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日常の変化
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「わぁー! 美味しそう!」
絢斗の目の前にやってきたのは、ブロッコリーとベーコンのクリームパスタ。
あれ? 今日のおすすめランチは確か、ブロッコリーと海老のトマトクリームだったはず。
そもそもこの店のメニューでブロッコリーはトマトしかなかったはずだ。
「麻也くん、これは……」
「先生のと分けて二種類のパスタを召し上がっていただきたくて祥太郎が作った特別メニューです」
「そうか、ありがとう。ありがたくいただくよ」
直くんがブロッコリーを見ると実家で食べていたものを思い出すと打ち明けてくれた時から我が家の食卓からブロッコリーは消えたが、絢斗は昔からブロッコリーが好きだ。
ここでも以前話したことがあったのを祥太郎くんは覚えていてくれたのだろう。
今の我が家の状況は全く知らずに作ってくれたのが、本当に絢斗のためという気持ちがして嬉しい限りだ。
麻也くんがとりわけの皿を用意していてくれたから私のパスタと絢斗のパスタを取り分けて二種類の味を楽しむ。
もちろん絢斗にはブロッコリーを多めに入れてやると嬉しそうに食べていた。
「ここ、直くんも連れてきたいね」
「ああ。そうだな。確かスイーツは持ち帰りができたから買って帰ろうか」
「あ、それいい!」
二人で過ごす時間の中にも可愛い息子の話題で溢れているところに、私も父になったのだと実感できる。
本当に私と絢斗にとって直くんは何ものにも変え難い存在となっているのだと改めて思う。
食事を終え、いくつかのスイーツを持ち帰りで頼み、支払いを済ませて自宅に戻った。
しんと静まり返った部屋になんとなく不思議な感じがする。
「卓さん、今静かだなって思ったでしょう?」
「ああ、いつも直くんが出迎えてくれるからな」
「もうすっかり直くんとの生活が日常になってるよね」
「そうだな。だが、いつかはまた二人の生活に戻るぞ」
その時に寂しいなんて思われるのだけは避けなければいけないが、絢斗はやっぱり二人だと寂しいと思うだろうか。
「それって、直くんと昇くんが大人になって巣立つってことだよね。それはそれで素敵かも。その時にまた卓さんと二人っきりになれるのも楽しみだよ、私」
「絢斗……」
私の小さな不安をすぐに消してくれる。
本当に絢斗は素晴らしい私の伴侶だ。
ただいまのキスをして、部屋の中に入る。
手を洗い、買ってきたスイーツを冷蔵庫に入れていると、上着のポケットに入れていたスマホが振動を伝えた。
確かめると相手は昇。しかも動画付き。
十中八九直くんの動画だろうが、昇から可愛い直くんの姿を送ってきてくれるのは珍しい。
なんだろうと思って見てみると、そこには美味しそうに食事をする直くんの姿があった。
刺身好きの父が晩酌に食べてもいいし、海鮮丼にしても食べたりするかもしれないと思って買っていたあの刺身を使って手巻き寿司にしたらしい。
確かに手巻き寿司なら直くんも楽しんでたべられそうだ。
賢将さんのお好み焼きといい、手巻き寿司といい、直くんが楽しめる食事はことごとく先を越されているな……。
私も何か考えないとなと思っていると、画面に信じられない父の姿が現れた。
直くんにうなぎの手巻き寿司を作ってもらい、この上ない笑顔でそれを食べる父の姿だ。
母と食事をしていた時も、母には私たちに見せないような甘い表情を見せていたが、直くんに対するそれは母以上だ。
「絢斗、見てごらん」
「んー、何?」
洗面所から出てきた絢斗に直くんと父の動画を見せると、
「わぁー! お義父さん、嬉しそう!! うちのお父さんと同じくらいメロメロになってるね!」
と嬉しそうに笑っている。
「時々、賢将さんや父に直くんを預けるのもいいかもしれないな」
「そうだね。元気いっぱいもらえそう!」
直くんにとっても愛してくれる存在がたくさんいるというのは嬉しいことだろう。
可愛い息子の楽しげな姿を思い浮かべながら、絢斗との時間を過ごしていた私たちのもとに、毅からクリスマスに帰国するという連絡が来たのは、直くんと昇が帰ってくる少し前のことだった。
<side昇>
「ただいま!」
直くんの声にすぐに伯父さんと絢斗さんが出迎えてくれる。
「ああ、おかえり。あれ? 父さんは?」
「明日もまた会えるからって、俺たちを駐車場で降ろしたらすぐに帰ったよ」
「そうか。直くん、楽しかったかな?」
「はい。パパや毅パパの高校生の時のアルバムを見せてもらって楽しかったです」
「あー、あのアルバム見たんだ! 昇くんにそっくりでしょう?」
「あやちゃんも見たんですね。パパ、すっごくかっこよくて……」
直くんは話をしながらさっさと絢斗さんに連れて行かれて部屋の中に入って行った。
二人とも本当に仲がいいなと思いながらそれを見送っていると、伯父さんが俺にだけ聞こえる声で話しかけてきた。
「昇、あの動画を毅にも送ったんだろう?」
「えっ? うん。じいちゃんと直くんの様子を見たら驚くんじゃないかと思って……何で知っているの?」
「毅が私にも連絡してきたからな」
「なんて?」
「父さんの姿をしっかり自分の目で見たいからクリスマスに数日帰国するって」
父さん、よっぽど驚いたんだな。伯父さんにまですぐに連絡するなんて。
「そっか。父さん、伯父さんにも連絡したんだ。俺にも言ってきたからじいちゃんにも伝えたよ。そうしたら、じいちゃんなんて言ったと思う?」
「なんだ?」
「あの家の庭を飾りつけてクリスマスパーティーをするってさ。伯父さんにも連絡するって言ってたよ」
「そうか……それならかなり大掛かりになりそうだな」
「直くんにとっては大勢でやる初めてのクリスマスだし、楽しいものにしてやりたいな」
「ああ、それが一番の目的だよ」
伯父さんの目がやる気になっている。
きっとものすごいクリスマスパーティーになりそうだ。そんな気がしてならない。
絢斗の目の前にやってきたのは、ブロッコリーとベーコンのクリームパスタ。
あれ? 今日のおすすめランチは確か、ブロッコリーと海老のトマトクリームだったはず。
そもそもこの店のメニューでブロッコリーはトマトしかなかったはずだ。
「麻也くん、これは……」
「先生のと分けて二種類のパスタを召し上がっていただきたくて祥太郎が作った特別メニューです」
「そうか、ありがとう。ありがたくいただくよ」
直くんがブロッコリーを見ると実家で食べていたものを思い出すと打ち明けてくれた時から我が家の食卓からブロッコリーは消えたが、絢斗は昔からブロッコリーが好きだ。
ここでも以前話したことがあったのを祥太郎くんは覚えていてくれたのだろう。
今の我が家の状況は全く知らずに作ってくれたのが、本当に絢斗のためという気持ちがして嬉しい限りだ。
麻也くんがとりわけの皿を用意していてくれたから私のパスタと絢斗のパスタを取り分けて二種類の味を楽しむ。
もちろん絢斗にはブロッコリーを多めに入れてやると嬉しそうに食べていた。
「ここ、直くんも連れてきたいね」
「ああ。そうだな。確かスイーツは持ち帰りができたから買って帰ろうか」
「あ、それいい!」
二人で過ごす時間の中にも可愛い息子の話題で溢れているところに、私も父になったのだと実感できる。
本当に私と絢斗にとって直くんは何ものにも変え難い存在となっているのだと改めて思う。
食事を終え、いくつかのスイーツを持ち帰りで頼み、支払いを済ませて自宅に戻った。
しんと静まり返った部屋になんとなく不思議な感じがする。
「卓さん、今静かだなって思ったでしょう?」
「ああ、いつも直くんが出迎えてくれるからな」
「もうすっかり直くんとの生活が日常になってるよね」
「そうだな。だが、いつかはまた二人の生活に戻るぞ」
その時に寂しいなんて思われるのだけは避けなければいけないが、絢斗はやっぱり二人だと寂しいと思うだろうか。
「それって、直くんと昇くんが大人になって巣立つってことだよね。それはそれで素敵かも。その時にまた卓さんと二人っきりになれるのも楽しみだよ、私」
「絢斗……」
私の小さな不安をすぐに消してくれる。
本当に絢斗は素晴らしい私の伴侶だ。
ただいまのキスをして、部屋の中に入る。
手を洗い、買ってきたスイーツを冷蔵庫に入れていると、上着のポケットに入れていたスマホが振動を伝えた。
確かめると相手は昇。しかも動画付き。
十中八九直くんの動画だろうが、昇から可愛い直くんの姿を送ってきてくれるのは珍しい。
なんだろうと思って見てみると、そこには美味しそうに食事をする直くんの姿があった。
刺身好きの父が晩酌に食べてもいいし、海鮮丼にしても食べたりするかもしれないと思って買っていたあの刺身を使って手巻き寿司にしたらしい。
確かに手巻き寿司なら直くんも楽しんでたべられそうだ。
賢将さんのお好み焼きといい、手巻き寿司といい、直くんが楽しめる食事はことごとく先を越されているな……。
私も何か考えないとなと思っていると、画面に信じられない父の姿が現れた。
直くんにうなぎの手巻き寿司を作ってもらい、この上ない笑顔でそれを食べる父の姿だ。
母と食事をしていた時も、母には私たちに見せないような甘い表情を見せていたが、直くんに対するそれは母以上だ。
「絢斗、見てごらん」
「んー、何?」
洗面所から出てきた絢斗に直くんと父の動画を見せると、
「わぁー! お義父さん、嬉しそう!! うちのお父さんと同じくらいメロメロになってるね!」
と嬉しそうに笑っている。
「時々、賢将さんや父に直くんを預けるのもいいかもしれないな」
「そうだね。元気いっぱいもらえそう!」
直くんにとっても愛してくれる存在がたくさんいるというのは嬉しいことだろう。
可愛い息子の楽しげな姿を思い浮かべながら、絢斗との時間を過ごしていた私たちのもとに、毅からクリスマスに帰国するという連絡が来たのは、直くんと昇が帰ってくる少し前のことだった。
<side昇>
「ただいま!」
直くんの声にすぐに伯父さんと絢斗さんが出迎えてくれる。
「ああ、おかえり。あれ? 父さんは?」
「明日もまた会えるからって、俺たちを駐車場で降ろしたらすぐに帰ったよ」
「そうか。直くん、楽しかったかな?」
「はい。パパや毅パパの高校生の時のアルバムを見せてもらって楽しかったです」
「あー、あのアルバム見たんだ! 昇くんにそっくりでしょう?」
「あやちゃんも見たんですね。パパ、すっごくかっこよくて……」
直くんは話をしながらさっさと絢斗さんに連れて行かれて部屋の中に入って行った。
二人とも本当に仲がいいなと思いながらそれを見送っていると、伯父さんが俺にだけ聞こえる声で話しかけてきた。
「昇、あの動画を毅にも送ったんだろう?」
「えっ? うん。じいちゃんと直くんの様子を見たら驚くんじゃないかと思って……何で知っているの?」
「毅が私にも連絡してきたからな」
「なんて?」
「父さんの姿をしっかり自分の目で見たいからクリスマスに数日帰国するって」
父さん、よっぽど驚いたんだな。伯父さんにまですぐに連絡するなんて。
「そっか。父さん、伯父さんにも連絡したんだ。俺にも言ってきたからじいちゃんにも伝えたよ。そうしたら、じいちゃんなんて言ったと思う?」
「なんだ?」
「あの家の庭を飾りつけてクリスマスパーティーをするってさ。伯父さんにも連絡するって言ってたよ」
「そうか……それならかなり大掛かりになりそうだな」
「直くんにとっては大勢でやる初めてのクリスマスだし、楽しいものにしてやりたいな」
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