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楽しい昼食作り
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「さぁ、じゃあまずはエプロンをつけよう」
洋服を買いに行ったついでに買っておいたグレーのエプロンを取り出し、被せて後ろの紐を結んだ。
「せっかくだから三角巾もつけようか」
「三角巾?」
今の子は知らないかもしれないな。
「そう。料理に髪の毛が入らないようにつけるんだよ」
エプロンとお揃いの三角巾を頭に巻いてやると、とてつもなく可愛い直くんが現れた。
「この姿を絢斗たちにも見せたいから写真を撮ってもいいかな?」
「は、はい。おじいちゃんが撮ってくれるなら嬉しいです」
ほんのりと頬を染めて言ってくれるけれど、真正面から写真を撮られることには慣れていないみたいだ。
絢斗や昇、それに卓くんが送ってくれた写真は直くんが知らない間に撮っていたものばかりだったからな。
「あっ、あのペンギンちゃんも一緒に撮ろうか」
「はい!」
直くんの意識を逸らそうと声をかけるとすぐに顔が明るくなってソファーに置いていた小さなペンギンちゃんを手に取って腕に抱く。
「――っ、可愛い!」
その姿があまりにも可愛すぎて私は途轍もない量の写真を撮り続けていた。直くんはペンギンちゃんに夢中で写真を撮られていることに気づいていないせいか、さっきまでの緊張した顔とは打って変わって可愛い笑顔を見せてくれていた。
やっぱりまだ真正面で撮るのはやめた方がいいな。
「直くん、可愛い写真が撮れたよ」
私の声に、いつの間に? という表情をするのも可愛い。
「じゃあ、料理を始めようか。こっちにおいで」
直くんの手をとってダイニングテーブルに連れていく。
その上にはもうすでに直くんと作るための準備が整っている。
「わぁー、おじいちゃん。これ、なんですか?」
「これはね、ホットプレートといって大きなフライパンみたいなものだよ。この上で今日の昼食を作ろう」
「この上で? すごいです!!」
「アフリカでは地面に石を並べて、その上に鉄板を置いてね。下から火を当ててお肉やとうもろこしで作ったパンのようなものを焼いたりして子どもたちと一緒に食べたものだよ」
「へぇー、楽しそう!!」
今までの直くんの生活には一切なかったものだろう。
アフリカでの生活は不便で大変なことも多かったが、便利なものに囲まれながら何もない生活というのも大変だっただろうな。
「今日は二人でお好み焼きを焼いて食べよう」
「お好み、焼き……」
「知ってるかな?」
「聞いたことはあります。でもどんなのかは……」
「じゃあ、おじいちゃんと一緒に作ってみよう」
「はい!」
一瞬不安げになったが一緒に作ろうと誘うと目を輝かせてくれる。
「この黒いところは全部熱くなるから火傷しないように気をつけるんだよ」
「わかりました!」
絢斗とは料理は一緒に作れなかった。まさか可愛い孫と一緒に作れるとは……人生何が起こるかわからないものだな。
具材は直くんが食べられるものを揃えておいた。
それを全てテーブルに並べると、
「わぁー、エビだ!」
と直くんが嬉しそうな声を上げた。
「直くんはエビが好きなんだね。絢斗とお揃いだな」
「――っ、あやちゃんとお揃い、嬉しいです!」
やっぱり直くんは可愛いな。
「さぁ、ホットプレートがあったまったみたいだから、この生地を流していこうか」
あまり大きいものは食べきれないだろう。
「このお玉一杯分だよ」
「はーい」
椅子の上に膝立ちになった直くんの手を支えながら、ホットプレートの右側に流し入れる。
ジューっと音がして、一瞬ビクッと身体を震わせたが表情はすごく楽しそうだ。
「直くん、上手にできたね」
褒めるとますます嬉しそうな顔を見せる。
「この上に好きな具をのせていいよ」
直くんは悩みながらも、エビとイカを入れていた。
私の直くんの生地の隣に同じ大きさの生地を流し入れ、豚肉を乗せた。
しばらくすると香ばしい匂いが漂ってくる。
「そろそろかな。直くん、一緒にひっくり返してみようか」
「は、はい!」
「少しくらい崩れても大丈夫だよ。味は同じだから」
少し緊張している直くんに声をかけて、ヘラを両手に一つずつ持たせた。
「勢いよくいったほうがうまくいくからね」
「わかりました」
「せーので行くよ」
「はい!」
「「せーの!!」」
直くんの小さな手を支えて、一緒にひっくり返すとお好み焼きはふわっとひっくり返りその形を保ったまま、ホットプレートに戻って行った。
「わぁー!! できた! できました!」
「うん。直くん、上手にできたね!!」
得意げな顔で私を見上げる直くんをがたまらなく可愛い。
今朝しっかりとこのダイニングルームにもカメラをつけておいて正解だったな。
絢斗も卓くんも、それに昇も直くんのこの姿を見たら喜んでくれることだろう。
洋服を買いに行ったついでに買っておいたグレーのエプロンを取り出し、被せて後ろの紐を結んだ。
「せっかくだから三角巾もつけようか」
「三角巾?」
今の子は知らないかもしれないな。
「そう。料理に髪の毛が入らないようにつけるんだよ」
エプロンとお揃いの三角巾を頭に巻いてやると、とてつもなく可愛い直くんが現れた。
「この姿を絢斗たちにも見せたいから写真を撮ってもいいかな?」
「は、はい。おじいちゃんが撮ってくれるなら嬉しいです」
ほんのりと頬を染めて言ってくれるけれど、真正面から写真を撮られることには慣れていないみたいだ。
絢斗や昇、それに卓くんが送ってくれた写真は直くんが知らない間に撮っていたものばかりだったからな。
「あっ、あのペンギンちゃんも一緒に撮ろうか」
「はい!」
直くんの意識を逸らそうと声をかけるとすぐに顔が明るくなってソファーに置いていた小さなペンギンちゃんを手に取って腕に抱く。
「――っ、可愛い!」
その姿があまりにも可愛すぎて私は途轍もない量の写真を撮り続けていた。直くんはペンギンちゃんに夢中で写真を撮られていることに気づいていないせいか、さっきまでの緊張した顔とは打って変わって可愛い笑顔を見せてくれていた。
やっぱりまだ真正面で撮るのはやめた方がいいな。
「直くん、可愛い写真が撮れたよ」
私の声に、いつの間に? という表情をするのも可愛い。
「じゃあ、料理を始めようか。こっちにおいで」
直くんの手をとってダイニングテーブルに連れていく。
その上にはもうすでに直くんと作るための準備が整っている。
「わぁー、おじいちゃん。これ、なんですか?」
「これはね、ホットプレートといって大きなフライパンみたいなものだよ。この上で今日の昼食を作ろう」
「この上で? すごいです!!」
「アフリカでは地面に石を並べて、その上に鉄板を置いてね。下から火を当ててお肉やとうもろこしで作ったパンのようなものを焼いたりして子どもたちと一緒に食べたものだよ」
「へぇー、楽しそう!!」
今までの直くんの生活には一切なかったものだろう。
アフリカでの生活は不便で大変なことも多かったが、便利なものに囲まれながら何もない生活というのも大変だっただろうな。
「今日は二人でお好み焼きを焼いて食べよう」
「お好み、焼き……」
「知ってるかな?」
「聞いたことはあります。でもどんなのかは……」
「じゃあ、おじいちゃんと一緒に作ってみよう」
「はい!」
一瞬不安げになったが一緒に作ろうと誘うと目を輝かせてくれる。
「この黒いところは全部熱くなるから火傷しないように気をつけるんだよ」
「わかりました!」
絢斗とは料理は一緒に作れなかった。まさか可愛い孫と一緒に作れるとは……人生何が起こるかわからないものだな。
具材は直くんが食べられるものを揃えておいた。
それを全てテーブルに並べると、
「わぁー、エビだ!」
と直くんが嬉しそうな声を上げた。
「直くんはエビが好きなんだね。絢斗とお揃いだな」
「――っ、あやちゃんとお揃い、嬉しいです!」
やっぱり直くんは可愛いな。
「さぁ、ホットプレートがあったまったみたいだから、この生地を流していこうか」
あまり大きいものは食べきれないだろう。
「このお玉一杯分だよ」
「はーい」
椅子の上に膝立ちになった直くんの手を支えながら、ホットプレートの右側に流し入れる。
ジューっと音がして、一瞬ビクッと身体を震わせたが表情はすごく楽しそうだ。
「直くん、上手にできたね」
褒めるとますます嬉しそうな顔を見せる。
「この上に好きな具をのせていいよ」
直くんは悩みながらも、エビとイカを入れていた。
私の直くんの生地の隣に同じ大きさの生地を流し入れ、豚肉を乗せた。
しばらくすると香ばしい匂いが漂ってくる。
「そろそろかな。直くん、一緒にひっくり返してみようか」
「は、はい!」
「少しくらい崩れても大丈夫だよ。味は同じだから」
少し緊張している直くんに声をかけて、ヘラを両手に一つずつ持たせた。
「勢いよくいったほうがうまくいくからね」
「わかりました」
「せーので行くよ」
「はい!」
「「せーの!!」」
直くんの小さな手を支えて、一緒にひっくり返すとお好み焼きはふわっとひっくり返りその形を保ったまま、ホットプレートに戻って行った。
「わぁー!! できた! できました!」
「うん。直くん、上手にできたね!!」
得意げな顔で私を見上げる直くんをがたまらなく可愛い。
今朝しっかりとこのダイニングルームにもカメラをつけておいて正解だったな。
絢斗も卓くんも、それに昇も直くんのこの姿を見たら喜んでくれることだろう。
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