最強の黒豹騎士団長は新人熊騎士にロックオンされちゃいました

波木真帆

文字の大きさ
上 下
13 / 19

初夜の学び※

しおりを挟む
途轍もない快感で身体の力が抜けてしまい、手で支えていられなくて枕を抱きしめながら顔を枕に押し当てていると、マクシミリアンが私を抱き上げる。

「ああっ、ま、だ……はい、ってる……っ」

「ええ。でも、私以外とヴェルナーがキスをしているのなんて見たくないですから」

誰が、誰とキス?
マクシミリアンの言っている意味がわからないまま、身体を起こされる。

「ああっ……んっ!」

身体の奥までマクシミリアンの大きなモノに貫かれたまま身体をぐるりと返されて向かい合わせに抱きしめられる。
チュッと軽くキスされるけど、その間もずっとさっきとまだ違う場所に大きなモノが擦れて気持ちがいい。

「ヴェルナーっ!! 動きますよ」

「ああっん、ああっ……あっ、そこ……っんんっ! お、っきぃ……っ!! ああっ……こ、われ、ちゃぅ……っ!」

大きな身体でピッタリと抱きしめられたまま、中をゴリゴリと激しく擦られておかしくなるほど気持ちがいい。

「ああっ、ヴェルナーっ!!」

「ああっ、お、くぅ……きもち、いぃ……っ、そ、こぉ……っ!」

「くっ! あんまり煽らないでください! 私ももうイきそうですっ!」

「まく、しみりあん……いっしょにぃ……っ!! ああっん!!」
「ぐぅ――っ!! あ゛ぁっ!!」

私の何度目かの蜜が弾けたのと同時に私の身体の最奥に温かいものが広がっていくのを感じる。

ああ、マクシミリアンも私の中でイけたのか……。
それだけで嬉しく思えた。

マクシミリアンが抱きしめていた腕を解こうとする。

今までピッタリとくっついていたものが離れるのが何よりも寂しく思えて

「まだ、このままで……」

そういうと、マクシミリアンは嬉しそうに笑って、もう一度私を抱きしめなおした。

大きな身体に包まれるとホッとする。

「なんだか、少し眠いな……」

「ふふっ。いいですよ。このまま私に任せてください」

「そういうわけには……」

「いいんですよ、ヴェルナー。私の愛しい人」

チュッと耳にキスが落とされる。
それだけでピクッと身体が震えてしまう。

「こら、イタズラするな」

「ふふっ。すみません、ヴェルナーが可愛すぎて」

そう言いながら胸に顔を押し当てるように私を包み込む。
ずっと溜まっていたものを一気に吐き出したばかりか、身体中を気持ちよくさせられて身も心も心地良い疲れを感じていた私は、マクシミリアンの濃い汗や甘い蜜の匂いをたっぷりと嗅ぎながら、あっという間に眠ってしまっていた。


目を覚ますと、まだマクシミリアンの胸の中に閉じ込められるように抱きしめられていた。
まるで逃がさないとでも言っているみたいだ。

「ふふっ。こんなことしなくても逃げたりしないのに」

思わず心の声が漏れてしまったけれど、マクシミリアンはまだ眠っているようだ。

見上げると端正な顔でぐっすりと眠っているのがわかる。

そういえばこんなに間近でじっくりと顔を見たのははじめてかもしれない。

「若くて、こんなにかっこいいのに……私を好きだなんて、信じられないな」

綺麗な形の唇にそっと触れると、それだけでキスした時の快感が思い出される。

「キスがあんなに気持ちのいいものだなんて知らなかったな……あんなのを知ってしまったら、もう一生マクシミリアン以外とはキスなんてできなさそう……」

「大丈夫です、絶対にさせませんから」

「わぁっ!!」

ポツポツと自分の思いを溢していると、突然マクシミリアンの声が聞こえて声を上げてしまった。

「な――っ、き、きい、て……っ」

「すみません。ヴェルナーがあまりにも可愛くてこっそり寝たふりをしていました」

「――っ!!!」

まさか聞かれているなんて思ってなかったから、思わず本音を漏らしてしまっていたのに……恥ずかしい。

真っ赤になっているはずの顔を隠したくてマクシミリアンの胸で自分の赤い顔を隠すと、

「そんな可愛いことしたら、またたっぷりと愛したくなりますよ」

とすこし揶揄うような声が聞こえる。
だが、ずっと揶揄われてばかりじゃいられない。
たまには反撃もしなくては。

「望むところだ。できるものなら、もっと激しく愛してみろ!」

そう声を上げた瞬間、マクシミリアンの目がギラっと光った気がした。
あれ? これ、前にも見た気がする。

そう気づいた時には遅かった。

「仰せのままに」

その言葉が私の耳に届いたと同時に、マクシミリアンの大きなモノが私の身体を最奥まで貫いていた。

ああ、この熊は揶揄ってはいけない。
それを学んだ初夜だった。

  *   *   *



ここまで読んでいただきありがとうございます!
当初の予定よりかなり長くなりましたが、ここで一旦完結となります。
マクシミリアンサイドのお話や、実家のその後は番外編でお会いできたらと思っています。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

魔性の男は純愛がしたい

ふじの
BL
子爵家の私生児であるマクシミリアンは、その美貌と言動から魔性の男と呼ばれていた。しかし本人自体は至って真面目なつもりであり、純愛主義の男である。そんなある日、第三王子殿下のアレクセイから突然呼び出され、とある令嬢からの執拗なアプローチを避けるため、自分と偽装の恋人になって欲しいと言われ​─────。 アルファポリス先行公開(のちに改訂版をムーンライトノベルズにも掲載予定)

恐怖症な王子は異世界から来た時雨に癒やされる

琴葉悠
BL
十六夜時雨は諸事情から橋の上から転落し、川に落ちた。 落ちた川から上がると見知らぬ場所にいて、そこで異世界に来た事を知らされる。 異世界人は良き知らせをもたらす事から王族が庇護する役割を担っており、時雨は庇護されることに。 そこで、検査すると、時雨はDomというダイナミクスの性の一つを持っていて──

既成事実さえあれば大丈夫

ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...