有能な調査員は健気で不憫なかわい子ちゃんを甘やかしたい!

波木真帆

文字の大きさ
上 下
23 / 40

昂りがおさまらない※

しおりを挟む
「そろそろでようか」

声をかけて抱きかかえたまま浴槽から出る。

脱衣所で伊月くんのために準備しておいた肌触りのいいふわふわの大きなバスタオルは、頭からすっぽり被せるだけで髪の水分を吸い取ってくれる優れものだ。ウサギのようにもこもこにして身体についた水分も吸い取る間に、俺はさっとバスローブを羽織った。

「ベッドを整えてくるから、ここで少し待っていてくれ」

そう声をかけて寝室に戻り、蜜で汚れたシーツを剥ぎ取って、新しいシーツを整えて汚れ物は洗濯機に放り込んで伊月くんの元に戻った。

その間、5分もかかっていないだろう。

「お待たせ!」

と言って戻るとあまりにも早かったからか目を丸くして驚いてくれた。

伊月くんに新しい下着とパジャマを渡し、それに着替えている間に俺も下着とお揃いのパジャマを着て、伊月くんの髪を乾かしてベッドに戻った。

「初日からバタバタさせてごめんね。ゆっくり寝ようか」

「は、はい。あの、でも……慎一さんと恋人らしいことできて、僕……嬉しかったです」

こうやっていつもこの子は嬉しいことを言ってくれる。それが無意識で、全く計算もしていない素の言葉だから余計に嬉しいんだ。

「これからは毎日一緒だから、いつでも恋人らしいことができるよ」

そういえば流石に恥ずかしがるだろうと思ったが、

「毎日、一緒……慎一さんとずっと一緒にいられるって、嬉しいですね」

とほんのりと頬を染めて言ってくれる。本当に俺は伊月くんには勝てる気がしない。

「ああ、俺も伊月くんと一緒で嬉しいよ。さぁ、おいで」

先にベッドに入り、誘うように手を伸ばすと恥じらいながらもベッドに入り、俺のところに近づいてきてくれる。

「狭くない?」

広いベッドなのに、ピッタリと抱き合っているから声をかけてみたけれど、

「ここが一番落ち着きます。慎一さんと一緒に寝られるって幸せですね」

とうっとりした声で言いながら、俺の胸元に擦り寄ってくる。こんな可愛いことをされてはこのまま寝れる気がしないが、伊月くんの睡眠を妨げるわけにはいかない。

「明日はゆっくり起きていいからね」

トントンと背中を優しく叩いてやると、伊月くんはあっという間に眠りに落ちていった。
初めての家で、初めての快感に味を震わせ、自分で驚くほどの蜜を溢し、それだけでも今までにない疲れを感じただろう。その上、二度も風呂に入ったのなら無理もない。これなら、すぐには起きることはない。

それでもしばらく深い眠りを続けるまでそばにいてから、そっとベッドを出た。行き先はもちろんシャワールーム。

さっき伊月くんと着替えたばかりのパジャマと下着を脱ぎ捨てると、猛々しく昂ったものが飛び出してきた。伊月くんからの刺激に耐えきれず暴発してしまったくせに、もうこんなになって……。自分でも呆れてしまうくらいに堪え性がない。

防水のタブレットを取り出し、さっきの寝室での映像を呼び出すと、画面いっぱいに伊月くんの可愛い裸が映った。暗い部屋で撮った映像でも画面に映し出した時には鮮明に見えるのがこの映像のいいところだ。裸になった伊月くんを後ろから抱きしめているところも前からしっかりと映っていて小さくて可愛い果実もバッチリ見えている。

俺がそれを手に包み込み、身体を震わせて甘い声をあげながら感じている様もしっかりと映っていて、それを見ながらしごいただけで俺の欲望の蜜はあっという間に弾け飛んだ。それでもまだまだ昂りはおさまらない。

伊月くんが俺のモノに触れているところや、俺の足の間に座って、俺のモノを舐めたところを見ると、あの時の興奮が一気に甦ってくる。結局俺は伊月くんの可愛い映像を見ながら、五回も欲望を弾けさせようやく落ち着きを取り戻した。

蜜の匂いを綺麗に洗い流し、下着とパジャマに着替えてゆっくりと伊月くんの隣に戻ると、

「んんっ……しん、いち、さん……っ」

と言いながら、すぐにさっきの場所に擦り寄ってくる。

――ここが一番落ち着きます。

そう言ってくれたのは、本心だったようだ。

ああ、本当に可愛い。また昂りそうになるのを必死に抑えて、俺もようやく眠りについた。


「んっ……」

腕の中の伊月くんが身動ぐのを感じてそっと目を開けると、伊月くんは俺の胸元に顔を近づけて嬉しそうに匂いを嗅いでいるのが見える。

「ふふっ。この匂い……夢の中までしてた」

汗臭かったかと一瞬思ったが、嬉しそうにしてくれているから嫌ではないんだろう。

「こうやって朝起きれるのって、幸せだな……」

恋人にとろけるような笑顔を見せられて嬉しくないわけがない。

「俺も伊月くんを腕に抱いたまま目覚められるのは幸せだよ」

「わっ!! 起きてたんですか?」

「ああ。伊月くんが可愛いからずっと見てた」

「恥ずかしいです」

「俺は嬉しかったよ」

腕の中の伊月くんを抱きしめると、

「僕も嬉しいです」

と言ってくれる。俺は世界中の幸せを独り占めしているのかもしれない。そう思ってしまうほど、今朝の俺は幸せに包まれていた。
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?

桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。 前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。 ほんの少しの間お付き合い下さい。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました

ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。 愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。 ***************** 「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。 ※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。 ※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。  評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。 ※小説家になろう様でも公開中です。

運命の息吹

梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。 美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。 兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。 ルシアの運命のアルファとは……。 西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

処理中です...