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可愛い孫との時間
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<side賢将>
どこも同じだと思うが念のためシャワーの使い方を説明し、直くん用のシャンプー類も教えた。
「着替えはこれ。脱いだ服はそのまま洗濯機に入れていいからね」
「は、はい。わかりました」
少し心配だが、絢斗の話ではいつも一人で入っていると言っていたから大丈夫だろう。
直くんをバスルームに残し、私は一人でリビングに戻った。
そういえば返事が来ているかもしれないと思ってスマホを手に取ると、三者三様のメッセージが来ていた。
<お父さん! ずるーい! 私も直くんの作ったお好み焼き食べたいよー! 直くん、可愛すぎる!! 終わったらすぐに向かうね! 絢斗>
<直くんの嬉しそうな顔に少し嫉妬しています。今日、早速ホットプレートを買って帰宅します。可愛い直くんの画像と動画ありがとうございます。 卓>
<大おじさん! 可愛い直くんの写真と動画ありがとう! 学校終わったらすぐに大おじさん家に向かうからそれまで直くんをよろしく! 昇>
絢斗も卓くんも昇も本当に直くんが可愛くてたまらないようだな。
まぁ、あれだけ素直で優しい子だ。当然か。
しばらくして脱衣所の扉が開く音がして急いで迎えに行くと、そこには私の選んだ部屋着に身を包んだ直くんがいた。
幼い頃、絢斗が気に入ってきていたものと同じようなものを見かけてつい買ってしまったものだが、直くんによく似合っている。
「さっぱりしたかな?」
「はい。シャンプー、お家で使っているのと同じでした」
「そうか、それならよかった。ああ、髪を乾かしてあげよう」
さっとドライヤーをとってリビングに連れて行き、ふわふわのラグに座らせて髪を乾かしてあげる。
「いつもは自分でやっているのかな?」
「いえ。髪はいつも昇さんが乾かしてくれます」
「そうか」
私がしてあげたと知ったら嫉妬するかもしれないが、このままでいて風邪を引かせるよりはマシだ。
「どうだ? 気持ちいいか?」
「はい。おじいちゃんの手、昇さんみたいで安心します……」
「そうか、それならよかった」
昇が聞いたらこれこそ嫉妬しそうだからこれは内緒にしておこうか。
もうすぐ髪も乾く頃、直くんの頭が揺れ始めた。
そっと覗き込むとどうやら眠ってしまったようだ。
昼寝用の布団を用意しておいてよかった。
ドライヤーを消し、直くんを抱きかかえて立ち上がると、
「んっ……おじぃ、ちゃん……」
私を呼ぶ可愛い声が聞こえる。
ああ、もう本当に可愛い。
これから直くんが学校に行き出して、絢斗も通常の講義に戻ったらうちで預かることもあるかもしれないということで、空いていた部屋を直くんの部屋にしようと整えかけていた部屋に直くんを連れて行った。
まだ机と本棚くらいしか揃っていないその部屋の中央に準備していた布団に直くんを寝かせる。
思っていたよりも早く直くんを預かることになったからな。
次に直くんを預かるまでにベッドとソファーを用意しておかないとな。
起こさないようにゆっくりと直くんから離れようとすると、直くんの手が私の服を掴んでいるのが見える。
まだ慣れない部屋で一人になるのが怖いのかもしれない。だから無意識に私を求めてくれているのだと思ったら離れるなんてできなかった。
そういえば絢斗も慣れない場所では私の袖をしっかりと掴んで離れないようにしていたな。あの頃の絢斗を見ているようだ。
私はそっと布団に横たわり、横向きに眠る直くんの背中をトントンと優しく叩いた。
安心したように深い眠りに落ちていくのを見ながら、私もしばしの眠りについていた。
<side昇>
『んーっ! 美味しい! 日本の食事は美味しいと思っていたけど、学校のカフェテリアまでこんなに美味しいなんて最高だね!』
食べたがっていた唐揚げを口にして、目を輝かせるカールを見て俺たちだけでなく、学食にいる全員が笑顔を浮かべているのがわかる。
特に学食のおばちゃんたちは、カールの言っていることはわかっていないだろうけど、その表情でカールがここの料理を気に入ったことに気づいたみたいだ。こんなにも美味しそうに食べてくれたら作り甲斐もあるだろうな。
『あ、カール。ご飯粒がついてるよ』
『んっ、どこ?』
カールが取ろうとするよりも先に、村山の指がご飯粒を摘んでそのまま自分の口に運ぶ。
それを見た周りからきゃーっと声が上がっているが、カールは少しもてれた様子はない。
むしろ
『リューヤ、ありがとう』
と嬉しそうに礼を言っている。
先週末、学校ですでに恋人だと宣言しているから見せつけるためにわざとしているのかもしれないが、それにしてはかなり手慣れた様子だ。きっと家でも同じようなことをすでにしているんだろう。やっぱりこの二人、この週末で随分と仲が深まったみたいだ。
どこも同じだと思うが念のためシャワーの使い方を説明し、直くん用のシャンプー類も教えた。
「着替えはこれ。脱いだ服はそのまま洗濯機に入れていいからね」
「は、はい。わかりました」
少し心配だが、絢斗の話ではいつも一人で入っていると言っていたから大丈夫だろう。
直くんをバスルームに残し、私は一人でリビングに戻った。
そういえば返事が来ているかもしれないと思ってスマホを手に取ると、三者三様のメッセージが来ていた。
<お父さん! ずるーい! 私も直くんの作ったお好み焼き食べたいよー! 直くん、可愛すぎる!! 終わったらすぐに向かうね! 絢斗>
<直くんの嬉しそうな顔に少し嫉妬しています。今日、早速ホットプレートを買って帰宅します。可愛い直くんの画像と動画ありがとうございます。 卓>
<大おじさん! 可愛い直くんの写真と動画ありがとう! 学校終わったらすぐに大おじさん家に向かうからそれまで直くんをよろしく! 昇>
絢斗も卓くんも昇も本当に直くんが可愛くてたまらないようだな。
まぁ、あれだけ素直で優しい子だ。当然か。
しばらくして脱衣所の扉が開く音がして急いで迎えに行くと、そこには私の選んだ部屋着に身を包んだ直くんがいた。
幼い頃、絢斗が気に入ってきていたものと同じようなものを見かけてつい買ってしまったものだが、直くんによく似合っている。
「さっぱりしたかな?」
「はい。シャンプー、お家で使っているのと同じでした」
「そうか、それならよかった。ああ、髪を乾かしてあげよう」
さっとドライヤーをとってリビングに連れて行き、ふわふわのラグに座らせて髪を乾かしてあげる。
「いつもは自分でやっているのかな?」
「いえ。髪はいつも昇さんが乾かしてくれます」
「そうか」
私がしてあげたと知ったら嫉妬するかもしれないが、このままでいて風邪を引かせるよりはマシだ。
「どうだ? 気持ちいいか?」
「はい。おじいちゃんの手、昇さんみたいで安心します……」
「そうか、それならよかった」
昇が聞いたらこれこそ嫉妬しそうだからこれは内緒にしておこうか。
もうすぐ髪も乾く頃、直くんの頭が揺れ始めた。
そっと覗き込むとどうやら眠ってしまったようだ。
昼寝用の布団を用意しておいてよかった。
ドライヤーを消し、直くんを抱きかかえて立ち上がると、
「んっ……おじぃ、ちゃん……」
私を呼ぶ可愛い声が聞こえる。
ああ、もう本当に可愛い。
これから直くんが学校に行き出して、絢斗も通常の講義に戻ったらうちで預かることもあるかもしれないということで、空いていた部屋を直くんの部屋にしようと整えかけていた部屋に直くんを連れて行った。
まだ机と本棚くらいしか揃っていないその部屋の中央に準備していた布団に直くんを寝かせる。
思っていたよりも早く直くんを預かることになったからな。
次に直くんを預かるまでにベッドとソファーを用意しておかないとな。
起こさないようにゆっくりと直くんから離れようとすると、直くんの手が私の服を掴んでいるのが見える。
まだ慣れない部屋で一人になるのが怖いのかもしれない。だから無意識に私を求めてくれているのだと思ったら離れるなんてできなかった。
そういえば絢斗も慣れない場所では私の袖をしっかりと掴んで離れないようにしていたな。あの頃の絢斗を見ているようだ。
私はそっと布団に横たわり、横向きに眠る直くんの背中をトントンと優しく叩いた。
安心したように深い眠りに落ちていくのを見ながら、私もしばしの眠りについていた。
<side昇>
『んーっ! 美味しい! 日本の食事は美味しいと思っていたけど、学校のカフェテリアまでこんなに美味しいなんて最高だね!』
食べたがっていた唐揚げを口にして、目を輝かせるカールを見て俺たちだけでなく、学食にいる全員が笑顔を浮かべているのがわかる。
特に学食のおばちゃんたちは、カールの言っていることはわかっていないだろうけど、その表情でカールがここの料理を気に入ったことに気づいたみたいだ。こんなにも美味しそうに食べてくれたら作り甲斐もあるだろうな。
『あ、カール。ご飯粒がついてるよ』
『んっ、どこ?』
カールが取ろうとするよりも先に、村山の指がご飯粒を摘んでそのまま自分の口に運ぶ。
それを見た周りからきゃーっと声が上がっているが、カールは少しもてれた様子はない。
むしろ
『リューヤ、ありがとう』
と嬉しそうに礼を言っている。
先週末、学校ですでに恋人だと宣言しているから見せつけるためにわざとしているのかもしれないが、それにしてはかなり手慣れた様子だ。きっと家でも同じようなことをすでにしているんだろう。やっぱりこの二人、この週末で随分と仲が深まったみたいだ。
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