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番外編
宮古島旅行 16
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話が長くなりすぎたせいで優一にまた新たな性癖が現れてしまいました。
早く終わらせてあげないと優一がどんどん変わってしまう……。
そう言いつつもまだまだ続きます。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
砂川農園の『天使のマンゴー』を6個ずつ綺麗に箱詰めし、ようやく完成したその数はなんと50箱。
出来上がったその場からイリゼが手配したトラックに乗せられて運ばれていった。
どうやらこれらは全てイリゼ銀座に運ばれるらしい。
限定数で販売しているイリゼ銀座のマンゴータルトは毎年行列ができるほどの人気っぷりだそうだから、今年ももちろん行列ができるのだろうな。
間引いたあのマンゴーでさえ、あんなにも濃く甘かったんだ。
この中にあるマンゴーなら、どれだけ出しても食べたいと思うに決まっている。
「はい。みんなお疲れさま。手伝ってくれたおおかげでずいぶん早く発送できたわ。ありがとう」
手を洗い、本宅のリビングに戻った俺たちの元にお義母さんとお祖母さんが持ってきてくれたのは、おいしそうな冷やし中華。
「わぁー、母さんの冷やし中華! 大好きっ!」
「ふふっ。安慶名さんも成瀬さんもお代わりあるからいっぱい食べてね」
「はい。いただきます」
定番の錦糸卵はもちろん美味しいが、細切りのきゅうりの代わりに入っている薄くスライスしたゴーヤは軽く塩揉みをしているからか、苦味も少なく食べやすい。
ハムの代わりに茹でた豚しゃぶが入れてあるが、これも沖縄の豚なのだろう。
彩りのトマトも鮮やかで食欲をそそる。
それになんといってもこのごまだれが絶品だ。
隠し味に入っている蜂蜜がいい味を引き出しているな。
これが砂川家の味か。
ここにいる間にたくさん教えてもらわないといけないな。
安慶名と二人でお代わりを頼み、あっという間に完食する。
真琴も悠真さんも俺たちの食べっぷりには驚いていたが、久しぶりに正当な仕事で汗をかくほど働いたから余計に美味しく感じられたのかもしれない。
食後にゆったりとした時間を過ごしていると、
「今日は波も穏やかだから海で遊んできたらどう?」
とお義母さんが声をかけてくれた。
宮古島の海は沖縄の中でも群を抜いて綺麗だと聞いたことがある。
だが、真琴の水着姿を誰にも見せたくないという狭量さが出て水着は持ってこなかった。
真琴は泳げないと話していたし、海に行くことはないのかと思っていたのだ。
だが、せっかくのお義母さんの誘いを断りたくない。
どうしようかと思っていると、
「優一さん、行きましょう!」
と真琴が嬉しそうに誘ってくる。
「いいが、真琴は泳げないんじゃなかったか?」
「波打ち際で足を濡らすだけでも楽しいんです」
「でも水着は持ってこなかったが……」
「ふふっ。沖縄の人で水着で海に入る人はいませんよ」
「えっ? そうなのか?」
「はい。そもそも海は見に行くもので泳ぐところではないですし、遊んだとしても砂浜でバーベキューしたりするくらいで、この辺の人ならお散歩で海を見に行く人がほとんどですね。だから海に入る時もTシャツと短パンとか、体操服とかで泳いだりしますよ。その方が日焼けも少ないですからね」
真琴の説明に俺以外の全員がうん、うんと頷いている。
安慶名まで頷いているところを見ると、沖縄では至極当然のことなのだろう。
海といえば絶対に水着を着るものだと思い込んでいたな……。
だが、Tシャツに短パンなら海に入らせても大丈夫そうだ。
「じゃあ、せっかくだし行ってみようか」
そういうと真琴は嬉しそうに俺に抱きついてきた。
ここでの生活で俺に抱きついたり感情を出してくれることも恥ずかしがらなくなってくれたから、俺としては嬉しいことだな。
「じゃあ、真琴。準備しに行こうか」
「うん、兄さんたちも海に入れる格好に着替えてきて」
お互いに部屋に戻り、真琴は何を着ようかなとクローゼットを探し始めた。
「わぁー、優一さん見てください! 懐かしいーっ!」
そういって、身体に当てながら見せてくれたのは体操服。
上は真っ白で胸には紺色の糸で砂川の刺繍が入っていて、下は紺色の短パン。
短パンには白糸で砂川の刺繍が入っていた。
「まだとっててくれたみたいですね。優一さん、僕これにしようかな」
「えっ? これを着るのか?」
「はい、多分サイズは高校の時から変わってないんで、大丈夫だと思いますよ」
「いや、サイズの問題じゃないんだけど……」
「んっ? 何かありますか?」
不思議そうに見つめてくるが、体操服に邪な思いを抱いたと思われるのは嫌だな。
それに普通のTシャツよりはこっちの方が厚そうで意外といいかもしれない。
安慶名に真琴の体操服姿を見られるのは勿体無い気もするが、水着よりはマシか……。
「いや、じゃあ、そうしようか」
「はい。じゃあ、早速着替えますね」
なんの躊躇いもなく上の服を脱ぎ半裸になると体操服をそのまま身につけた。
濡れるかもしれないから中には何も着ないのは当然だろうが、ちょっと乳首の膨らみが気になるな。
真琴は俺がガン見していることにも気づかずに今度はズボンを脱いで短パンを穿いた。
流石にノーパンでは短パンを穿かないか。
いや、これを持ち帰って家でノーパンで短パンを穿かせるのも良さそうだ。
そんなことを思っているだけで昂ってくる。
ここに来て俺のいろんな性癖が露わになっていく気がする。
それもこれも真琴が可愛いからなんだよな。
浴衣にしても、ウサ耳にしても、体操服にしてもどれもこれも似合いすぎるんだ。
本当に真琴にだけは一生勝てそうな気がしない。
早く終わらせてあげないと優一がどんどん変わってしまう……。
そう言いつつもまだまだ続きます。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
砂川農園の『天使のマンゴー』を6個ずつ綺麗に箱詰めし、ようやく完成したその数はなんと50箱。
出来上がったその場からイリゼが手配したトラックに乗せられて運ばれていった。
どうやらこれらは全てイリゼ銀座に運ばれるらしい。
限定数で販売しているイリゼ銀座のマンゴータルトは毎年行列ができるほどの人気っぷりだそうだから、今年ももちろん行列ができるのだろうな。
間引いたあのマンゴーでさえ、あんなにも濃く甘かったんだ。
この中にあるマンゴーなら、どれだけ出しても食べたいと思うに決まっている。
「はい。みんなお疲れさま。手伝ってくれたおおかげでずいぶん早く発送できたわ。ありがとう」
手を洗い、本宅のリビングに戻った俺たちの元にお義母さんとお祖母さんが持ってきてくれたのは、おいしそうな冷やし中華。
「わぁー、母さんの冷やし中華! 大好きっ!」
「ふふっ。安慶名さんも成瀬さんもお代わりあるからいっぱい食べてね」
「はい。いただきます」
定番の錦糸卵はもちろん美味しいが、細切りのきゅうりの代わりに入っている薄くスライスしたゴーヤは軽く塩揉みをしているからか、苦味も少なく食べやすい。
ハムの代わりに茹でた豚しゃぶが入れてあるが、これも沖縄の豚なのだろう。
彩りのトマトも鮮やかで食欲をそそる。
それになんといってもこのごまだれが絶品だ。
隠し味に入っている蜂蜜がいい味を引き出しているな。
これが砂川家の味か。
ここにいる間にたくさん教えてもらわないといけないな。
安慶名と二人でお代わりを頼み、あっという間に完食する。
真琴も悠真さんも俺たちの食べっぷりには驚いていたが、久しぶりに正当な仕事で汗をかくほど働いたから余計に美味しく感じられたのかもしれない。
食後にゆったりとした時間を過ごしていると、
「今日は波も穏やかだから海で遊んできたらどう?」
とお義母さんが声をかけてくれた。
宮古島の海は沖縄の中でも群を抜いて綺麗だと聞いたことがある。
だが、真琴の水着姿を誰にも見せたくないという狭量さが出て水着は持ってこなかった。
真琴は泳げないと話していたし、海に行くことはないのかと思っていたのだ。
だが、せっかくのお義母さんの誘いを断りたくない。
どうしようかと思っていると、
「優一さん、行きましょう!」
と真琴が嬉しそうに誘ってくる。
「いいが、真琴は泳げないんじゃなかったか?」
「波打ち際で足を濡らすだけでも楽しいんです」
「でも水着は持ってこなかったが……」
「ふふっ。沖縄の人で水着で海に入る人はいませんよ」
「えっ? そうなのか?」
「はい。そもそも海は見に行くもので泳ぐところではないですし、遊んだとしても砂浜でバーベキューしたりするくらいで、この辺の人ならお散歩で海を見に行く人がほとんどですね。だから海に入る時もTシャツと短パンとか、体操服とかで泳いだりしますよ。その方が日焼けも少ないですからね」
真琴の説明に俺以外の全員がうん、うんと頷いている。
安慶名まで頷いているところを見ると、沖縄では至極当然のことなのだろう。
海といえば絶対に水着を着るものだと思い込んでいたな……。
だが、Tシャツに短パンなら海に入らせても大丈夫そうだ。
「じゃあ、せっかくだし行ってみようか」
そういうと真琴は嬉しそうに俺に抱きついてきた。
ここでの生活で俺に抱きついたり感情を出してくれることも恥ずかしがらなくなってくれたから、俺としては嬉しいことだな。
「じゃあ、真琴。準備しに行こうか」
「うん、兄さんたちも海に入れる格好に着替えてきて」
お互いに部屋に戻り、真琴は何を着ようかなとクローゼットを探し始めた。
「わぁー、優一さん見てください! 懐かしいーっ!」
そういって、身体に当てながら見せてくれたのは体操服。
上は真っ白で胸には紺色の糸で砂川の刺繍が入っていて、下は紺色の短パン。
短パンには白糸で砂川の刺繍が入っていた。
「まだとっててくれたみたいですね。優一さん、僕これにしようかな」
「えっ? これを着るのか?」
「はい、多分サイズは高校の時から変わってないんで、大丈夫だと思いますよ」
「いや、サイズの問題じゃないんだけど……」
「んっ? 何かありますか?」
不思議そうに見つめてくるが、体操服に邪な思いを抱いたと思われるのは嫌だな。
それに普通のTシャツよりはこっちの方が厚そうで意外といいかもしれない。
安慶名に真琴の体操服姿を見られるのは勿体無い気もするが、水着よりはマシか……。
「いや、じゃあ、そうしようか」
「はい。じゃあ、早速着替えますね」
なんの躊躇いもなく上の服を脱ぎ半裸になると体操服をそのまま身につけた。
濡れるかもしれないから中には何も着ないのは当然だろうが、ちょっと乳首の膨らみが気になるな。
真琴は俺がガン見していることにも気づかずに今度はズボンを脱いで短パンを穿いた。
流石にノーパンでは短パンを穿かないか。
いや、これを持ち帰って家でノーパンで短パンを穿かせるのも良さそうだ。
そんなことを思っているだけで昂ってくる。
ここに来て俺のいろんな性癖が露わになっていく気がする。
それもこれも真琴が可愛いからなんだよな。
浴衣にしても、ウサ耳にしても、体操服にしてもどれもこれも似合いすぎるんだ。
本当に真琴にだけは一生勝てそうな気がしない。
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