有能な調査員は健気で不憫なかわい子ちゃんを甘やかしたい!

波木真帆

文字の大きさ
上 下
19 / 40

全てが見たくてたまらない

しおりを挟む
俺がどれだけ興奮しているかも全く気づかずに、ペタペタと俺の胸や腹を手で触っていく。
これ以上だと流石に我慢も限界に達しそうだと思いながらも、あまりにも嬉しそうな顔をして触れてくれているから止められない。

「今度は伊月くんも上を脱いで見せてよ」

「あ、そうですよね。でも……」

「んっ? どうかした?」

「いえ……慎一さんの、すごい身体の後じゃ……僕なんて、すごく貧相に見えるだろうなって……ちょっと恥ずかしくなっちゃって……」

「そんなことを心配してるの? 貧相だなんて思うわけないよ。俺は伊月くんの裸、見たいよ」

「――っ、慎一さん……。わかりました。あの、じゃあ、脱ぎますね……」

伊月くんの細くて綺麗な指がボタンにかかる。
今となってはこの特別なコンタクトレンズをつけていて正解だったのかもわからない。
なんせボタンが外れるところまではっきりと見えているのだから。

ボタンが二つ外されたところで、少し大きなパジャマがスルッと肩からずれる。
綺麗な鎖骨が見えただけで興奮してしまう。

ああ、なんて綺麗な肌なんだろう……。気を抜いたら襲いかかってしまいそうで、一瞬も気が抜けない。

それでも目を離すことなく見つめていると、ボタンが全て外され伊月くんはパジャマの袖を引き抜き俺と同じ半裸になった。

伊月くんにとっては近づかないと全くわからない明るさだろうが、俺の目には小さくて木の実のような可愛い乳首がはっきりと見えている。

服の下にこんなに可愛いものを隠していたなんて……。

「触ってもいい?」

触れたらもう我慢できなくなると分かっていながらも、言わずにはいられなかった。
なんせ伊月くんと出会ってから二ヶ月以上も我慢してきたんだから。

「は、はい。どうぞ」

そう言いながらも、顔が真っ赤になっているのがわかる。
こんなにも緊張しているのに、拒まないでくれるんだな。
伊月くんにこれほど愛されているのかと思うと嬉しくなる。

可愛い乳首には触れないようにそっと胸の下に触れると

「んっ……!」

ピクッと身体が震えて、伊月くんの口から可愛い声が漏れる。

「ごめん、冷たかった?」

「い、いえ。そうじゃなくて……なんか、不思議な感じがして……」

「不思議な感じ?」

「今まで、肌に直接触れられたことはなかったので……」

最近ではリハビリで服の上から触れられることはあっただろう。でも山野辺先生も谷垣くんも触れ方を分かってる。こうして俺が下心満載に触れるのとは感覚が違って当たり前だ。

「嫌だった?」

「そ、そんなことはないですっ! 本当です!!」

「それならよかった。それで練習はどうしようか?」

「えっ?」

「これで終わりにしておく? それとも下も脱ぐ? お風呂に入る時は下も脱ぐから練習するんだったら下も脱いでおいたほうがいいと思うけど……」

「あ、そうですよね…」

「無理はしなくてもいいよ。俺は伊月くんの気持ちに寄り添いたい」

俺には練習なんて気持ち、さらさらない。ただただ伊月くんの身体の全てが見たいだけだけど。伊月くんに判断を促したのは、自分の欲望だけで進みたくなかったからだ。

いや、これは綺麗事だな。がっついてしまう俺を見せたくなかったからかもしれない。

「あ、あの……僕の、その……見ても、笑わないで欲しいんですけど……」

「笑ったりしないよ。約束する」

「慎一さん……」

「何か不安がある? 俺は伊月くんの不安を取り除きたいよ」

不安げな表情の伊月くんを安心させたくて、そっと伊月くんに近づいて後ろから抱きしめた。すっぽりと俺の腕の中におさまる伊月くんの背中が俺の胸に当たる。もしかしたら、俺の速い鼓動も伝わっているかもしれない。それでも、俺が抱きしめても拒みもしない伊月くんの気持ちが嬉しくて手放す気にはなれなかった。

「僕……親とも小学校に入る前から一緒に入った記憶がなくて、小学校の修学旅行はあまり気にならなかったんですけど、中学も高校も行けなかったから、誰かと一緒にお風呂に入るって経験がなくて…」

俺に抱きしめられながら、伊月くんが話を始めた。伊月くんが不安に思っているのに、中学生から誰とも風呂に入った経験がないことに喜んでしまう自分がいて申し訳なく感じる。

「うん」

「だから、今回慎一さんと一緒に入ったら自分がおかしいのかどうかわかるのかなって思って……」

「それで一緒にって、提案したのかな?」

「はい……何も言わないでごめんなさい」

「いや、俺は嬉しいよ。他の誰でもなく、俺に言ってくれたのが嬉しい」

「僕……慎一さんには、やっぱり知ってて欲しくて……それで、もし治療とか必要なら教えて欲しいです」

「うん。分かった。じゃあ、見せてもらえるかな?」

「はい」

一般的なら包茎に悩んでるのか……。それとも大きさ、とか? 誰かと比べたことはなさそうだけど……。痛みとかあるのならすぐに治療に連れて行ってやらないとな。

こういう時ユウさんなら、自分の大事な人を診察できるんだろう。それが今はものすごく羨ましい。

そんなことを考えながら、伊月くんがズボンを脱ぐのを見守った。そして、下着に手がかかりゆっくりと下ろした途端、俺は衝撃のものを目の当たりにした。
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?

桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。 前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。 ほんの少しの間お付き合い下さい。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました

ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。 愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。 ***************** 「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。 ※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。 ※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。  評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。 ※小説家になろう様でも公開中です。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

動物アレルギーのSS級治療師は、竜神と恋をする

拍羅
BL
SS級治療師、ルカ。それが今世の俺だ。 前世では、野犬に噛まれたことで狂犬病に感染し、死んでしまった。次に目が覚めると、異世界に転生していた。しかも、森に住んでるのは獣人で人間は俺1人?!しかも、俺は動物アレルギー持ち… でも、彼らの怪我を治療出来る力を持つのは治癒魔法が使える自分だけ… 優しい彼が、唯一触れられる竜神に溺愛されて生活するお話。

運命の息吹

梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。 美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。 兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。 ルシアの運命のアルファとは……。 西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。

処理中です...