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どうしたらいい?
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優一さんの唇が、僕だけのもの……。
心の中で復唱するたびに心がじわじわと暖かくなる。
なんだろう……すっごく幸せだ、僕。
僕は目の前にいる優一さんの唇にそっと自分のそれを重ね合わせた。
チュッと重ねるだけのキス。
でも、さっきよりずっとドキドキした。
僕から進んで、キス、するなんて……今まで考えたこともなかったのに。
優一さんの唇が僕だけのものだと思ったら、したくてたまらなくなった。
「ふふっ。幸せですね……」
「――っ、ああっ、もうっ!!」
「えっ?」
僕からのキス……きっと喜んでくれるだろうって思ってたのになぜか苦しげな表情を浮かべた優一さんに強く抱きしめられた。
「あ、あの……ゆう、いちさん?」
「これ以上煽られたら、我慢できなくなるから……」
「我慢?」
「ああ、怪我してる真琴くんに無理させたくないんだ……だから、煽らないでくれ」
「僕、なら大丈夫ですよ……」
「えっ?」
「優一さんに我慢させちゃう方が嫌、です……っ」
「くっ――! ああっ、もうっ!! 本当に可愛すぎるっ!!」
そういうと、優一さんは突然僕をベッドに押し倒した。
「優一、さん……?」
僕を見下ろす優一さんの目はまるで肉食獣のようにギラギラとしていて、僕の知っている紳士的な優一さんとは全く違っていた。
ちょっと怖い……でも、どうしてだろう……すっごくドキドキする。
「大丈夫だって、言ったのは真琴くんだからな……」
優一さんの低い声に身体の奥がキュンと疼く感じがする。
何? この感覚……。
ゆっくりと優一さんの顔が近づいてきて、あっ、キスされる……そう思った瞬間、ピンポーーンっ! と大きな音が耳に飛び込んできた。
ビクッと身体を震わせて目の前の優一さんを見つめると、
「はぁーーっ」
と大きなため息を吐いて、僕の上から離れた。
「あ、あの……」
「ごめん、依頼人が来たみたいだ。氷室が痺れを切らして事務所からチャイムを鳴らしたんだよ」
「あっ、そういえばまだお仕事の途中だって……」
「そう。すっかり忘れてた。こんなこと初めてだよ」
「はじめて……?」
「ああ、私が仕事の予定を忘れて欲望のままに行動するなんて……自分でも驚いているよ」
そう優しく微笑みかける優一さんの目はさっきまでのギラギラとした様子は微塵もない。
ホッとしたと同時に、あのドキドキする視線がなくなって寂しくも感じる。
あの獰猛な目の優一さんが見たくて、
「あの……仕事が、終わったら……つ、づきを……」
とおねだりすると、一瞬あの目を見せた優一さんがふわりと笑って
「ああ、もう我慢しないから……」
と低い声で囁いた。
「――っ!」
その声にまたキュンと身体の奥が疼くのを感じながら頷くと、優一さんは嬉しそうに僕の唇にチュッとキスをして部屋を出ていった。
部屋に一人になって、冷静に考えると……続きをとねだったはいいけれど、正直言って優一さんが何を我慢していたのか
そして、何をするつもりなのかは実のところあまりよくわかっていないんだよね。
ただ、優一さんが苦しげな表情をしていたのが嫌でそう言ったのだけど、優一さんがこの部屋に戻ってきたら一体何をする気なんだろう?
これって、僕もちゃんとわかっておくべき?
何をするんですか? なんて聞いたら、もしかしたら嫌になってしてくれないかもしれないし……。
とりあえず調べてみようかと僕はスマホを手に取った。
でもなんて調べたらいいんだろう?
うーん……。
悩んでいる時間がもったいないな。
わからないことは兄さんに聞くのが一番早いよね。
でも仕事中かな。
さっき電話で話したばかりだし、しょっちゅうかけると仕事の邪魔になっちゃうかな……。
どうしよう……と悩みながら、とりあえずメッセージアプリを開くと、まだ見ていないメッセージがあるのを見つけた。
あっ、そういえばさっき兄さんからたくさんメッセージが来てた中に一件だけ登録していない人のメッセージがあったっけ……。あれって誰だったんだろう?
そう思って見てみると、それは僕がバイトを辞めたことを知った田淵くんからのメッセージだった。
メッセージの初めに、事故で携帯が壊れて、連絡用に必要だからと河北さんから新しいスマホを用意してもらったと書かれていた。わざわざスマホを用意してくれるなんて河北さんってすごく優しいんだな。でもそのおかげでこうして田淵くんとメッセージ送れるんだ。よかった。そんなことを思いながら、メッセージの続きに目を通した。
<店長にすごく嫌な思いさせられてコンビニ辞めたって、河北さんから聞いたよ。今日のこと以外でもずっと嫌がらせされてたのに我慢してたのは、僕の代わりだと思ってくれてたからだよね。僕……何も知らなくて本当にごめん。許してもらえないかもしれないけど砂川くんのこと心配だから、連絡くれたら嬉しい……>
田淵くん……。そっか、河北さんから聞いちゃったんだ……。心配かけないように内緒にしてたんだけどな。結局心配かけちゃったな……申し訳ない。
僕はなんて送ろうか少し悩んでから
<田淵くんが謝ることなんて何もないよ。あの店長があまりにも酷かったから僕が我慢できなくなっただけなんだ。僕の方こそ、田淵くんの怪我が治ったらすぐに戻れるように留守を守っていようと思ったんだけど、守りきれなくて本当にごめん。田淵くんの怪我が治って、バイトを探すときは僕も力になるからね! 今は怪我を治すことだけ考えてて>
と送ると、すぐに既読がつきあっという間にメッセージが返ってきた。
<砂川くん!! メッセージありがとう! 本当に心配してたから返事きて嬉しい>
<そんなに心配させちゃってた? ごめんね>
<いや、あのさ……店長が砂川くんに会いに行って逮捕されたらしいって聞いたから何かされたんじゃないかって怖かったんだ>
<えっ? 逮捕されたらしいって誰から聞いたの? 河北さん?>
<うん。内緒だけどって言われたんだけど……どうしても気になって……。本当なの?>
そう聞かれて、僕はなんて返そうか悩んでしまった。
心の中で復唱するたびに心がじわじわと暖かくなる。
なんだろう……すっごく幸せだ、僕。
僕は目の前にいる優一さんの唇にそっと自分のそれを重ね合わせた。
チュッと重ねるだけのキス。
でも、さっきよりずっとドキドキした。
僕から進んで、キス、するなんて……今まで考えたこともなかったのに。
優一さんの唇が僕だけのものだと思ったら、したくてたまらなくなった。
「ふふっ。幸せですね……」
「――っ、ああっ、もうっ!!」
「えっ?」
僕からのキス……きっと喜んでくれるだろうって思ってたのになぜか苦しげな表情を浮かべた優一さんに強く抱きしめられた。
「あ、あの……ゆう、いちさん?」
「これ以上煽られたら、我慢できなくなるから……」
「我慢?」
「ああ、怪我してる真琴くんに無理させたくないんだ……だから、煽らないでくれ」
「僕、なら大丈夫ですよ……」
「えっ?」
「優一さんに我慢させちゃう方が嫌、です……っ」
「くっ――! ああっ、もうっ!! 本当に可愛すぎるっ!!」
そういうと、優一さんは突然僕をベッドに押し倒した。
「優一、さん……?」
僕を見下ろす優一さんの目はまるで肉食獣のようにギラギラとしていて、僕の知っている紳士的な優一さんとは全く違っていた。
ちょっと怖い……でも、どうしてだろう……すっごくドキドキする。
「大丈夫だって、言ったのは真琴くんだからな……」
優一さんの低い声に身体の奥がキュンと疼く感じがする。
何? この感覚……。
ゆっくりと優一さんの顔が近づいてきて、あっ、キスされる……そう思った瞬間、ピンポーーンっ! と大きな音が耳に飛び込んできた。
ビクッと身体を震わせて目の前の優一さんを見つめると、
「はぁーーっ」
と大きなため息を吐いて、僕の上から離れた。
「あ、あの……」
「ごめん、依頼人が来たみたいだ。氷室が痺れを切らして事務所からチャイムを鳴らしたんだよ」
「あっ、そういえばまだお仕事の途中だって……」
「そう。すっかり忘れてた。こんなこと初めてだよ」
「はじめて……?」
「ああ、私が仕事の予定を忘れて欲望のままに行動するなんて……自分でも驚いているよ」
そう優しく微笑みかける優一さんの目はさっきまでのギラギラとした様子は微塵もない。
ホッとしたと同時に、あのドキドキする視線がなくなって寂しくも感じる。
あの獰猛な目の優一さんが見たくて、
「あの……仕事が、終わったら……つ、づきを……」
とおねだりすると、一瞬あの目を見せた優一さんがふわりと笑って
「ああ、もう我慢しないから……」
と低い声で囁いた。
「――っ!」
その声にまたキュンと身体の奥が疼くのを感じながら頷くと、優一さんは嬉しそうに僕の唇にチュッとキスをして部屋を出ていった。
部屋に一人になって、冷静に考えると……続きをとねだったはいいけれど、正直言って優一さんが何を我慢していたのか
そして、何をするつもりなのかは実のところあまりよくわかっていないんだよね。
ただ、優一さんが苦しげな表情をしていたのが嫌でそう言ったのだけど、優一さんがこの部屋に戻ってきたら一体何をする気なんだろう?
これって、僕もちゃんとわかっておくべき?
何をするんですか? なんて聞いたら、もしかしたら嫌になってしてくれないかもしれないし……。
とりあえず調べてみようかと僕はスマホを手に取った。
でもなんて調べたらいいんだろう?
うーん……。
悩んでいる時間がもったいないな。
わからないことは兄さんに聞くのが一番早いよね。
でも仕事中かな。
さっき電話で話したばかりだし、しょっちゅうかけると仕事の邪魔になっちゃうかな……。
どうしよう……と悩みながら、とりあえずメッセージアプリを開くと、まだ見ていないメッセージがあるのを見つけた。
あっ、そういえばさっき兄さんからたくさんメッセージが来てた中に一件だけ登録していない人のメッセージがあったっけ……。あれって誰だったんだろう?
そう思って見てみると、それは僕がバイトを辞めたことを知った田淵くんからのメッセージだった。
メッセージの初めに、事故で携帯が壊れて、連絡用に必要だからと河北さんから新しいスマホを用意してもらったと書かれていた。わざわざスマホを用意してくれるなんて河北さんってすごく優しいんだな。でもそのおかげでこうして田淵くんとメッセージ送れるんだ。よかった。そんなことを思いながら、メッセージの続きに目を通した。
<店長にすごく嫌な思いさせられてコンビニ辞めたって、河北さんから聞いたよ。今日のこと以外でもずっと嫌がらせされてたのに我慢してたのは、僕の代わりだと思ってくれてたからだよね。僕……何も知らなくて本当にごめん。許してもらえないかもしれないけど砂川くんのこと心配だから、連絡くれたら嬉しい……>
田淵くん……。そっか、河北さんから聞いちゃったんだ……。心配かけないように内緒にしてたんだけどな。結局心配かけちゃったな……申し訳ない。
僕はなんて送ろうか少し悩んでから
<田淵くんが謝ることなんて何もないよ。あの店長があまりにも酷かったから僕が我慢できなくなっただけなんだ。僕の方こそ、田淵くんの怪我が治ったらすぐに戻れるように留守を守っていようと思ったんだけど、守りきれなくて本当にごめん。田淵くんの怪我が治って、バイトを探すときは僕も力になるからね! 今は怪我を治すことだけ考えてて>
と送ると、すぐに既読がつきあっという間にメッセージが返ってきた。
<砂川くん!! メッセージありがとう! 本当に心配してたから返事きて嬉しい>
<そんなに心配させちゃってた? ごめんね>
<いや、あのさ……店長が砂川くんに会いに行って逮捕されたらしいって聞いたから何かされたんじゃないかって怖かったんだ>
<えっ? 逮捕されたらしいって誰から聞いたの? 河北さん?>
<うん。内緒だけどって言われたんだけど……どうしても気になって……。本当なの?>
そう聞かれて、僕はなんて返そうか悩んでしまった。
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