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感謝の気持ちを
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すみません(汗)
投稿時間間違えてました。
最近ポンコツですみません。
* * *
直純くんを腕に抱き、数時間。
知らないうちに俺も眠ってしまっていた。
腕の中の直純くんが身動ぐのを感じて、目を覚ますとまだ少し瞼を腫らした直純くんがちょうど目を開けるところだった。
「起きた?」
「はい、昇さんも?」
「ああ、今起きた。直純くんが温かったから眠っちゃったよ」
「僕も……昇さんがいてくれて、すごく、安心しました」
そう言ってギュッと抱きついてきてくれる。
きっと今は心が弱っているから、目の前にいる俺に縋り付いていたいんだろう。
ここで調子に乗ってはダメだ。
沸き立つ欲望を必死に抑えて、ただ無心で直純くんを抱きしめ続ける。
「ずっと、そばにいてくれますか?」
「ああ、もちろん。直純くんが嫌がったって、そばにいるよ」
「昇さん……」
「俺は本気だよ。だから、直純くんが俺たちの家族になってくれたら嬉しい」
そういうと、直純くんがピクッと身体を震わせた。
まだこれを言うには早すぎたか……。
そう思っていると直純くんが意を決した様子で口を開いた。
「絢斗さんが……」
「うん」
「絢斗さんが、言ってくれたんです。父さんから別れを告げられても、家族で無くなるわけじゃない。僕がもし、磯山先生と絢斗さんの子どもになっても、それは変わらないって。どちらかを選んで、どちらかが消えてしまうわけじゃなくて、家族が増えることなんだって……。それ聞いて、すごく嬉しかったです……僕には、父さんと母さんしか家族がいなかったから」
どちらかを選んで、どちらかが消えてしまうわけじゃない、か。
さすが絢斗さんだな。
「直純くん……」
「家族が増えるって響き……すごくいいなって思ったんです」
「うん、よくわかるよ」
「でも、僕は父さんをずっと家族だと思っていても、ここの家族になってしまったって父さんが知ったら、傷つかないですか? 僕は、それが怖い……」
やっぱり直純くんが不安になるところはそこだな。
直純くんは優しいから、自分の気持ちよりも相手を優先させてしまうんだ。
今もずっと自分の悲しみより、お父さんのことを考えているし。
もっと、自分のことを優先してもいいのに。
「――っ、直純くん! 大丈夫だよ、大丈夫」
身体を震わせる直純くんを抱きしめながら、
「子どもの幸せを願わない親なんていないよ。むしろ、直純くんを守ってくれる人ができて喜ぶんじゃないかな? もし、俺が直純くんの親なら離れ離れで暮らしている子が幸せなら喜ぶと思うよ」
というと、直純くんは俺の腕の中で小さく頷いた。
「父さんの手紙にも、僕に幸せになって欲しいって書いてました……」
「そうだろう。だから、お父さんは本気で直純くんと別れたいと思っているわけじゃないと思うよ。今は、自分が今まで見過ごしてしまっていたことを振り返って直純くんに謝りたくなってしまっただけじゃないかな。落ち着いたらまた気持ちも変わるよ。それまでは直純くんがずっと幸せでいて、その様子を報告したらいいと思うよ」
「はい……」
「直純くん、喉乾いただろう? お腹も空いているだろうし、空腹だと悪いことばっかり考えてしまうから、何か美味しいものでも食べよう。何が食べたい?」
「なんでも、いいんですか?」
「ああ、直純くんの食べたいものをなんでも作るよ」
「僕……昇さんの、おにぎりが……食べたいです……」
「――っ!! ああ、喜んで作るよ。じゃあ、行こうか」
ベッドから起き上がり、少しふらつく直純くんをピッタリと横に寄り添わせながら、一緒に部屋を出た。
リビングには伯父さんと絢斗さんの姿は見えない。
テーブルに書き置きがあるのを見つけて、手に取ると
<絢斗は16時半まで講義。私は17時には帰ってくる>
と簡潔にわかりやすく書かれていた。
俺はそれを折りたたんでポケットに入れ、一緒にキッチンに向かった。
どうやら起きてきたらご飯を食べると思ってくれていたようで、ご飯が炊けている。
伯父さんは、さすがだな。
「直純くんはそこに座って待ってて」
「あの、僕……絢斗さんと磯山先生に作りたいです……」
「あっ、そうだね。伯父さんも絢斗さんも喜ぶよ」
ご飯をボウルに入れてうちわで冷ましてあげてから、具材を準備して、直純くんが握るのを見届ける。
小さな手で一生懸命に作るおにぎりは以前作ってくれた時より形が整っているように見えた。
本当ならこのおにぎりは俺が食べたいけれど、今日は特別だ。
直純くんから伯父さんたちへの感謝の気持ちなんだろうから。
「できました!」
まだ少し瞼の腫れた目で完成したおにぎりを見せてくれる直純くんは、とても嬉しそうに見えた。
投稿時間間違えてました。
最近ポンコツですみません。
* * *
直純くんを腕に抱き、数時間。
知らないうちに俺も眠ってしまっていた。
腕の中の直純くんが身動ぐのを感じて、目を覚ますとまだ少し瞼を腫らした直純くんがちょうど目を開けるところだった。
「起きた?」
「はい、昇さんも?」
「ああ、今起きた。直純くんが温かったから眠っちゃったよ」
「僕も……昇さんがいてくれて、すごく、安心しました」
そう言ってギュッと抱きついてきてくれる。
きっと今は心が弱っているから、目の前にいる俺に縋り付いていたいんだろう。
ここで調子に乗ってはダメだ。
沸き立つ欲望を必死に抑えて、ただ無心で直純くんを抱きしめ続ける。
「ずっと、そばにいてくれますか?」
「ああ、もちろん。直純くんが嫌がったって、そばにいるよ」
「昇さん……」
「俺は本気だよ。だから、直純くんが俺たちの家族になってくれたら嬉しい」
そういうと、直純くんがピクッと身体を震わせた。
まだこれを言うには早すぎたか……。
そう思っていると直純くんが意を決した様子で口を開いた。
「絢斗さんが……」
「うん」
「絢斗さんが、言ってくれたんです。父さんから別れを告げられても、家族で無くなるわけじゃない。僕がもし、磯山先生と絢斗さんの子どもになっても、それは変わらないって。どちらかを選んで、どちらかが消えてしまうわけじゃなくて、家族が増えることなんだって……。それ聞いて、すごく嬉しかったです……僕には、父さんと母さんしか家族がいなかったから」
どちらかを選んで、どちらかが消えてしまうわけじゃない、か。
さすが絢斗さんだな。
「直純くん……」
「家族が増えるって響き……すごくいいなって思ったんです」
「うん、よくわかるよ」
「でも、僕は父さんをずっと家族だと思っていても、ここの家族になってしまったって父さんが知ったら、傷つかないですか? 僕は、それが怖い……」
やっぱり直純くんが不安になるところはそこだな。
直純くんは優しいから、自分の気持ちよりも相手を優先させてしまうんだ。
今もずっと自分の悲しみより、お父さんのことを考えているし。
もっと、自分のことを優先してもいいのに。
「――っ、直純くん! 大丈夫だよ、大丈夫」
身体を震わせる直純くんを抱きしめながら、
「子どもの幸せを願わない親なんていないよ。むしろ、直純くんを守ってくれる人ができて喜ぶんじゃないかな? もし、俺が直純くんの親なら離れ離れで暮らしている子が幸せなら喜ぶと思うよ」
というと、直純くんは俺の腕の中で小さく頷いた。
「父さんの手紙にも、僕に幸せになって欲しいって書いてました……」
「そうだろう。だから、お父さんは本気で直純くんと別れたいと思っているわけじゃないと思うよ。今は、自分が今まで見過ごしてしまっていたことを振り返って直純くんに謝りたくなってしまっただけじゃないかな。落ち着いたらまた気持ちも変わるよ。それまでは直純くんがずっと幸せでいて、その様子を報告したらいいと思うよ」
「はい……」
「直純くん、喉乾いただろう? お腹も空いているだろうし、空腹だと悪いことばっかり考えてしまうから、何か美味しいものでも食べよう。何が食べたい?」
「なんでも、いいんですか?」
「ああ、直純くんの食べたいものをなんでも作るよ」
「僕……昇さんの、おにぎりが……食べたいです……」
「――っ!! ああ、喜んで作るよ。じゃあ、行こうか」
ベッドから起き上がり、少しふらつく直純くんをピッタリと横に寄り添わせながら、一緒に部屋を出た。
リビングには伯父さんと絢斗さんの姿は見えない。
テーブルに書き置きがあるのを見つけて、手に取ると
<絢斗は16時半まで講義。私は17時には帰ってくる>
と簡潔にわかりやすく書かれていた。
俺はそれを折りたたんでポケットに入れ、一緒にキッチンに向かった。
どうやら起きてきたらご飯を食べると思ってくれていたようで、ご飯が炊けている。
伯父さんは、さすがだな。
「直純くんはそこに座って待ってて」
「あの、僕……絢斗さんと磯山先生に作りたいです……」
「あっ、そうだね。伯父さんも絢斗さんも喜ぶよ」
ご飯をボウルに入れてうちわで冷ましてあげてから、具材を準備して、直純くんが握るのを見届ける。
小さな手で一生懸命に作るおにぎりは以前作ってくれた時より形が整っているように見えた。
本当ならこのおにぎりは俺が食べたいけれど、今日は特別だ。
直純くんから伯父さんたちへの感謝の気持ちなんだろうから。
「できました!」
まだ少し瞼の腫れた目で完成したおにぎりを見せてくれる直純くんは、とても嬉しそうに見えた。
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