ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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最高に幸せな夜※微

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<side昇>

俺が欲望の蜜を出すのを見て、興味を持ってくれた直くんは自分も蜜を出してみたいと言い出した。
このチャンスを逃す手はない。

――いいか、昇くん。直純くんと温泉に入って、もし初めての精通をさせられるチャンスが来たら、洗い場の棚に置かれている<LUBE>と書かれたボトルを使うんだ。あれは肌にも優しくて最高の滑りを与えてくれるからデリケートな部分に使っても安心だよ。直純くんはまだ大人になりかけの繊細な肌だから力加減がわからない昇くんの手で何もつけずに扱いたら痛みを与えてしまう。直純くんに痛いとか、怖いとか思わせないように細心の注意を払わないといけないよ。

あの時、食事会で悩みを打ち明けた後、こっそりと貴船さんが教えてくれた。
最初に会った時こそ怖い人だと思ったけれど、これだけの注意を払いながら一花さんに向き合っているのだなと思ったら頼もしく感じた。
いや、貴船さんはもちろん、きっとあの場にいた人全員が恋人に痛みを感じさせないような努力を行なっているのだろう。
俺もそういった人たちの真似をしながら頑張らないとな。

そうしてやってきた直くんとの触れ合いの時間。
俺は貴船さんの言葉を思い出し、直くんを岩風呂の岩に座らせて急いで<LUBE>を取りに行った。

俺も使ったことはないけれど、知識はある。
でも直くんは<LUBE>の知識は何もない。突然何かわからないものを自分の身体に塗られたら恐怖を感じるかもしれない。ただでさえ、直くんはアレルギー検査と称して訳のわからないものを塗りたくられて肌が真っ赤になってしまった経験を持つ。それがトラウマにまでなっている以上、決して怖がらせるわけにはいかない。

目の前で自分の手のひらに取り、どういうものかを説明して実際に直くんにもその粘液に触れさせてから、直くんのモノに触れた。直くんの小さくて可愛い果実のようなモノは俺の手の中にすっぽりとおさまり、包み込んでゆっくりと扱いてやるとクチュクチュと粘液が擦れる音にまじって直くんの可愛い声が漏れ聞こえてホッとした。

気持ちよくなってくれている、その事実が俺を喜ばせたんだ。

そうして何度か動かすと直くんの可愛い果実からピュルっと蜜が弾けた。他の男の蜜なんて気持ち悪いとしか思えないのに、直くんのだけは愛おしく感じられて舐めたい衝動に駆られた。
だって、これは直くんにとって生まれて初めて出した蜜。もう二度と舐めることはできない。
ぐったりと俺に身を預けている直くんにみられないようにこっそりと手にかかった蜜を舐めてみた。

――っ!! すごい!! 全く嫌な味がしない!!

これは運命の相手だからなのか。本当にすごいな。

感動しつつ、初めての蜜を出すことに成功した直くんを褒めて抱きしめた。
そうして、手のひらに残っていた直くんの蜜を見せると、直くんもまた俺と同じ蜜が出たことに感動してくれているように見えた。

「直くんが俺のことが好きだから出たんだよ」

「うれしい……っ」

伝えたかったことを告げると、直くんは満面の笑みを見せてくれた。

この機会に、これからは直接触れなくても反応することがあることを教えた。
そしてこれまでも俺が直くんの可愛い姿に反応してそれを隠すのに大変だったこと、あまりにも可愛すぎると反応しすぎて声が出せないことを告げると、わかってくれたようでホッとした。
これで直くんの可愛い姿を見て昇天してすぐに反応できなくても泣かせてしまうことは防げるだろう。
俺はまだまだ瞬時には反応できないから、直くんに理解してもらえればいい。

一度温泉を出て綺麗に身体を洗い流してから、もう一度二人で湯に浸かる。
ピッタリと寄り添っているせいで俺のはすぐに反応していたけれど、もう隠さなくてもいい。
それが心のゆとりにつながっている気がして、気楽に考えることができた。

一緒に温泉を出て脱衣所に戻ると、棚に浴衣があることに気がついた。

「ねぇ、直くん。着替えを持ってきたけど、せっかくだから浴衣着ようか?」

「わぁ、着てみたいです!」

浴衣も初めてなんだろう。思いっきり喜んでくれた直くんの横で、俺も直くんの浴衣姿が見られることに大喜びしながら、下着だけ着替えて、俺が浴衣に着替えさせた。

「どう、ですか?」

「くっ!! か、可愛いっ!!」

「ふふっ、嬉しい!!」

俺が必死に反応を返すと直くんは嬉しそうに回って見せてくれた。

ああ、もう可愛すぎる。

可愛い直くんを見ながら、俺も浴衣に着替えるとキラキラした目で俺を見てくれる。

「どう?」

「昇さん、すっごくかっこいいです!!」

心からの言葉だとわかるからこそたまらなく幸せになる。

「じゃあ、せっかくだから写真でも撮ろうか?」

「はい! 僕、昇さんと二人で一緒に撮りたいです!!」

嬉しそうな直くんと一緒にリビングに戻り、俺たちは温泉が見えるテラスをバッグに二人だけの写真を撮った。
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