞く声が聞こえた。
――二葉は先に直くんからの贈り物を開けるといい。私は昇の手紙を読んでおくよ。
これ、父さん?
俺からの手紙って……まさか。
「もしかして、もう届いたってこと?」
「せいかーい!」
「えっ、でもあれからまだ数日しか経ってないけど……」
驚く俺の隣で直くんが嬉しそうに教えてくれた。
「サンタさんが、ふーちゃんと毅パパのところに持っていってくれたんです」
「えっ……」
驚いて大おじさんをみると笑顔で頷いているのが見える。
それって直接父さんたちのところに持っていってくれたってこと?
フランスまで?
しかもその時の様子を動画に残してくれているなんて……。
そりゃあ直くんがサンタクロースだと思うのも無理はない。
驚く俺を横目に画面の中の母さんは、直くんがラッピングした包みからマフラーを取り出していた。
――わぁ! とても温かいわ!! 直くん、素敵なマフラーを選んでくれたのね。寒いフランスにはぴったりだわ。
息子の俺にも、母さんが心から喜んでいる様子が伝わってきて嬉しくてたまらなかった。
直くん、一生懸命編んでいたからな。
あの笑顔を見るために頑張ったんだもんな。
本当によかった。
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