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昇さんが優しすぎる!
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<side直純>
明日、もう一人のおじいちゃんに会える。
なんだかドキドキするけど、パパのお父さんで昇さんのおじいちゃんなんだもんね。怖いはずがない。
「あの、昇さん。パパのほうのおじいちゃんってどんな人ですか?」
「うーん。そうだな……口数はそんなに多いほうじゃないけど、会った時はいつも俺のことを気にかけてくれてたよ」
「優しいんですね」
「そうだね。だから直くんも心配しないでいいよ」
「はい。楽しみにします」
今日は外出して疲れただろうからと言われて先にお風呂に入った。
一緒に入りたかったけれど、その間に昇さんは課題をするんだって。
お風呂から出てきたらちょうどその課題も終わったみたいで髪を乾かしてくれた。
「そういえば、直くんがお風呂に入っている間にスマホが鳴ってたよ。メッセージじゃないかな?」
昇さんに教えてもらって見てみると、一花さんからメッセージが入っていた。
「ゆっくり返事返してて。俺はその間にさっと風呂に入ってくるよ」
昇さんを見送ってメッセージを開くと、
<直くん。今日は楽しかったね。次はイリゼホテルでお茶しながら編み物会楽しもうね。あ、そうだ。安城さんからもらった金平糖開けてみた? 食べるのが勿体無いくらいすっごく可愛かったよ! 一花>
と書いてあって、一緒に写真と動画が送られてきていた。
写真は、一花さんがグリちゃんを抱っこしている写真。ふふっ、可愛い。
そして、動画を開くとタイトルがついていた。
<可愛いぬいぐるみさん用のマフラーの編み方>
「わっ! すごい!」
画面では一花さんが説明しながら小さなマフラーが編み上がっていくのが見える。
――これは、大きさが違うだけで普通のマフラーと同じ編み方だから、この小さいマフラーで練習すると簡単に編めるようになるよ。
一花さんの手持ちがよく見えるし、一つ一つの動作に説明もついていてものすごくわかりやすい。
――今日頼んだ毛糸が届いたら、試してみてね!
僕のためにわざわざこの動画を撮ってくれたんだ……。
一花さんって本当に優しいな。
だから、僕はベッドに座りクマさんたちとペンギンくんたちを周りに並べて、手を思いっきり伸ばして写真を撮った。
けれど僕の手が短すぎるのか、全部入らない。
どうやったら綺麗にみんな入るかと格闘していると、
「直くん、どうかした?」
と扉の近くで昇さんの声が聞こえた。
どうやら僕が格闘している間にもうお風呂から出てきたみたい。
「あ、この子たちみんなと写真が撮りたいんですけど、上手く撮れなくて……」
「ああ。そういうことか。それなら俺が撮るよ」
昇さんは僕のスマホを受け取ると、僕にカメラを向けた。
「はい。直くん、笑ってー」
ちょっと恥ずかしくなって、僕の隣にいた一番ちっちゃなペンギンちゃんを胸に抱いて笑顔を向けた。
「――っ!! 直くん、それは反則だよ……」
「えっ? どういう意味ですか?」
「直くんが可愛すぎるってことだよ」
「――っ!」
昇さんに可愛いと言われると照れてしまう。でも……嬉しい。
思わずニヤけちゃったところでパシャッとシャッター音が聞こえた。
「わっ、変な顔しちゃった……っ」
「そんなことないよ。すっごく可愛く撮れてる。ほら」
見せてもらった画面はほんのりほっぺたを赤くした僕がペンギンちゃんとみんなに囲まれて嬉しそうにしているのが綺麗に撮れていた。
「あ、本当だ。よかった、じゃあこれ一花さんに送りますね」
「えっ? これ、一花さんに送る写真?」
「はい。ぬいぐるみさんたちのマフラーの作り方の動画を送ってもらったので、この子達にみんなに作りますって送ろうと思って……」
「そっか。じゃあ撮り直すよ」
「えっ? どうして?」
「直くんが可愛すぎるからこの写真は俺のものにしたい。だから一花さん用の写真は別に撮るよ」
「――っ!!」
それって……僕がかっこいい昇さんの写真を誰にも見せたくないのと同じ気持ちってことなのかな?
そうだったら嬉しい。
その後、何枚か写真を撮ってもらって、これはいいよと言われたものを一花さんのメッセージに添付した。
<ものすごくわかりやすいマフラーの編み方の動画、ありがとうございます! この子たち、みんなに可愛いマフラーが編めるように頑張ってみます!! 直純>
送るとすぐに既読がついた。
<わぁー! 可愛いクマさんとペンギンさんたちだね。きっとみんな喜ぶよ。無理しない程度に頑張って! 何かわからないことがあったらなんでも聞いてね。一花>
ああ、本当に優しい。
僕は可愛いウサギさんがぴょこっと頭を下げる可愛いスタンプを送った。
「ねぇ、直くん。一花さんから送られてきた動画、俺にも送ってくれない?」
「いいですけど、どうするんですか?」
「俺も直くんにマフラー編もうと思って……」
「えっ? 僕に?」
「うん。直くん、みんなのためにマフラー編んでくれるんだろう? だから俺も直くんに何か手作りものをプレゼントしたかったんだ。もちろん初めてだし、上手くできる保証はないけど直くんが学校にいくまでに作れたらいいかなって……」
「昇さんっ!! すっごく嬉しいです!!」
初めて身につけるマフラーが昇さんからの贈り物だなんて……僕は、幸せだな。
明日、もう一人のおじいちゃんに会える。
なんだかドキドキするけど、パパのお父さんで昇さんのおじいちゃんなんだもんね。怖いはずがない。
「あの、昇さん。パパのほうのおじいちゃんってどんな人ですか?」
「うーん。そうだな……口数はそんなに多いほうじゃないけど、会った時はいつも俺のことを気にかけてくれてたよ」
「優しいんですね」
「そうだね。だから直くんも心配しないでいいよ」
「はい。楽しみにします」
今日は外出して疲れただろうからと言われて先にお風呂に入った。
一緒に入りたかったけれど、その間に昇さんは課題をするんだって。
お風呂から出てきたらちょうどその課題も終わったみたいで髪を乾かしてくれた。
「そういえば、直くんがお風呂に入っている間にスマホが鳴ってたよ。メッセージじゃないかな?」
昇さんに教えてもらって見てみると、一花さんからメッセージが入っていた。
「ゆっくり返事返してて。俺はその間にさっと風呂に入ってくるよ」
昇さんを見送ってメッセージを開くと、
<直くん。今日は楽しかったね。次はイリゼホテルでお茶しながら編み物会楽しもうね。あ、そうだ。安城さんからもらった金平糖開けてみた? 食べるのが勿体無いくらいすっごく可愛かったよ! 一花>
と書いてあって、一緒に写真と動画が送られてきていた。
写真は、一花さんがグリちゃんを抱っこしている写真。ふふっ、可愛い。
そして、動画を開くとタイトルがついていた。
<可愛いぬいぐるみさん用のマフラーの編み方>
「わっ! すごい!」
画面では一花さんが説明しながら小さなマフラーが編み上がっていくのが見える。
――これは、大きさが違うだけで普通のマフラーと同じ編み方だから、この小さいマフラーで練習すると簡単に編めるようになるよ。
一花さんの手持ちがよく見えるし、一つ一つの動作に説明もついていてものすごくわかりやすい。
――今日頼んだ毛糸が届いたら、試してみてね!
僕のためにわざわざこの動画を撮ってくれたんだ……。
一花さんって本当に優しいな。
だから、僕はベッドに座りクマさんたちとペンギンくんたちを周りに並べて、手を思いっきり伸ばして写真を撮った。
けれど僕の手が短すぎるのか、全部入らない。
どうやったら綺麗にみんな入るかと格闘していると、
「直くん、どうかした?」
と扉の近くで昇さんの声が聞こえた。
どうやら僕が格闘している間にもうお風呂から出てきたみたい。
「あ、この子たちみんなと写真が撮りたいんですけど、上手く撮れなくて……」
「ああ。そういうことか。それなら俺が撮るよ」
昇さんは僕のスマホを受け取ると、僕にカメラを向けた。
「はい。直くん、笑ってー」
ちょっと恥ずかしくなって、僕の隣にいた一番ちっちゃなペンギンちゃんを胸に抱いて笑顔を向けた。
「――っ!! 直くん、それは反則だよ……」
「えっ? どういう意味ですか?」
「直くんが可愛すぎるってことだよ」
「――っ!」
昇さんに可愛いと言われると照れてしまう。でも……嬉しい。
思わずニヤけちゃったところでパシャッとシャッター音が聞こえた。
「わっ、変な顔しちゃった……っ」
「そんなことないよ。すっごく可愛く撮れてる。ほら」
見せてもらった画面はほんのりほっぺたを赤くした僕がペンギンちゃんとみんなに囲まれて嬉しそうにしているのが綺麗に撮れていた。
「あ、本当だ。よかった、じゃあこれ一花さんに送りますね」
「えっ? これ、一花さんに送る写真?」
「はい。ぬいぐるみさんたちのマフラーの作り方の動画を送ってもらったので、この子達にみんなに作りますって送ろうと思って……」
「そっか。じゃあ撮り直すよ」
「えっ? どうして?」
「直くんが可愛すぎるからこの写真は俺のものにしたい。だから一花さん用の写真は別に撮るよ」
「――っ!!」
それって……僕がかっこいい昇さんの写真を誰にも見せたくないのと同じ気持ちってことなのかな?
そうだったら嬉しい。
その後、何枚か写真を撮ってもらって、これはいいよと言われたものを一花さんのメッセージに添付した。
<ものすごくわかりやすいマフラーの編み方の動画、ありがとうございます! この子たち、みんなに可愛いマフラーが編めるように頑張ってみます!! 直純>
送るとすぐに既読がついた。
<わぁー! 可愛いクマさんとペンギンさんたちだね。きっとみんな喜ぶよ。無理しない程度に頑張って! 何かわからないことがあったらなんでも聞いてね。一花>
ああ、本当に優しい。
僕は可愛いウサギさんがぴょこっと頭を下げる可愛いスタンプを送った。
「ねぇ、直くん。一花さんから送られてきた動画、俺にも送ってくれない?」
「いいですけど、どうするんですか?」
「俺も直くんにマフラー編もうと思って……」
「えっ? 僕に?」
「うん。直くん、みんなのためにマフラー編んでくれるんだろう? だから俺も直くんに何か手作りものをプレゼントしたかったんだ。もちろん初めてだし、上手くできる保証はないけど直くんが学校にいくまでに作れたらいいかなって……」
「昇さんっ!! すっごく嬉しいです!!」
初めて身につけるマフラーが昇さんからの贈り物だなんて……僕は、幸せだな。
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