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初めての感情
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<side直純>
この家にきて、大好きになったものが二つ。
いや、もっといっぱいあるけれど、劇的に変わったのはこの二つ。
一つは食事。
家にいた時は、食事の時間が苦痛でしかなかった。
朝食だけは家族揃って食べていたけれど、ご飯を食べないと力が出ないという父さんはいつもご飯と味噌汁、それに焼き魚や卵焼きを食べていた。
僕もそれを食べたかったけれど、子どもは朝はパンだと言われていつも焼いてないパンと冷たい牛乳だけだった。
目の前で美味しそうにご飯とおかずを食べる父さんが羨ましかったけれど、食べたそうな顔をすると母さんに叱られるからグッと我慢していた。
きっと父さんは僕がこんな思いをしながら朝食を食べていたことを知らなかっただろう。
でもそれは仕方がない。
僕が必死に隠していたんだから。
もし、変なことを言ってしまったら父さんとの食事の時間も無くなってしまうような気がして何もいえなかった。
昼食は学校に行っているときは給食だったはずだけど、母さんが僕にアレルギーがあるからと言って弁当を持っていくことを学校に認めさせてしまった。
そのせいで僕だけいつもお弁当。
白米とブロッコリー、茹でただけの鶏肉にミニトマト。
これが毎日繰り返される。
そして夕食もほぼ同じメニュー。
時々白米が茹でたじゃがいもに変わるくらいで毎日一緒。
目の前で母さんはいろんなものを食べていた。
これは大人の食べ物だからと言われて、匂いだけを嗅ぎながら自分のご飯を食べた。
そんな生活だったから食事の時間が嫌で仕方がなかったんだ。
そして、二つ目はお風呂。
この家にきて初めてお風呂に入らせてもらった日。
いつものように急いで髪と身体を洗いチェックのために慌てて裸で出てきた僕を、褒めてくれるかと思った絢斗さんは驚愕の表情を浮かべて慌てたように脱衣所へ連れ帰った。
僕が今までのお風呂のことを話すと、
――いい? 今までのお風呂のことは全部忘れて。ここでは、最低でも30分。のんびり湯船に浸かって身体を中まであっためて。ぽかぽかになったらぐっすり眠れるからね。
と優しく教えてくれた。
もちろん、裸チェックもなし。
脱衣所に置いてあるパジャマに着替えて出てくるように言われてほっとしたんだ。
それだけでもお風呂時間は嫌なものではなくなったけれど、翌日、磯山先生はお湯の中を泳ぐアヒルや、身体を洗うイルカのスポンジを買ってきてくれて、それと一緒にお風呂に入るようになってからはお風呂の時間が楽しくてたまらなくなった。
そして、絢斗さんが毎日入れてくれる入浴剤もまた楽しみの一つになっていた。
今日も花の香りのするお風呂に首まで浸かって癒されてほかほかになって出てきたら、美味しいレモン水を渡される。
きっと幸せってこういうことを言うんだろうな……。
と思っていたら、磯山先生から大事な話があると言われてドキッとした。
その真剣な声に何かあったのかと不安になっていると、絢斗さんが優しく大丈夫だよと声をかけてくれた。
その声にホッとしながら、磯山先生のところに行くと、明日甥っ子さんが泊まりにくると言う話だった。
誰かが泊まりにくるなんて初めてのことでドキドキするけれど、家族として迎えたいと言われて温かい気持ちが広がっていく。
先生の甥っ子さん。
昇さんか……。
一体どんな人なんだろうな。
朝食を食べ終え、絢斗さんとおしゃべりをしていると、ピンポンと玄関ベルが鳴る音が聞こえた。
一気に緊張してしまう僕に、
「ふふっ。昇くん、話しやすくていい子だから安心していいよ」
と優しい声をかけてくれる。
本当に絢斗さんって優しい人だな。
「ああ、来たな」
「はい。一泊ですけどお世話になります!」
「ああ、だが今までのようにお客さんとしては扱わないぞ。これから一緒に暮らしていけるかどうかのお試しだからな」
「わかってます! なんでも言ってください!」
「ふふっ。いい心がけだ。そのつもりならビシバシやってやるかな」
にこやかな磯山先生の表情に、甥っ子さんである昇さんとの関係が良好なんだとわかる。
僕にはそんな存在はいなかったからな……。
ちょっと羨ましいかも。
「じゃあ、早速直純くんを紹介しよう」
そう言って、磯山先生が彼を連れてこっちに近づいてくる。
わっ、先生にちょっと似てるかも。
ぼーっと見つめていると、昇さんと目が合ってしまった。
しまった!
嫌がられるかも……。
そう思ったけれど、昇さんは僕を見ると優しく微笑みを見せてくれた。
その笑顔に僕はなぜかドキッとしたんだ。
「彼は直純くん。我が家で預かっている大事な子だよ。直純くん、挨拶できるかな?」
「は、はい。あの、迫田直純です。14歳です。よろしくお願いします」
それだけ言うのが必死だったけれど、昇さんは
「丁寧にありがとう。俺は磯山昇。桜城大学を目指して勉強中の18歳。よろしくね」
と笑顔で手を差し出してくれた。
ドキドキしながら、僕も手を差し出すときゅっと握られる。
その心地良い温もりと優しい笑顔に僕の胸はどうにかなってしまいそうなほど高鳴っていた。
<side昇>
突然決まった父さんの海外赴任。
いや、本当のところを言うとそろそろかとは思っていた。
父さんはフランス本社での仕事を希望していたし、その能力も十分にある。
自分の能力を認めてくれる場所で働けるなんて、社会人としてこれほど幸せなことはないだろう。
今までも数回海外赴任に一緒について行ったおかげで、俺の語学力もコミュニケーション能力も上がったし、それは感謝している。
きっとこの経験は俺にとって大きな糧になるだろう。
俺の予想では俺が大学に入学してから辞令がくるはずだった。
けれど、フランス本社から緊急事態ですぐにでも能力のある人を寄越してほしいという要望があり、俺の計算よりも早く父さんに辞令が下ってしまった。
父さんは昔から、高校生までは家族で過ごそうと言っていたから、今回の海外赴任も俺をつれて行く気満々だった。
だけど俺にだって自分なりの人生設計がある。
いくら親といえどもそれを壊してほしくない。
だが、まだ高校生の俺には一人暮らしはできない。
そこで悩みに悩んで思いついたのが伯父さん家に居候することだった。
幼い子どもでもない。
絶対に役に立てる自信もあったし、いつまで経ってもイチャラブな二人の邪魔は絶対にしない。
空気の読める男だという自負もある。
俺が必死に頼めば八割くらいの確率でオッケーしてくれると思ってた。
だけど、伯父さんはすぐにはオッケーはしてくれなかった。
いや、伯父さん自身はOKぽかったけれど、話を聞くと今、伯父さん家には預かっている子がいて、その子の意見を聞かなければOKは出せないと言われてしまった。
確かにそれはそうだろう。
親戚同士だって気を遣うのに、他人がいればおいそれと了承はできないだろう。
でも俺にも事情がある。
とりあえずその子と会ってみて、気が合えばなんとかなる。
なんとか交渉してお試し宿泊を取り付けた。
ホッと胸を撫で下ろしていると、さっき電話を切ったばかりの伯父さんから電話がかかってきた。
ー今、いいか?
ー何かありましたか?
ーいや、とりあえず明日の泊まりは大丈夫だ。
ーああ、よかった。
とりあえずそこをクリアしないといけなかったからな。
ー昇に前もって話しておかないといけないことがあるんだが……
伯父さんのその声のトーンで重要なことだと言うのはよくわかった。
ーなんですか?
ーうちで預かっている子なんだが、ちょっと事件がらみで預かった子で、今は外部との接触を絶っているんだ。
ー事件がらみって、その子が何か犯罪を犯したわけではないんでしょう?
ーああ、逆に彼は被害者だよ。母親に洗脳されてかなり制限された生活を送っていたんだ。
ーそれは……ひどいですね。
ーああ、今うちで絢斗と彼の洗脳を解きながら、人間らしい生活に戻しているところなんだ。だから、昇にもそう言う心づもりで来てほしい。
ー大丈夫です。任せてください!
ーははっ。そう言ってくれるとありがたいよ。じゃあ、明日。ああ、来る時にプリンを買ってきてくれないか? 彼が好きなんだ。お金は後で渡すよ。
ーお金はいらないですよ。でもわかりました。とっておきのプリンを買っていきますよ。
そう約束して電話を切った。
母親に洗脳されていた子か……。
伯父さんがあんなに言うくらいだからよほどひどい状態だったんだろうな。
どんな子だろう。
名も顔も知らない子のことがなぜかずっと気になりながら、俺は眠りについた。
翌日、約束のプリンを片手に伯父さん家に向かった。
伯父さんと世間話をしながらも気になるのは彼の姿。
「じゃあ、早速直純くんを紹介しよう」
待ちに待った言葉を投げかけられ、進んでいった先にいたのは驚くほど笑顔の可愛い、小さな彼だった。
この家にきて、大好きになったものが二つ。
いや、もっといっぱいあるけれど、劇的に変わったのはこの二つ。
一つは食事。
家にいた時は、食事の時間が苦痛でしかなかった。
朝食だけは家族揃って食べていたけれど、ご飯を食べないと力が出ないという父さんはいつもご飯と味噌汁、それに焼き魚や卵焼きを食べていた。
僕もそれを食べたかったけれど、子どもは朝はパンだと言われていつも焼いてないパンと冷たい牛乳だけだった。
目の前で美味しそうにご飯とおかずを食べる父さんが羨ましかったけれど、食べたそうな顔をすると母さんに叱られるからグッと我慢していた。
きっと父さんは僕がこんな思いをしながら朝食を食べていたことを知らなかっただろう。
でもそれは仕方がない。
僕が必死に隠していたんだから。
もし、変なことを言ってしまったら父さんとの食事の時間も無くなってしまうような気がして何もいえなかった。
昼食は学校に行っているときは給食だったはずだけど、母さんが僕にアレルギーがあるからと言って弁当を持っていくことを学校に認めさせてしまった。
そのせいで僕だけいつもお弁当。
白米とブロッコリー、茹でただけの鶏肉にミニトマト。
これが毎日繰り返される。
そして夕食もほぼ同じメニュー。
時々白米が茹でたじゃがいもに変わるくらいで毎日一緒。
目の前で母さんはいろんなものを食べていた。
これは大人の食べ物だからと言われて、匂いだけを嗅ぎながら自分のご飯を食べた。
そんな生活だったから食事の時間が嫌で仕方がなかったんだ。
そして、二つ目はお風呂。
この家にきて初めてお風呂に入らせてもらった日。
いつものように急いで髪と身体を洗いチェックのために慌てて裸で出てきた僕を、褒めてくれるかと思った絢斗さんは驚愕の表情を浮かべて慌てたように脱衣所へ連れ帰った。
僕が今までのお風呂のことを話すと、
――いい? 今までのお風呂のことは全部忘れて。ここでは、最低でも30分。のんびり湯船に浸かって身体を中まであっためて。ぽかぽかになったらぐっすり眠れるからね。
と優しく教えてくれた。
もちろん、裸チェックもなし。
脱衣所に置いてあるパジャマに着替えて出てくるように言われてほっとしたんだ。
それだけでもお風呂時間は嫌なものではなくなったけれど、翌日、磯山先生はお湯の中を泳ぐアヒルや、身体を洗うイルカのスポンジを買ってきてくれて、それと一緒にお風呂に入るようになってからはお風呂の時間が楽しくてたまらなくなった。
そして、絢斗さんが毎日入れてくれる入浴剤もまた楽しみの一つになっていた。
今日も花の香りのするお風呂に首まで浸かって癒されてほかほかになって出てきたら、美味しいレモン水を渡される。
きっと幸せってこういうことを言うんだろうな……。
と思っていたら、磯山先生から大事な話があると言われてドキッとした。
その真剣な声に何かあったのかと不安になっていると、絢斗さんが優しく大丈夫だよと声をかけてくれた。
その声にホッとしながら、磯山先生のところに行くと、明日甥っ子さんが泊まりにくると言う話だった。
誰かが泊まりにくるなんて初めてのことでドキドキするけれど、家族として迎えたいと言われて温かい気持ちが広がっていく。
先生の甥っ子さん。
昇さんか……。
一体どんな人なんだろうな。
朝食を食べ終え、絢斗さんとおしゃべりをしていると、ピンポンと玄関ベルが鳴る音が聞こえた。
一気に緊張してしまう僕に、
「ふふっ。昇くん、話しやすくていい子だから安心していいよ」
と優しい声をかけてくれる。
本当に絢斗さんって優しい人だな。
「ああ、来たな」
「はい。一泊ですけどお世話になります!」
「ああ、だが今までのようにお客さんとしては扱わないぞ。これから一緒に暮らしていけるかどうかのお試しだからな」
「わかってます! なんでも言ってください!」
「ふふっ。いい心がけだ。そのつもりならビシバシやってやるかな」
にこやかな磯山先生の表情に、甥っ子さんである昇さんとの関係が良好なんだとわかる。
僕にはそんな存在はいなかったからな……。
ちょっと羨ましいかも。
「じゃあ、早速直純くんを紹介しよう」
そう言って、磯山先生が彼を連れてこっちに近づいてくる。
わっ、先生にちょっと似てるかも。
ぼーっと見つめていると、昇さんと目が合ってしまった。
しまった!
嫌がられるかも……。
そう思ったけれど、昇さんは僕を見ると優しく微笑みを見せてくれた。
その笑顔に僕はなぜかドキッとしたんだ。
「彼は直純くん。我が家で預かっている大事な子だよ。直純くん、挨拶できるかな?」
「は、はい。あの、迫田直純です。14歳です。よろしくお願いします」
それだけ言うのが必死だったけれど、昇さんは
「丁寧にありがとう。俺は磯山昇。桜城大学を目指して勉強中の18歳。よろしくね」
と笑顔で手を差し出してくれた。
ドキドキしながら、僕も手を差し出すときゅっと握られる。
その心地良い温もりと優しい笑顔に僕の胸はどうにかなってしまいそうなほど高鳴っていた。
<side昇>
突然決まった父さんの海外赴任。
いや、本当のところを言うとそろそろかとは思っていた。
父さんはフランス本社での仕事を希望していたし、その能力も十分にある。
自分の能力を認めてくれる場所で働けるなんて、社会人としてこれほど幸せなことはないだろう。
今までも数回海外赴任に一緒について行ったおかげで、俺の語学力もコミュニケーション能力も上がったし、それは感謝している。
きっとこの経験は俺にとって大きな糧になるだろう。
俺の予想では俺が大学に入学してから辞令がくるはずだった。
けれど、フランス本社から緊急事態ですぐにでも能力のある人を寄越してほしいという要望があり、俺の計算よりも早く父さんに辞令が下ってしまった。
父さんは昔から、高校生までは家族で過ごそうと言っていたから、今回の海外赴任も俺をつれて行く気満々だった。
だけど俺にだって自分なりの人生設計がある。
いくら親といえどもそれを壊してほしくない。
だが、まだ高校生の俺には一人暮らしはできない。
そこで悩みに悩んで思いついたのが伯父さん家に居候することだった。
幼い子どもでもない。
絶対に役に立てる自信もあったし、いつまで経ってもイチャラブな二人の邪魔は絶対にしない。
空気の読める男だという自負もある。
俺が必死に頼めば八割くらいの確率でオッケーしてくれると思ってた。
だけど、伯父さんはすぐにはオッケーはしてくれなかった。
いや、伯父さん自身はOKぽかったけれど、話を聞くと今、伯父さん家には預かっている子がいて、その子の意見を聞かなければOKは出せないと言われてしまった。
確かにそれはそうだろう。
親戚同士だって気を遣うのに、他人がいればおいそれと了承はできないだろう。
でも俺にも事情がある。
とりあえずその子と会ってみて、気が合えばなんとかなる。
なんとか交渉してお試し宿泊を取り付けた。
ホッと胸を撫で下ろしていると、さっき電話を切ったばかりの伯父さんから電話がかかってきた。
ー今、いいか?
ー何かありましたか?
ーいや、とりあえず明日の泊まりは大丈夫だ。
ーああ、よかった。
とりあえずそこをクリアしないといけなかったからな。
ー昇に前もって話しておかないといけないことがあるんだが……
伯父さんのその声のトーンで重要なことだと言うのはよくわかった。
ーなんですか?
ーうちで預かっている子なんだが、ちょっと事件がらみで預かった子で、今は外部との接触を絶っているんだ。
ー事件がらみって、その子が何か犯罪を犯したわけではないんでしょう?
ーああ、逆に彼は被害者だよ。母親に洗脳されてかなり制限された生活を送っていたんだ。
ーそれは……ひどいですね。
ーああ、今うちで絢斗と彼の洗脳を解きながら、人間らしい生活に戻しているところなんだ。だから、昇にもそう言う心づもりで来てほしい。
ー大丈夫です。任せてください!
ーははっ。そう言ってくれるとありがたいよ。じゃあ、明日。ああ、来る時にプリンを買ってきてくれないか? 彼が好きなんだ。お金は後で渡すよ。
ーお金はいらないですよ。でもわかりました。とっておきのプリンを買っていきますよ。
そう約束して電話を切った。
母親に洗脳されていた子か……。
伯父さんがあんなに言うくらいだからよほどひどい状態だったんだろうな。
どんな子だろう。
名も顔も知らない子のことがなぜかずっと気になりながら、俺は眠りについた。
翌日、約束のプリンを片手に伯父さん家に向かった。
伯父さんと世間話をしながらも気になるのは彼の姿。
「じゃあ、早速直純くんを紹介しよう」
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