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練習してみる?
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「い――」
「あの、慎一さん……」
可愛い伊月くんに理性が崩壊しそうになったところで、伊月くんから名前を呼ばれた。
「んっ? どうした?」
「あっ、あの……僕、一緒が良かったです」
「どういうこと?」
「お風呂……一緒に入りたかったです」
「えっ、それって……」
俺の胸に顔を埋めたままそんなことを言われて、中心に一気に熱が集まっていくのを感じる。
「尚孝くんがくれた入浴剤、慎一さんと一緒に使いたかったなって……」
「あっ、そうか。入浴剤……ごめん。すっかり忘れてたな」
こんなにも早く恋人になれるとは思ってなかったから、伊月くんをうまく誘導して一緒に入ってマッサージでも……なんて邪なこと考えていたけれど、恋人になってしまったらマッサージだけで終われるとは到底思えない。だから自然と入浴剤のことは忘れるようにしていたのかもしれない。
「いえ。僕も一人でお風呂入ってから気づいたので……だから、その……明日は一緒に入ってもらえますか?」
「一緒に、いいの?」
「えっ? いいのって?」
俺の言葉の意味がわかっていないらしい。恋人としてのそういうことを何も知らないと確かに言っていたけれど、あれだけはずかしそうにしていたから、明るい場所で裸になる意味はわかってそうだと思ったんだけどな。
「一緒にお風呂入るってことは……伊月くんの裸を、明るい場所で俺が見ても大丈夫かなってことなんだけど……」
「――っ!! あ、そう、ですよね……お風呂、ですもんね。それは、ちょっと恥ずかしいかも……」
さらに顔を赤くする伊月くんを見て、ようやく俺の言いたいことに気づいてもらえたかなと思った。一緒にお風呂に入りたいと誘われたのを断るのはもったいなかったけど、直前で拒まれるよりはずっといい。
「だよね、だから無理しなくても……」
「じゃあ、暗いところから練習したら大丈夫になれるかもしれません」
「えっ? 練習?」
無理しなくていいと言おうとしたのに、突然の練習発言に驚きしかない。
「急に明るい場所で裸を見られるのは恥ずかしいですけど、暗いところなら恥ずかしさも少しは減るかもしれませんよね」
「伊月くん……」
ものすごくいいアイディアを見つけたとでもいうように自信満々な伊月くんが可愛すぎる。
でもきっと暗い方が、いや、あまり見えない方が興奮するというのを知らないからだろう。
これは乗るべきか?
それとも暗い方が興奮して俺が止まれないかもしれないことを言うべきか?
ちらっと俺の視界の隅に準備しておいたローションボトルが見える。
このままいけば、もしかしたらあれを使うような展開になるかもしれない。想像するだけで興奮してしまう。
ゴクリと喉を鳴らしながら、
「じゃあ、練習してみる?」
と言っていた。下心満載なのはわかってる。でもこのチャンスを無駄にしてはいけない。そんな思いでいっぱいだった。
「これ以上は無理と思ったらやめていいから」
「は、はい」
そんな聞き分けのいいことを言いながらも、心の中では無理だと言わないことを願ってる。
「じゃあ、どっちから服を脱ごうか?」
「あ、あの……慎一、さんから……上、だけ……」
「わかった」
リモコンを手に取り、寝室の電気を落とし、ベッドと周りの間接照明だけをつけた。さっきの明るさからはだいぶ落ち、伊月くんはほっとした顔をしているが、実のところ俺にははっきりと見える。
俺は暗闇でも確実に仕事ができるように、特別なコンタクトレンズを入れている。ユウさんの関係者が開発しているもので、暗くなると自動的に夜目が効くようになっている優れものだ。これが誰にも気づかれないからちょうどいい。
今日はもしかしたら……という期待も込めて、シャワーを浴びた後に装着しておいた。まさか本当にこのレンズの力を発揮することになるとはな……。
本当に今までに仕事以外に使ったことはなかった。きっとユウさんもそうだろう。まさか俺がこんな使い方をしているとは想像していないだろうが、今回一度だけ許してもらおう。はっきり見えるからと言って鼻血を出さないようにだけ気をつけないとな。
俺はパジャマのボタンを外し、さっと脱ぎ捨ててあっという間に半裸になった。
「わぁ……っ」
伊月くんが興味津々に近づいてきて、
「あの、触ってもいいですか?」
と尋ねてくる。
「あ、ああ。俺たちは恋人だから、俺の身体は伊月くんのものだよ。好きに触って」
「そ、そうですよね。恋人、ですもんね」
頬を染め緊張した様子で俺の胸に手を伸ばす伊月くんを見ているだけで興奮する。
胸筋にピタッと手の感触を感じて一気に興奮が高まっていく。俺は本当に中高生のようになってしまったみたいだ。
「わぁー、すっごく硬いです!!」
「――っ!!」
俺の興奮など全く気づいていない伊月くんの無邪気な声が俺の欲を増していく。
この子は俺を一体どうしたいんだろうな……。
「あの、慎一さん……」
可愛い伊月くんに理性が崩壊しそうになったところで、伊月くんから名前を呼ばれた。
「んっ? どうした?」
「あっ、あの……僕、一緒が良かったです」
「どういうこと?」
「お風呂……一緒に入りたかったです」
「えっ、それって……」
俺の胸に顔を埋めたままそんなことを言われて、中心に一気に熱が集まっていくのを感じる。
「尚孝くんがくれた入浴剤、慎一さんと一緒に使いたかったなって……」
「あっ、そうか。入浴剤……ごめん。すっかり忘れてたな」
こんなにも早く恋人になれるとは思ってなかったから、伊月くんをうまく誘導して一緒に入ってマッサージでも……なんて邪なこと考えていたけれど、恋人になってしまったらマッサージだけで終われるとは到底思えない。だから自然と入浴剤のことは忘れるようにしていたのかもしれない。
「いえ。僕も一人でお風呂入ってから気づいたので……だから、その……明日は一緒に入ってもらえますか?」
「一緒に、いいの?」
「えっ? いいのって?」
俺の言葉の意味がわかっていないらしい。恋人としてのそういうことを何も知らないと確かに言っていたけれど、あれだけはずかしそうにしていたから、明るい場所で裸になる意味はわかってそうだと思ったんだけどな。
「一緒にお風呂入るってことは……伊月くんの裸を、明るい場所で俺が見ても大丈夫かなってことなんだけど……」
「――っ!! あ、そう、ですよね……お風呂、ですもんね。それは、ちょっと恥ずかしいかも……」
さらに顔を赤くする伊月くんを見て、ようやく俺の言いたいことに気づいてもらえたかなと思った。一緒にお風呂に入りたいと誘われたのを断るのはもったいなかったけど、直前で拒まれるよりはずっといい。
「だよね、だから無理しなくても……」
「じゃあ、暗いところから練習したら大丈夫になれるかもしれません」
「えっ? 練習?」
無理しなくていいと言おうとしたのに、突然の練習発言に驚きしかない。
「急に明るい場所で裸を見られるのは恥ずかしいですけど、暗いところなら恥ずかしさも少しは減るかもしれませんよね」
「伊月くん……」
ものすごくいいアイディアを見つけたとでもいうように自信満々な伊月くんが可愛すぎる。
でもきっと暗い方が、いや、あまり見えない方が興奮するというのを知らないからだろう。
これは乗るべきか?
それとも暗い方が興奮して俺が止まれないかもしれないことを言うべきか?
ちらっと俺の視界の隅に準備しておいたローションボトルが見える。
このままいけば、もしかしたらあれを使うような展開になるかもしれない。想像するだけで興奮してしまう。
ゴクリと喉を鳴らしながら、
「じゃあ、練習してみる?」
と言っていた。下心満載なのはわかってる。でもこのチャンスを無駄にしてはいけない。そんな思いでいっぱいだった。
「これ以上は無理と思ったらやめていいから」
「は、はい」
そんな聞き分けのいいことを言いながらも、心の中では無理だと言わないことを願ってる。
「じゃあ、どっちから服を脱ごうか?」
「あ、あの……慎一、さんから……上、だけ……」
「わかった」
リモコンを手に取り、寝室の電気を落とし、ベッドと周りの間接照明だけをつけた。さっきの明るさからはだいぶ落ち、伊月くんはほっとした顔をしているが、実のところ俺にははっきりと見える。
俺は暗闇でも確実に仕事ができるように、特別なコンタクトレンズを入れている。ユウさんの関係者が開発しているもので、暗くなると自動的に夜目が効くようになっている優れものだ。これが誰にも気づかれないからちょうどいい。
今日はもしかしたら……という期待も込めて、シャワーを浴びた後に装着しておいた。まさか本当にこのレンズの力を発揮することになるとはな……。
本当に今までに仕事以外に使ったことはなかった。きっとユウさんもそうだろう。まさか俺がこんな使い方をしているとは想像していないだろうが、今回一度だけ許してもらおう。はっきり見えるからと言って鼻血を出さないようにだけ気をつけないとな。
俺はパジャマのボタンを外し、さっと脱ぎ捨ててあっという間に半裸になった。
「わぁ……っ」
伊月くんが興味津々に近づいてきて、
「あの、触ってもいいですか?」
と尋ねてくる。
「あ、ああ。俺たちは恋人だから、俺の身体は伊月くんのものだよ。好きに触って」
「そ、そうですよね。恋人、ですもんね」
頬を染め緊張した様子で俺の胸に手を伸ばす伊月くんを見ているだけで興奮する。
胸筋にピタッと手の感触を感じて一気に興奮が高まっていく。俺は本当に中高生のようになってしまったみたいだ。
「わぁー、すっごく硬いです!!」
「――っ!!」
俺の興奮など全く気づいていない伊月くんの無邪気な声が俺の欲を増していく。
この子は俺を一体どうしたいんだろうな……。
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