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昇の主張
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<side卓>
「んー! 卓さん、今日のハンバーグも最高! ねぇ、直くん」
「んー、んー!」
絢斗の声かけに、ハンバーグを頬張っていた直くんが首を縦に振って答えていた。
その様子だけで十分美味しいと言ってくれているのが伝わる。
今日は煮込みハンバーグにしてみたが、付け合わせのブロッコリーをソースに絡めて食べているのが見えて、すっかりブロッコリーを克服してくれたと嬉しくなった。
「パパのハンバーグ、最高です!」
ようやく喋れるようになった直くんが嬉しいことを言ってくれる。
昇が少し嫉妬しているようだから仕方ない。ここははっきり伝えておこうか。
「今日のハンバーグは昇も手伝ってくれたからいつにも増して美味しくなっていると思うよ」
「わぁー! そうなんですね! 昇さん、すっごく美味しいです!!」
嬉しそうに隣に座る昇に笑顔を見せたものだから、昇もすっかりご機嫌になっている。
愛しい相手の反応ひとつでこうも変わるのだから単純なものだ。私も絢斗に言われたら機嫌が良くなるから昇のことはあまり言えないが……。
「ねぇねぇ。週末の餃子パーティーも楽しみだね。悠真くんと真琴くんも一緒だから楽しくなるよ。今日もね、皐月と少し話したんだけど、楽しみすぎて眠れないかもしれないって浮かれてたよ」
「ははっ。鳴宮くんは相変わらずだな。でもずっと直くんに会いたいと言っていたから、そこまで楽しみになるのも仕方ないかもしれないな」
直くんがまだここにきたばかりの頃から、早く会いたいと話していたそうだからな。
鳴宮くんより先に浅香くんたちが直くんに会っているのを知ってずるいと言っていたそうだし、鳴宮くんにとってはようやく会えるという気持ちが強いのだろう。
「当日はマンゴーのあの天使ちゃんにも会えるから、直くんも楽しみだね」
「あの天使さんに会えるんですね!! 嬉しいです!!」
以前、倉橋くんからもらった食材の中に入っていたマンゴー。
その箱に書かれていた天使の絵をいたく気に入っていた直くんは、空になったあの箱を自分の部屋に飾っていた。
何がそこまで直くんを惹きつけたかはわからないが、直くんにはあの天使が大事なものであることは事実だ。
あの天使は真琴くんがモデルになっているだけあって、顔だけでなく雰囲気もよく似ている。
あれを天使のマンゴーとして売り出したのは、最高の選択だったと言えるだろう。
真琴くんは素直で純粋で年齢よりも幼く見える子だから直くんとも仲良くしてくれると思うが、問題は成瀬くんだな。
私も人のことは言えないが、成瀬くんは真琴くんをかなり溺愛しているから、真琴くんが直くんに興味を示したら嫉妬しそうな気がする。
さすがに中学生の子にあからさまな嫉妬は向けないと思うが、しっかりと見守っていてやらないといけないな。
「当日は伊織くんと成瀬くんと宗一郎さんが腕を振るうからお土産も何も持ってこなくていいって言ってたからね」
「それだけ揃っているなら確かにお土産はいらないな」
安慶名くんは料理人として仕事をしているほどの腕前だし、志良堂の腕もよくわかっている。成瀬くんは元々料理上手だったと聞いているが、真琴くんと一緒に暮らすようになってからは真琴くんのために腕を磨いたらしく玄人はだしの腕前になっているらしい。
メインの餃子以外にもそれぞれに得意な料理を振る舞ってくれるそうだから、こちらから料理を持っていっても食べきれなくなるに決まっている。
志良堂たちのことだ、スイーツにも抜かりはないだろう。
当日は家族みんなで心ゆくまでたっぷりと味わわせてもらうとしよう。
そうしてあっという間に当日を迎えた。
「直くん、準備できた?」
「はい。今日の服、昇さんが選んでくれましたー!」
絢斗が声をかけると、部屋から出てきた直くんが可愛らしい服に身を包んでいる。
どことなく昇の服に雰囲気が似ているのは、昇なりの主張なのかもしれない。
なんせ安慶名くんも成瀬くんもイケメンで弁護士。
どちらも桜城大学に首席合格を果たしているから昇が目標としているような存在だ。
直くんが彼らに惹かれるというか、思いを寄せることなどは決してあり得ないが心配になってしまう気持ちはよくわかる。
私も昇が甥っ子でなければ、絢斗がいるこの家に居候など絶対にさせない。
絢斗が昇に好意を持つことなど決してあり得ないが若い男と絢斗を一緒に住まわせたくはない。
そう考えたら志良堂はすごいな。
高校生の安慶名くんを引き取って鳴宮くんも一緒にいるあの家で一緒に暮らしていたのだから。
自分が同じ状況になって志良堂の凄さを知ったような気がする。
「うん。よく似合ってるよ! 今日も可愛い!!」
絢斗と直くんは昇の主張には多分気づいていないだろう。
無邪気に笑い合う二人が愛おしくてたまらない。
「んー! 卓さん、今日のハンバーグも最高! ねぇ、直くん」
「んー、んー!」
絢斗の声かけに、ハンバーグを頬張っていた直くんが首を縦に振って答えていた。
その様子だけで十分美味しいと言ってくれているのが伝わる。
今日は煮込みハンバーグにしてみたが、付け合わせのブロッコリーをソースに絡めて食べているのが見えて、すっかりブロッコリーを克服してくれたと嬉しくなった。
「パパのハンバーグ、最高です!」
ようやく喋れるようになった直くんが嬉しいことを言ってくれる。
昇が少し嫉妬しているようだから仕方ない。ここははっきり伝えておこうか。
「今日のハンバーグは昇も手伝ってくれたからいつにも増して美味しくなっていると思うよ」
「わぁー! そうなんですね! 昇さん、すっごく美味しいです!!」
嬉しそうに隣に座る昇に笑顔を見せたものだから、昇もすっかりご機嫌になっている。
愛しい相手の反応ひとつでこうも変わるのだから単純なものだ。私も絢斗に言われたら機嫌が良くなるから昇のことはあまり言えないが……。
「ねぇねぇ。週末の餃子パーティーも楽しみだね。悠真くんと真琴くんも一緒だから楽しくなるよ。今日もね、皐月と少し話したんだけど、楽しみすぎて眠れないかもしれないって浮かれてたよ」
「ははっ。鳴宮くんは相変わらずだな。でもずっと直くんに会いたいと言っていたから、そこまで楽しみになるのも仕方ないかもしれないな」
直くんがまだここにきたばかりの頃から、早く会いたいと話していたそうだからな。
鳴宮くんより先に浅香くんたちが直くんに会っているのを知ってずるいと言っていたそうだし、鳴宮くんにとってはようやく会えるという気持ちが強いのだろう。
「当日はマンゴーのあの天使ちゃんにも会えるから、直くんも楽しみだね」
「あの天使さんに会えるんですね!! 嬉しいです!!」
以前、倉橋くんからもらった食材の中に入っていたマンゴー。
その箱に書かれていた天使の絵をいたく気に入っていた直くんは、空になったあの箱を自分の部屋に飾っていた。
何がそこまで直くんを惹きつけたかはわからないが、直くんにはあの天使が大事なものであることは事実だ。
あの天使は真琴くんがモデルになっているだけあって、顔だけでなく雰囲気もよく似ている。
あれを天使のマンゴーとして売り出したのは、最高の選択だったと言えるだろう。
真琴くんは素直で純粋で年齢よりも幼く見える子だから直くんとも仲良くしてくれると思うが、問題は成瀬くんだな。
私も人のことは言えないが、成瀬くんは真琴くんをかなり溺愛しているから、真琴くんが直くんに興味を示したら嫉妬しそうな気がする。
さすがに中学生の子にあからさまな嫉妬は向けないと思うが、しっかりと見守っていてやらないといけないな。
「当日は伊織くんと成瀬くんと宗一郎さんが腕を振るうからお土産も何も持ってこなくていいって言ってたからね」
「それだけ揃っているなら確かにお土産はいらないな」
安慶名くんは料理人として仕事をしているほどの腕前だし、志良堂の腕もよくわかっている。成瀬くんは元々料理上手だったと聞いているが、真琴くんと一緒に暮らすようになってからは真琴くんのために腕を磨いたらしく玄人はだしの腕前になっているらしい。
メインの餃子以外にもそれぞれに得意な料理を振る舞ってくれるそうだから、こちらから料理を持っていっても食べきれなくなるに決まっている。
志良堂たちのことだ、スイーツにも抜かりはないだろう。
当日は家族みんなで心ゆくまでたっぷりと味わわせてもらうとしよう。
そうしてあっという間に当日を迎えた。
「直くん、準備できた?」
「はい。今日の服、昇さんが選んでくれましたー!」
絢斗が声をかけると、部屋から出てきた直くんが可愛らしい服に身を包んでいる。
どことなく昇の服に雰囲気が似ているのは、昇なりの主張なのかもしれない。
なんせ安慶名くんも成瀬くんもイケメンで弁護士。
どちらも桜城大学に首席合格を果たしているから昇が目標としているような存在だ。
直くんが彼らに惹かれるというか、思いを寄せることなどは決してあり得ないが心配になってしまう気持ちはよくわかる。
私も昇が甥っ子でなければ、絢斗がいるこの家に居候など絶対にさせない。
絢斗が昇に好意を持つことなど決してあり得ないが若い男と絢斗を一緒に住まわせたくはない。
そう考えたら志良堂はすごいな。
高校生の安慶名くんを引き取って鳴宮くんも一緒にいるあの家で一緒に暮らしていたのだから。
自分が同じ状況になって志良堂の凄さを知ったような気がする。
「うん。よく似合ってるよ! 今日も可愛い!!」
絢斗と直くんは昇の主張には多分気づいていないだろう。
無邪気に笑い合う二人が愛おしくてたまらない。
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