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突然の連絡
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「あ、そうだ。週末のどっちかで村山とカールと遊ぼうって話が出ているんだけど……」
自宅に戻り、忘れないうちに話をしておこうと声をかけ始めたところで、
「昇、悪い。電話だ」
伯父さんが胸ポケットからスマホを取り出して一瞬驚きの表情を見せた。
あの表情は一体誰だろう?
その疑問は伯父さんの会話ですぐにわかった。
ー父さん。どうかしましたか? えっ? 明日? あの、迎えは……わかりました。絢斗にも伝えておきます。はい。気をつけて。
電話を切ると、伯父さんはふぅと大きなため息を吐いた。
「伯父さん、じいちゃんに何かあった?」
「いや、明日の夜にこっちに着くらしい。予想では日曜日くらいかと思っていたんだが、さらに上回ってきたから驚いたんだよ。相当、直くんに会いたいらしい」
「えっ、僕?」
「ああ。昇や絢斗が送った写真や動画を見て可愛い孫に早く会いたくなったそうだよ」
「そんな……っ。でも、嬉しいです」
少し照れた様子の直くんが抱きしめたくなるくらい可愛い。
「お義父さん、じゃあ明日はうちに泊まる?」
「そうしたいと言っていたが、予定よりも早かったから明日は自宅に戻ってもらってまた改めて泊まりに来てもらっても……」
「ううん。明日泊まってもらおうよ。部屋はあるし、直くんとものんびり過ごしてもらえるし。それに長旅から戻ってきたばかりで一人で自宅に帰るなんて寂しすぎるよ」
「絢斗……ありがとう。じゃあ、部屋の準備をしてくるよ」
「あ、伯父さん。それは俺がやっとくよ。伯父さんは夕食の支度をしてて」
俺が立ち上がると、隣にいた直くんも立ち上がった。
「僕もお手伝いします。おじいちゃんのお部屋、準備したいです」
「孫たちが準備してくれたなんて父さんが知ったら大喜びするだろうな。じゃあ、頼むよ。新しいシーツはランドリールームに置いてあるから」
「わかった。直くん、行こうか」
直くんの手をとって空き部屋になっている客間に向かった。
俺と直くんの部屋がある側だから、じいちゃん喜ぶだろうな。
<side卓>
編み物ができて大興奮の絢斗と直くんを連れ帰って、夕食の支度を始めようかと思っていたところで、昇が週末の話題を話しかけてきた途端、電話がかかってきたことに気づいた。
断りを入れて画面を見れば相手は父の名前。
この時間ならシアトルは真夜中のはずなのに何かあったのか。
慌てて電話をとると想像以上にご機嫌な父の声が聞こえた。
ー卓。今、大丈夫か?
ー父さん。どうかしましたか?
ー今日で全ての仕事を終わらせたから日本に戻るぞ。
ーえっ?
ー到着は明日の18時の予定だ。
ー明日? あの、迎えは……
ー気にしないでいい。空港から直接お前の家に向かうよ。ああ、明日は泊まらせてもらえたらありがたいが、急なことだから別の日でも構わないよ。
ーわかりました。絢斗にも伝えておきます。
ー飛行機に乗るときにまた連絡を入れるから。
ーはい。気をつけて。
まさかこんなにも帰国日を繰り上げてくるとは思わなかったな。
日曜日に到着でも相当のものだと思っていたのに。
そうさせてしまうくらい、直くんの存在が大きいのだろう。
電話を切ってすぐに声をかけてきた昇に答えるように、父が明日帰国して直くんに会いにくる旨を伝えると、直くんは頬を赤らめながらも嬉しそうにしていた。
堅物な父を怖がりはしないかと不安だったが、賢将さんともかなり打ち解けているし、直くんの中ではおじいちゃんのイメージが優しくていい人となっているのかもしれない。
絢斗に気を遣わせることだけが心配だったが、明日の泊まりについて絢斗の方から声をかけてくれた。
絢斗の優しい気持ちに甘えて、明日はうちに泊まってもらうことになった。
私の代わりに昇と直くんが客間の準備をしてくれることになり、部屋に入っていく二人を見送ってから絢斗を抱きしめた。
「絢斗。ありがとう」
「お礼なんていらないよ。だって、家族なんだから。それにきっと直くん……お義父さんとすごく仲良しになると思うよ」
「そうか?」
「うん。だって、卓さんと昇くん、お義父さんに似てるもん。だから安心して寄っていくと思う。それだけ卓さんと昇くんのことが安心する存在ってことだよ。だから、明日は家族団欒を楽しもう!」
「絢斗……」
絢斗の優しい言葉に私は嬉しくてたまらなかった。
それから絢斗の今日の報告を聞きながら夕食の支度を済ませ、食事が出来上がったところで昇と直くんがダイニングルームにやってきた。
「あれなら余裕で泊まれるよ」
「そうか、ありがとう。じゃあご飯にしよう」
みんなで食卓を囲み、食事を始めると
「そういえばさっき途中になってたんだけど、土日のどっちかで村山とカールと遊びたいんだ。いいかな?」
「それは構わないが、どこかに出かけるのか?」
「うーん、それはまだ考えてないけどとりあえず予定だけ聞かれたんだ」
「そうか。父さんが泊まるなら土曜日はバタバタするかもしれないな。日曜日にしたらどうだ?」
「そうだね。わかった。村山に話しておくよ」
せっかく日本に来ているのだからどこかに出かけるのだろうが、昇と龍弥くんだけに直くんとカールくんを任せるのは心配だな。もし出かけるなら私たちもついていくとするかな。
自宅に戻り、忘れないうちに話をしておこうと声をかけ始めたところで、
「昇、悪い。電話だ」
伯父さんが胸ポケットからスマホを取り出して一瞬驚きの表情を見せた。
あの表情は一体誰だろう?
その疑問は伯父さんの会話ですぐにわかった。
ー父さん。どうかしましたか? えっ? 明日? あの、迎えは……わかりました。絢斗にも伝えておきます。はい。気をつけて。
電話を切ると、伯父さんはふぅと大きなため息を吐いた。
「伯父さん、じいちゃんに何かあった?」
「いや、明日の夜にこっちに着くらしい。予想では日曜日くらいかと思っていたんだが、さらに上回ってきたから驚いたんだよ。相当、直くんに会いたいらしい」
「えっ、僕?」
「ああ。昇や絢斗が送った写真や動画を見て可愛い孫に早く会いたくなったそうだよ」
「そんな……っ。でも、嬉しいです」
少し照れた様子の直くんが抱きしめたくなるくらい可愛い。
「お義父さん、じゃあ明日はうちに泊まる?」
「そうしたいと言っていたが、予定よりも早かったから明日は自宅に戻ってもらってまた改めて泊まりに来てもらっても……」
「ううん。明日泊まってもらおうよ。部屋はあるし、直くんとものんびり過ごしてもらえるし。それに長旅から戻ってきたばかりで一人で自宅に帰るなんて寂しすぎるよ」
「絢斗……ありがとう。じゃあ、部屋の準備をしてくるよ」
「あ、伯父さん。それは俺がやっとくよ。伯父さんは夕食の支度をしてて」
俺が立ち上がると、隣にいた直くんも立ち上がった。
「僕もお手伝いします。おじいちゃんのお部屋、準備したいです」
「孫たちが準備してくれたなんて父さんが知ったら大喜びするだろうな。じゃあ、頼むよ。新しいシーツはランドリールームに置いてあるから」
「わかった。直くん、行こうか」
直くんの手をとって空き部屋になっている客間に向かった。
俺と直くんの部屋がある側だから、じいちゃん喜ぶだろうな。
<side卓>
編み物ができて大興奮の絢斗と直くんを連れ帰って、夕食の支度を始めようかと思っていたところで、昇が週末の話題を話しかけてきた途端、電話がかかってきたことに気づいた。
断りを入れて画面を見れば相手は父の名前。
この時間ならシアトルは真夜中のはずなのに何かあったのか。
慌てて電話をとると想像以上にご機嫌な父の声が聞こえた。
ー卓。今、大丈夫か?
ー父さん。どうかしましたか?
ー今日で全ての仕事を終わらせたから日本に戻るぞ。
ーえっ?
ー到着は明日の18時の予定だ。
ー明日? あの、迎えは……
ー気にしないでいい。空港から直接お前の家に向かうよ。ああ、明日は泊まらせてもらえたらありがたいが、急なことだから別の日でも構わないよ。
ーわかりました。絢斗にも伝えておきます。
ー飛行機に乗るときにまた連絡を入れるから。
ーはい。気をつけて。
まさかこんなにも帰国日を繰り上げてくるとは思わなかったな。
日曜日に到着でも相当のものだと思っていたのに。
そうさせてしまうくらい、直くんの存在が大きいのだろう。
電話を切ってすぐに声をかけてきた昇に答えるように、父が明日帰国して直くんに会いにくる旨を伝えると、直くんは頬を赤らめながらも嬉しそうにしていた。
堅物な父を怖がりはしないかと不安だったが、賢将さんともかなり打ち解けているし、直くんの中ではおじいちゃんのイメージが優しくていい人となっているのかもしれない。
絢斗に気を遣わせることだけが心配だったが、明日の泊まりについて絢斗の方から声をかけてくれた。
絢斗の優しい気持ちに甘えて、明日はうちに泊まってもらうことになった。
私の代わりに昇と直くんが客間の準備をしてくれることになり、部屋に入っていく二人を見送ってから絢斗を抱きしめた。
「絢斗。ありがとう」
「お礼なんていらないよ。だって、家族なんだから。それにきっと直くん……お義父さんとすごく仲良しになると思うよ」
「そうか?」
「うん。だって、卓さんと昇くん、お義父さんに似てるもん。だから安心して寄っていくと思う。それだけ卓さんと昇くんのことが安心する存在ってことだよ。だから、明日は家族団欒を楽しもう!」
「絢斗……」
絢斗の優しい言葉に私は嬉しくてたまらなかった。
それから絢斗の今日の報告を聞きながら夕食の支度を済ませ、食事が出来上がったところで昇と直くんがダイニングルームにやってきた。
「あれなら余裕で泊まれるよ」
「そうか、ありがとう。じゃあご飯にしよう」
みんなで食卓を囲み、食事を始めると
「そういえばさっき途中になってたんだけど、土日のどっちかで村山とカールと遊びたいんだ。いいかな?」
「それは構わないが、どこかに出かけるのか?」
「うーん、それはまだ考えてないけどとりあえず予定だけ聞かれたんだ」
「そうか。父さんが泊まるなら土曜日はバタバタするかもしれないな。日曜日にしたらどうだ?」
「そうだね。わかった。村山に話しておくよ」
せっかく日本に来ているのだからどこかに出かけるのだろうが、昇と龍弥くんだけに直くんとカールくんを任せるのは心配だな。もし出かけるなら私たちもついていくとするかな。
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