溺愛弁護士の裏の顔 〜僕はあなたを信じます

波木真帆

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愛し合う方法

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「でも……お兄さんに聞こうと思ってしまうくらい、心配にさせてしまっていたのか……。私の堪え性がないばかりに真琴くんを怖がらせてしまったんだな」

「そんなこと――っ、ただ、僕は……何も知らなくて……わからないことは、いつも兄さんが教えてくれていたから……それで……」

「ああ、わかったよ。ごめん。私がちゃんと教えるから……」

ギュッと抱きしめられて背中を優しく撫でられて優しい声をかけられる。

「真琴くん……さっき、キス……しただろう?」

「……はい。優一さんをすごく近くに感じられて……幸せでした」

「私もそうだ。だが、私は……大人だからキスよりももっと近くで真琴くんを感じたいんだ」

「キスよりも、もっと近く……?」

「ああ。真琴くんの中に入りたいんだ」

僕の中に……って、どうやって?

僕の表情にハテナの文字が浮かんだことに気づいたんだろう。
けれど、優一さんは怒ることなく、静かに説明してくれた。

「真琴くんは、男女が愛し合う方法を知っているかな? 俗にえっちとかセックスとか言われているけど」

「――っ!!」

優一さんの口からそんな言葉が出てきて思わず顔が赤くなる。
でも、僕だってもう20歳を超えた大人だ。
保健体育の授業でだって習ったし、どうやったら子どもができるのかも朧げながらわかっていると思う。
とはいえ、実際にやったことは一度もないし、そういう動画? があるのも聞いたことはあるけど見たことはないし、結局のところ、裸で抱き合って、大きくなったアレを女性の中に入れて射精するくらいのことしかわからないけど……。

「どうかな?」

「あの、詳しくはわからないですけど……大体はわかってると、思います……僕も、大人なので」

恥ずかしさのあまり、大人を強調してみたけれど優一さんは優しく微笑んでくれた。

「ふふっ。そうか、ならよかった。一般的に男女でそういう行為をするんだろうけど、人が愛し合うことに性別なんていらないだろう? 現に私も真琴くんも男だけど恋人になっただろう?」

僕が頷くと優一さんは嬉しそうに笑った。

「恋人になったからには愛し合いたいと思うのは当然なことだから、男同士、女同士で愛し合う方法もちゃんと存在しているんだ」

「――っ、そうなんですか?」

「ああ、だから私は真琴くんと愛し合いたい……」

「優一、さん……」

「だけどね、男同士でするには準備が必要なんだ。女性には男のモノを受け入れる場所があるけれど、男には存在しないから別の場所を使うんだよ」

「別の場所……?」

「ああ、ここだ」

「――っ!! ここ、って……」

優一さんの手がそっと僕のお尻に触れる。
もしかして受け入れる場所って……ここ?

「怖くなった?」

「あの……怖い、とかそういうのはないです……だって、男同士ではみんなそこで愛し合ってるんですよね?」

「ああ、そうだ……」

「なら、怖くはないです……けど、僕に受け入れられるのかが心配で……」

「それなら大丈夫。私がちゃんと受け入れられるように、真琴くんのお尻を解すよ」

「ほ、ぐす……?」

「絶対に痛い思いなんかさせない。優しくするから……私を信じてくれないか?」

優一さんが僕に酷いことなんかするわけない。
優一さんが信じてくれというのなら、僕は信じるだけだ。

「はい……僕も、優一さんと愛し合いたいから……優しく、してください……」

「――っ!! 真琴っ!!」

感極まった表情で僕を抱きしめてくれる優一さんに、呼び捨てで呼ばれた。
それだけで胸の奥がキュンと疼いた気がした。

「優一さん……真琴、って……」

「あっ、ごめん。つい、嬉しくて……」

「ううん、呼び捨て……嬉しいです」

「――っ、そうか。じゃあ、真琴にしよう」

嬉しそうな優一さんはそっと僕の足元に目を向けた。

「本当は、真琴の足の怪我が治るまで我慢するつもりだったんだ……。自分の忍耐力は自信があったしね。でも、真琴を前にすると我慢ができないんだ。でも、絶対に足には負担をかけないようにするから……」

「大丈夫です。僕、そんなにヤワじゃないですよ」

「真琴……っ」

「んんっ、んっ!」

優一さんの顔が近づいてきたと思ったら、そのまま唇を重ね合わされた。
柔らかな唇の感触だけで心地良い。
クチュクチュと唾液の混じり合う深いキスをされながら、肌に直に優一さんの温もりを感じる。

ゆっくりと唇が離された時にはもう優一さんの前に半裸を晒していた。
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