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番外編
素晴らしいご夫夫 グレイグside
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第二子妊娠を知らされたグレイグのその後の小話。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<sideグレイグ>
まさか、お二人目を授かろうとは……。なんという幸せなことだろう。
テオさまをご懐妊になられたのは神のお力だったが、当然最初で最後の特別なものだと思っていた。それがまさかお二人目とは……。
ヒジリさまはよほど神に愛されていらっしゃるのだろう。そんなヒジリさまが無事にご出産なさるまで、私はしっかりとお守りしよう。
そう決意を新たにしたところで、ヒジリさまがいらっしゃる寝室のベルが鳴った。どうやらお目覚めになられたようだ。
昨夜は身重のお身体だというのに旦那さまと激しい夜をお過ごしのようであったが、お薬はお身体に障る。
とりあえず、癒し効果のあるハーブティーを淹れて急いでヒジリさまの元に向かった。
「ヒジリさま。グレイグにございます」
「どうぞ」
寝室の扉を中が見えない程度にほんの少しだけ開け、ヒジリさまにお声がけするとお優しい声が聞こえてきた。
「あ、いい香り」
「はい。心を落ち着かせるハーブティーをお持ちしました。人肌にしておりますので、ご安心ください」
「ありがとう。あ、グレイグさん。少し手伝ってもらっていい?」
「はい。ただいま」
ハーブティーを乗せたトレイを一旦ベッド脇のテーブルに置きヒジリさまが身体をお起こしになるのをそっと手伝った。
背中に柔らかなクッションを当てがい。ヒジリさまの前にテーブルを置いてハーブティーを置くと、
「本当にいい香り」
と嬉しそうに笑ってくださる。
「んっ、美味しい。やっぱりグレイグさんのハーブティーは最高だね」
「そのようなお言葉を賜り、嬉しゅうございます」
「あのね、ランハートから聞いた? 赤ちゃんのこと……」
「はい。嬉しいお知らせに幸せを感じておりました。ヒジリさまはどうかご無理をなさいませんように」
「うん。ありがとう。あ、グレイグさんのハーブティー、お腹の赤ちゃんも好きみたい。ちょっと気分が悪かったけど、すごくスッキリしたみたい」
「おおっ、それはようございました。そのハーブティーには昔から悪阻を軽減する効果がございますよ」
「そうなんだ。じゃあ、これから毎日飲ませてもらえる?」
「はい。喜んでお持ちいたしますよ」
私の淹れたハーブティーをおいしそうに飲んでくださるヒジリさま、そして、お腹の御子さまがそれを喜んでくださっていると思うとただただ幸せでしかない。
「グレイグさん、僕が妊娠したって聞いてびっくりしたでしょう?」
「はい。それはもう! テオさまがお生まれになったのも奇跡だと思っておりましたので」
「この子が僕のお腹に来てくれたのは、テオとランハートのおかげなんだよ」
「えっ? テオさまと、旦那さまの?」
「うん。テオが夜寝る前に弟か妹が欲しいなって言ってたんだけど、その日の夜にまた僕、神さまのところに行ったんだ。そうしたらね、<ヒジリとテオを心から愛するランハートならもう一人授けても幸せにしてくれることでしょう>って言って、僕のお腹に赤ちゃんを宿してくれたんだよ」
「そうでございましたか……」
「テオの望みを叶えてあげられたのもランハートのおかげ。だから、昨夜は当分無理になると思って、僕からランハートに激しく愛して欲しいって頼んだんだ。ランハートにはお腹に赤ちゃんがいるのは内緒にしてたから僕の願いを叶えてくれたの。だから、ランハートは悪くないんだよ。今日はちょっと疲れちゃったけど、それは妊娠しているからで、ランハートのせいじゃないから怒らないであげて欲しいなって」
「ヒジリさま……」
それを仰りたくて私をここに……。ああ、本当にヒジリさまは旦那さまを愛していらしゃるのだ。
「承知しました。ヒジリさまのおっしゃるようにいたします」
「――っ、ありがとう! グレイグさん!」
「旦那さまとテオさまがおかえりになるまでもうしばらくお休みください」
「うん、ありがとう。ハーブティー、すごく美味しかった」
「ありがとうございます」
安心なさったヒジリさまをベッドに横にならせて、私は部屋を出た。
旦那さまがおかえりになったら、今のヒジリさまのお言葉をお伝えして謝ろう。ああ、本当にお二人は素晴らしいご夫夫だな。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<sideグレイグ>
まさか、お二人目を授かろうとは……。なんという幸せなことだろう。
テオさまをご懐妊になられたのは神のお力だったが、当然最初で最後の特別なものだと思っていた。それがまさかお二人目とは……。
ヒジリさまはよほど神に愛されていらっしゃるのだろう。そんなヒジリさまが無事にご出産なさるまで、私はしっかりとお守りしよう。
そう決意を新たにしたところで、ヒジリさまがいらっしゃる寝室のベルが鳴った。どうやらお目覚めになられたようだ。
昨夜は身重のお身体だというのに旦那さまと激しい夜をお過ごしのようであったが、お薬はお身体に障る。
とりあえず、癒し効果のあるハーブティーを淹れて急いでヒジリさまの元に向かった。
「ヒジリさま。グレイグにございます」
「どうぞ」
寝室の扉を中が見えない程度にほんの少しだけ開け、ヒジリさまにお声がけするとお優しい声が聞こえてきた。
「あ、いい香り」
「はい。心を落ち着かせるハーブティーをお持ちしました。人肌にしておりますので、ご安心ください」
「ありがとう。あ、グレイグさん。少し手伝ってもらっていい?」
「はい。ただいま」
ハーブティーを乗せたトレイを一旦ベッド脇のテーブルに置きヒジリさまが身体をお起こしになるのをそっと手伝った。
背中に柔らかなクッションを当てがい。ヒジリさまの前にテーブルを置いてハーブティーを置くと、
「本当にいい香り」
と嬉しそうに笑ってくださる。
「んっ、美味しい。やっぱりグレイグさんのハーブティーは最高だね」
「そのようなお言葉を賜り、嬉しゅうございます」
「あのね、ランハートから聞いた? 赤ちゃんのこと……」
「はい。嬉しいお知らせに幸せを感じておりました。ヒジリさまはどうかご無理をなさいませんように」
「うん。ありがとう。あ、グレイグさんのハーブティー、お腹の赤ちゃんも好きみたい。ちょっと気分が悪かったけど、すごくスッキリしたみたい」
「おおっ、それはようございました。そのハーブティーには昔から悪阻を軽減する効果がございますよ」
「そうなんだ。じゃあ、これから毎日飲ませてもらえる?」
「はい。喜んでお持ちいたしますよ」
私の淹れたハーブティーをおいしそうに飲んでくださるヒジリさま、そして、お腹の御子さまがそれを喜んでくださっていると思うとただただ幸せでしかない。
「グレイグさん、僕が妊娠したって聞いてびっくりしたでしょう?」
「はい。それはもう! テオさまがお生まれになったのも奇跡だと思っておりましたので」
「この子が僕のお腹に来てくれたのは、テオとランハートのおかげなんだよ」
「えっ? テオさまと、旦那さまの?」
「うん。テオが夜寝る前に弟か妹が欲しいなって言ってたんだけど、その日の夜にまた僕、神さまのところに行ったんだ。そうしたらね、<ヒジリとテオを心から愛するランハートならもう一人授けても幸せにしてくれることでしょう>って言って、僕のお腹に赤ちゃんを宿してくれたんだよ」
「そうでございましたか……」
「テオの望みを叶えてあげられたのもランハートのおかげ。だから、昨夜は当分無理になると思って、僕からランハートに激しく愛して欲しいって頼んだんだ。ランハートにはお腹に赤ちゃんがいるのは内緒にしてたから僕の願いを叶えてくれたの。だから、ランハートは悪くないんだよ。今日はちょっと疲れちゃったけど、それは妊娠しているからで、ランハートのせいじゃないから怒らないであげて欲しいなって」
「ヒジリさま……」
それを仰りたくて私をここに……。ああ、本当にヒジリさまは旦那さまを愛していらしゃるのだ。
「承知しました。ヒジリさまのおっしゃるようにいたします」
「――っ、ありがとう! グレイグさん!」
「旦那さまとテオさまがおかえりになるまでもうしばらくお休みください」
「うん、ありがとう。ハーブティー、すごく美味しかった」
「ありがとうございます」
安心なさったヒジリさまをベッドに横にならせて、私は部屋を出た。
旦那さまがおかえりになったら、今のヒジリさまのお言葉をお伝えして謝ろう。ああ、本当にお二人は素晴らしいご夫夫だな。
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