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番外編

テオの生まれた日

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すみません。ただの思いつきで書き上げてしまいました。
ランハートがただの変態になっちゃってるかもです(汗)
楽しんでいただけると嬉しいです。






これはテオが生まれて本当にすぐのお話。

「とりあえずすぐに医師に見せよう」

お風呂場で生まれたテオをランハートが抱き上げると、さっきまでキャッキャッと笑っていたテオが途端に
『ふぇっ、ふぇっ』と泣き出した。

「わぁっ、申し訳ない」

慌てたようにランハートが僕にテオを抱かせると、テオはまたきゃっ、きゃっと笑い始めた。

「私は嫌われているんだろうか?」

「そんなわけないよ。生まれたばかりはどんな子もお母さんと離れたがらないっていうし」

僕は悲しげな顔を見せるランハートに慰めの声をかけると、ランハートは

「それもそうだな。それよりも早く医師に見せねば」

と僕とテオを抱きかかえてすぐに脱衣所へと戻った。

いくら生まれたばかりで小さいと言っても2人まとめて抱えられるってすごいな。

僕がそう感心している間に、ランハートは僕の身体を綺麗に拭き上げ、着替えまでしてくれていた。
そしてテオを温かくてふわふわなバスタオルに包み、僕に抱かせた。

そして、自分はささっと拭い腰にバスタオルを巻いただけの状態でまた僕たちを抱き上げた。

「グレ――っ、あっと大声はだめだな。ちょっと待っていてくれ」

グレイグさんを呼ぼうとしたランハートはテオの前で大声はいけないと思ったようで、急いで僕たちをベッドに寝かせると、急いでグレイグさんを呼びに出て行った。


 ✳︎      ✳︎       ✳︎


「グレイグ! グレイグ!」

私の声にすぐに走り寄ってきたグレイグは私の姿を見て、

「旦那さま、シェーベリー公爵家の当主ともあろうお方がそんな格好で廊下に出るなど一体どういうことでございますか?!」

と怪訝な表情を見せていた。

「我々の子どもが生まれたんだ」

「は――っ? えっ? 御子が? お生まれに?? 今、でございますか?」

「そうだ! だからすぐに医師を呼んでくれ!!」

「なんでそれを早く仰らないのですか!! ヒジリさまと御子は大丈夫なのですか?」

「今大丈夫だ! だが、早く医師に見せたい!! すぐに呼んできてくれ!!」

「畏まりました。すぐにジョーイに行かせますので、旦那さまはヒジリさまのお傍に」

「ああ、頼むぞ!」

グレイグはかなり焦った様子でバタバタと駆けて行った。

ふふっ。あのグレイグも流石に驚いたな。
あんなグレイグを見たのは、そうだ、ヒジリに子ができたと知った時か……。

あいつが冷静さを失うのはヒジリに関してのみだな。
医師も呼んだし、とりあえずはこれで安心だろう。

私は急いでヒジリとテオのいる寝室へと戻った。

「ヒジリ、今い――っ、な――っ!!!」

医師を呼んだぞと声をかけようとした私の目に飛び込んできたものは、夜着の胸元をはだけさせテオに乳を飲ませているヒジリの姿だった。

なんと、神々しい……。

私はその美しい光景に目を離すこともできずにフラフラと近づくと、

「抱いてたら泣き出しちゃってね、お腹でも空いてるのかと思って試しにテオの顔を近づけてみたら、口に含んだんだよ。おっぱいが出てるのか心配だったけど、ほら、見て。こっちからも垂れてるからきっと飲めてるよ」

そう言ってヒジリは夜着を捲りもう片方の乳首を私に見せた。

見れば、乳首からじわりじわりと滴るものがある。

本当だ! 
ヒジリの胸から乳が出ている。

テオはそれに吸い付いて、うんくっ、うんくっと美味しそうに飲んでいる。

ああ、なんと羨ましいことだ。

私もヒジリの乳を飲んでみたい……。

私は美味しそうにヒジリの乳を飲むテオの横に顔を近づけた。

「ランハート、どうしたの?」

不思議そうに尋ねてくるヒジリの問いかけには答えず、私は片方の乳首から滴り落ちている乳をペロリと舐めた。

「ひゃぁ――っ!」

甘いっ! 
なんだ、この甘さは。
まるでヒジリの作るケーキのようだ。

乳がこんなにうまいものだとは知らなかった。

「ら、ランハートっ! 何やってるの? ちょ――っ、やめっ――!」

私はヒジリの制止も聞かずに、ヒジリの乳首に吸い付いた。

「やぁ――っ、ああっ……んっ、だ、めっ……だ、って……ああっん」

ヒジリの声に甘さが入ってきた。
ふふっ、どうやら感じてくれているようだな。

私はもう自分を抑えることができずにただひたすらにヒジリの乳を吸い尽くしていた。

「旦那さま、医師をお連れいたしました」

部屋の外からのそんな声に耳を傾ける余裕もなく、ヒジリの乳を貪っていると

「旦那さまっ!!! 何をやっていらっしゃるのですかっ!!!」

グレイグの一喝に私もヒジリもそして、テオも一瞬時が止まった気がした。
が、私はすぐにヒジリから離れ、ヒジリとテオに布団をかけグレイグに目をやった。

それから一拍置いて、あまりの驚きに火がついたように泣き出したテオに部屋にいる皆の視線が集まった。

「グレイグ、赤子の前で大声を出すな!」

「なっ――、元はと言えば旦那さまがあんなことを」

「あんなこと? ヒジリの乳はテオだけのものではない。
そもそもヒジリは私のものなのだから、私が飲んでも構わんだろう」

「はぁーっ、本当に旦那さまは……。ヒジリさま、体調は宜しゅうございますか?」

ヒジリは真っ赤な顔をして私たちを見ていたが、

「あ、はい。大丈夫です……。僕もびっくりしちゃって……」

と私を見ながら少し睨んでいるようにも見えたが、そんな可愛らしい顔で見られても何も怖くはない。
それどころか、かえって押し倒したくなることにヒジリはまだ気づいていないようだ。

「とりあえず、すぐに御子とヒジリさまの診察をしていただきましょう」

そういうと、グレイグは部屋の前に待たせていた医師を連れて戻ってきた。

すぐに医師の診察が始まったが、テオはともかくヒジリに触れさせるわけにはいかない。
騎士団団長として医術の知識もあるから私がヒジリの診察をし、医師にはテオだけを任せることにした。

結果は2人とも特に問題なし。
まぁ神のご加護で生まれたのだから心配はいらないと思ったが、とりあえず安心するに越したことはない。

ヒジリから乳が出ることもわかったということで、テオの成長にはなんの問題もないようだがどうやらヒジリだけの力では乳が足りず、お腹を空かせたテオが泣いてしまうのだ。

しかし、私が吸い付いてやると、溢れるほどの乳が出るようになる。
というわけでヒジリの乳に吸い付いて飲むというのが私の日課に加わった。

最初あれほど怒っていたグレイグだったが、テオのためならばと喜んでさえいるようだ。

ああ、本当に神は私に良い仕事を与えてくれたものだ。

これからも私はテオのためにどんどんヒジリの乳を作ってやろう。
ああ、最高だな。これ。
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