俺の天使に触れないで  〜隆之と晴の物語〜

波木真帆

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幸せな夜

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前話の最初の部分の話が抜けていたので加筆修正しています。
読んでおられない方はそちらからお読みください。



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洗い物を終えた頃、晴がタオルで髪をわしゃわしゃと拭きながらお風呂から出てきた。

ああ、どんな仕草も全てが可愛いな。

今日は俺の部屋着を寝巻きに出しておいたが、俺の服を着ている晴の姿にそそられる。
袖から出ている指先、萌え袖が可愛すぎる!
そして、お風呂上がりの火照った頬がほんのりピンク色で色っぽくて目が離せない。

ああ、天使がここにいる。
うーん、全てが目の毒だな。

「あっ、晴、髪を乾かしてあげるよ。ここにおいで」

「え、でも」

さっき揶揄ったのを思い出したのか、真っ赤な顔で戸惑っている。

「いいから、遠慮しないで」

リビングに用意しておいたドライヤーを取り、有無を言わせず、ソファーに座っていた俺の足の間に座らせた。
普段サラサラの髪が濡れてしっとりとしていて艶めかしい。

俺と同じシャンプーの香りをさせているのがたまらない。
ああ、ずっと嗅いでいたいな。

俺の大きな手で髪を梳かしながらほぐすように乾かしていると、晴は気持ちよさそうに俺に身を委ねてくれた。
このまま、早く全てを委ねてくれるようになるといい。

「晴の髪の色は茶色がかって綺麗だな。これは地毛だろ?」

「そうなんです。父方のおじいちゃんがドイツの人で。小さい時はもっと金髪っぽかったんですけど、高校の時くらいから少しずつ茶色になってきたんですよね」

「そうなのか。晴に良く似合ってるよ」

乾いてサラサラになった髪を撫でながらそう言うと、晴は振り返り照れながらありがとうございますとお礼を言った。

腕の中にいる可愛い晴を離したくはなかったが、足の湿布を貼り替えてもう今日は寝かせてやらなければと何とか理性で押し留める。

さっと湿布を貼り、もう動かさない方がいいからと横抱きでベッドへ。

晴は二人だけの空間に慣れてきたのか抵抗することなく、首に手を回してくれた。

本当は同じベッドに寝かせたいが、同じベッドで何もせずにはいられる自信がない。
あんなに可愛い晴が横で寝息をたててたらキスもそれ以上も我慢できるはずがない。
せめて、晴の足が治るまでは抑えなければな。

晴の足に負担をかけないように客間のベッドにそっと寝かせた。
そして、俺もベッドに腰を下ろし、晴の顔を見ながらさっき乾かしてあげた晴の髪を優しく撫でた。

「もう晴の中ではモデルの件は決まってるんだろう。回答期限までの三日間、バイトも休んでゆっくりここで過ごして卒論に専念するといいよ。ポスター撮影が始まったら、卒論書く時間も取れなくなるかもしれないし。 もちろん、晴さえよかったらずっとこの家にいてくれて良いからね。というか、ずっといて欲しい」

晴は俺の言葉に照れたのか布団を目深に被ったまま

「隆之さん、嬉しいです。僕もできたらここにずっといたい…です」

と言ってくれた。

俺は嬉しくてたまらず、

「ありがとう。今日はゆっくりお休み」

と言って晴の顔に、自分の顔を寄せるとおでこにかかる髪を上にあげ、そっと唇をあてた。

目を見開いて驚いている晴の顔が可愛くて、耳元でもう一度おやすみといって、部屋を出た。







次から晴sideのお話になります。
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