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番外編
宮古島旅行 15
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「ん……っ、ゆ、いちさん……っ」
ふふっ。
夢の中でも俺の名前を呼んでくれているのか。
嬉しいが、夢の中の自分に嫉妬してしまう自分がいる。
本当に、信じられないほどの狭量さに呆れてしまうな。
腕の中の真琴をギュッと抱きしめて、少しでも夢の中の真琴に俺の存在を訴えかけると、真琴は俺の胸元に擦り寄ってきて、嬉しそうに俺の匂いを嗅ぐとふわっと笑顔を浮かべた。
この顔を見られただけで満足だな。
これだけでさっきまでの嫉妬も消えてしまうのだから、本当に真琴に溺れてしまっている。
んっ? お義母さんたちか?
動いている気配がするな。
もう起きたのか。
流石農家をやっているだけのことはある。
とすればもうそろそろ朝食の支度に取り掛かったほうがいいかもしれない。
真琴はここに寝かせておこうか。
いや、目が覚めた時一人にするのは嫌だな。
気持ちよく寝ているところ起こすのは忍びないが、
「真琴……真琴……」
優しく耳元で声をかけてみた。
これで起きなければ仕方がない。
そう思っていたが、ゆっくりと真琴の瞼が開き、綺麗な黒目が俺の顔を映した。
「ゆ、いちさん……」
「真琴、おはよう」
「んっ」
チュッと唇を重ねると、真琴から甘い声が漏れた。
これだけでそのまま愛し合いたくなるが今日はそうもいかない。
「お義母さんたちがもう起きているみたいだから、朝食を作りに行こうと思うが真琴はここでもう少し寝ておくか?」
「ひとりで……?」
「ああ。でも用意が終わったらまた戻ってくるよ。どうする?」
「ううん……一緒に行く」
「無理しなくていいんだぞ。昨日、少し激しくしてしまったからな」
そういうと、真琴は昨晩のことを思い出したのか一気に顔を赤らめる。
何度身体を繋げてもいつもこんなふうに可愛らしい反応を見せてくれるんだからな。
本当に可愛すぎるんだ。
「でも……ひとりは、いやです……」
「ふふっ。そうか。なら、一緒に行こうか」
まだ力の入っていない真琴を抱き起こし、さっと着替えをさせると柔らかなブランケットに包み、抱きかかえた。
「キッチンの椅子に大人しく座ってるんだぞ」
「はーい」
素直な真琴を連れて、キッチンへと向かうと
「あら、二人とも早いのね。おはよう」
と声をかけられた。
「おはようございます、お義母さん」
「あ、あの……かあさん、おはよう」
「ふふ。朝からごちそうさま」
お義母さんは俺たちの様子を見ても驚きもしない。
それどころか仲がいいのを喜んでくれているようにさえ思う。
自分の息子に男の恋人ができたことにも動じず、しかもこうやって仲良くしているところを見ても喜んでくれるとは……本当に寛大なんだな。
そんな反応をしてくれて感謝せずにはいられない。
今日はたっぷりと恩返しも兼ねて働かないとな。
「私は少し畑を見てくるわね。台所も冷蔵庫も好きなように使ってくれていいから。30分くらいで戻ってくるわ」
「はい。ありがとうございます。気をつけて」
「ええ、ありがとう」
お義母さんを見送って、真琴を椅子に座らせて冷蔵庫の中をみていると、安慶名がキッチンにやってきた。
「成瀬、早いな」
「ああ、安慶名も――って、悠真さんもおはようございます」
「は、はい。こんな格好ですみません」
「悠真、気にすることはないですよ。ほら、真琴くんもここにいますから」
安慶名の言葉に悠真さんは少しホッとしたように笑った。
「お義母さん、今畑に行っているけれど30分くらいで戻ってくるみたいだ」
「そうか、それなら今から準備したらちょうどいいな」
「ああ、俺はフレンチトーストの準備をするから先にオムレツ作っていいぞ」
「わかった」
男二人で、しかも体格のいい俺たちだからやりにくいかと思いきや、そこは流石に親友と呼べる存在だけあって、阿吽の呼吸で手早く済ませる。
オムレツを作りながらささっとスープまで作り終えた安慶名を見ながら、俺もフレンチトーストとサラダを仕上げた。
「さぁ、悠真。食事の支度ができましたよ」
「わぁー、今日も美味しそうです。伊織さんのオムレツはすごく美味しいから、真琴も気にいると思うよ」
「優一さんのフレンチトーストもすっごく美味しいよ! ねぇ、優一さん」
「ふふっ。ありがとう」
それぞれの恋人に褒められて、俺たちは朝からご満悦だ。
畳間にあるテーブルに全てを並べ、真琴を抱き上げて座らせるとちょうどお義母さんとお祖母さんが手を洗って畳間にやってきた。
よし、ちょうどいいタイミングだったな。
「あ、おかえりなさい」
「あら、美味しそう!」
「本当にまるでお店みたいだねぇ」
「母さん、ばあちゃん、あったかいうちに食べよう」
「ふふっ。はいはい。じゃあ、新しい孫たちの手料理を食べさせてもらおうかね」
孫たち……そう言われるだけで嬉しい。
安慶名もきっと同じ思いだろう。
お祖母さんは安慶名のオムレツから、お義母さんは俺の作ったフレンチトーストにまず手をつけた。
「んー、このオムレツはすごく美味しいさぁ。ふわふわでおばあさんでも食べやすいさぁね」
「お口にあって嬉しいです」
安慶名の一番の得意料理だと言っていたからな。
褒められて嬉しそうだ。
「んー、このフレンチトーストもとっても美味しいわ。このレシピ、ぜひ教えてちょうだい」
「はい。喜んで」
お義母さんの言葉が嬉しくてそっと真琴に視線を向けると真琴も嬉しそうに笑っていた。
なんだか家族としても絆が深まった気がする。
楽しい会話をしながら、あっという間に朝食を食べ終え、安慶名と片付けも終わらせた。
「さぁ、じゃあ畑に行きましょうか」
そう誘われたが、今の真琴は広いマンゴー畑を歩くのは無理かもしれない。
俺から畑を手伝うと話をしたのに、申し訳ないが真琴には休んでいてもらおうか。
「真琴、ここで休んでいたほうがいい」
「ええー、でも一緒に畑に行きたいです」
「だが……」
「ふふ。中に休憩スペースがあるの。悠真と真琴はそこで収穫したマンゴーにシールをつけてもらおうかしら。それなら動かないし、できるでしょう?」
お義母さんからの提案に全てが見透かされていることがわかった。
やはり母親だな。
真琴と悠真さんの体調は全てお見通しというわけだ。
お義母さんの提案に喜んで乗らせてもらい、みんなで畑に向かう。
広々としたビニールハウスのマンゴー畑がいくつもあって、これを普段二人でしているのが驚くほどだ。
真琴と悠真さんを休憩スペースに座らせて、俺たちはお義母さんと一緒に畑の中に進んでいく。
「こうなっているのを収穫していって」
白い袋をかけられたマンゴーが自然に袋の中に落下しているものを収穫するらしい。
なるほど。
こちらでもいだりするわけじゃないんだな。
「自然に落下するまで熟成させたほうが甘くて美味しくなるのよ」
「なるほど、そういうものなんですね」
それにしてもマンゴーひとつひとつに袋をかけるのもかなりの重労働だろう。
次は袋がけの時に手伝いにくるのもいいかもしれない。
安慶名と手分けをして、袋の中に落下しているマンゴーを収穫しカゴに入れていく。
あっという間にカゴいっぱいになったマンゴーを真琴たちのもとに持っていくと、慣れた手つきで
<砂川農園>のシールを貼り付けていく。
「このシール、可愛いな。なんだか真琴に似ていないか?」
「さすが成瀬さん。これ、社長が考えてくれたんですよ。マンゴーと可愛い天使のシール。今ではうちの農園のシールだってすぐにわかるんで人気になっているみたいです」
また倉橋さんか……。
本当にこの家の至る所に倉橋さんを感じるな。
それくらい悠真さんとこの家をずっと守ってくれていたということなんだろうな。
少し嫉妬してしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
ふふっ。
夢の中でも俺の名前を呼んでくれているのか。
嬉しいが、夢の中の自分に嫉妬してしまう自分がいる。
本当に、信じられないほどの狭量さに呆れてしまうな。
腕の中の真琴をギュッと抱きしめて、少しでも夢の中の真琴に俺の存在を訴えかけると、真琴は俺の胸元に擦り寄ってきて、嬉しそうに俺の匂いを嗅ぐとふわっと笑顔を浮かべた。
この顔を見られただけで満足だな。
これだけでさっきまでの嫉妬も消えてしまうのだから、本当に真琴に溺れてしまっている。
んっ? お義母さんたちか?
動いている気配がするな。
もう起きたのか。
流石農家をやっているだけのことはある。
とすればもうそろそろ朝食の支度に取り掛かったほうがいいかもしれない。
真琴はここに寝かせておこうか。
いや、目が覚めた時一人にするのは嫌だな。
気持ちよく寝ているところ起こすのは忍びないが、
「真琴……真琴……」
優しく耳元で声をかけてみた。
これで起きなければ仕方がない。
そう思っていたが、ゆっくりと真琴の瞼が開き、綺麗な黒目が俺の顔を映した。
「ゆ、いちさん……」
「真琴、おはよう」
「んっ」
チュッと唇を重ねると、真琴から甘い声が漏れた。
これだけでそのまま愛し合いたくなるが今日はそうもいかない。
「お義母さんたちがもう起きているみたいだから、朝食を作りに行こうと思うが真琴はここでもう少し寝ておくか?」
「ひとりで……?」
「ああ。でも用意が終わったらまた戻ってくるよ。どうする?」
「ううん……一緒に行く」
「無理しなくていいんだぞ。昨日、少し激しくしてしまったからな」
そういうと、真琴は昨晩のことを思い出したのか一気に顔を赤らめる。
何度身体を繋げてもいつもこんなふうに可愛らしい反応を見せてくれるんだからな。
本当に可愛すぎるんだ。
「でも……ひとりは、いやです……」
「ふふっ。そうか。なら、一緒に行こうか」
まだ力の入っていない真琴を抱き起こし、さっと着替えをさせると柔らかなブランケットに包み、抱きかかえた。
「キッチンの椅子に大人しく座ってるんだぞ」
「はーい」
素直な真琴を連れて、キッチンへと向かうと
「あら、二人とも早いのね。おはよう」
と声をかけられた。
「おはようございます、お義母さん」
「あ、あの……かあさん、おはよう」
「ふふ。朝からごちそうさま」
お義母さんは俺たちの様子を見ても驚きもしない。
それどころか仲がいいのを喜んでくれているようにさえ思う。
自分の息子に男の恋人ができたことにも動じず、しかもこうやって仲良くしているところを見ても喜んでくれるとは……本当に寛大なんだな。
そんな反応をしてくれて感謝せずにはいられない。
今日はたっぷりと恩返しも兼ねて働かないとな。
「私は少し畑を見てくるわね。台所も冷蔵庫も好きなように使ってくれていいから。30分くらいで戻ってくるわ」
「はい。ありがとうございます。気をつけて」
「ええ、ありがとう」
お義母さんを見送って、真琴を椅子に座らせて冷蔵庫の中をみていると、安慶名がキッチンにやってきた。
「成瀬、早いな」
「ああ、安慶名も――って、悠真さんもおはようございます」
「は、はい。こんな格好ですみません」
「悠真、気にすることはないですよ。ほら、真琴くんもここにいますから」
安慶名の言葉に悠真さんは少しホッとしたように笑った。
「お義母さん、今畑に行っているけれど30分くらいで戻ってくるみたいだ」
「そうか、それなら今から準備したらちょうどいいな」
「ああ、俺はフレンチトーストの準備をするから先にオムレツ作っていいぞ」
「わかった」
男二人で、しかも体格のいい俺たちだからやりにくいかと思いきや、そこは流石に親友と呼べる存在だけあって、阿吽の呼吸で手早く済ませる。
オムレツを作りながらささっとスープまで作り終えた安慶名を見ながら、俺もフレンチトーストとサラダを仕上げた。
「さぁ、悠真。食事の支度ができましたよ」
「わぁー、今日も美味しそうです。伊織さんのオムレツはすごく美味しいから、真琴も気にいると思うよ」
「優一さんのフレンチトーストもすっごく美味しいよ! ねぇ、優一さん」
「ふふっ。ありがとう」
それぞれの恋人に褒められて、俺たちは朝からご満悦だ。
畳間にあるテーブルに全てを並べ、真琴を抱き上げて座らせるとちょうどお義母さんとお祖母さんが手を洗って畳間にやってきた。
よし、ちょうどいいタイミングだったな。
「あ、おかえりなさい」
「あら、美味しそう!」
「本当にまるでお店みたいだねぇ」
「母さん、ばあちゃん、あったかいうちに食べよう」
「ふふっ。はいはい。じゃあ、新しい孫たちの手料理を食べさせてもらおうかね」
孫たち……そう言われるだけで嬉しい。
安慶名もきっと同じ思いだろう。
お祖母さんは安慶名のオムレツから、お義母さんは俺の作ったフレンチトーストにまず手をつけた。
「んー、このオムレツはすごく美味しいさぁ。ふわふわでおばあさんでも食べやすいさぁね」
「お口にあって嬉しいです」
安慶名の一番の得意料理だと言っていたからな。
褒められて嬉しそうだ。
「んー、このフレンチトーストもとっても美味しいわ。このレシピ、ぜひ教えてちょうだい」
「はい。喜んで」
お義母さんの言葉が嬉しくてそっと真琴に視線を向けると真琴も嬉しそうに笑っていた。
なんだか家族としても絆が深まった気がする。
楽しい会話をしながら、あっという間に朝食を食べ終え、安慶名と片付けも終わらせた。
「さぁ、じゃあ畑に行きましょうか」
そう誘われたが、今の真琴は広いマンゴー畑を歩くのは無理かもしれない。
俺から畑を手伝うと話をしたのに、申し訳ないが真琴には休んでいてもらおうか。
「真琴、ここで休んでいたほうがいい」
「ええー、でも一緒に畑に行きたいです」
「だが……」
「ふふ。中に休憩スペースがあるの。悠真と真琴はそこで収穫したマンゴーにシールをつけてもらおうかしら。それなら動かないし、できるでしょう?」
お義母さんからの提案に全てが見透かされていることがわかった。
やはり母親だな。
真琴と悠真さんの体調は全てお見通しというわけだ。
お義母さんの提案に喜んで乗らせてもらい、みんなで畑に向かう。
広々としたビニールハウスのマンゴー畑がいくつもあって、これを普段二人でしているのが驚くほどだ。
真琴と悠真さんを休憩スペースに座らせて、俺たちはお義母さんと一緒に畑の中に進んでいく。
「こうなっているのを収穫していって」
白い袋をかけられたマンゴーが自然に袋の中に落下しているものを収穫するらしい。
なるほど。
こちらでもいだりするわけじゃないんだな。
「自然に落下するまで熟成させたほうが甘くて美味しくなるのよ」
「なるほど、そういうものなんですね」
それにしてもマンゴーひとつひとつに袋をかけるのもかなりの重労働だろう。
次は袋がけの時に手伝いにくるのもいいかもしれない。
安慶名と手分けをして、袋の中に落下しているマンゴーを収穫しカゴに入れていく。
あっという間にカゴいっぱいになったマンゴーを真琴たちのもとに持っていくと、慣れた手つきで
<砂川農園>のシールを貼り付けていく。
「このシール、可愛いな。なんだか真琴に似ていないか?」
「さすが成瀬さん。これ、社長が考えてくれたんですよ。マンゴーと可愛い天使のシール。今ではうちの農園のシールだってすぐにわかるんで人気になっているみたいです」
また倉橋さんか……。
本当にこの家の至る所に倉橋さんを感じるな。
それくらい悠真さんとこの家をずっと守ってくれていたということなんだろうな。
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