南国特有のスコールが初恋を連れてきてくれました

波木真帆

文字の大きさ
70 / 79
番外編

香りの悪戯※<伊織&悠真Ver.> 16

しおりを挟む
これでようやく完結です。
楽しんでいただけると嬉しいです♡

  *   *   *


先ほどまであった胸の膨らみがない。
その代わりに先ほどまでなにもなかったツルツルの場所に可愛らしい果実のようなモノが見える。

ぷっくりと膨らんだ可愛らしい乳首と、女性の時と変わらないうっすらとした下生えに芯を持って少し昂りを見せる可愛らしい果実を余すところなく私に晒しながら、ぐったりとベッドに横たわっている悠真の姿に、たった今欲望の蜜を大量に放ったはずの私の昂りは今まで自分でも見たことがないほどに聳り立っていた。

「悠真……」

「い、おりさん……わたし……どうなって……?」

「やっと、本当の悠真に会えました」

まだ自分の状況が理解できていない様子の悠真に重なるように身体を倒し抱きしめた。

そして、私の大きな手でぷっくりと膨らんだ乳首に触れる。

「ひゃあっん!」

先ほどの比じゃないほどに可愛らしい声をあげながら身体を震わせる。
おそらく胸がない分、直に快感が身体を通り抜けるのだろう。

男性の姿に戻っても私の愛撫で感じてくれているその事実にさらに興奮してしまう。

「わかりますか? 元に戻ったんです」

「わたし、ほんとうに……?」

「ええ。ほら」

そっと手を下半身に下ろし、悠真の可愛らしい果実に触れる。

「ああっ!」

私の手にすっぽりとおさまる悠真の果実が愛おしくてたまらない。
指先で先端を弄ってやると、ピクピクと身体中を震わせて本当に可愛い。

「い、おりさん、も……こうふん、して、ますか?」

「ええ。もちろんです。ほら」

悠真の手を取って私の昂りに導く。
その小さくて柔らかな手に触れられただけで先ほどよりも数倍成長しているのがわかる、

「えっ……これ、ほんとに?」

「だから言ったでしょう? 私は女性であろうと男性であろうと悠真に興奮するんです」

「うれしい……っ」

「――っ!!」

悠真の心の底から溢れたようなその声に、私の理性は限界を超えてしまいそうになっていた。

「悠真……男性に戻った悠真も、私のものにしていいですか?」

ダメだなんて言わないでくれ!
そう願いながらも必死に紳士を装って尋ねた。

「わ、たしを、いおりさんの、ものにしてください……っ」

「――っ!! 悠真っ!!」

「んんっ! んっ……!!」

可愛い悠真の言葉にとうとう私は限界を超えてしまった。
そのまま柔らかな唇を奪い、甘い唾液を堪能した。

悠真の力がすっかり抜けてしまったところで、そっと唇を離し、悠真の後孔に指を這わせた。
当然だが、今まで何も受け入れていないだろう小さな蕾は硬くその入り口を閉ざしている。

「い、おりさん……」

「大丈夫です。絶対に痛くしませんから」

男の身体は女性のように濡れたりしない。
だからこそより丁寧に扱わなければいけない。

一生使う機会など訪れないかもしれないと思っていたが、倉橋さんからもらったあの<Lube>を大切に取っておいて本当に良かった。

シャンプーのモニターに協力したお礼としてもらっていたものの一つがこれだったのだが、処分しなかった自分を褒めていやりたい。

ベッド近くの棚に保管しておいたものを取り出し、悠真の目の前で未開封のものを開けていく。

「あの、それって……」

「以前、倉橋さんに試作品としてもらったものです。一生使うことはないと思っていましたが、今思えば悠真とこうなることを予感していたのかもしれません」

倉橋さんがいろんなものを開発しているというのは、悠真も浅香さんから話を聞いているようで私の説明にもすぐに納得してくれた。

男同士のそれにしか使わないものを常備していると勘違いされなくて本当に良かった。

手のひらにローションをのせ両手で温めてから、悠真の可愛い果実に触れる。

ヌルヌルの手で上下に扱けば、あっという間に可愛らしい果実が成長し、兆していく。

このローションの滑りがなんとも素晴らしい。

「ああっ、やぁっ、きもち、いぃっ」

悠真が快感に身を震わせている間に後孔に指を這わせる。
入り口を優しく撫でてから中指をぷつりと侵入させると、あれほど硬かった入り口が柔らかく迎え入れてくれる。

このローションが優秀なのか、それとも私との相性がいいのか。
おそらくどちらもだろう。あっという間に中指が根元まで入り込んで悠真の肉襞に包まれて気持ちがいい。

指を中で動かすたびに悠真の口から甘い声が漏れて、その声が艶めいているのがわかる。
感じてくれている、そう思うだけでとてつもなく嬉しかった。

とろとろになった悠真の後孔はあっという間に私の指を三本も受け入れてくれた。

「そろそろいいかな」

ゆっくりと指を引き抜くと、悠真がどうしてと言いたげな表情で私をみる。

「大丈夫ですよ、もっと気持ちよくさせますから」

そういいながら、自分でも驚くほど成長した昂りにローションでヌルヌルになった手で扱いて見せた。

「あ、すごい。さっきより、おっきぃ」

恍惚とした目で見つめられてさらに昂りを増す。
これ以上悠真に見つめられたら挿入する前にイってしまうかもしれない。

私は悠真の足の間に腰を下ろし、悠真の腰の下に枕を挟んで高くした。
そして、ほぐれて柔らかくなった悠真の可愛い後孔にガチガチに硬い昂りをググッと押し込んだ。

「ん、んんっ……あっ……すごぃ!」

一度女性の身体で受け入れてくれているからか、力の抜き方が上手い。

一気に張り出したところを受け入れてくれた悠真の身体は、するすると私の昂りを奥へ誘ってくれる。

「ああ……悠真、気持ちがいい……っ」

そんな言葉しか出ないが、悠真も嬉しそうに頷いてくれる。

身体を倒し、悠真をぎゅっと抱きしめながらゆっくりと腰を動かす。
そして、己の昂りを全て悠真の中に埋めた。

ああ、今、悠真の中に私がいる。
先ほどよりもずっと深いところで悠真の熱を感じる。
そして、先ほどよりもずっと一つになっている感覚がする。

まるで欠けていたピースが隙間なくハマったようなそんな感覚がして、私たちが一人の人間になったような気さえしていた。

「いお、りさん……おく、ほしぃ……っ」

「ええ。私も悠真の熱をもっと感じたい」

可愛い悠真のおねだりに誘われるように私は腰を動かした。

「ああっ、そ、こ……っ、きもち、いぃ……っ」

「悠真っ! 悠真っ!!」

優しくしようと思っていたのに、悠真の気持ちよさそうな声にどんどん昂りを増してしまい、腰を激しく動かすとその度に悠真の口から甘い声が漏れる。

「い、おりさん……っ、もっとぉ……! ああっ、そ、こぉ……っ、イくぅっ!」

「くっ! あ゛ぁっ!!」

悠真の可愛いおねだりと絶頂を迎えた声にあっという間に限界を迎えた私は悠真の蜜を感じながら、悠真の最奥に欲望の蜜を叩きつけた。

ビュルビュルととてつもない量が吐き出されるのを感じながら、私は最高の幸せを感じていた。

  *   *   *

短い時間に何度も蜜を出して疲れ果てていた悠真がいつの間にか意識を失っていた。
その間に身体を清めて、裸のまま抱き合ってベッドに横たわった。

女性の身体ももちろん綺麗だったが、やはり男性の姿はそそる。
いや、悠真の身体だからそそるのだろう。

腕の中の悠真をギュッと抱きしめると悠真の口から可愛い声が漏れた。

「んっ……」

どうやら目を覚ましたらしい。

「悠真、大丈夫ですか?」

「私……」

「覚えてますか? 私と愛し合って……元の身体に戻ったんですよ」

「あっ!」

みるみるうちに真っ赤になっていき、両手で顔を隠そうとする。

「隠さないで見せてください。もう、悠真は私のものですよ」

「伊織さん……私、本当に伊織さんのものになってもいいんですか?」

「なってもいいんじゃなく、永遠に私の大事な人です。悠真以外考えられません。心配ならもっと身体でわからせてあげましょうか?」

悠真と抱き合って寝ていれば当然だが、あれだけ欲望を放ってももうすでに昂っている。
その硬い昂りを悠真に当てるとすぐに気づいたようだ。

「伊織さん……」

「悠真と出会えて本当に良かったです。私は幸せですよ」

「はい、伊織さん。私も……幸せです。だからたっぷり愛してください」

私たちの甘い時間はまだ始まったばかりだ。
しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

冷血宰相の秘密は、ただひとりの少年だけが知っている

春夜夢
BL
「――誰にも言うな。これは、お前だけが知っていればいい」 王国最年少で宰相に就任した男、ゼフィルス=ル=レイグラン。 冷血無慈悲、感情を持たない政の化け物として恐れられる彼は、 なぜか、貧民街の少年リクを城へと引き取る。 誰に対しても一切の温情を見せないその男が、 唯一リクにだけは、優しく微笑む―― その裏に隠された、王政を揺るがす“とある秘密”とは。 孤児の少年が踏み入れたのは、 権謀術数渦巻く宰相の世界と、 その胸に秘められた「決して触れてはならない過去」。 これは、孤独なふたりが出会い、 やがて世界を変えていく、 静かで、甘くて、痛いほど愛しい恋の物語。

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

猫カフェの溺愛契約〜獣人の甘い約束〜

なの
BL
人見知りの悠月――ゆづきにとって、叔父が営む保護猫カフェ「ニャンコの隠れ家」だけが心の居場所だった。 そんな悠月には昔から猫の言葉がわかる――という特殊な能力があった。 しかし経営難で閉店の危機に……
愛する猫たちとの別れが迫る中、運命を変える男が現れた。 猫のような美しい瞳を持つ謎の客・玲音――れお。 
彼が差し出したのは「店を救う代わりに、お前と契約したい」という甘い誘惑。 契約のはずが、いつしか年の差を超えた溺愛に包まれて――
甘々すぎる生活に、だんだんと心が溶けていく悠月。 だけど玲音には秘密があった。
満月の夜に現れる獣の姿。猫たちだけが知る彼の正体、そして命をかけた契約の真実 「君を守るためなら、俺は何でもする」 これは愛なのか契約だけなのか……
すべてを賭けた禁断の恋の行方は? 猫たちが見守る小さなカフェで紡がれる、奇跡のハッピーエンド。

処理中です...