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お揃いの制服
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「じゃあ、また明日な」
「おお。またな。気をつけて帰れよ」
「ああ」
村山を見送ってすぐに伯父さんが事務所から戻ってきた。
さようならとうっすら声が聞こえていたから、村山も途中ですれ違ったんだろう。
「伯父さん、おかえり」
「パパ、おかえりなさい」
「ああ。直くん、昇。ただいま」
疲れも吹き飛んだとでもいうような優しい笑顔で挨拶を返されたけどなんとなく視線は直くんだけに向いている気がする。
細かいことだけど、俺の方が先に声をかけたのに……と思ってしまったのは内緒にしておこう。
俺だって、きっと同じようなことをするはずだからな。
「おかえりなさい、卓さん」
「ああ、絢斗。ただいま」
さっと俺たちが玄関から離れたのを見計ったように、絢斗さんが伯父さんの元にやってきた。
そして、ちゅっとキスをする。
父さんと母さんも俺が物心ついた時からしていたから俺にとっては見慣れた光景で、ここに来てしばらくはなかったことの方に驚いていた。
それが直くんへの配慮だったことは後で聞かされて納得したけれど、無事に家族となったことで直くんの前でも解禁になったらしい。
直くんはそれを見てほんのりと頬を染めているけれど、その表情に嫌悪感は微塵も感じられない。
それもそうか。
伯父さんと絢斗さんはいつだって仲睦まじい二人だから。
いつか俺もこうやって直くんに出迎えてもらえたら……。
くっ、想像するだけで興奮してしまう。
「昇、カールくんと村山くんはうまく行ったのか?」
「あ、ああ。お互い好印象みたいだったよ。あれなら村山の家に滞在しても大丈夫そうだ」
「そうか、ならよかった。すぐに食事の支度をするからできたら声をかけるよ」
「何か手伝いましょうか?」
「いや、今日のご飯はすぐに出来るからいい。お前は直くんと部屋に行っておいで」
ああ、そうか。
俺が直くんに制服を買ってきたことを伯父さんは知ってるんだもんな。
早く着せて絢斗さんに見せてあげてということなのだろう。
直くんの制服姿を見せるのは惜しいけれど、そもそもが絢斗さんのアイディアだし仕方がない。
そう考えたら、カールが来た時に四人で制服を着て出かけるのも楽しいかもしれない。
直くんを外に出すのがまだ危険だというなら変装させればいいし。
俺が守るから大丈夫だろう。
「直くん、部屋に行こうか」
「はい」
俺の誘いにはいつもすぐに嬉しそうに返してくれる。
俺としてはもう恋人くらいの気持ちでいるんだけど、直くんは俺のことをどう思っているんだろうな。
「直くん、ソファーに座ってて」
そう言って、俺は学校カバンの中からラッピングされた箱を取り出した。
小さめに包んでもらったけれどまあまあ大きい。
「これ、直くんにプレゼントだよ」
「えっ、でも昨日ももらったのに……」
「いいんだ。俺がプレゼントしたかったから。喜んでもらえたら嬉しい」
「あっ、これ……昨日のプレゼントのリボンと同じですね」
「えっ、ああ。さすがよくわかったね」
「はい。僕……プレゼントもらったのなんて初めてだったから、リボンも包み紙も全部大切なものです」
「直くん……」
今までプレゼントも無しで、周りから話を聞くたびにどれだけ辛い思いをしていたんだろうな。
「開けてもいいですか?」
「ああ、もちろんだよ」
リボンを解く指が震えているのがわかる。
それくらいドキドキしてくれているってことなんだろう。
「わっ――! これ……っ」
「ふふっ。わかった? あのクマ達とお揃いの制服だよ。ほら、俺の制服にそっくりだろう? だから直くんとお揃いで着られたらなって思って今日買ってきたんだ」
「――っ!! 嬉しいっ!!」
「本当? 嬉しい?」
「はい。さっきカールさんが昇さん達と一緒に授業受けるから制服を用意するって話をしていた時、羨ましいなって思ってたんです。だから、僕もお揃いで着られるなんて嬉しくて……」
「直くん、よかったらカールが来た時、村山も一緒に四人で外に出かけないか?」」
「えっ、でも僕……外には……」
「大丈夫、俺が守るし心配なら変装したらいいよ」
「変装?」
「ああ、髪型を変えたりメガネかけたりしたら制服も違うから気づかれないよ」
そういうと直くんの表情がぱあっと明るくなった。
「おお。またな。気をつけて帰れよ」
「ああ」
村山を見送ってすぐに伯父さんが事務所から戻ってきた。
さようならとうっすら声が聞こえていたから、村山も途中ですれ違ったんだろう。
「伯父さん、おかえり」
「パパ、おかえりなさい」
「ああ。直くん、昇。ただいま」
疲れも吹き飛んだとでもいうような優しい笑顔で挨拶を返されたけどなんとなく視線は直くんだけに向いている気がする。
細かいことだけど、俺の方が先に声をかけたのに……と思ってしまったのは内緒にしておこう。
俺だって、きっと同じようなことをするはずだからな。
「おかえりなさい、卓さん」
「ああ、絢斗。ただいま」
さっと俺たちが玄関から離れたのを見計ったように、絢斗さんが伯父さんの元にやってきた。
そして、ちゅっとキスをする。
父さんと母さんも俺が物心ついた時からしていたから俺にとっては見慣れた光景で、ここに来てしばらくはなかったことの方に驚いていた。
それが直くんへの配慮だったことは後で聞かされて納得したけれど、無事に家族となったことで直くんの前でも解禁になったらしい。
直くんはそれを見てほんのりと頬を染めているけれど、その表情に嫌悪感は微塵も感じられない。
それもそうか。
伯父さんと絢斗さんはいつだって仲睦まじい二人だから。
いつか俺もこうやって直くんに出迎えてもらえたら……。
くっ、想像するだけで興奮してしまう。
「昇、カールくんと村山くんはうまく行ったのか?」
「あ、ああ。お互い好印象みたいだったよ。あれなら村山の家に滞在しても大丈夫そうだ」
「そうか、ならよかった。すぐに食事の支度をするからできたら声をかけるよ」
「何か手伝いましょうか?」
「いや、今日のご飯はすぐに出来るからいい。お前は直くんと部屋に行っておいで」
ああ、そうか。
俺が直くんに制服を買ってきたことを伯父さんは知ってるんだもんな。
早く着せて絢斗さんに見せてあげてということなのだろう。
直くんの制服姿を見せるのは惜しいけれど、そもそもが絢斗さんのアイディアだし仕方がない。
そう考えたら、カールが来た時に四人で制服を着て出かけるのも楽しいかもしれない。
直くんを外に出すのがまだ危険だというなら変装させればいいし。
俺が守るから大丈夫だろう。
「直くん、部屋に行こうか」
「はい」
俺の誘いにはいつもすぐに嬉しそうに返してくれる。
俺としてはもう恋人くらいの気持ちでいるんだけど、直くんは俺のことをどう思っているんだろうな。
「直くん、ソファーに座ってて」
そう言って、俺は学校カバンの中からラッピングされた箱を取り出した。
小さめに包んでもらったけれどまあまあ大きい。
「これ、直くんにプレゼントだよ」
「えっ、でも昨日ももらったのに……」
「いいんだ。俺がプレゼントしたかったから。喜んでもらえたら嬉しい」
「あっ、これ……昨日のプレゼントのリボンと同じですね」
「えっ、ああ。さすがよくわかったね」
「はい。僕……プレゼントもらったのなんて初めてだったから、リボンも包み紙も全部大切なものです」
「直くん……」
今までプレゼントも無しで、周りから話を聞くたびにどれだけ辛い思いをしていたんだろうな。
「開けてもいいですか?」
「ああ、もちろんだよ」
リボンを解く指が震えているのがわかる。
それくらいドキドキしてくれているってことなんだろう。
「わっ――! これ……っ」
「ふふっ。わかった? あのクマ達とお揃いの制服だよ。ほら、俺の制服にそっくりだろう? だから直くんとお揃いで着られたらなって思って今日買ってきたんだ」
「――っ!! 嬉しいっ!!」
「本当? 嬉しい?」
「はい。さっきカールさんが昇さん達と一緒に授業受けるから制服を用意するって話をしていた時、羨ましいなって思ってたんです。だから、僕もお揃いで着られるなんて嬉しくて……」
「直くん、よかったらカールが来た時、村山も一緒に四人で外に出かけないか?」」
「えっ、でも僕……外には……」
「大丈夫、俺が守るし心配なら変装したらいいよ」
「変装?」
「ああ、髪型を変えたりメガネかけたりしたら制服も違うから気づかれないよ」
そういうと直くんの表情がぱあっと明るくなった。
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