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私の友だち
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「わぁ、見て! あそこが動物園だよ!」
一花の無邪気な声が車内に響く。
みんなに教えてあげると言っていたとおり、場所もよく覚えていたようだ。
「さすが、一花ちゃん。よく知ってるわね。さぁ、動物園に着いたらまずは何をするんだったかしら?」
真守くんの母上はまるで担任の教師のように一花たちに問いかける。
「えっとー」
少し悩んでいたようだったが、
「「「「「茉莉先生のところに行く!!」」」」」
一花とみんなが嬉しそうに声を上げた。
「せいかーい! じゃあ、みんな車を降りたら、お家の人と手を繋いで先生に挨拶にいきましょうね」
「はーーいっ!」
一花たちの楽しそうな声に、私たちまで笑顔になってしまう。
「真守くんの母上は子どもたちの扱いが上手ですね」
「雪乃は学生時代、保育士か小学校の先生になりたいと言っていたから、こうしてたくさんの子どもたちと触れ合えるのが楽しいんだよ」
「ああ、なるほど」
私は一花のことはなんでもお世話はできるが、他の子のお世話ができるかと言われればそれは難しい。
私だけでなく、きっとエヴァンや観月くんたちも同じだろう。
やっぱり母は、というか親は違うな。
駐車場に到着し、まずはジョルジュさんとロレーヌ家の執事のジュールさんが降りてきた。
きちんと周りの安全を確認してから私たちのいる後部座席の扉が開かれる。
まずは明さんと真守くんと真守くんの母上。そして、観月くんと理央くん。悠木くんと空良くんの順番で降りて行き、私と一花が降りると、続けてエヴァンと弓弦くんが降りてきた。そして最後に車内を確認してリュカさんが降りてきた。
「一花、忘れ物はないな?」
「うん。大丈夫。せいくん。茉莉先生のところに挨拶に行こう!」
「ああ。わかったよ」
小さな手を繋いで動物園の入り口に向かうと入り口に先生たちが立っているのが見える。
「あ、先生だー!」
走って行こうとする一花に
「ゆっくり行かないと転ぶぞ」
と声をかけると一花はおとなしくいうことを聞いた。本当に素直な子だ。
入り口に着くと、志摩くんの姿が見えた。約束の時間より早く来ているのはさすがだな。
「志摩くん!」
その声に駆け寄ってきた志摩くんを見て一花は一瞬ピクッと身体を震わせた。
初めての人に会うときにはこういう反応はあったほうがいい。
「大丈夫だよ。私の秘書……友だちなんだ。今日は一花やみんなの楽しい姿を撮ってもらうためについてきてもらったんだよ」
「えっ、じゃあカメラマンさん?」
「ああ、そういうことになるかな」
「そうなんだ!」
一花は安心した様子で志摩くんに笑顔を向けた。
志摩くんは一花の前に跪き、一花と目の高さを合わせるとどこぞの王子さまのような笑顔を向けた。
「一花さんですね。志摩唯人といいます。今日は一緒に動物園を楽しみましょうね」
「はーい。ねぇ、ゆーくんって呼んでもいい?」
「えっ? ええ。いいですよ。一花さんに呼ばれたら嬉しいです」
「やったー! じゃあ、ゆーくん。一花、この入り口でせいくんとお写真撮ってほしーい!」
まさかのゆーくん呼びに驚いたが、志摩くんは快く了承してくれた。
しかも無邪気な笑顔で私との写真を撮って欲しいというおねだりに、志摩くんは驚きつつも嬉しそうに私とツーショットの写真を撮ってくれた。考えてみればこうして志摩くんに写真を撮ってもらうのは初めてだな。なんとも不思議な気分だ。
写真を撮り終え、みんなで挨拶に並んだ。
「保護者の皆さまだけお名前をお願いします」
担任の先生から私と志摩くんはしっかりと確認をとられ、ペアのブレスレットを渡された。
「こちらは代表者の方一名と生徒の腕におつけください。これは五m以上離れるとブザーがなる仕組みになっていますので、遠足終了までこのブレスレットは外さないようにお願いいたします」
「わかりました。ありがとうございます」
離れたらすぐにわかるのか。素晴らしいブレスレットだな。
これは一花と外出の時には便利だ。
そうだ、あのGPSを作ることができる倉橋先輩ならこのようなものもお願いしたら作ってもらえるかもしれない。
帰ったらGPSと一緒に頼んでみよう。
「それではグループごとに園内に入場してください」
その言葉に一花が
「早く行こー!」
と飛び跳ねながら私の腕を取る。
ああ、もう本当にかわいいな。
「ねぇねぇ、一花ちゃん。どこから回る?」
「あのね、こっちから回るとかわいい動物さんがいっぱいだよ。それにね。すっごくかわいいところがあるんだよ」
「えー! 楽しみ!! 早く行こう!!」
「うん。行こう! 行こう!」
かわいい子たちが集まって話をしているのはなんとも癒される。
そう思っているのはどうやら私だけじゃないようだ。
今日は最高に楽しい一日になりそうだな。
一花の無邪気な声が車内に響く。
みんなに教えてあげると言っていたとおり、場所もよく覚えていたようだ。
「さすが、一花ちゃん。よく知ってるわね。さぁ、動物園に着いたらまずは何をするんだったかしら?」
真守くんの母上はまるで担任の教師のように一花たちに問いかける。
「えっとー」
少し悩んでいたようだったが、
「「「「「茉莉先生のところに行く!!」」」」」
一花とみんなが嬉しそうに声を上げた。
「せいかーい! じゃあ、みんな車を降りたら、お家の人と手を繋いで先生に挨拶にいきましょうね」
「はーーいっ!」
一花たちの楽しそうな声に、私たちまで笑顔になってしまう。
「真守くんの母上は子どもたちの扱いが上手ですね」
「雪乃は学生時代、保育士か小学校の先生になりたいと言っていたから、こうしてたくさんの子どもたちと触れ合えるのが楽しいんだよ」
「ああ、なるほど」
私は一花のことはなんでもお世話はできるが、他の子のお世話ができるかと言われればそれは難しい。
私だけでなく、きっとエヴァンや観月くんたちも同じだろう。
やっぱり母は、というか親は違うな。
駐車場に到着し、まずはジョルジュさんとロレーヌ家の執事のジュールさんが降りてきた。
きちんと周りの安全を確認してから私たちのいる後部座席の扉が開かれる。
まずは明さんと真守くんと真守くんの母上。そして、観月くんと理央くん。悠木くんと空良くんの順番で降りて行き、私と一花が降りると、続けてエヴァンと弓弦くんが降りてきた。そして最後に車内を確認してリュカさんが降りてきた。
「一花、忘れ物はないな?」
「うん。大丈夫。せいくん。茉莉先生のところに挨拶に行こう!」
「ああ。わかったよ」
小さな手を繋いで動物園の入り口に向かうと入り口に先生たちが立っているのが見える。
「あ、先生だー!」
走って行こうとする一花に
「ゆっくり行かないと転ぶぞ」
と声をかけると一花はおとなしくいうことを聞いた。本当に素直な子だ。
入り口に着くと、志摩くんの姿が見えた。約束の時間より早く来ているのはさすがだな。
「志摩くん!」
その声に駆け寄ってきた志摩くんを見て一花は一瞬ピクッと身体を震わせた。
初めての人に会うときにはこういう反応はあったほうがいい。
「大丈夫だよ。私の秘書……友だちなんだ。今日は一花やみんなの楽しい姿を撮ってもらうためについてきてもらったんだよ」
「えっ、じゃあカメラマンさん?」
「ああ、そういうことになるかな」
「そうなんだ!」
一花は安心した様子で志摩くんに笑顔を向けた。
志摩くんは一花の前に跪き、一花と目の高さを合わせるとどこぞの王子さまのような笑顔を向けた。
「一花さんですね。志摩唯人といいます。今日は一緒に動物園を楽しみましょうね」
「はーい。ねぇ、ゆーくんって呼んでもいい?」
「えっ? ええ。いいですよ。一花さんに呼ばれたら嬉しいです」
「やったー! じゃあ、ゆーくん。一花、この入り口でせいくんとお写真撮ってほしーい!」
まさかのゆーくん呼びに驚いたが、志摩くんは快く了承してくれた。
しかも無邪気な笑顔で私との写真を撮って欲しいというおねだりに、志摩くんは驚きつつも嬉しそうに私とツーショットの写真を撮ってくれた。考えてみればこうして志摩くんに写真を撮ってもらうのは初めてだな。なんとも不思議な気分だ。
写真を撮り終え、みんなで挨拶に並んだ。
「保護者の皆さまだけお名前をお願いします」
担任の先生から私と志摩くんはしっかりと確認をとられ、ペアのブレスレットを渡された。
「こちらは代表者の方一名と生徒の腕におつけください。これは五m以上離れるとブザーがなる仕組みになっていますので、遠足終了までこのブレスレットは外さないようにお願いいたします」
「わかりました。ありがとうございます」
離れたらすぐにわかるのか。素晴らしいブレスレットだな。
これは一花と外出の時には便利だ。
そうだ、あのGPSを作ることができる倉橋先輩ならこのようなものもお願いしたら作ってもらえるかもしれない。
帰ったらGPSと一緒に頼んでみよう。
「それではグループごとに園内に入場してください」
その言葉に一花が
「早く行こー!」
と飛び跳ねながら私の腕を取る。
ああ、もう本当にかわいいな。
「ねぇねぇ、一花ちゃん。どこから回る?」
「あのね、こっちから回るとかわいい動物さんがいっぱいだよ。それにね。すっごくかわいいところがあるんだよ」
「えー! 楽しみ!! 早く行こう!!」
「うん。行こう! 行こう!」
かわいい子たちが集まって話をしているのはなんとも癒される。
そう思っているのはどうやら私だけじゃないようだ。
今日は最高に楽しい一日になりそうだな。
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