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番外編
サプライズ飲み会 5
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多分次回で終わるかな。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side真壁冬貴>
成瀬だけでなく、安慶名まで恋人を連れてきた、
その衝撃は計り知れない。
恋人を得た親友たちの姿に、私は一人置いて行かれているような寂しさを感じたが、それと同時にいつか私にも友人たちのように運命の相手が現れるという期待は持てた。
なんせ、あの成瀬と安慶名に恋人ができたんだ。私に現れないはずがない。今まではもう諦めかけていたところがあったからもしかしたらその気持ちが出てしまっていたのかもしれない。
運命だと思ったらすぐに行動……その言葉をしっかりと心に刻んでおこう。
「あの、悠真さんはお仕事は何をなさってるんですか?」
普段警察官僚として働いている私は、民間人と接する時間がかなり少ない。
だから、どんな職業に従事しているのかつい気になって尋ねてしまう。それはある意味、職業病のようなものなのかもしれない。もしかしたら、嫌がられる質問だっただろうかと思ったが悠真さんは特段気にする様子もなく笑顔で答えてくれた。
「私はみなさんの後輩の倉橋が代表を務めるK.Yリゾートという西表島にある観光ツアー会社に勤めています」
「ああ、倉橋くんの! それは素晴らしいな」
倉橋くんは経済学部卒業で大学では年の差もあり直接的な関わりはなかったが、安慶名が倉橋くんが代表を務める芸能事務所の顧問弁護士を引き受けた縁もあり安慶名から紹介され、今では安慶名抜きでもたまに食事に行く間柄だ。
恐ろしいほどの人脈を持ち、多方面に素晴らしい能力を発揮する彼には、邪な考えを持つ者が多く近寄ってくる。私は、彼から犯罪まがいのことをしている奴らの情報を手にいれ逮捕し、その代わりに彼が警察としての力を必要な時にはすぐに手を貸してやる。そんな関係にある。
そんな彼が東京だけでなく沖縄の離島にも会社を持っていることは知っていた。
その会社に自分がいない間の社長代理を任せられるほどの逸材がいると話に聞いていたが、その人物の名前までは聞いていなかった。まさかそれが安慶名の恋人で、成瀬の恋人の兄だなんて思いもしなかった。
あの倉橋くんに逸材だと言わしめるほどの人物。
そんな相手とこうして飲む機会ができるとはな。本当に人生というのは何があるかわからないものだ。
「以前、倉橋くんと食事をした時に素晴らしい右腕がいると話してましたが、それが悠真さんのことだったんですね」
「そんな……っ。私なんて……」
「悠真。謙遜しなくていいですよ。倉橋さんはいつも悠真に感謝していると言っていたでしょう? 私は悠真が必要とされて好きな仕事をやっているのを見るのが好きなんですよ」
「伊織さん……」
「でもそれじゃあこの先ずっと遠距離になってしまうんじゃないか?」
突然氷室が無粋な言葉を挟んでくる。
確かに西表島で倉橋くんがいない時にも社長代理として働く悠真さんだから、それをやめることは難しいだろう。
だが安慶名は東京に事務所を構える弁護士。
そこを畳んで西表島に事務所を移してもそんなに仕事が来そうには思えない。
どちらも非現実的だ。ようやく運命の相手に出会えたというのに、ずっと遠距離で過ごすのは辛いだろう。
そんな相手のいない私には想像もできないが。
「いや、そうはならないよ」
「なんでだ?」
「俺、ゆくゆくは石垣島でシェフとして働くことにしたから」
「はっ? シェフ?」
「どういうことだ?」
安慶名の突然の言葉に私も氷室も驚きの声をあげた。
成瀬だけが何も言わなかったところを見ると、知っていたようだ。
さすが義兄弟になっただけのことはある。
それにしても今日一日で何回驚かされるんだろうな。
私たちの質問に安慶名はゆっくりと事の顛末を教えてくれた。
西表島で倉橋くんに料理を振る舞ったことがきっかけで、石垣島にあるイリゼホテルの料理長にならないかと打診されたそうだ。
倉橋くんも悠真さんと安慶名のことを知って、少しでも近くで過ごせるように考えて提案してくれたのだろうということはすぐにわかった。それほど、悠真さんの存在が倉橋くんには大切だということだ。
「これから段階的に少しずつ拠点を石垣島に移していくつもりだ」
「じゃあ、弁護士の仕事は完全にやめるつもりなのか?」
「いや、会社の顧問弁護士をいくつか引き受けているからそれは継続していくつもりだし、沖縄でも法律相談を受けることもできるし、やめるつもりはないよ。シェフの仕事もやってみたい仕事だったから俺にとっては嬉しい挑戦だよ」
「そうか。安慶名が納得しているなら私たちは応援するよ」
「ありがとう」
「それにしても沖縄に戻ることになるとは……安慶名はよっぽど沖縄に縁があるんだな」
「ああ、そうだな。そのおかげで悠真に出会えた。幸せだよ」
嬉しそうに悠真さんを抱き寄せる安慶名は見たことがないほど幸せそうに見えた。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side真壁冬貴>
成瀬だけでなく、安慶名まで恋人を連れてきた、
その衝撃は計り知れない。
恋人を得た親友たちの姿に、私は一人置いて行かれているような寂しさを感じたが、それと同時にいつか私にも友人たちのように運命の相手が現れるという期待は持てた。
なんせ、あの成瀬と安慶名に恋人ができたんだ。私に現れないはずがない。今まではもう諦めかけていたところがあったからもしかしたらその気持ちが出てしまっていたのかもしれない。
運命だと思ったらすぐに行動……その言葉をしっかりと心に刻んでおこう。
「あの、悠真さんはお仕事は何をなさってるんですか?」
普段警察官僚として働いている私は、民間人と接する時間がかなり少ない。
だから、どんな職業に従事しているのかつい気になって尋ねてしまう。それはある意味、職業病のようなものなのかもしれない。もしかしたら、嫌がられる質問だっただろうかと思ったが悠真さんは特段気にする様子もなく笑顔で答えてくれた。
「私はみなさんの後輩の倉橋が代表を務めるK.Yリゾートという西表島にある観光ツアー会社に勤めています」
「ああ、倉橋くんの! それは素晴らしいな」
倉橋くんは経済学部卒業で大学では年の差もあり直接的な関わりはなかったが、安慶名が倉橋くんが代表を務める芸能事務所の顧問弁護士を引き受けた縁もあり安慶名から紹介され、今では安慶名抜きでもたまに食事に行く間柄だ。
恐ろしいほどの人脈を持ち、多方面に素晴らしい能力を発揮する彼には、邪な考えを持つ者が多く近寄ってくる。私は、彼から犯罪まがいのことをしている奴らの情報を手にいれ逮捕し、その代わりに彼が警察としての力を必要な時にはすぐに手を貸してやる。そんな関係にある。
そんな彼が東京だけでなく沖縄の離島にも会社を持っていることは知っていた。
その会社に自分がいない間の社長代理を任せられるほどの逸材がいると話に聞いていたが、その人物の名前までは聞いていなかった。まさかそれが安慶名の恋人で、成瀬の恋人の兄だなんて思いもしなかった。
あの倉橋くんに逸材だと言わしめるほどの人物。
そんな相手とこうして飲む機会ができるとはな。本当に人生というのは何があるかわからないものだ。
「以前、倉橋くんと食事をした時に素晴らしい右腕がいると話してましたが、それが悠真さんのことだったんですね」
「そんな……っ。私なんて……」
「悠真。謙遜しなくていいですよ。倉橋さんはいつも悠真に感謝していると言っていたでしょう? 私は悠真が必要とされて好きな仕事をやっているのを見るのが好きなんですよ」
「伊織さん……」
「でもそれじゃあこの先ずっと遠距離になってしまうんじゃないか?」
突然氷室が無粋な言葉を挟んでくる。
確かに西表島で倉橋くんがいない時にも社長代理として働く悠真さんだから、それをやめることは難しいだろう。
だが安慶名は東京に事務所を構える弁護士。
そこを畳んで西表島に事務所を移してもそんなに仕事が来そうには思えない。
どちらも非現実的だ。ようやく運命の相手に出会えたというのに、ずっと遠距離で過ごすのは辛いだろう。
そんな相手のいない私には想像もできないが。
「いや、そうはならないよ」
「なんでだ?」
「俺、ゆくゆくは石垣島でシェフとして働くことにしたから」
「はっ? シェフ?」
「どういうことだ?」
安慶名の突然の言葉に私も氷室も驚きの声をあげた。
成瀬だけが何も言わなかったところを見ると、知っていたようだ。
さすが義兄弟になっただけのことはある。
それにしても今日一日で何回驚かされるんだろうな。
私たちの質問に安慶名はゆっくりと事の顛末を教えてくれた。
西表島で倉橋くんに料理を振る舞ったことがきっかけで、石垣島にあるイリゼホテルの料理長にならないかと打診されたそうだ。
倉橋くんも悠真さんと安慶名のことを知って、少しでも近くで過ごせるように考えて提案してくれたのだろうということはすぐにわかった。それほど、悠真さんの存在が倉橋くんには大切だということだ。
「これから段階的に少しずつ拠点を石垣島に移していくつもりだ」
「じゃあ、弁護士の仕事は完全にやめるつもりなのか?」
「いや、会社の顧問弁護士をいくつか引き受けているからそれは継続していくつもりだし、沖縄でも法律相談を受けることもできるし、やめるつもりはないよ。シェフの仕事もやってみたい仕事だったから俺にとっては嬉しい挑戦だよ」
「そうか。安慶名が納得しているなら私たちは応援するよ」
「ありがとう」
「それにしても沖縄に戻ることになるとは……安慶名はよっぽど沖縄に縁があるんだな」
「ああ、そうだな。そのおかげで悠真に出会えた。幸せだよ」
嬉しそうに悠真さんを抱き寄せる安慶名は見たことがないほど幸せそうに見えた。
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