溺愛されまくりの会長令息が財閥イケメンスパダリ御曹司に見初められました

波木真帆

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仲良しグループの誕生

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「一花ちゃん、おはようーっ!!」

「あ、来た来たぁー! 真守くん、遅いよー!」

「だって、パパとママが桜のところで一緒に写真撮ろうっていうから並んでたの」

「桜って中庭の? あのおっきなとこ?」

「そうそう。満開ですっごく綺麗だったよ」

「そうなんだ。じゃあ、僕も後でパパとママとせいくんと一緒に撮ろうっと」

「えっ? せいくんって誰?」

「ふふっ。僕の大好きな人だよ。今日、一花がご挨拶するからって見に来てもらったんだ」

「ええー、そうなんだ。楽しみだね」

朝から元気いっぱいのこの子は、僕の仲良しのお友達で、高原たかはら真守まもるくん。
真守くんのパパと僕のパパはお仕事で付き合いがあって、幼稚園で僕たちがお友達になってからは家族ぐるみで仲良くしているんだ。

「おはよう、真守くん。今日も元気だね」

「えっ? あっ、弓弦くん? えっ? どうして、ここに?」

「ふふっ。一花ちゃんと同じ反応だ」

「当たり前だよ、びっくりしちゃったもん」

「ふふっ、そうだね。あのね、僕……小学校は日本にいられることになったんだ!」

「ええーっ、じゃあまた一緒にお勉強したり遊んだりできるの?」

「うん! そうなんだ!」

「やったぁーっ!!」

真守くんはとっても嬉しそうにその場に飛び跳ねていたけれど、僕の後ろに隠れるようにいた理央くんに気づいて、声をかけた。

「君は新しいお友達?」

元気いっぱいの真守くんだけど、理央くんを怖がらせないように少し小さめで優しく声をかけていた。
ふふ。真守くん、優しいんだよね。

「ほら、理央くん。自己紹介できる?」

僕も中に入って声をかけると、理央くんはおっきく頷いた。

「僕、観月理央。初等部からの入学なの。仲良くしてください」

「そうなんだ! 僕は、高原真守。よろしくね。桜守は幼稚園からだけど初等部は僕も初めてだから同じだよ。一緒にお勉強しようね」

そういうと、理央くんは嬉しそうに

「うん! よろしくね」

と声をあげていた。

僕たちが集まって話をしている間に、教室にはだいぶ人が集まってきた。
幼稚園とはちがって成績順だから、クラスによっては男女の数が違うと幼稚園の先生から聞いていたけれど、このクラスは男の子の方が多いみたい。


「そろそろ席に着こうか」

そう声をかけて、名前が書かれている机を探し始めた。
席順も成績順になっているから、みんな近かったらいいなぁ。

「あ、理央くんの名前あったよ。一花ちゃんの隣だね」

と真守くんがすぐに教えてあげていた。

見てみると、教室の窓際の一番前が僕の席で、その隣が理央くん。
そして、偶然にも僕の後ろが真守くんで、その後ろが弓弦くんの席になっていた。

縦も横も、五席ずつの二十五人でひとつのクラスだから、真守くんの隣の子と僕たち四人で同じグループになるんだ。
後一人は誰かな?

名前は……<悠木ゆうき空良そら
うーん、多分初等部からのお友達みたい。
可愛いけど、聞いたことない名前だもん。

どんな子だろう。
早く会いたいな。

とりあえず、それぞれの席に座って話をしながら待っていると、

空良そら、一組の教室があったぞ」

という声が廊下から聞こえてきた。

「あ、真守くんの隣の席の子、来たみたいだよ」

「本当だ、どんな子かな」

そんなことを話していると、教室の前の扉から見えたのは、せいくんとおんなじくらい大きく見えるスーツの男の人に抱っこされた可愛い男の子。
でも、緊張しているのかな。その人から離れようとしない。

「ねぇ、ここはみんなでおいでってしてあげたほうがいいんじゃない?」

「うん、そうだね。そうしたらきっとあの子も入ってこれるよね」

「理央くんも呼べる?」

「うん! 大丈夫」

「「「「せーの」」」」

「「「「空良くーんっ、こっちだよー!!」」」」」

僕たち四人で空いている席を指差しながら、大きな声で呼びかけると男の人に抱きかかえられていた空良くんは一瞬びっくりしていたけど、すぐに笑顔になって

「ひろくん! 僕、いくーっ!!」

と言って、腕から下ろしてもらうと、一直線に僕たちのところに走ってきた。

「ふふっ。水色のランドセル可愛い!!」

「ありがとう。僕、悠木空良! よろしくね!!」

僕たちに新しいお友達ができた瞬間だった。



  *   *   *

後ほど登場人物紹介に、一花のお友達(真守と空良)のことを追加します。
どうぞお楽しみに♡

空良から寛人への呼び方を『ひろくん』に変更しました。
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