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番外編
親友との出会い <前編>
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今、『Tesoro mio ~運命の再会はイタリアで~』の番外編で書いているお話の対になるお話です。
あちらと合わせて読んでもらうと楽しさがUPするかもしれません(笑)
同じロンドン繋がりということでこのカップルを出してみました。
楽しんでいただければ嬉しいです。
* * *
<side真守>
『マモル、今週末に友人が結婚祝いに我が家に遊びにきてくれることになったよ』
『ご友人……イギリスの方ですか?』
『いや、イタリア人だよ。ランドルフィ家の名前を聞いたことはないか?』
『ええっ?? ランドルフィ家のお方なんですか?』
ランドルフィ家といえば、言わずと知れたイタリアの大富豪。
航空に鉄道、百貨店にホテル経営、建設業に不動産、飲食業に至るまで、ランドルフィ家の事業は多岐に渡る。
やっぱり格式高いグランヴィエ家に育ったセオドアのご友人となると、すごい人ばかりなんだな。
ラミロさまもヒビスクス王国の王子さまだし……。
これから紹介される人みんながこんなにすごい人たちばかりなんだろうな。
僕のせいでセオドアが笑われたりしないように頑張らないと!
『マモル? どうした?』
『あ、いえ。セオドアのご友人に失礼なことがないように気をつけないといけないなって思っただけです』
『ふふっ。そんなこと気にしなくていい。マモルは普段のそのままで十分魅力的だし、魅力がありすぎて困るくらいだ。頑張りすぎてルカがマモルに惹かれてしまったら大変だよ』
『セオドアったら』
『いや、本当だぞ。それくらいマモルは魅力的なんだ。まぁ、ルカも最近最愛の伴侶と巡り合って結婚したばかりだから、さすがに目移りはしないだろうが』
『ご友人さんも結婚されたばかりなんですか。おめでたいことですね』
『ああ、きっとマモルも驚くぞ』
『えっ? 驚く?』
セオドアのいたずらっ子のような笑顔を可愛いと思いながら尋ねると、セオドアは本当に驚きの言葉を口にした。
『実はな、ルカの相手も日本人の男の子なんだそうだ』
『ええっ!!!! それは本当ですか?』
思いがけない言葉に僕はつい大声をあげてしまった。
でも、同じ日本人の男の子?
これはものすごい偶然だよね。
『ふふっ。驚いただろう? 本当だとも。年齢は聞いていないが、名前はユヅキと言っていたな。そのユヅキが高校生の時から狙っていたと話していたから、今はマモルと同じくらいかもしれないな』
『高校生の時から……わぁー、さすがイタリアの男性って感じですね』
『ははっ。そうだな。確かにルカはモテていたよ。本命を作ったことはなかったけどね。そんなルカが必死に落として結婚までするくらいだ。よほど惹かれたんだろうな。私に連絡をしてきた時もいかにその恋人が可愛いかをひたすら惚気られたからな。あの時は呆れていたが、今ならあの時のルカの気持ちがよくわかるよ。マモルの話なら、何時間しても足りないくらいだからな』
『セオドア……そう言ってくれるなんて嬉しいです』
『ルカにあったら、たっぷりと惚気させてくれ』
『はい。僕も柚月くんと仲良くしますね』
『ああ、だがあまり仲良くしすぎて私のことを忘れないでくれ』
『ふふっ。はい、わかりました』
セオドアの嫉妬を嬉しく思いながらも、僕はその柚月くんと会う日が楽しみでたまらなかった。
だって、僕と同じようにきっと一般庶民から想像もつかないほどの世界にいる人と結婚したんだもん。
かなり共通点がありそう。
柚月くんか……仲良くなれたらいいな。
それからは毎日が楽しみで、あっという間に週末がやってきた。
イタリアからロンドンまでは飛行機で二時間半くらい。
日本で言えば福岡から北海道くらいか。
遠いけれどこれが国同士だと考えたら近く感じるな。
『どうした? マモル。もう起きたのか? まだ早いぞ』
『今日、ルカさんと柚月くんが来てくれると思ったら嬉しすぎて目が覚めちゃいました』
『ああ、悪い子だな、マモルは』
『えっ? どうしてですか?』
何か悪いことを言っちゃったんだろうかと思っていたら、
『寝室で他の男の名前を呼んではいけないんだ』
と言われてしまう。
『えっ、でも今のは――んんっ!!』
『悪い子にはお仕置きだな』
セオドアが欲情に満ちた目で僕を見る。
それだけで身体の奥が疼いてしまう。
ああ、もう僕はすっかりセオドアの虜になってしまっているみたいだ。
身体中に舌を這わされて、あっという間に絶頂を迎える。
そして、僕の身体に何度も何度も蜜が注ぎ込まれて、僕は知らない間に意識を失っていた。
目が覚めると、僕は綺麗に整えられたベッドでセオドアの胸に抱かれていた。
『あっ……約束の時間……』
『気にしないでいい。ルカの方から、少し時間を遅らせて欲しいと連絡があった。だから、大丈夫だよ。それより、身体は辛くないか?』
『あの……だい、じょうぶです……』
『悪い、つい箍が外れて……』
『謝らないでください。僕も嬉しかったので……』
『マモルっ!』
『でも、あんまり嫉妬しないでくださいね。僕はセオドアだけですから』
『ああ、そうだな。わかった。善処しよう』
そう言いつつもきっと嫉妬するんだろうな。
そんなところもセオドアは可愛いんだ。
しばらくのんびりと過ごし、準備を整えて応接室で待っていると、ローマンさんがルカさんと柚月くんを案内してきてくれた。
ああ、やっと会えるんだ!!
どんな子だろうな。
部屋に先に入ってきたのは長身の金髪男性。
さすが、セオドアのお友達だけあって、ものすごく格好いい人だな。
セオドアとルカさんが再会の握手をしているのを驚いた様子で見ている可愛い子がいることに気づいた。
ああっ! あの子が柚月くんだ!!
うわぁ、可愛い!
思わず見惚れてじっと見ていると、彼と目が合った。
それが嬉しくて駆け寄って挨拶をした。
突然話しかけたせいか少し緊張しているみたい。
でも俺という呼び方がなんとも可愛くて似合っている。
年齢を聞くと19歳。
僕より一つ年上だ。
それでも気楽に話そうと言ってくれた。
ああ、この子とならきっと仲良くなれそう。
そう直感したんだ。
あちらと合わせて読んでもらうと楽しさがUPするかもしれません(笑)
同じロンドン繋がりということでこのカップルを出してみました。
楽しんでいただければ嬉しいです。
* * *
<side真守>
『マモル、今週末に友人が結婚祝いに我が家に遊びにきてくれることになったよ』
『ご友人……イギリスの方ですか?』
『いや、イタリア人だよ。ランドルフィ家の名前を聞いたことはないか?』
『ええっ?? ランドルフィ家のお方なんですか?』
ランドルフィ家といえば、言わずと知れたイタリアの大富豪。
航空に鉄道、百貨店にホテル経営、建設業に不動産、飲食業に至るまで、ランドルフィ家の事業は多岐に渡る。
やっぱり格式高いグランヴィエ家に育ったセオドアのご友人となると、すごい人ばかりなんだな。
ラミロさまもヒビスクス王国の王子さまだし……。
これから紹介される人みんながこんなにすごい人たちばかりなんだろうな。
僕のせいでセオドアが笑われたりしないように頑張らないと!
『マモル? どうした?』
『あ、いえ。セオドアのご友人に失礼なことがないように気をつけないといけないなって思っただけです』
『ふふっ。そんなこと気にしなくていい。マモルは普段のそのままで十分魅力的だし、魅力がありすぎて困るくらいだ。頑張りすぎてルカがマモルに惹かれてしまったら大変だよ』
『セオドアったら』
『いや、本当だぞ。それくらいマモルは魅力的なんだ。まぁ、ルカも最近最愛の伴侶と巡り合って結婚したばかりだから、さすがに目移りはしないだろうが』
『ご友人さんも結婚されたばかりなんですか。おめでたいことですね』
『ああ、きっとマモルも驚くぞ』
『えっ? 驚く?』
セオドアのいたずらっ子のような笑顔を可愛いと思いながら尋ねると、セオドアは本当に驚きの言葉を口にした。
『実はな、ルカの相手も日本人の男の子なんだそうだ』
『ええっ!!!! それは本当ですか?』
思いがけない言葉に僕はつい大声をあげてしまった。
でも、同じ日本人の男の子?
これはものすごい偶然だよね。
『ふふっ。驚いただろう? 本当だとも。年齢は聞いていないが、名前はユヅキと言っていたな。そのユヅキが高校生の時から狙っていたと話していたから、今はマモルと同じくらいかもしれないな』
『高校生の時から……わぁー、さすがイタリアの男性って感じですね』
『ははっ。そうだな。確かにルカはモテていたよ。本命を作ったことはなかったけどね。そんなルカが必死に落として結婚までするくらいだ。よほど惹かれたんだろうな。私に連絡をしてきた時もいかにその恋人が可愛いかをひたすら惚気られたからな。あの時は呆れていたが、今ならあの時のルカの気持ちがよくわかるよ。マモルの話なら、何時間しても足りないくらいだからな』
『セオドア……そう言ってくれるなんて嬉しいです』
『ルカにあったら、たっぷりと惚気させてくれ』
『はい。僕も柚月くんと仲良くしますね』
『ああ、だがあまり仲良くしすぎて私のことを忘れないでくれ』
『ふふっ。はい、わかりました』
セオドアの嫉妬を嬉しく思いながらも、僕はその柚月くんと会う日が楽しみでたまらなかった。
だって、僕と同じようにきっと一般庶民から想像もつかないほどの世界にいる人と結婚したんだもん。
かなり共通点がありそう。
柚月くんか……仲良くなれたらいいな。
それからは毎日が楽しみで、あっという間に週末がやってきた。
イタリアからロンドンまでは飛行機で二時間半くらい。
日本で言えば福岡から北海道くらいか。
遠いけれどこれが国同士だと考えたら近く感じるな。
『どうした? マモル。もう起きたのか? まだ早いぞ』
『今日、ルカさんと柚月くんが来てくれると思ったら嬉しすぎて目が覚めちゃいました』
『ああ、悪い子だな、マモルは』
『えっ? どうしてですか?』
何か悪いことを言っちゃったんだろうかと思っていたら、
『寝室で他の男の名前を呼んではいけないんだ』
と言われてしまう。
『えっ、でも今のは――んんっ!!』
『悪い子にはお仕置きだな』
セオドアが欲情に満ちた目で僕を見る。
それだけで身体の奥が疼いてしまう。
ああ、もう僕はすっかりセオドアの虜になってしまっているみたいだ。
身体中に舌を這わされて、あっという間に絶頂を迎える。
そして、僕の身体に何度も何度も蜜が注ぎ込まれて、僕は知らない間に意識を失っていた。
目が覚めると、僕は綺麗に整えられたベッドでセオドアの胸に抱かれていた。
『あっ……約束の時間……』
『気にしないでいい。ルカの方から、少し時間を遅らせて欲しいと連絡があった。だから、大丈夫だよ。それより、身体は辛くないか?』
『あの……だい、じょうぶです……』
『悪い、つい箍が外れて……』
『謝らないでください。僕も嬉しかったので……』
『マモルっ!』
『でも、あんまり嫉妬しないでくださいね。僕はセオドアだけですから』
『ああ、そうだな。わかった。善処しよう』
そう言いつつもきっと嫉妬するんだろうな。
そんなところもセオドアは可愛いんだ。
しばらくのんびりと過ごし、準備を整えて応接室で待っていると、ローマンさんがルカさんと柚月くんを案内してきてくれた。
ああ、やっと会えるんだ!!
どんな子だろうな。
部屋に先に入ってきたのは長身の金髪男性。
さすが、セオドアのお友達だけあって、ものすごく格好いい人だな。
セオドアとルカさんが再会の握手をしているのを驚いた様子で見ている可愛い子がいることに気づいた。
ああっ! あの子が柚月くんだ!!
うわぁ、可愛い!
思わず見惚れてじっと見ていると、彼と目が合った。
それが嬉しくて駆け寄って挨拶をした。
突然話しかけたせいか少し緊張しているみたい。
でも俺という呼び方がなんとも可愛くて似合っている。
年齢を聞くと19歳。
僕より一つ年上だ。
それでも気楽に話そうと言ってくれた。
ああ、この子とならきっと仲良くなれそう。
そう直感したんだ。
応援ありがとうございます!
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