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番外編
香りの悪戯 <伊織&悠真Ver.> 2
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すみません。伊織登場まで行きつきませんでした。
次回こそ!楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side悠真>
桜城大学の二次試験を受けるために向かった那覇空港で、浅香さん、倉橋さん、蓮見さんの三人の桜城大学の先輩に出会い、私の人生は大きく変わった。
そのおかげで、大学に合格してからも充実した日々を過ごさせてもらっている。
宮古島に残してきた家族とも倉橋さんがいつでも繋がれるように大きなモニターをつけてくれたおかげで、東京の部屋にいても、いつだって宮古島の家族の顔を見て話ができるようになり、ホームシックになるんじゃないかという当初の不安はかなり軽減された。
そして、東京で充実した日々を過ごせる理由はもう一つ。敬介さんの存在だ。
入試の時に実家に泊めてもらった縁で、お父さんやお兄さんとも仲良くさせてもらって、東京に来てからはしょっちゅう夕食に呼んでもらったり、週末にはお兄さんの知成さんが作るスコーンや他の美味しいスイーツが並ぶお茶会に招待してもらったりで、いつも楽しい時間を過ごしている。
そして、今日も私は土曜日の朝から敬介さんの家に向かった。
「やぁ、いらっしゃい」
優しいお父さんに迎えられて、亡くなった自分の父親を思い出して懐かしくなる。けれど、今日こそはちゃんとお父さんに言っておかないと!
「お邪魔します。あ、あの……」
「悠真くん、どうした?」
「あの、私……もうここまで一人で来れますので、わざわざタクシーを手配してくださらなくても大丈夫です」
「なんだ、そんなことを気にしていたのか? 悠真くんは何も気にしないで乗ってくれたらいいんだよ」
「ですが、私のためにタクシーなんてもったいないです」
宮古島にいたときはタクシーになんて乗ったことがなかったから、どうしても贅沢している気がしてしまう。
しかもいつも料金はいらないと言われてしまうし、どうにも申し訳なさが募る。
「あれは桜守学園で契約しているタクシーだから、どれだけ乗っても料金は変わらないんだ。だから、乗ってもらったほうがありがたいんだよ」
「えっ? そう、なんですか?」
「ああ、だから気にしないで今まで通り乗ってほしい。ねっ」
「は、はい」
お父さんにそこまで言われてはそれ以上反論できなかった。
「それより、敬介がテラスで待ってるよ」
「はい」
もうすっかり場所も覚えてしまったテラスに向かうと、スコーンの香ばしい匂いが漂ってくる。
今日も知成さんのスコーンはあるみたいだ。スコーンって、ここで初めて食べたけど、すっごく美味しかった。
敬介さんもお兄さんのスコーンが大好きだって言っていたから、きっと特別美味しいんだろう。なんと言っても本場イギリス仕込み。いつか私も作れるようになって真琴にも食べさせてあげたい。
「こんにちは」
「あ、悠真くん。準備してて玄関まで迎えにいけなくてごめんね」
「いえ。大丈夫です。それより今日も美味しそうなお菓子がいっぱい。あれ? これ、なんですか?」
「ああ。これ、兄さんがホームステイしていたイギリスのお家から送ってもらった薔薇のジャムだよ。スコーンと相性がいいんだって。あとで食べてみよう」
「わぁー。楽しみです!」
「このスコーンに合う紅茶もあるから、今から淹れるね」
缶に入った紅茶の茶葉をティーポットに入れるだけでいい香りが漂ってくる。
すると、お父さんとお兄さんがテラスにやってきた。
「敬介」
「どうかしたんですか?」
「悪い、少し仕事が入って知成と一緒に出かけてくるよ。そこまで遅くはならない予定だけど、帰る前に連絡するから」
「わかりました。気をつけて行ってきてください」
「悠真くん、ゆっくりしててね」
「はい。ありがとうございます」
お父さんとお兄さんはそのまま手を振って出かけて行った。
「二人になっちゃったね。じゃあ、のんびりおしゃべりでもしながらお菓子を楽しもうか」
笑顔で紅茶を淹れてくれる敬介さんに私も笑顔で応えて、二人っきりのお茶会が始まった。
「さぁ、食べよう」
「早速このスコーンと薔薇のジャム、試してみてもいいですか?」
「うん。食べてみて!」
ジャムスプーンで掬うと辺りが花の香りに包まれる。
「わぁー、いい香り!」
それをスコーンに乗せてパクッと口に入れると、
「んっ! おいし――んっ??」
最初はすごく美味しかったけれど、急に身体が激しく熱くなり始めた。
「悠真くん? どうしたの、大丈夫? 悠真くん?」
「くっーー! ゔっ!!」
敬介さんに心配をかけたくないのに、椅子に座っていられない。
私はそのまま椅子ごと倒れてしまった。
「悠真くんっ!!」
慌てて駆け寄ってきてくれた敬介さんの表情が青褪めているのがわかる。
もしかしたら体質に合わなかったのか……。もうこのまま死んでしまうのかな……なんて思っていると、急に身体の火照りも何もかもふっと消えてしまった。
「んっ? だ、いじょうぶ、みたい?」
急にいつもの調子に戻り、今のが一体なんだったのかわからないくらいだけど、目の前の敬介さんは青褪めたままだ。
「敬介さん? どうかしましたか?」
「お、おんなのこ……」
「えっ?」
「悠真くんが、女の子になってる! そ、それ……っ」
「えっ? わぁっ!! な、何、これ?」
敬介さんの言葉の意味がわからないままに、指差された通りに顔を下に向けると、今までなかった膨らみが見えた。
慌てて両手で掴むとむにゅっと柔らかな感触を覚えた。
「ほ、本物? えっ? なんで? どうして?」
「ね、ねぇ。悠真くん。胸があるってことは……その……」
「――っ!! あ、ないっ!!」
敬介さんの言葉にハッと気づいて下に手をやると、さっきまであったはずの感触がない。ささやかだけど確かにあったはずなのに。
「う、うそ……もしかして、私……女性になっちゃった?」
突然のことに、私も敬介さんもその場から一歩も動くことができなかった。
次回こそ!楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side悠真>
桜城大学の二次試験を受けるために向かった那覇空港で、浅香さん、倉橋さん、蓮見さんの三人の桜城大学の先輩に出会い、私の人生は大きく変わった。
そのおかげで、大学に合格してからも充実した日々を過ごさせてもらっている。
宮古島に残してきた家族とも倉橋さんがいつでも繋がれるように大きなモニターをつけてくれたおかげで、東京の部屋にいても、いつだって宮古島の家族の顔を見て話ができるようになり、ホームシックになるんじゃないかという当初の不安はかなり軽減された。
そして、東京で充実した日々を過ごせる理由はもう一つ。敬介さんの存在だ。
入試の時に実家に泊めてもらった縁で、お父さんやお兄さんとも仲良くさせてもらって、東京に来てからはしょっちゅう夕食に呼んでもらったり、週末にはお兄さんの知成さんが作るスコーンや他の美味しいスイーツが並ぶお茶会に招待してもらったりで、いつも楽しい時間を過ごしている。
そして、今日も私は土曜日の朝から敬介さんの家に向かった。
「やぁ、いらっしゃい」
優しいお父さんに迎えられて、亡くなった自分の父親を思い出して懐かしくなる。けれど、今日こそはちゃんとお父さんに言っておかないと!
「お邪魔します。あ、あの……」
「悠真くん、どうした?」
「あの、私……もうここまで一人で来れますので、わざわざタクシーを手配してくださらなくても大丈夫です」
「なんだ、そんなことを気にしていたのか? 悠真くんは何も気にしないで乗ってくれたらいいんだよ」
「ですが、私のためにタクシーなんてもったいないです」
宮古島にいたときはタクシーになんて乗ったことがなかったから、どうしても贅沢している気がしてしまう。
しかもいつも料金はいらないと言われてしまうし、どうにも申し訳なさが募る。
「あれは桜守学園で契約しているタクシーだから、どれだけ乗っても料金は変わらないんだ。だから、乗ってもらったほうがありがたいんだよ」
「えっ? そう、なんですか?」
「ああ、だから気にしないで今まで通り乗ってほしい。ねっ」
「は、はい」
お父さんにそこまで言われてはそれ以上反論できなかった。
「それより、敬介がテラスで待ってるよ」
「はい」
もうすっかり場所も覚えてしまったテラスに向かうと、スコーンの香ばしい匂いが漂ってくる。
今日も知成さんのスコーンはあるみたいだ。スコーンって、ここで初めて食べたけど、すっごく美味しかった。
敬介さんもお兄さんのスコーンが大好きだって言っていたから、きっと特別美味しいんだろう。なんと言っても本場イギリス仕込み。いつか私も作れるようになって真琴にも食べさせてあげたい。
「こんにちは」
「あ、悠真くん。準備してて玄関まで迎えにいけなくてごめんね」
「いえ。大丈夫です。それより今日も美味しそうなお菓子がいっぱい。あれ? これ、なんですか?」
「ああ。これ、兄さんがホームステイしていたイギリスのお家から送ってもらった薔薇のジャムだよ。スコーンと相性がいいんだって。あとで食べてみよう」
「わぁー。楽しみです!」
「このスコーンに合う紅茶もあるから、今から淹れるね」
缶に入った紅茶の茶葉をティーポットに入れるだけでいい香りが漂ってくる。
すると、お父さんとお兄さんがテラスにやってきた。
「敬介」
「どうかしたんですか?」
「悪い、少し仕事が入って知成と一緒に出かけてくるよ。そこまで遅くはならない予定だけど、帰る前に連絡するから」
「わかりました。気をつけて行ってきてください」
「悠真くん、ゆっくりしててね」
「はい。ありがとうございます」
お父さんとお兄さんはそのまま手を振って出かけて行った。
「二人になっちゃったね。じゃあ、のんびりおしゃべりでもしながらお菓子を楽しもうか」
笑顔で紅茶を淹れてくれる敬介さんに私も笑顔で応えて、二人っきりのお茶会が始まった。
「さぁ、食べよう」
「早速このスコーンと薔薇のジャム、試してみてもいいですか?」
「うん。食べてみて!」
ジャムスプーンで掬うと辺りが花の香りに包まれる。
「わぁー、いい香り!」
それをスコーンに乗せてパクッと口に入れると、
「んっ! おいし――んっ??」
最初はすごく美味しかったけれど、急に身体が激しく熱くなり始めた。
「悠真くん? どうしたの、大丈夫? 悠真くん?」
「くっーー! ゔっ!!」
敬介さんに心配をかけたくないのに、椅子に座っていられない。
私はそのまま椅子ごと倒れてしまった。
「悠真くんっ!!」
慌てて駆け寄ってきてくれた敬介さんの表情が青褪めているのがわかる。
もしかしたら体質に合わなかったのか……。もうこのまま死んでしまうのかな……なんて思っていると、急に身体の火照りも何もかもふっと消えてしまった。
「んっ? だ、いじょうぶ、みたい?」
急にいつもの調子に戻り、今のが一体なんだったのかわからないくらいだけど、目の前の敬介さんは青褪めたままだ。
「敬介さん? どうかしましたか?」
「お、おんなのこ……」
「えっ?」
「悠真くんが、女の子になってる! そ、それ……っ」
「えっ? わぁっ!! な、何、これ?」
敬介さんの言葉の意味がわからないままに、指差された通りに顔を下に向けると、今までなかった膨らみが見えた。
慌てて両手で掴むとむにゅっと柔らかな感触を覚えた。
「ほ、本物? えっ? なんで? どうして?」
「ね、ねぇ。悠真くん。胸があるってことは……その……」
「――っ!! あ、ないっ!!」
敬介さんの言葉にハッと気づいて下に手をやると、さっきまであったはずの感触がない。ささやかだけど確かにあったはずなのに。
「う、うそ……もしかして、私……女性になっちゃった?」
突然のことに、私も敬介さんもその場から一歩も動くことができなかった。
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