ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

文字の大きさ
291 / 677

イケメンすぎて

しおりを挟む
<side昇>

直くんがじいちゃん達に声をかけて走っていく。
もちろん手を繋いでいるから俺も一緒だ。
決して手を離したりしない。

駆け寄りながらじいちゃんたちを見ると今まで見たことのない表情をしている。
何度も俺と直くんを見比べて茫然としている。

どうやらサプライズはうまく行ったみたいだ。

直くんが二人の目の前でくるくると回ってみせる。

その可愛い姿にじいちゃんたちはもちろん、橋で他に待ち合わせをしていた人たちも釘付けになっていた。

「わかっただろう? 直くんの可愛さが。お前、本当に今日は気をつけないといけないぞ」

俺たちの後ろにいた伯父さんからこそっと注意されて、俺は気を引き締めた。

初めて会った時から可愛かったけれど、健康的になってきてより一層可愛さに拍車がかかったもんな。
今日が楽しく終えられるように頑張らないとな。

直くんの可愛さに昇天しかかっていたじいちゃんと大おじさんだったけれど、直くんから感想を求められてすぐに返事を返せるのは流石だと思った。
俺は可愛すぎてすぐには返せないと正直に伝えたけれど、いつまでもそれに甘えるわけにはいかない。
俺もすぐに反応できるように頑張ろう!

なんて思っていると、

「おーい! 磯山ー!」

橋の反対側から村山の声が聞こえてきた。
手を振っている村山の隣で、この数日で見慣れた制服に身を包んだカールと家族四人で歩いている姿は何の違和感もない。まさしく家族といった様子だ。

カールは直くんの姿が目に入った途端、

「ナオ!!」

嬉しそうに駆け出してきた。
もちろん、手を繋いだま村山も一緒についてくる。

「カール!」

カールにナオと呼ばれた直くんは破顔の表情で近づいた。
直くんが近づいたからか、村山が握っていたカールの手を離すと、二人で手を繋いで嬉しそうにその場で小さく飛び跳ねる。

「ナオに会いたかったよー」

「僕も、カールに会いたかったです」

「ナオ、制服似合ってるね」

「カールもすごく似合ってます。今日のお出かけ、僕……すっごく楽しみにしてました!」

「うん、僕もだよ!!」

ああ、もう二人の会話が可愛すぎる。
あまりの可愛さに誰も邪魔できないまま見守っていたけれど、この上ない可愛さにかなりの注目を浴びまくっている。
俺は村山にアイコンタクトをすると、村山も大きく頷いた。
そして俺たちは周りから二人が見えないようにさっと、直くんたちと周りからの間に立ち塞がった。
それに気がついたじいちゃんたちも二人を囲むように立ってくれる。

ああ、やっぱりじいちゃんたちはさすがだな。

「カールくん、初めましてだね。私は直くんと昇のOpaオーパだよ」

「わぁ! Opaおじいちゃん!会えて嬉しいです!」

「私も直くんのOpaだよ。よろしくね」

「すごーい! ナオ、かっこいいOpaがいて羨ましいよ」

イケオジなじいちゃんと大おじさんに挨拶されて、カールは心から羨ましそうな声を出していた。
直くんはキラキラとした目でカールに見つめられて嬉しそうに、そして少し得意げな表情で笑っていた。

「とりあえず最初の目的地に移動しよう。カール、行きたい場所があるんだろう?」

「あ、そうそう! ルリママから教えてもらった美味しいクレープ屋さんに行きたいんだ。ねっ、ルリママ」

「ええ。早速行きましょうか」

かなりの大所帯で移動するのは大変だが、じいちゃんたちは揉めることなく、大おじさんはカールの隣に、じいちゃんは直くんの隣にたち歩き始めた。

村山と大おじさんでカールを挟んで先頭を歩き、その後ろを俺とじいちゃんで直くんを挟み、伯父さんと絢斗さん。そして村山の両親が後ろをついてくる。

可愛い直くんとカールにはかなり視線が集まっているが、年寄りとはいえ、体格のいい大おじさんとじいちゃんがいるからか、寄ってくる奴らはいない。やっぱり今日はみんなで来て正解だったかもな。

しばらく歩いて目的のクレープ屋に到着。
少し並んでいたが、そこまで時間はかからなさそうだ。

「お待ちの間にメニュー表をご覧ください」

並んでいる客にクレープ屋のスタッフがメニュー表を順番に渡しに来て、俺たちの前にいる村山たちに渡そうとしたが、

「お待ちのあい――っ!!!!」

村山たちの顔を見た瞬間、持っていたメニューをバラバラと落としてしまった。

「ご、ごめんなさいっ」

慌てて拾い集めようとするスタッフの隣で、大おじさんがさっとしゃがみ込みあっという間に散らばってしまった全てのメニューを拾い集めた。

「気をつけるんだよ」

「は、はい。ありがとう、ございます……」

スタッフはポーッとした目で大おじさんを見ながらメニューを渡し、今度は俺たちの列にやってきた。

「お待ちの間にメニューをご覧ください」

「ああ、ありがとう。助かるよ」

「――っ!!!」

じいちゃんの笑顔にさらに顔を赤くしたスタッフは少しよろよろとしながら、俺たちの後ろに立っていた伯父さんたちにメニューを渡す。

そして同じようによろよろしながら村山の両親にもメニューを渡し、戻っていく最中に

「やばっ! なにこれ? ドッキリ? 並んでいる人たちみんなイケメンだらけなんだけど……っ」

ぶつぶつ言いながら店に戻っていくのが聞こえて、少し笑ってしまった。
しおりを挟む
感想 1,244

あなたにおすすめの小説

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新

余命半年の僕は、君を英雄にするために「裏切り者」の汚名を着る

深渡 ケイ
ファンタジー
魔力を持たない少年アルトは、ある日、残酷な未来を知ってしまう。 最愛の幼馴染であり「勇者」であるレナが、半年後に味方の裏切りによって惨殺される未来を。 未来を変える代償として、半年で全身が石化して死ぬ呪いを受けたアルトは、残された命をかけた孤独な決断を下す。 「僕が最悪の裏切り者となって、彼女を救う礎になろう」 卓越した頭脳で、冷徹な「悪の参謀」を演じるアルト。彼の真意を知らないレナは、彼を軽蔑し、やがて憎悪の刃を向ける。 石化していく体に走る激痛と、愛する人に憎まれる絶望。それでも彼は、仮面の下で血の涙を流しながら、彼女を英雄にするための完璧なシナリオを紡ぎ続ける。 これは、誰よりも彼女の幸せを願った少年が、世界一の嫌われ者として死んでいく、至高の献身の物語。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について

いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。 実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。 ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。 誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。 「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」 彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。 現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。 それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。

拗らせ問題児は癒しの君を独占したい

結衣可
BL
前世で限界社畜として心をすり減らした青年は、異世界の貧乏子爵家三男・セナとして転生する。王立貴族学院に奨学生として通う彼は、座学で首席の成績を持ちながらも、目立つことを徹底的に避けて生きていた。期待されることは、壊れる前触れだと知っているからだ。 一方、公爵家次男のアレクシスは、魔法も剣術も学年トップの才能を持ちながら、「何も期待されていない」立場に嫌気がさし、問題児として学院で浮いた存在になっていた。 補習課題のペアとして出会った二人。 セナはアレクシスを特別視せず、恐れも媚びも見せない。その静かな態度と、美しい瞳に、アレクシスは強く惹かれていく。放課後を共に過ごすうち、アレクシスはセナを守りたいと思い始める。 身分差と噂、そしてセナが隠す“癒やしの光魔法”。 期待されることを恐れるセナと、期待されないことに傷つくアレクシスは、すれ違いながらも互いを唯一の居場所として見つけていく。 これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。 お話を追加いたしました。

処理中です...