187 / 340
笑顔の写真
しおりを挟む
<side絢斗>
直くんの変装も兼ねての女装だったけれど、可愛い直くんのドレス姿も見られたし、私も綺麗な着物を着たおかげで卓さんに褒めてもらえたし良いことづくめ。
敬介くんと尚孝くんにもその仲間になってもらうことに成功して、直くんと一緒に四人で衣装部屋に向かうと、敬介くんは数あるドレスの中からすぐに周平くんが特別に誂えただろうドレスを見つけた。
「多分これだと思うんですけど、ちょっと派手じゃないですか?」
「そんなことないよ。絶対に敬介くんに似合うよ!! ねぇ、直くん」
「はい。すっごく素敵で大人って感じがします」
「うんうん、だよね。敬介くんは着物も似合いそうだけど、ここはやっぱり周平くんのドレス一択だよ」
周平くんが喜ぶことを想像したのか、敬介くんは少し照れながらもそのドレスを手に取っていた。
そして、尚孝くんの衣装。
尚孝くんもドレスも着物も似合いそうだけど、志摩くんは着物が好きそうなんだよね。
それに奥ゆかしい尚孝くんには着物が似合うかなと思って敬介くんにも意見を求めると、敬介くんも着物が似合いそうだと言ってくれた。
ということで尚孝くんの衣装は着物に決定!
「直くん、着物のお部屋に行くけど直くんはどうする?」
「えっと、僕……」
答えに迷いながら敬介くんにちらっと視線を向ける。どうやら同じドレスの敬介くんに興味を持っているみたいだ。大人なドレスに見惚れちゃったかな。
「敬介くん一人じゃ寂しくなっちゃうだろうから、直くんはそっちにいてあげて」
「うん。僕も直くんがいてくれると嬉しいな」
敬介くんは私の意図を汲んでくれたようで、すぐに言葉を続けてくれた。こういうところの気遣いは大学生の頃から変わらない。
「はい」
直くんは敬介くんにも言われたのが嬉しかったようで笑顔で頷いていた。
「じゃあ、尚孝くんの着物選ぼうか」
たくさんのものから探し出したりするのは苦手だけど、さっき卓さんがしてくれてたことを見てたからやり方はわかってる。自分では動けないけれど、尚孝くんならやってくれるだろう。
まず、置かれていたファイルを見て、尚孝くんに似合いそうなものを選ぶ。
「うーん、どれも素敵で迷っちゃうね。あっ、これ……!! どう?」
パラパラとファイルを捲っていると、尚孝くんのイメージにぴったりな空色の着物を見つけた。
「わ! これ素敵ですね!!」
「じゃあ、実物を見てみようか。えっと……」
「この番号のところにあるんですね」
「うん、そうそう!!」
何も言わなくても尚孝くんの方から率先して動いてくれる。一緒にリースを作った時もすぐに理解してくれたし、本当に尚孝くんは頭がいい。
迷うことなく衣装棚から着物が入ったたとう紙を取り出すと、手慣れた様子でそれを開いていった。
「すごい、尚孝くん。慣れてるね」
「母が着物をよく着ていたので、その手伝いをしてたんです。着付けもできるようになっておいた方がいいと言われて、僕も兄も母から着付けを習いました。女性の着物を着たことはないですが、着付けはできるので問題ないです」
「そうなんだ! すごいね! それならヘアメイクをしてもらうだけで準備できちゃうね」
「はい。なので着物で良かったです」
そうか。尚孝くんに着物が似合うと思ったのは、幼い時から触れ合ってきたからこその凜とした佇まいがあったからだろう。
私が選んだ着物を気に入ってくれた尚孝くんと敬介くんのヘアメイクがすぐに始められた。
私と直くんは二人でその様子を見守っていると、衣装部屋の扉が叩かれ、卓さんの声が聞こえた。
「絢斗。もうすぐ櫻葉会長がいらっしゃるようだ。直くんも一緒にみんなで挨拶をしに行こうか」
「あ、それがいいね。敬介くん、尚孝くんをお願いしていいかな?」
「はい。大丈夫です」
「それじゃあ、直くん。行こうか」
家族で招待されたし、親族には挨拶しておかないとね。可愛い直くんを櫻葉さんにも紹介したいし。
私は直くんの手を取って衣装部屋を出た。
すぐ前に卓さんと昇くんが迎えにきてくれていて、一花ちゃんたちに見つからないように裏口からそっと庭に出た。
「わぁ、いい天気ですね」
「うん。本当に結婚式日和だね。直くんのドレス、日に当たるとキラキラ光ってとっても綺麗だよ」
「わぁ、本当だ」
外を自由に出られるようになって本当に良かったと思えるくらい、今日の直くんは昇くんの隣で笑顔いっぱいだった。
本当に家族で結婚式に参加できて良かったな。
私はそんな満面の笑みを浮かべた直くんと、それを見守る昇くんの二人をそっと写真におさめた。
直くんの変装も兼ねての女装だったけれど、可愛い直くんのドレス姿も見られたし、私も綺麗な着物を着たおかげで卓さんに褒めてもらえたし良いことづくめ。
敬介くんと尚孝くんにもその仲間になってもらうことに成功して、直くんと一緒に四人で衣装部屋に向かうと、敬介くんは数あるドレスの中からすぐに周平くんが特別に誂えただろうドレスを見つけた。
「多分これだと思うんですけど、ちょっと派手じゃないですか?」
「そんなことないよ。絶対に敬介くんに似合うよ!! ねぇ、直くん」
「はい。すっごく素敵で大人って感じがします」
「うんうん、だよね。敬介くんは着物も似合いそうだけど、ここはやっぱり周平くんのドレス一択だよ」
周平くんが喜ぶことを想像したのか、敬介くんは少し照れながらもそのドレスを手に取っていた。
そして、尚孝くんの衣装。
尚孝くんもドレスも着物も似合いそうだけど、志摩くんは着物が好きそうなんだよね。
それに奥ゆかしい尚孝くんには着物が似合うかなと思って敬介くんにも意見を求めると、敬介くんも着物が似合いそうだと言ってくれた。
ということで尚孝くんの衣装は着物に決定!
「直くん、着物のお部屋に行くけど直くんはどうする?」
「えっと、僕……」
答えに迷いながら敬介くんにちらっと視線を向ける。どうやら同じドレスの敬介くんに興味を持っているみたいだ。大人なドレスに見惚れちゃったかな。
「敬介くん一人じゃ寂しくなっちゃうだろうから、直くんはそっちにいてあげて」
「うん。僕も直くんがいてくれると嬉しいな」
敬介くんは私の意図を汲んでくれたようで、すぐに言葉を続けてくれた。こういうところの気遣いは大学生の頃から変わらない。
「はい」
直くんは敬介くんにも言われたのが嬉しかったようで笑顔で頷いていた。
「じゃあ、尚孝くんの着物選ぼうか」
たくさんのものから探し出したりするのは苦手だけど、さっき卓さんがしてくれてたことを見てたからやり方はわかってる。自分では動けないけれど、尚孝くんならやってくれるだろう。
まず、置かれていたファイルを見て、尚孝くんに似合いそうなものを選ぶ。
「うーん、どれも素敵で迷っちゃうね。あっ、これ……!! どう?」
パラパラとファイルを捲っていると、尚孝くんのイメージにぴったりな空色の着物を見つけた。
「わ! これ素敵ですね!!」
「じゃあ、実物を見てみようか。えっと……」
「この番号のところにあるんですね」
「うん、そうそう!!」
何も言わなくても尚孝くんの方から率先して動いてくれる。一緒にリースを作った時もすぐに理解してくれたし、本当に尚孝くんは頭がいい。
迷うことなく衣装棚から着物が入ったたとう紙を取り出すと、手慣れた様子でそれを開いていった。
「すごい、尚孝くん。慣れてるね」
「母が着物をよく着ていたので、その手伝いをしてたんです。着付けもできるようになっておいた方がいいと言われて、僕も兄も母から着付けを習いました。女性の着物を着たことはないですが、着付けはできるので問題ないです」
「そうなんだ! すごいね! それならヘアメイクをしてもらうだけで準備できちゃうね」
「はい。なので着物で良かったです」
そうか。尚孝くんに着物が似合うと思ったのは、幼い時から触れ合ってきたからこその凜とした佇まいがあったからだろう。
私が選んだ着物を気に入ってくれた尚孝くんと敬介くんのヘアメイクがすぐに始められた。
私と直くんは二人でその様子を見守っていると、衣装部屋の扉が叩かれ、卓さんの声が聞こえた。
「絢斗。もうすぐ櫻葉会長がいらっしゃるようだ。直くんも一緒にみんなで挨拶をしに行こうか」
「あ、それがいいね。敬介くん、尚孝くんをお願いしていいかな?」
「はい。大丈夫です」
「それじゃあ、直くん。行こうか」
家族で招待されたし、親族には挨拶しておかないとね。可愛い直くんを櫻葉さんにも紹介したいし。
私は直くんの手を取って衣装部屋を出た。
すぐ前に卓さんと昇くんが迎えにきてくれていて、一花ちゃんたちに見つからないように裏口からそっと庭に出た。
「わぁ、いい天気ですね」
「うん。本当に結婚式日和だね。直くんのドレス、日に当たるとキラキラ光ってとっても綺麗だよ」
「わぁ、本当だ」
外を自由に出られるようになって本当に良かったと思えるくらい、今日の直くんは昇くんの隣で笑顔いっぱいだった。
本当に家族で結婚式に参加できて良かったな。
私はそんな満面の笑みを浮かべた直くんと、それを見守る昇くんの二人をそっと写真におさめた。
1,410
お気に入りに追加
2,227
あなたにおすすめの小説
尊敬している先輩が王子のことを口説いていた話
天使の輪っか
BL
新米騎士として王宮に勤めるリクの教育係、レオ。
レオは若くして団長候補にもなっている有力団員である。
ある日、リクが王宮内を巡回していると、レオが第三王子であるハヤトを口説いているところに遭遇してしまった。
リクはこの事を墓まで持っていくことにしたのだが......?
花屋の息子
きの
BL
ひょんなことから異世界転移してしまった、至って普通の男子高校生、橘伊織。
森の中を一人彷徨っていると運良く優しい夫婦に出会い、ひとまずその世界で過ごしていくことにするが___?
瞳を見て相手の感情がわかる能力を持つ、普段は冷静沈着無愛想だけど受けにだけ甘くて溺愛な攻め×至って普通の男子高校生な受け
の、お話です。
不定期更新。大体一週間間隔のつもりです。
攻めが出てくるまでちょっとかかります。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
母は姉ばかりを優先しますが肝心の姉が守ってくれて、母のコンプレックスの叔母さまが助けてくださるのですとっても幸せです。
下菊みこと
ファンタジー
産みの母に虐げられ、育ての母に愛されたお話。
親子って血の繋がりだけじゃないってお話です。
小説家になろう様でも投稿しています。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる