溺愛されまくりの会長令息が財閥イケメンスパダリ御曹司に見初められました

波木真帆

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可愛い理央くん

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すみません。前半500字くらい切れてましたので追加しています。


  *   *   *

<side一花>

「そろそろ理央くんの家に着くよ」

「わぁー、どのお家?」

「あの白い壁の大きな家だよ」

せいくんが教えてくれた方向を見ると、白い壁がとっても素敵なお家が見える。

「わぁー、綺麗ーっ!! お家の周りにお花がいっぱいだよ」

「ああ、本当に綺麗に整えられた庭だな」

ここに理央くんが住んでいるんだ……。素敵!

「ねぇねぇ、一花ちゃんのところもそうだけど、日本のお家ってとっても綺麗だよね。現代的っていうか、未来のお家みたい」

「そうかな?」

「そうだよ。ねっ、エヴァン」

弓弦くんが声をかけるとエヴァンさんは優しい眼差しを向けながら教えてくれた。

「ああ、フランスは昔ながらの建物を残しているからね。外観だけは数百年前の煉瓦造りのままで中身を新しく作り変えて住んでいるんだよ。だからフランスの都市部では新築……外観も全て新しい家というのはまず見つからないだろうね」

「へぇー、そうなんですね」

「弓弦のお家もすごく古いよ。前にパパに聞いたら三百年以上って言ってたもん」

「えーーっ、三百年? すごい! パパたちよりもずっと年上だね」

「うん。おじいちゃんたちよりもずっとだよ」

「みんながそこで育ってきたんだね。すごいなー。ねぇ、今度弓弦くんのフランスのお家に行ってみたいな」

「わぁー! それ楽しそう! いいよね、エヴァン」

僕の言葉に笑顔を見せてくれた弓弦くんがエヴァンさんに抱きつくと、エヴァンさんは嬉しそうに弓弦くんを抱きしめた。

「もちろん。セイヤが一緒なら大歓迎だよ」

エヴァンさんとせいくんはすっかり仲良くなったみたい。
弓弦くんの大切な人と僕の大好きなせいくんが仲がいいっていうのはすごく嬉しいな。

そんな話をしているうちに、理央くんの家の駐車場に車が止まった。

もうすでに駐車場で待っていてくれたみたいで、窓の外に理央くんとりょうやさんの姿が見える。
この前、僕たちが何て呼んだらいいかって聞いたらりょうやでいいって言ってくれたんだ。

僕たちの座っているところの扉が開いて外にいる理央くんと目が合った。

「あっ、一花ちゃん! 弓弦くん! おはよう!」

「理央くん、おはよう! 早く入って、入って!」

すぐに乗り込もうとしたけれど目の前にせいくんとエヴァンさんが乗っているせいか、理央くんは少し緊張している様子だった。でも、

「おはようございます。リオさん。ミヅキさま。頭に気をつけてお入りくださいね」

とリュカさんが笑顔を向けると、ホッとしたように見えた。リュカさんってすごく優しそうだもんね。

さっと乗り込んできた理央くんは僕の隣に座り、りょうやさんはエヴァンさんの隣に座った。

「それでは出発しますね」

リュカの声に反応するように車は動き始めた。

「理央くんのお家、素敵だねって弓弦くんとお話ししてたんだよ」

「本当? 嬉しい! じゃあ、今度お家にも遊びに来て~! 僕のお部屋、可愛いぬいぐるみがいっぱいあるんだよ!」

「ええー、すごい!! 行きたい!」

「いいよー。ねぇ、りょうちゃん、いいよね?」

「ああ、もちろん。理央の友だちならいつでも大歓迎だよ。きっと母さんも喜ぶよ」

「うん。僕のママ、一花ちゃんも弓弦くんも空良くんも真守くんもいい子だっていっつも言ってるんだ」

「わー、嬉しい!」

理央くんのママ、入学式の日から一花のママとも仲良しさんになってたもんね。みんなで一緒に遊びに行けるかな。

「ねぇねぇ、お外で食べるお弁当。楽しみだね」

「うん! 一花、おにぎり作るの手伝ったんだー!」

「えー、すごーい!! 熱くなかった?」

「ちょっと熱かったけど平気! だってもう一年生だもん!」

ちょっと形崩れちゃったけど、頑張ったことには変わりないもんね。

「一花ちゃん、すごいなー。でも僕も、ミニトマトのヘタとるのお手伝いしたんだよ!」

得意げな理央くんが可愛い。でもミニトマトのヘタを取るのは大事なことだってママが言ってたな。

「すごい! 理央くん、じゅうようなお仕事任されたんだね!」

「じゅう、よう?」

意味がわからなかったみたいで首をこてんとしながら聞き返された。すると、すぐにりょうやさんが理央くんに教えてあげていた。

「理央、すごく大事なことという意味だよ」

「それじゃあ、理央はすごく大事なお仕事をしたっていうこと?」

「ああ。そうだ」

「えー! 理央、すごい!」

「うん、理央くんすごいよ!」

自分ですごいと褒める理央くんが可愛くて、車の中は幸せな笑い声でいっぱいになった。
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