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結婚式と初夜※
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今日で完結させようと思ったらかなり長くなってしまいました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
あっという間に結婚式当日。
俺も湊介も朝からなんとなくソワソワしてる。
俺は特に湊介に話しかけられてもなんとなく上の空になってしまっている。
それというのも、昨夜になってから、実は結婚式には家族どころか会社の人たちまで招待していることを教えられたからだ。
あんなにもスピード婚だったからてっきり俺と湊介だけの2人っきりの式だと思っていたのだけど、考えてみれば湊介は一年も前から計画を練っていたわけで俺の家族にもその頃から報告していたらしい。
俺には内緒だと言い含められていたせいで、俺の耳には全く入ってきてなくて、びっくりして思わず母さんに電話したら、
「てっきり付き合ってるとばかり思ってたから結婚も時間の問題と思ってたし」
とあっけらかんに言われてしまった。
知らなかったのは本当に俺だけだったみたいだ。
鈍感だって気付いてなかったけど、こうも周りに知られていると、鈍感だと認めざるを得ない。
俺の会社の人たちには報告した時にあれだけ驚いていたんだから、流石に知らなかったんだろうと思ったけれど、部長以上の役職付きは湊介から招待状が疾うの昔に送られていて皆知っていたらしい。
そして、俺の報告のすぐ後に俺の部署の社員たちにも一斉に招待状が送られていたらしく、みんなから出席の返事をもらったんだとか。
湊介のあまりにも用意周到な計画になんだか手の上で転がされてる感が半端ないけれど、それと同時に自分が思っていたよりもずっと大事になったようで緊張が止まらない。
上の空になっても仕方がないと思ってほしい。
湊介はそんな俺でもいつも通り可愛いと言ってくれて、本当にどこまでも俺のことを好きでいてくれて驚いてしまう。
今日からそんな湊介と本当に夫夫になるんだと思うとわぁーーっ! と大声で叫びたくなってしまうくらいだ。
そんな緊張しまくりの俺を乗せて、湊介の車は結婚式を挙げるホテルへと到着した。
すぐに新夫控室へと連れて行かれ、湊介としばしのお別れ。
ドキドキしながら部屋に入ると、あのドレスが綺麗に準備されていた。
見れば見るほど繊細なレースが施され、手縫いで一つ一つ付けられた石もキラキラと輝いている。
これは全て本物のダイヤを使っていると教えられた時はかなり驚いた。
湊介がデザインして特注した豪華絢爛なこのドレス……湊介のデザイナーとしての価値も入れたらとんでもない金額になりそうだ。
破かないようにそれだけは注意しないとな。
この前の試着の時に湊介が俺にピッタリ合うように補正してくれたから、これは本当に俺だけのドレスだ。
メイクも髪も準備してもらってドレスに袖を通すと、周りのスタッフさんから感嘆の声が漏れた。
この前は髪とメイクはしていなかったから俺も初見だけど、
「これ……ほんとに、俺??」
と鏡の中に信じられなくなるほど綺麗なドレス姿の俺が映っていて驚いてしまう。
「こんなにお美しい新夫さまをご覧になったら、新郎さまも大喜びになられますよ」
スタッフさんからの言葉に少し照れながら、準備を整えて待っていると、湊介が部屋へとやってきた。
「莉斗、準備でき――」
声をかけながら入ってきた湊介は俺を見たまま目を丸くして言葉に詰まった。
一瞬悪い方に考えてドキッとしたけれど、湊介の顔がどんどん赤くなってきたからホッとした。
「湊介……似合う?」
少し恥ずかしくて小声で呟くと、湊介は駆け寄ってきて俺を抱きしめようとした。
けれど、ドレスを着ているから少し躊躇っている様子の湊介に
「大丈夫ですよ、すぐにお直しいたしますから……」
とスタッフさんが声をかけてくれて、喜んだ湊介に抱きしめられた。
「莉斗、本当に綺麗だよ」
その一言が湊介の心からの言葉だとわかる。
綺麗に準備を整えられ、俺たちは教会へと向かった。
もうすでに参列者は中に入っているらしい。
ドキドキしながら、扉が開かれる。
俺は湊介と腕を組んで顔を上げた。
扉から明るい光が差し込み、俺たちを照らしていく。
その瞬間飛び込んできたのは大勢の人たちの笑顔だった。
俺たちはゆっくりとバージンロードを歩き、神父様の元へと歩いて行った。
そして、俺たちは永遠の愛を誓い、みんなの前で口づけをした。
大勢の人に見守られてのキスは恥ずかしさももちろんあったけれど、みんなに祝福してもらっている嬉しさの方が優っていた。
「莉斗、綺麗だよ!!!」
「青葉くん!! おめでとう!!」
「湊介さん、おめでとう!!」
涙の中で祝福の声が飛び交いながら、俺たちはようやく夫夫になった。
いや、厳密にいうとまだ夫夫にはなっていない。
俺たちはまだ清い身体だから。
結婚式が終わると途端に初夜を意識してしまう。
俺は隣にいる湊介にドキドキしっぱなしでいるうちに、あっという間に披露宴も終わっていた。
「莉斗くん、うちの湊介は莉斗くんのこと大好きで重すぎると思うけど見捨てないでやってね」
「莉斗くん、今度ゆっくりうちにも遊びに来て! 湊介は一緒じゃなくてもいいから」
「は、はい。ありがとうございます」
高校の時からよく知っている湊介の家族だけど、いつも湊介より俺の方を可愛がってくれる。
「父さんも母さんも莉斗は俺のだから! 絶対に1人では実家には帰らせないからな」
いつも冷静な湊介も家族の前ではちょっと言動も幼くて可愛い。
湊介も俺の家族にいろいろと言われていたけれど、なんだか知らない間にかなり仲良くなっているみたいで驚いてしまう。
出席してくれた人への見送りを済ませると、
「じゃあ、俺たちも部屋に行こうか」
とお姫様抱っこで抱き上げられ、俺はびっくりして湊介の首に抱きついた。
「ふふっ。俺のお姫さまを絶対に落としたりしないから、安心して」
「うん、湊介……大好き」
「くっ――!」
湊介は俺の言葉に突然眉を顰めて、急いでエレベーターに乗り込んだ。
「湊介、どうしたの?」
「莉斗が可愛すぎてキスしたくてたまらない」
エレベーターの中は2人っきりだからしてくれていいのに。
そう思っていたけれど、
「今、莉斗にキスしたらもうそのまま歯止め効かずに押し倒してしまいそうだからな。
必死に抑えてるんだ」
と言われて一気に顔が赤くなった。
そういえば、湊介はずっとずっと我慢してくれているんだよね。
「今日は俺のこと、好きにしていいからね……」
「――っ!! ああっ、もう煽るなって!! 本当に我慢できなくなるぞ!」
「いいよ、俺。今日は湊介を全身で感じたいんだ……」
俺がそう告げた瞬間、エレベーターの扉がさっと開き、俺たちの泊まる部屋に着いた。
湊介は俺を抱きかかえたまま、器用に扉を開け一目散に寝室へと直行した。
そして、俺をドレスのままベッドに寝かせると、俺を見つめたままジャケットを脱ぎ床に投げ捨てた。
いつも紳士な湊介の獰猛な獣のような姿にゾクリと身体が震える。
これは恐怖ではなく、俺も興奮しているんだと思う。
無造作にネクタイを引き抜く姿に思わずゴクリと唾を呑み込む。
湊介はそんな俺の表情ひとつひとつをじっくりと見ながら、ふっと笑みを浮かべた。
「莉斗のその顔をずっと見たいと思ってたんだ……」
「えっ……どんな顔?」
「俺のこと、欲しいって情欲に塗れた顔かな……」
湊介はそう言い放ったと同時に俺の唇にキスをした。
あっという間に舌を挿し入れられ、舌を絡め取られる。
そんな深いキスにあっという間に俺は落ちていった。
知らぬ間にお互いを貪るような深いキスをし合いながら、湊介は脇につけられた小さなファスナーを外し、そこから手を進入させてきた。
俺はそんなところにファスナーがあったことも知らなかったけれど、湊介自身が作っているのだから知り尽くしていて当然だろう。
「このドレスを着たまま莉斗と愛し合うことを考えて作ってあるからな」
キスの合間に耳元でそんなことを囁かれ、ドレスを着ているのに、まるで全てを曝け出されているような感覚に一気に恥ずかしさが募る。
「ほら、これとか……」
「ひゃぁーーっ」
ドレスの中に入れられた手が俺の乳首に触れる。
俺の声に湊介が笑みを浮かべる。
「ああ、莉斗が可愛い」
「んんっ、ん……っ」
キスをされながら、乳首を爪先でコリコリと弄られて……こんな刺激に慣れていない俺の身体はあっという間に昂ってしまう。
「そう、すけぇ……した、ぎが、ぬれちゃう……」
「ふふっ。もうそんなに気持ち良くなっちゃったのか?」
「だって……そう、すけがぁ……」
「ああ、そうだな。俺のせいだな。わかった。脱がしてやるよ」
そう言って、ドレスの裾をまくられて思い出した。
そういえば、今日の下着って……
「かーわいいっ。レースいっぱいだな」
「だって、どれすの、ときはコレだって……」
「ああ、ドレスを作った俺が指示したからな」
穿いているのかどうかもわからないくらいの薄くて繊細なレースの下着に穿くのだって破いちゃいそうで怖かったのに。
俺が興奮して勃たせちゃったらそのまま破れてしまいそう。
「ああっん……やぁ……ん!」
もうすでに濡れてしまった先端を指先でぐりぐりと弄られてヌチャヌチャと水音が聞こえてくる。
レースなんて下着としての役割を全然果たしていないじゃないか。
そう怒りたくても濡らしてしまったのは自分自身だし。
「っああっ――! ああっ、ああっ……だ、めっ、それ……!」
湊介はレースの下着を穿かせたまま、俺のを扱き出した。
湊介の手だけでなくレース生地の刺激も増して、なんともいえない快感が押し寄せてくる。
このままされたらもうイッちゃう!
「いやっ……、だめっ、ああ、そ、うすけぇ……イク、イッちゃうっ!!」
あっという間に限界を迎えた俺は、下着をつけたままトプリトプリと蜜を漏らした。
「ああ、莉斗がエロすぎるっ!」
「ううっ、ぬがせてほしかったのにぃ……!」
涙目でそういうと、
「ごめんごめん、莉斗が可愛すぎて我慢できなかった」
と優しく俺の瞼にキスしながら、ドロドロになった下着を脱がせてくれた。
「……これ、初夜の記念に保管しておこうかな」
「えっ? いま、なんて……いったの?」
「いや、なんでもない」
俺は湊介の言葉が気になったけれど、蜜に塗れたおれのものを舐め取られてもうそれどころじゃなくなっていた。
湊介の舌で綺麗にしてもらってから、湊介が
「そろそろ俺も気持ちよくさせてもらうな」
と言って、ベルトを引き抜き、ズボンと下着を一気に脱ぎ去った。
「――っ! えっ、そ、れ……」
初めて見る湊介のモノは俺の粗末なモノよりもずっとずっと太くて大きい。
「大丈夫、優しくするから……莉斗に痛い思いなんか絶対にさせない」
そう断言されて、正直恐怖なんか一ミリもなくなった。
それよりも早く湊介と繋がりたいという気持ちしかなかった。
「そうすけ……のこと、あいしてる、からがまんしないで、すきにして……。
おれ、はやく、つながりたい……!」
必死にそう告げると湊介の瞳がカッと見開き、
「ああ、いっぱい愛してやるよ」
と言ったかと思うと、いつの間にか持っていたローションで俺の後孔を解し始めた。
俺でも触れたことのない場所に湊介の指が触れていると思うだけで身体がゾクゾクと震える。
指がちゅぷっと中に挿入られ、クチュクチュとかき混ぜられていく。
湊介の長い指が中のいろんな場所を擦っていくたびに身体中に電流が走ったような感覚が襲ってくる。
「感じてくれてたらいいから……」
「ああ……っん、ああっ、んんっ……」
あっという間に3本の指で中を擦られ、感じすぎておかしくなりそうだ。
「そう、すけぇ……はやくぅ……」
「――っ! ああ、挿入てあげるよ」
湊介は後孔から指を引き抜き、ローションを纏わせた熱くて大きな昂りをあてがった。
ぬちゅぬちゅと入口を擦られるだけで気持ちがいい。
その勢いで湊介の大きなモノそのままグチュンと大きな音を立てて中に挿入ってきた。
もっと痛いと思っていたけど、湊介のほぐし方が上手なんだろう。
痛みというよりは中を拡げられていくようなそんな感覚を覚えながら、俺の身体は湊介のモノを受け入れていく。
ズズッ、ズズッと奥へ奥へと挿入されていくのを感じながら、お尻に湊介の腰が当たる感覚がして最後まで挿入したんだとわかった。
ドレスを胸まで捲り上げて見てみるともう湊介の大きなモノは俺の臍あたりまで挿入されている。
「ああ、莉斗が包み込んでくる。気持ちがいい……」
ピッタリと隙間なくはまり込んで、もう本当に俺たちは一つになれたんだと実感する。
「悪い、莉斗。少し動くな」
「だい、じょうぶ……いっぱい、うごいてぇ……」
「くっ――! だから、もうっ!!」
湊介はもう我慢できないと言った様子で、急に激しくガツガツと腰を振り始めた。
「ああっ、ああっ、ああっ、んっ……」
湊介が腰を動かすたびに俺の薄いお腹がポコッポコッと膨らみを見せる。
「そ、うすけぇ……、みて……、ここまで、そ、うすけのがはいってる……」
湊介が挿入っているのが目の当たりにできたのが嬉しくて、幸せを共有をしてもらおうと教えたのに、
「ぐぅ――っ!!! ああ、もうっだめだ!!!」
と動きがさらに激しさを増し、お腹の膨らみも激しさを増した。
一番奥の気持ちいいところをゴリゴリと思いっきり擦られて、
「やぁ――っ、も、うっ、また、イッちゃう――、イクっ!!!」
その言葉と同時に俺はまた蜜をこぼした。
臍に蜜が溜まっていくのを感じていると、
「ああ、俺も限界だっ!!! ゔぅっ――!! イクっ!!」
と湊介の身体が震えた。
その瞬間、俺の中に熱いモノが広がっていく。
ああ、湊介……俺の中でイッてくれたんだ。
心がじんわりと温かくなっていくのを感じながら、
「そ、うすけ……あいしてるよ」
と思いを伝えると、
「莉斗、俺もお前を愛してる。一生手放したりしないからな!!」
と抱きしめてくれた。
大きな手で優しく撫でられたとき、湊介の手があの傷に触れたけれど、もう何にも痛みは感じなかったのは思いが通じたからだろう。
俺は湊介とこうしていられることを幸せに感じながら、甘い夜を過ごした。
その後何度愛し合ったかは、俺たちだけの秘密だ。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
あっという間に結婚式当日。
俺も湊介も朝からなんとなくソワソワしてる。
俺は特に湊介に話しかけられてもなんとなく上の空になってしまっている。
それというのも、昨夜になってから、実は結婚式には家族どころか会社の人たちまで招待していることを教えられたからだ。
あんなにもスピード婚だったからてっきり俺と湊介だけの2人っきりの式だと思っていたのだけど、考えてみれば湊介は一年も前から計画を練っていたわけで俺の家族にもその頃から報告していたらしい。
俺には内緒だと言い含められていたせいで、俺の耳には全く入ってきてなくて、びっくりして思わず母さんに電話したら、
「てっきり付き合ってるとばかり思ってたから結婚も時間の問題と思ってたし」
とあっけらかんに言われてしまった。
知らなかったのは本当に俺だけだったみたいだ。
鈍感だって気付いてなかったけど、こうも周りに知られていると、鈍感だと認めざるを得ない。
俺の会社の人たちには報告した時にあれだけ驚いていたんだから、流石に知らなかったんだろうと思ったけれど、部長以上の役職付きは湊介から招待状が疾うの昔に送られていて皆知っていたらしい。
そして、俺の報告のすぐ後に俺の部署の社員たちにも一斉に招待状が送られていたらしく、みんなから出席の返事をもらったんだとか。
湊介のあまりにも用意周到な計画になんだか手の上で転がされてる感が半端ないけれど、それと同時に自分が思っていたよりもずっと大事になったようで緊張が止まらない。
上の空になっても仕方がないと思ってほしい。
湊介はそんな俺でもいつも通り可愛いと言ってくれて、本当にどこまでも俺のことを好きでいてくれて驚いてしまう。
今日からそんな湊介と本当に夫夫になるんだと思うとわぁーーっ! と大声で叫びたくなってしまうくらいだ。
そんな緊張しまくりの俺を乗せて、湊介の車は結婚式を挙げるホテルへと到着した。
すぐに新夫控室へと連れて行かれ、湊介としばしのお別れ。
ドキドキしながら部屋に入ると、あのドレスが綺麗に準備されていた。
見れば見るほど繊細なレースが施され、手縫いで一つ一つ付けられた石もキラキラと輝いている。
これは全て本物のダイヤを使っていると教えられた時はかなり驚いた。
湊介がデザインして特注した豪華絢爛なこのドレス……湊介のデザイナーとしての価値も入れたらとんでもない金額になりそうだ。
破かないようにそれだけは注意しないとな。
この前の試着の時に湊介が俺にピッタリ合うように補正してくれたから、これは本当に俺だけのドレスだ。
メイクも髪も準備してもらってドレスに袖を通すと、周りのスタッフさんから感嘆の声が漏れた。
この前は髪とメイクはしていなかったから俺も初見だけど、
「これ……ほんとに、俺??」
と鏡の中に信じられなくなるほど綺麗なドレス姿の俺が映っていて驚いてしまう。
「こんなにお美しい新夫さまをご覧になったら、新郎さまも大喜びになられますよ」
スタッフさんからの言葉に少し照れながら、準備を整えて待っていると、湊介が部屋へとやってきた。
「莉斗、準備でき――」
声をかけながら入ってきた湊介は俺を見たまま目を丸くして言葉に詰まった。
一瞬悪い方に考えてドキッとしたけれど、湊介の顔がどんどん赤くなってきたからホッとした。
「湊介……似合う?」
少し恥ずかしくて小声で呟くと、湊介は駆け寄ってきて俺を抱きしめようとした。
けれど、ドレスを着ているから少し躊躇っている様子の湊介に
「大丈夫ですよ、すぐにお直しいたしますから……」
とスタッフさんが声をかけてくれて、喜んだ湊介に抱きしめられた。
「莉斗、本当に綺麗だよ」
その一言が湊介の心からの言葉だとわかる。
綺麗に準備を整えられ、俺たちは教会へと向かった。
もうすでに参列者は中に入っているらしい。
ドキドキしながら、扉が開かれる。
俺は湊介と腕を組んで顔を上げた。
扉から明るい光が差し込み、俺たちを照らしていく。
その瞬間飛び込んできたのは大勢の人たちの笑顔だった。
俺たちはゆっくりとバージンロードを歩き、神父様の元へと歩いて行った。
そして、俺たちは永遠の愛を誓い、みんなの前で口づけをした。
大勢の人に見守られてのキスは恥ずかしさももちろんあったけれど、みんなに祝福してもらっている嬉しさの方が優っていた。
「莉斗、綺麗だよ!!!」
「青葉くん!! おめでとう!!」
「湊介さん、おめでとう!!」
涙の中で祝福の声が飛び交いながら、俺たちはようやく夫夫になった。
いや、厳密にいうとまだ夫夫にはなっていない。
俺たちはまだ清い身体だから。
結婚式が終わると途端に初夜を意識してしまう。
俺は隣にいる湊介にドキドキしっぱなしでいるうちに、あっという間に披露宴も終わっていた。
「莉斗くん、うちの湊介は莉斗くんのこと大好きで重すぎると思うけど見捨てないでやってね」
「莉斗くん、今度ゆっくりうちにも遊びに来て! 湊介は一緒じゃなくてもいいから」
「は、はい。ありがとうございます」
高校の時からよく知っている湊介の家族だけど、いつも湊介より俺の方を可愛がってくれる。
「父さんも母さんも莉斗は俺のだから! 絶対に1人では実家には帰らせないからな」
いつも冷静な湊介も家族の前ではちょっと言動も幼くて可愛い。
湊介も俺の家族にいろいろと言われていたけれど、なんだか知らない間にかなり仲良くなっているみたいで驚いてしまう。
出席してくれた人への見送りを済ませると、
「じゃあ、俺たちも部屋に行こうか」
とお姫様抱っこで抱き上げられ、俺はびっくりして湊介の首に抱きついた。
「ふふっ。俺のお姫さまを絶対に落としたりしないから、安心して」
「うん、湊介……大好き」
「くっ――!」
湊介は俺の言葉に突然眉を顰めて、急いでエレベーターに乗り込んだ。
「湊介、どうしたの?」
「莉斗が可愛すぎてキスしたくてたまらない」
エレベーターの中は2人っきりだからしてくれていいのに。
そう思っていたけれど、
「今、莉斗にキスしたらもうそのまま歯止め効かずに押し倒してしまいそうだからな。
必死に抑えてるんだ」
と言われて一気に顔が赤くなった。
そういえば、湊介はずっとずっと我慢してくれているんだよね。
「今日は俺のこと、好きにしていいからね……」
「――っ!! ああっ、もう煽るなって!! 本当に我慢できなくなるぞ!」
「いいよ、俺。今日は湊介を全身で感じたいんだ……」
俺がそう告げた瞬間、エレベーターの扉がさっと開き、俺たちの泊まる部屋に着いた。
湊介は俺を抱きかかえたまま、器用に扉を開け一目散に寝室へと直行した。
そして、俺をドレスのままベッドに寝かせると、俺を見つめたままジャケットを脱ぎ床に投げ捨てた。
いつも紳士な湊介の獰猛な獣のような姿にゾクリと身体が震える。
これは恐怖ではなく、俺も興奮しているんだと思う。
無造作にネクタイを引き抜く姿に思わずゴクリと唾を呑み込む。
湊介はそんな俺の表情ひとつひとつをじっくりと見ながら、ふっと笑みを浮かべた。
「莉斗のその顔をずっと見たいと思ってたんだ……」
「えっ……どんな顔?」
「俺のこと、欲しいって情欲に塗れた顔かな……」
湊介はそう言い放ったと同時に俺の唇にキスをした。
あっという間に舌を挿し入れられ、舌を絡め取られる。
そんな深いキスにあっという間に俺は落ちていった。
知らぬ間にお互いを貪るような深いキスをし合いながら、湊介は脇につけられた小さなファスナーを外し、そこから手を進入させてきた。
俺はそんなところにファスナーがあったことも知らなかったけれど、湊介自身が作っているのだから知り尽くしていて当然だろう。
「このドレスを着たまま莉斗と愛し合うことを考えて作ってあるからな」
キスの合間に耳元でそんなことを囁かれ、ドレスを着ているのに、まるで全てを曝け出されているような感覚に一気に恥ずかしさが募る。
「ほら、これとか……」
「ひゃぁーーっ」
ドレスの中に入れられた手が俺の乳首に触れる。
俺の声に湊介が笑みを浮かべる。
「ああ、莉斗が可愛い」
「んんっ、ん……っ」
キスをされながら、乳首を爪先でコリコリと弄られて……こんな刺激に慣れていない俺の身体はあっという間に昂ってしまう。
「そう、すけぇ……した、ぎが、ぬれちゃう……」
「ふふっ。もうそんなに気持ち良くなっちゃったのか?」
「だって……そう、すけがぁ……」
「ああ、そうだな。俺のせいだな。わかった。脱がしてやるよ」
そう言って、ドレスの裾をまくられて思い出した。
そういえば、今日の下着って……
「かーわいいっ。レースいっぱいだな」
「だって、どれすの、ときはコレだって……」
「ああ、ドレスを作った俺が指示したからな」
穿いているのかどうかもわからないくらいの薄くて繊細なレースの下着に穿くのだって破いちゃいそうで怖かったのに。
俺が興奮して勃たせちゃったらそのまま破れてしまいそう。
「ああっん……やぁ……ん!」
もうすでに濡れてしまった先端を指先でぐりぐりと弄られてヌチャヌチャと水音が聞こえてくる。
レースなんて下着としての役割を全然果たしていないじゃないか。
そう怒りたくても濡らしてしまったのは自分自身だし。
「っああっ――! ああっ、ああっ……だ、めっ、それ……!」
湊介はレースの下着を穿かせたまま、俺のを扱き出した。
湊介の手だけでなくレース生地の刺激も増して、なんともいえない快感が押し寄せてくる。
このままされたらもうイッちゃう!
「いやっ……、だめっ、ああ、そ、うすけぇ……イク、イッちゃうっ!!」
あっという間に限界を迎えた俺は、下着をつけたままトプリトプリと蜜を漏らした。
「ああ、莉斗がエロすぎるっ!」
「ううっ、ぬがせてほしかったのにぃ……!」
涙目でそういうと、
「ごめんごめん、莉斗が可愛すぎて我慢できなかった」
と優しく俺の瞼にキスしながら、ドロドロになった下着を脱がせてくれた。
「……これ、初夜の記念に保管しておこうかな」
「えっ? いま、なんて……いったの?」
「いや、なんでもない」
俺は湊介の言葉が気になったけれど、蜜に塗れたおれのものを舐め取られてもうそれどころじゃなくなっていた。
湊介の舌で綺麗にしてもらってから、湊介が
「そろそろ俺も気持ちよくさせてもらうな」
と言って、ベルトを引き抜き、ズボンと下着を一気に脱ぎ去った。
「――っ! えっ、そ、れ……」
初めて見る湊介のモノは俺の粗末なモノよりもずっとずっと太くて大きい。
「大丈夫、優しくするから……莉斗に痛い思いなんか絶対にさせない」
そう断言されて、正直恐怖なんか一ミリもなくなった。
それよりも早く湊介と繋がりたいという気持ちしかなかった。
「そうすけ……のこと、あいしてる、からがまんしないで、すきにして……。
おれ、はやく、つながりたい……!」
必死にそう告げると湊介の瞳がカッと見開き、
「ああ、いっぱい愛してやるよ」
と言ったかと思うと、いつの間にか持っていたローションで俺の後孔を解し始めた。
俺でも触れたことのない場所に湊介の指が触れていると思うだけで身体がゾクゾクと震える。
指がちゅぷっと中に挿入られ、クチュクチュとかき混ぜられていく。
湊介の長い指が中のいろんな場所を擦っていくたびに身体中に電流が走ったような感覚が襲ってくる。
「感じてくれてたらいいから……」
「ああ……っん、ああっ、んんっ……」
あっという間に3本の指で中を擦られ、感じすぎておかしくなりそうだ。
「そう、すけぇ……はやくぅ……」
「――っ! ああ、挿入てあげるよ」
湊介は後孔から指を引き抜き、ローションを纏わせた熱くて大きな昂りをあてがった。
ぬちゅぬちゅと入口を擦られるだけで気持ちがいい。
その勢いで湊介の大きなモノそのままグチュンと大きな音を立てて中に挿入ってきた。
もっと痛いと思っていたけど、湊介のほぐし方が上手なんだろう。
痛みというよりは中を拡げられていくようなそんな感覚を覚えながら、俺の身体は湊介のモノを受け入れていく。
ズズッ、ズズッと奥へ奥へと挿入されていくのを感じながら、お尻に湊介の腰が当たる感覚がして最後まで挿入したんだとわかった。
ドレスを胸まで捲り上げて見てみるともう湊介の大きなモノは俺の臍あたりまで挿入されている。
「ああ、莉斗が包み込んでくる。気持ちがいい……」
ピッタリと隙間なくはまり込んで、もう本当に俺たちは一つになれたんだと実感する。
「悪い、莉斗。少し動くな」
「だい、じょうぶ……いっぱい、うごいてぇ……」
「くっ――! だから、もうっ!!」
湊介はもう我慢できないと言った様子で、急に激しくガツガツと腰を振り始めた。
「ああっ、ああっ、ああっ、んっ……」
湊介が腰を動かすたびに俺の薄いお腹がポコッポコッと膨らみを見せる。
「そ、うすけぇ……、みて……、ここまで、そ、うすけのがはいってる……」
湊介が挿入っているのが目の当たりにできたのが嬉しくて、幸せを共有をしてもらおうと教えたのに、
「ぐぅ――っ!!! ああ、もうっだめだ!!!」
と動きがさらに激しさを増し、お腹の膨らみも激しさを増した。
一番奥の気持ちいいところをゴリゴリと思いっきり擦られて、
「やぁ――っ、も、うっ、また、イッちゃう――、イクっ!!!」
その言葉と同時に俺はまた蜜をこぼした。
臍に蜜が溜まっていくのを感じていると、
「ああ、俺も限界だっ!!! ゔぅっ――!! イクっ!!」
と湊介の身体が震えた。
その瞬間、俺の中に熱いモノが広がっていく。
ああ、湊介……俺の中でイッてくれたんだ。
心がじんわりと温かくなっていくのを感じながら、
「そ、うすけ……あいしてるよ」
と思いを伝えると、
「莉斗、俺もお前を愛してる。一生手放したりしないからな!!」
と抱きしめてくれた。
大きな手で優しく撫でられたとき、湊介の手があの傷に触れたけれど、もう何にも痛みは感じなかったのは思いが通じたからだろう。
俺は湊介とこうしていられることを幸せに感じながら、甘い夜を過ごした。
その後何度愛し合ったかは、俺たちだけの秘密だ。
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※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
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初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
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怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
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【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
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【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
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