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僕の気持ち
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「僕は……ずっと、公爵さまにお会いしたかったんです。
どこにも行く当てのない僕を家に泊めて下さって、仕事を世話して下さって、家まで貸して下さって……僕が申し訳なく思ってしまうくらいすごく優しくて良い人だなって……だからいつか今までのお礼に僕の作ったケーキを召し上がっていただけたら嬉しいなぁなんて思ってました。でも……今日のケーキは、ランハートさんのためだけに作ったんです」
「えっ? だが、あれは試作品だって……」
「そう言わないとランハートさんのことだから遠慮して召し上がっていただけないかもって思って……。
ランハートさんのためだけを思って一生懸命作ったケーキ、美味しいって食べてもらえたときすごく嬉しかった。
あのあとランハートさんに口付けされて……僕気づいたんですよね、ランハートさんのこと……好きだなって。
公爵さまのことはもちろん感謝してますし、絶対にいつかはお会いしてお礼を言えたらって思ってましたけど、ランハートさんには毎日でもお会いしたいなって……だからお店に毎日寄ってくれて嬉しかったんです。
気付くのが遅かったけど、多分、僕は最初からランハートさんのこと好きだったと思います。
さっきは勘違いして逃げてしまってごめんなさい……」
「ヒジリ……私は夢を見ているのではないか? グレイグ、これは本当に起こっている出来事か?」
ランハートさんは顔を真っ赤にして、混乱したようにグレイグさんに声を掛ける。
「旦那さま、お気を確かに。ヒジリさまに笑われますよ」
「ああ……ヒジリ。傍に行ってもいいだろうか?」
「は、はい」
改めて聞かれると何となく恥ずかしさが募る。
だけど、ランハートさんが傍に来てくれるだけで安心するのも事実だ。
僕のすぐ隣に座ると、
「改めて自分の言葉で伝えよう。ヒジリ、君は私の運命の人だ。ヒジリ以外を愛することなど私には出来ない。
私を一生の相手として選んでもらえないだろうか? 絶対に苦労はさせない。ヒジリを幸せにすると誓う。
だから、私と結婚して一生私の傍で笑顔を見せてくれないか?」
と僕の手をとり、真剣な眼差しでそう告げられた。
こんな熱烈なプロポーズを受ける日がくるとは夢にも思わなかった。
でも心配なことが一つある。
「あの、僕……子どもを産むことはできないですが……いいんですか? 公爵さまなのに後継ぎとか困りませんか?」
そういうと、ランハートさんとグレイグさんは一緒に『ふふっ』と微笑んで
「心配しなくていい。運命の人は神の定めた相手。ヒジリが子どもを産めないことは神は百も承知だ。
公爵家の存続云々より、まずは私とヒジリの幸せを考えて下さっているはずだ。なぁ、グレイグ」
「その通りでございます。ヒジリさまのお気持ちでお答えいただいてよろしいのですよ」
と穏やかな声で言ってくれた。
そう言ってくれるなら、僕の答えはただ一つ。
「はい。僕でよければ、ランハートさんの傍にいさせてください。
でも僕はランハートさんに幸せにしてほしいわけじゃないです」
「えっ? それはどういう――?」
「ランハートさん、僕もランハートさんを幸せにします。だから一緒に幸せになりましょう」
僕が笑顔でそういうと、ランハートさんは目に涙を浮かべて
「ああ、一緒に幸せになろう。ヒジリ、愛しているよ」
と言って抱きしめてくれた。
ランハートさんの腕に抱かれながら、僕は今まで感じたことのない幸福感に包まれていた。
ここまで長い道のりでしたがようやく思いが通じ合いました。
これから甘々溺愛たっぷりに、そしてヤツがどうなったかも書いていきたいと思いますので、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです♡
どこにも行く当てのない僕を家に泊めて下さって、仕事を世話して下さって、家まで貸して下さって……僕が申し訳なく思ってしまうくらいすごく優しくて良い人だなって……だからいつか今までのお礼に僕の作ったケーキを召し上がっていただけたら嬉しいなぁなんて思ってました。でも……今日のケーキは、ランハートさんのためだけに作ったんです」
「えっ? だが、あれは試作品だって……」
「そう言わないとランハートさんのことだから遠慮して召し上がっていただけないかもって思って……。
ランハートさんのためだけを思って一生懸命作ったケーキ、美味しいって食べてもらえたときすごく嬉しかった。
あのあとランハートさんに口付けされて……僕気づいたんですよね、ランハートさんのこと……好きだなって。
公爵さまのことはもちろん感謝してますし、絶対にいつかはお会いしてお礼を言えたらって思ってましたけど、ランハートさんには毎日でもお会いしたいなって……だからお店に毎日寄ってくれて嬉しかったんです。
気付くのが遅かったけど、多分、僕は最初からランハートさんのこと好きだったと思います。
さっきは勘違いして逃げてしまってごめんなさい……」
「ヒジリ……私は夢を見ているのではないか? グレイグ、これは本当に起こっている出来事か?」
ランハートさんは顔を真っ赤にして、混乱したようにグレイグさんに声を掛ける。
「旦那さま、お気を確かに。ヒジリさまに笑われますよ」
「ああ……ヒジリ。傍に行ってもいいだろうか?」
「は、はい」
改めて聞かれると何となく恥ずかしさが募る。
だけど、ランハートさんが傍に来てくれるだけで安心するのも事実だ。
僕のすぐ隣に座ると、
「改めて自分の言葉で伝えよう。ヒジリ、君は私の運命の人だ。ヒジリ以外を愛することなど私には出来ない。
私を一生の相手として選んでもらえないだろうか? 絶対に苦労はさせない。ヒジリを幸せにすると誓う。
だから、私と結婚して一生私の傍で笑顔を見せてくれないか?」
と僕の手をとり、真剣な眼差しでそう告げられた。
こんな熱烈なプロポーズを受ける日がくるとは夢にも思わなかった。
でも心配なことが一つある。
「あの、僕……子どもを産むことはできないですが……いいんですか? 公爵さまなのに後継ぎとか困りませんか?」
そういうと、ランハートさんとグレイグさんは一緒に『ふふっ』と微笑んで
「心配しなくていい。運命の人は神の定めた相手。ヒジリが子どもを産めないことは神は百も承知だ。
公爵家の存続云々より、まずは私とヒジリの幸せを考えて下さっているはずだ。なぁ、グレイグ」
「その通りでございます。ヒジリさまのお気持ちでお答えいただいてよろしいのですよ」
と穏やかな声で言ってくれた。
そう言ってくれるなら、僕の答えはただ一つ。
「はい。僕でよければ、ランハートさんの傍にいさせてください。
でも僕はランハートさんに幸せにしてほしいわけじゃないです」
「えっ? それはどういう――?」
「ランハートさん、僕もランハートさんを幸せにします。だから一緒に幸せになりましょう」
僕が笑顔でそういうと、ランハートさんは目に涙を浮かべて
「ああ、一緒に幸せになろう。ヒジリ、愛しているよ」
と言って抱きしめてくれた。
ランハートさんの腕に抱かれながら、僕は今まで感じたことのない幸福感に包まれていた。
ここまで長い道のりでしたがようやく思いが通じ合いました。
これから甘々溺愛たっぷりに、そしてヤツがどうなったかも書いていきたいと思いますので、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです♡
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