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直純くんが作ったおにぎりは伯父さんと絢斗さんのもの。
今日だけは仕方がない。
家族としてこれから過ごすことになるかもしれない伯父さんと絢斗さんへの、直純くんの気持ちなのだから。
俺はこうしてそばで支えられるだけで十分だ。
そんなことを思っていると、直純くんがボウルに残ったご飯で一口サイズにも満たないくらいの小さな小さなお米のまとまりを作っていた。
「直純くん、えらいね」
「だって、残したらもったいないですよ」
ご飯を一粒も残さないようにする。
そんなところにも好感が持てる。
「俺にちょうだい」
「えっ? いいんですか?」
「うん、直純くんの手から食べたい」
そんなわがままを言ってみた。
直純くんは少し驚いた様子だったけれど、あーんと開いていた俺の口に食べさせてくれた。
その好機を逃すはずもなく、直純くんの指も一緒に咥える。
それだけでただでさえ美味しいおにぎりが極上の味に変わるんだ。
「うん、美味しいね。これなら伯父さんも絢斗さんも喜んでくれるよ」
そういうと、嬉しそうに顔を綻ばせた。
直純くんにしてみれば、俺がただ味見をしただけだと思うかもしれない。
今はそれでいい。
俺とのスキンシップが普通だと思えるようになってくれたらそれでいいんだ。
俺の作ったおにぎりを美味しそうに頬張る直純くんの唇の端についたご飯粒をとって俺が食べるのも、当然のことだと思わせたらいい。
伯父さんと絢斗さんにはこれから、遠慮せずに直純くんの前で仲のいいところを見せつけてもらおうか。
それもこの家では当然のことだと思わせていくのも良さそうだ。
そんなことを考えていたのだが、絢斗さんが帰ってきた伯父さんと部屋に入っている時に、
「あの……僕、ちょっと考えたんですけど……」
と少し言いにくそうに直純くんが声をかけてきた。
もしかして、俺のスキンシップがうざいとか思われてたり?
いやいや、直純くんがうざいなんて思うわけない。
「もし……本当に、磯山先生と絢斗さんと家族になれたら……磯山先生をなんて呼んだらいいのかなって……」
想像とは真反対の言葉に、俺は一瞬驚いてしまった。
「えっ? ああ、そうか……そうだね。流石に先生だと家族っぽくないか。絢斗さんももっと気楽に呼んでもいいかもね」
「でも、何がいいですか?」
そう言って尋ねてくるということは、直純くんにとって伯父さんたちと家族になることは嫌ではないってことだ。
どちらかを選ばないといけないって思っていたことが、違うとわかったから気持ちも楽になったんだろうな。
でも伯父さんはなんて呼ばれたいんだろう……。
やっぱりお父さん?
いや、パパと呼ばれる伯父さんをみてみたい気もする。
「家族になるんだから、普通はお父さんかパパだろうな」
「――っ、お父さんか、パパ……。でも、僕からそんな呼び方されて嫌じゃないですか?」
「嫌だなんてあるわけないよ。伯父さんの方から直純くんを息子にしたいって言ったんだから、きっと呼ばれたいって思ってるよ」
「そう、なんですね……お父さんか、パパ……」
直純くんの口が何度も何度もお父さん、パパと動いている。
一体どっちを選ぶだろうな。
直純くんならどちらでも可愛いが、俺が突然父さんにパパと呼んだら驚くだろうな。
いや、驚くだけじゃない。
――お前、何か変なものでも食べたのか? 勉強のしすぎでおかしくなったか?
くらいのことは言われそうだ。
「まぁ、ゆっくり考えたらいいよ」
なんて話をしていると、伯父さんたちが部屋から出てきたことにいち早く直純くんが気づいた。
すぐにおにぎりを持って駆け出していくあたり、早く食べて欲しかったんだろうと微笑ましく思えた。
伯父さんが食べるのをドキドキしながら見つめる様子にも少し嫉妬してしまったが、伯父さんの美味しいという言葉に一気に破顔するのもかなり嫉妬してしまった。
俺、こんなに狭量じゃなかったはずなんだけどな。
やっぱり直純くんが特別だってことなんだろうな。
伯父さんがおにぎりを食べ終えたところで、俺たちが何を話していたのかと絢斗さんが尋ねてきた。
直純くんはその話をしていいのかと不安そうに俺をみてきたが、二人にとって嬉しい話だから隠すこともない。
二人をなんて呼ぶか話していたと素直に告げると、絢斗さんは興味津々に呼び方を聞いてきた。
まだそこまでは決めていなかったけれど、直純くんはなんていうんだろうな?
様子を窺っていると、直純くんの口から
「僕にとって父さんはあの父さんでしかないので……」
と出てくる。
まぁそうだろうな。
伯父さんに視線を向けると
「無理はしなくていい。いざとなれば今のままでも……」
なんていつもの口調で話しているけれど、明らかにがっかりしているのがわかる。
やっぱり直純くんにお父さんと呼ばれたかったんだろう。
がっかりしている伯父さんがちょっと可愛い。
後で慰めてやろうかなと思っていると、
「あの、そうじゃなくて……もし、できるならパパって、呼んでもいいですか?」
という直純くんの言葉に、伯父さんは信じられない! と言いたげだけど明らかに表情は嬉しそうでさっきとは比べ物にならない。
「パパ……っ」
直純くんの呼びかけに昇天するほど喜んでいるのがわかる。
今あの時のように、ダイニングテーブルに座っていたら伯父さんの足を蹴ってやったのに……。
残念だな。
でも、これで伯父さんもわかっただろう。
直純くんの可愛さに昇天して反応できなくなる時があることを。
俺はどんなに昇天してもすぐに反応できるように鍛錬しておくか。
かなりの時間を要しそうだが、大丈夫。
時間はたっぷりある。
直純くんと恋人になれるまでただひたすらに頑張るんだ。
直純くんが作ったおにぎりは伯父さんと絢斗さんのもの。
今日だけは仕方がない。
家族としてこれから過ごすことになるかもしれない伯父さんと絢斗さんへの、直純くんの気持ちなのだから。
俺はこうしてそばで支えられるだけで十分だ。
そんなことを思っていると、直純くんがボウルに残ったご飯で一口サイズにも満たないくらいの小さな小さなお米のまとまりを作っていた。
「直純くん、えらいね」
「だって、残したらもったいないですよ」
ご飯を一粒も残さないようにする。
そんなところにも好感が持てる。
「俺にちょうだい」
「えっ? いいんですか?」
「うん、直純くんの手から食べたい」
そんなわがままを言ってみた。
直純くんは少し驚いた様子だったけれど、あーんと開いていた俺の口に食べさせてくれた。
その好機を逃すはずもなく、直純くんの指も一緒に咥える。
それだけでただでさえ美味しいおにぎりが極上の味に変わるんだ。
「うん、美味しいね。これなら伯父さんも絢斗さんも喜んでくれるよ」
そういうと、嬉しそうに顔を綻ばせた。
直純くんにしてみれば、俺がただ味見をしただけだと思うかもしれない。
今はそれでいい。
俺とのスキンシップが普通だと思えるようになってくれたらそれでいいんだ。
俺の作ったおにぎりを美味しそうに頬張る直純くんの唇の端についたご飯粒をとって俺が食べるのも、当然のことだと思わせたらいい。
伯父さんと絢斗さんにはこれから、遠慮せずに直純くんの前で仲のいいところを見せつけてもらおうか。
それもこの家では当然のことだと思わせていくのも良さそうだ。
そんなことを考えていたのだが、絢斗さんが帰ってきた伯父さんと部屋に入っている時に、
「あの……僕、ちょっと考えたんですけど……」
と少し言いにくそうに直純くんが声をかけてきた。
もしかして、俺のスキンシップがうざいとか思われてたり?
いやいや、直純くんがうざいなんて思うわけない。
「もし……本当に、磯山先生と絢斗さんと家族になれたら……磯山先生をなんて呼んだらいいのかなって……」
想像とは真反対の言葉に、俺は一瞬驚いてしまった。
「えっ? ああ、そうか……そうだね。流石に先生だと家族っぽくないか。絢斗さんももっと気楽に呼んでもいいかもね」
「でも、何がいいですか?」
そう言って尋ねてくるということは、直純くんにとって伯父さんたちと家族になることは嫌ではないってことだ。
どちらかを選ばないといけないって思っていたことが、違うとわかったから気持ちも楽になったんだろうな。
でも伯父さんはなんて呼ばれたいんだろう……。
やっぱりお父さん?
いや、パパと呼ばれる伯父さんをみてみたい気もする。
「家族になるんだから、普通はお父さんかパパだろうな」
「――っ、お父さんか、パパ……。でも、僕からそんな呼び方されて嫌じゃないですか?」
「嫌だなんてあるわけないよ。伯父さんの方から直純くんを息子にしたいって言ったんだから、きっと呼ばれたいって思ってるよ」
「そう、なんですね……お父さんか、パパ……」
直純くんの口が何度も何度もお父さん、パパと動いている。
一体どっちを選ぶだろうな。
直純くんならどちらでも可愛いが、俺が突然父さんにパパと呼んだら驚くだろうな。
いや、驚くだけじゃない。
――お前、何か変なものでも食べたのか? 勉強のしすぎでおかしくなったか?
くらいのことは言われそうだ。
「まぁ、ゆっくり考えたらいいよ」
なんて話をしていると、伯父さんたちが部屋から出てきたことにいち早く直純くんが気づいた。
すぐにおにぎりを持って駆け出していくあたり、早く食べて欲しかったんだろうと微笑ましく思えた。
伯父さんが食べるのをドキドキしながら見つめる様子にも少し嫉妬してしまったが、伯父さんの美味しいという言葉に一気に破顔するのもかなり嫉妬してしまった。
俺、こんなに狭量じゃなかったはずなんだけどな。
やっぱり直純くんが特別だってことなんだろうな。
伯父さんがおにぎりを食べ終えたところで、俺たちが何を話していたのかと絢斗さんが尋ねてきた。
直純くんはその話をしていいのかと不安そうに俺をみてきたが、二人にとって嬉しい話だから隠すこともない。
二人をなんて呼ぶか話していたと素直に告げると、絢斗さんは興味津々に呼び方を聞いてきた。
まだそこまでは決めていなかったけれど、直純くんはなんていうんだろうな?
様子を窺っていると、直純くんの口から
「僕にとって父さんはあの父さんでしかないので……」
と出てくる。
まぁそうだろうな。
伯父さんに視線を向けると
「無理はしなくていい。いざとなれば今のままでも……」
なんていつもの口調で話しているけれど、明らかにがっかりしているのがわかる。
やっぱり直純くんにお父さんと呼ばれたかったんだろう。
がっかりしている伯父さんがちょっと可愛い。
後で慰めてやろうかなと思っていると、
「あの、そうじゃなくて……もし、できるならパパって、呼んでもいいですか?」
という直純くんの言葉に、伯父さんは信じられない! と言いたげだけど明らかに表情は嬉しそうでさっきとは比べ物にならない。
「パパ……っ」
直純くんの呼びかけに昇天するほど喜んでいるのがわかる。
今あの時のように、ダイニングテーブルに座っていたら伯父さんの足を蹴ってやったのに……。
残念だな。
でも、これで伯父さんもわかっただろう。
直純くんの可愛さに昇天して反応できなくなる時があることを。
俺はどんなに昇天してもすぐに反応できるように鍛錬しておくか。
かなりの時間を要しそうだが、大丈夫。
時間はたっぷりある。
直純くんと恋人になれるまでただひたすらに頑張るんだ。
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