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番外編
母性が目覚める <中編>
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この家の風呂はマクシミリアンが五分もあれば湯が溜まるようにしてくれた。
そのおかげで、脱衣所で着替えをしている間に湯船の準備が出来上がっていた。
「本当に一緒に入るんですか?」
「ああ。そのほうがマクシミリアンもゆっくり風呂に浸かれるだろう」
マクシミリアンは何か言いたげにしていたが、最終的には一緒に入るのを納得してくれたようだ。
サッと自分の服を脱ぎ捨てて裸になると、私の腕からマルクくんを受け取った。
「私がマルクの服を脱がせますから、ヴェルナーも服を脱いでください」
「わ、わかった」
マクシミリアンの裸を見てドキドキしてしまう。
もう何度も見ているというのに、なんだかいつもと違うように感じられるのはマルクくんがいるからだろうか?
通常時でも大きなマクシミリアンのモノにどうしても目がいってしまう。
それで興奮してしまいそうになるのを必死に抑えながら、服を脱いだ。
騎士として鍛えているから、裸になるのが恥ずかしいという気持ちはない。
けれど、やはり元々の体格の違いもあって、マクシミリアンと比べると貧相に見えるな。
「ヴェルナー? どうかしましたか?」
「な、なんでもない。いくぞ!」
マクシミリアンの裸に見惚れていたと気づかれるのが恥ずかしくて急いで浴室に入った。
「ヴェルナー。今日はこれを入れますね」
マクシミリアンが持ってきたのは、ミルク色の入浴剤。
「これは確かロルフさまとルルさまの湯浴みにも使っていたな」
「ええ。お湯が柔らかくなるので、赤ちゃんには必需品ですね。まぁ、マルクは熊族ですから、そこまで心配はしなくても大丈夫なんですが念のためです」
それだけ熊族の赤ちゃんが赤子の時から逞しいということなんだろう。
さっき少し抱いただけでも身体つきがすごくしっかりしていたのはよくわかった。
昔、弟が生まれた時に誰もいない部屋で泣いているのが可哀想で一度抱っこしたことがあるが、鼠族の後妻から生まれただけあって弱々しくなんとも頼りない存在に思えたものだ。
あれも結局私が虐めているだのと文句をつけられて以降、弟に触れることは一切なかったな。
「私がマルクの髪と身体を先に洗っておきますから、ヴェルナーは自分の髪と身体を洗ってください」
「わかった。終わったら交代しよう」
サッと汚れを洗い流し、マクシミリアンからマルクくんを受け取ると、
「きゃっ、きゃっ!」
嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
「ははっ。髪と身体を洗ってもらって気持ちよかったのかな。ご機嫌だな」
マルクくんの素肌が触れ合うが、滑らかな肌の感触がなんとも気持ちがいい。
ロルフさまとルルさまの湯浴みの時は私は裸ではなかったからわからなかったな。
「すぐに終わらせますから」
「気にしないでゆっくり洗えばいい。ああ、本当に可愛いな――ひゃっ!!」
ギュッと抱きしめると、突然身体を刺激が襲った。
何事かと思えば、マルクくんが私の胸の尖りをパクりと咥えてちゅっ、ちゅっと吸っているのが見える。
きっとお腹が空いているのだろう。
だから母親と間違えて目の前にあったものを咥えてしまったのだ。マルクくんは悪くない。
だが、いつもマクシミリアンに刺激を与えられているそこがマルクくんからの刺激にも反応してしまう。
出ないことに気づけばすぐに離してくれるだろうと思ったが、マルクくんはリズムよくちゅっ、ちゅっと吸い付いて離そうとしない。
もうだめだ、おかしくなってしまいそう……
そう思った瞬間、スッと腕が伸びてきてマクシミリアンがマルクくんの鼻を摘んだ。
「えっ?」
私が驚くのと同時にマルクくんがパッと口を開ける。
その隙にマクシミリアンがサッと私からマルクくんを引き離した。
「鼻を摘んだら苦しくて口を開けるんですよ」
「ああ、そうなのか……なるほど」
そう言いつつ、さっきまで吸われていた胸の尖りに目を向けると、ぷっくりと膨らんでいるのが見える。
それだけで一気にマクシミリアンとの情事を思い出してしまう。
「ヴェルナー、マルクに反応したんですか?」
「そ、そんなことあるわけないだろう! お前がいつも感じさせるからだ! お前のせいだ!」
マクシミリアンに問い詰められてつい文句を言ってしまったが、マクシミリアンは怒る事もなく笑顔で私を見た。
「そうですね、私のせいです。ですから後でしっかりと責任を取りますね」
「えっ? それって……」
「夜、楽しみにしていてくださいね」
「――っ!!!」
途轍もない笑顔を向けられて、私の背筋がゾクゾクするのを感じた。
そのおかげで、脱衣所で着替えをしている間に湯船の準備が出来上がっていた。
「本当に一緒に入るんですか?」
「ああ。そのほうがマクシミリアンもゆっくり風呂に浸かれるだろう」
マクシミリアンは何か言いたげにしていたが、最終的には一緒に入るのを納得してくれたようだ。
サッと自分の服を脱ぎ捨てて裸になると、私の腕からマルクくんを受け取った。
「私がマルクの服を脱がせますから、ヴェルナーも服を脱いでください」
「わ、わかった」
マクシミリアンの裸を見てドキドキしてしまう。
もう何度も見ているというのに、なんだかいつもと違うように感じられるのはマルクくんがいるからだろうか?
通常時でも大きなマクシミリアンのモノにどうしても目がいってしまう。
それで興奮してしまいそうになるのを必死に抑えながら、服を脱いだ。
騎士として鍛えているから、裸になるのが恥ずかしいという気持ちはない。
けれど、やはり元々の体格の違いもあって、マクシミリアンと比べると貧相に見えるな。
「ヴェルナー? どうかしましたか?」
「な、なんでもない。いくぞ!」
マクシミリアンの裸に見惚れていたと気づかれるのが恥ずかしくて急いで浴室に入った。
「ヴェルナー。今日はこれを入れますね」
マクシミリアンが持ってきたのは、ミルク色の入浴剤。
「これは確かロルフさまとルルさまの湯浴みにも使っていたな」
「ええ。お湯が柔らかくなるので、赤ちゃんには必需品ですね。まぁ、マルクは熊族ですから、そこまで心配はしなくても大丈夫なんですが念のためです」
それだけ熊族の赤ちゃんが赤子の時から逞しいということなんだろう。
さっき少し抱いただけでも身体つきがすごくしっかりしていたのはよくわかった。
昔、弟が生まれた時に誰もいない部屋で泣いているのが可哀想で一度抱っこしたことがあるが、鼠族の後妻から生まれただけあって弱々しくなんとも頼りない存在に思えたものだ。
あれも結局私が虐めているだのと文句をつけられて以降、弟に触れることは一切なかったな。
「私がマルクの髪と身体を先に洗っておきますから、ヴェルナーは自分の髪と身体を洗ってください」
「わかった。終わったら交代しよう」
サッと汚れを洗い流し、マクシミリアンからマルクくんを受け取ると、
「きゃっ、きゃっ!」
嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
「ははっ。髪と身体を洗ってもらって気持ちよかったのかな。ご機嫌だな」
マルクくんの素肌が触れ合うが、滑らかな肌の感触がなんとも気持ちがいい。
ロルフさまとルルさまの湯浴みの時は私は裸ではなかったからわからなかったな。
「すぐに終わらせますから」
「気にしないでゆっくり洗えばいい。ああ、本当に可愛いな――ひゃっ!!」
ギュッと抱きしめると、突然身体を刺激が襲った。
何事かと思えば、マルクくんが私の胸の尖りをパクりと咥えてちゅっ、ちゅっと吸っているのが見える。
きっとお腹が空いているのだろう。
だから母親と間違えて目の前にあったものを咥えてしまったのだ。マルクくんは悪くない。
だが、いつもマクシミリアンに刺激を与えられているそこがマルクくんからの刺激にも反応してしまう。
出ないことに気づけばすぐに離してくれるだろうと思ったが、マルクくんはリズムよくちゅっ、ちゅっと吸い付いて離そうとしない。
もうだめだ、おかしくなってしまいそう……
そう思った瞬間、スッと腕が伸びてきてマクシミリアンがマルクくんの鼻を摘んだ。
「えっ?」
私が驚くのと同時にマルクくんがパッと口を開ける。
その隙にマクシミリアンがサッと私からマルクくんを引き離した。
「鼻を摘んだら苦しくて口を開けるんですよ」
「ああ、そうなのか……なるほど」
そう言いつつ、さっきまで吸われていた胸の尖りに目を向けると、ぷっくりと膨らんでいるのが見える。
それだけで一気にマクシミリアンとの情事を思い出してしまう。
「ヴェルナー、マルクに反応したんですか?」
「そ、そんなことあるわけないだろう! お前がいつも感じさせるからだ! お前のせいだ!」
マクシミリアンに問い詰められてつい文句を言ってしまったが、マクシミリアンは怒る事もなく笑顔で私を見た。
「そうですね、私のせいです。ですから後でしっかりと責任を取りますね」
「えっ? それって……」
「夜、楽しみにしていてくださいね」
「――っ!!!」
途轍もない笑顔を向けられて、私の背筋がゾクゾクするのを感じた。
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