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番外編
嬉しい招待状
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もう少ししたらゴードン&ハーヴィーのお話を何話か書こうかと思っているので、その序章になるようなお話です。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side 柊>
「シュウ、頑張っているな」
ぼくの最近の日課は、サヴァンスタック領に温室栽培を広めるためにどうやったら上手く進められるかなって、図書館の本で調べながら勉強することだ。
公爵夫人としての仕事もあるし、スペンサー先生の授業も変わらず受けているし、最近は割と忙しいけどすごく充実している。
「あっ、フレッド。今日の仕事はもう終わったの?」
「ああ。今日はシュウに話したことがあって、急いで仕事を終わらせたんだ」
「ぼくに話したいこと?」
「ああ。私たちの結婚披露パーティーで会ったゴードン辺境伯とハーヴィーのことを覚えているか?」
「えっ、もちろんだよ! フレッドが言ってた通り、あの二人も唯一だったんだよね?」
ぼくたちの結婚式でフレッドが引き合わせた二人が唯一だと知った時は、なんだか運命を感じてしまった。
ハーヴィーの方はなんとなく見覚えがある気がするけれど、よく覚えていない。
もしかしたら、王都に行く前、フレッドと町に遊びに行った時に見かけたのかも知れないけれど、今はもうなくなってしまった世界の話だもんね。
ぼくたちの披露パーティーの翌日に、あの離れから出てきたし幸せそうな二人の様子だけを覚えていればいいんだ。
「そうだ。あのままハーヴィーはゴードンと共に領地で生活を始めたのだが、視察がてら屋敷に泊まりに来ないかと誘いの連絡が来たのだ。二人を結びつけた我々にお礼がしたいらしい」
「そんなお礼なんて……っ」
「ふふっ。私もお礼を期待していくわけじゃないよ。ただ、最近シュウも公爵夫人として忙しい毎日を過ごしていただろう? 息抜きがてら、遊びに行くのはどうだ?」
「フレッド……! 嬉しいっ! ぼく、行きたい!!」
「シュウならそう言ってくれると思ったよ。じゃあ、週末から出かけるとしようか」
「わぁーいっ! ねぇ、フレッド。ここからそのゴードンさんの領地まではどれくらいかかるの?」
「そうだな。王都に行くよりは随分と近いぞ。丸一日くらいだが、シュウと一緒だから二日はみておいたほうがいいだろうな」
フレッドはいつも馬車に乗る時には、慣れないぼくのために休憩をたくさん取ってくれるんだ。
本当優しいんだよね。
「そうなんだ。じゃあ、すぐに準備しないとね」
「ふふっ。気が早いな。そんなに楽しみなのか?」
「うん。ハーヴィーとゆっくり話をしてみたいと思ってたから」
あの時、ゴードンさんとすぐに話をしにいって、翌日離れから出てきた時はゴードンさんに抱っこされてて、ハーヴィーとはあまり話せるチャンスがなかったんだよね。
でも、勘だけどハーヴィーとは仲良くなれそうな気がするんだ。
「シュウ……わかっていると思うが、あまりにも仲が良くなりすぎると私は嫉妬してしまうぞ」
「ふふっ。フレッドったら……ぼくはいつでもフレッドのものだよ。それにハーヴィーだって、ゴードンさんしか見えてないはずでしょう?」
「それはわかっているが……」
「ふふっ。そんな狭量なフレッドがぼくは好きだよ」
チュッと唇を重ね合わせると、どうやらフレッドのスイッチを押してしまったようで、そのまま寝室に連れて行かれた。
それを嫌だと思うどころか、嬉しいと思ってしまうぼくも相当フレッドが好きなんだろうな。
<sideハーヴィー>
「ハーヴィー、サヴァンスタック公爵さまから早馬がきたぞ」
「ザックさま。もうお返事が届いたのですか?」
「ああ。喜んで招待を受けると書いてある」
「わぁ! よかったですね」
「ああ。ハーヴィーと出会わせてくださった公爵さまと、そして私たちの仲を深める時間を作ってくださったご伴侶さまにはお礼がしたいと思っていたからな。ハーヴィーもそう思ってくれているだろう?」
嬉しそうなザックさまの表情を見るだけで俺も幸せでたまらなくなる。
「はい。もちろんです。本当にあのパーティーに招待いただいて良かったです。ザックさまとこうして幸せな時間を過ごすことができたのですから」
「ハーヴィー、嬉しいがそろそろ私をザックと呼んでくれないか?」
「――っ、ですが辺境伯さまを呼び捨てになんて……」
ゴードンさまからお名前呼びになっただけでもドキドキとしているというのに。
さらに呼び捨てになんて……ただの子爵令息だった俺がそんなことできるはずがない。
「ハーヴィー、其方はもう子爵令息ではない。正真正銘、私の夫なのだぞ。しかも唯一の存在だというのに、敬称などつけられては其方との間に隔たりを感じてしまうのだ」
「そんな……っ」
「公爵さまのご伴侶さまは、呼び捨てどころか愛称で呼んでいらしたぞ。お二人が仲睦まじく会話をなさっておいでなのに、私がハーヴィーから敬称付きで呼ばれているのをみたらどう思われる?」
確かにシュウさまはあの公爵さまをフレッドと呼んでいらした。
その度に公爵さまは嬉しそうに見つめていらっしゃったな。
もしかしてザックさまも俺が呼び捨てで呼んだら、あんな表情を向けてくださるのだろうか?
「だから、ハーヴィー……いいだろう? 私は其方に呼び捨てで呼ばれたいんだ」
泣く子も黙る辺境伯さまが、俺に呼び捨てで呼ばれたくてこんな表情を向けてくるなんて……。
愛おしくてたまらなくなる。
「ふふっ。ザック……このまま、寝室に連れて行ってください……」
「――っ!!!!」
ザックの目を見つめながら、愛し合っている最中のような目で訴えてみると、ザックは一気に獣のように目の奥をぎらつかせて俺を抱きかかえ、寝室へと運び込んだ。
愛し合っている最中もずっとザックを名前で呼んだけれど、その度に中に挿入っているザックのモノがどんどん昂っていくのがわかった。
もうこれを知ってしまったら、ザックさまなんて呼べないな。
今回もまたお二人のおかげでザックとの仲が深まった気がする。
こちらにきていただいた時は十分おもてなしするとしよう。
そんなことを思いながら、それからしばらくの間俺はひたすらにザックの下で喘ぎ続けていた。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side 柊>
「シュウ、頑張っているな」
ぼくの最近の日課は、サヴァンスタック領に温室栽培を広めるためにどうやったら上手く進められるかなって、図書館の本で調べながら勉強することだ。
公爵夫人としての仕事もあるし、スペンサー先生の授業も変わらず受けているし、最近は割と忙しいけどすごく充実している。
「あっ、フレッド。今日の仕事はもう終わったの?」
「ああ。今日はシュウに話したことがあって、急いで仕事を終わらせたんだ」
「ぼくに話したいこと?」
「ああ。私たちの結婚披露パーティーで会ったゴードン辺境伯とハーヴィーのことを覚えているか?」
「えっ、もちろんだよ! フレッドが言ってた通り、あの二人も唯一だったんだよね?」
ぼくたちの結婚式でフレッドが引き合わせた二人が唯一だと知った時は、なんだか運命を感じてしまった。
ハーヴィーの方はなんとなく見覚えがある気がするけれど、よく覚えていない。
もしかしたら、王都に行く前、フレッドと町に遊びに行った時に見かけたのかも知れないけれど、今はもうなくなってしまった世界の話だもんね。
ぼくたちの披露パーティーの翌日に、あの離れから出てきたし幸せそうな二人の様子だけを覚えていればいいんだ。
「そうだ。あのままハーヴィーはゴードンと共に領地で生活を始めたのだが、視察がてら屋敷に泊まりに来ないかと誘いの連絡が来たのだ。二人を結びつけた我々にお礼がしたいらしい」
「そんなお礼なんて……っ」
「ふふっ。私もお礼を期待していくわけじゃないよ。ただ、最近シュウも公爵夫人として忙しい毎日を過ごしていただろう? 息抜きがてら、遊びに行くのはどうだ?」
「フレッド……! 嬉しいっ! ぼく、行きたい!!」
「シュウならそう言ってくれると思ったよ。じゃあ、週末から出かけるとしようか」
「わぁーいっ! ねぇ、フレッド。ここからそのゴードンさんの領地まではどれくらいかかるの?」
「そうだな。王都に行くよりは随分と近いぞ。丸一日くらいだが、シュウと一緒だから二日はみておいたほうがいいだろうな」
フレッドはいつも馬車に乗る時には、慣れないぼくのために休憩をたくさん取ってくれるんだ。
本当優しいんだよね。
「そうなんだ。じゃあ、すぐに準備しないとね」
「ふふっ。気が早いな。そんなに楽しみなのか?」
「うん。ハーヴィーとゆっくり話をしてみたいと思ってたから」
あの時、ゴードンさんとすぐに話をしにいって、翌日離れから出てきた時はゴードンさんに抱っこされてて、ハーヴィーとはあまり話せるチャンスがなかったんだよね。
でも、勘だけどハーヴィーとは仲良くなれそうな気がするんだ。
「シュウ……わかっていると思うが、あまりにも仲が良くなりすぎると私は嫉妬してしまうぞ」
「ふふっ。フレッドったら……ぼくはいつでもフレッドのものだよ。それにハーヴィーだって、ゴードンさんしか見えてないはずでしょう?」
「それはわかっているが……」
「ふふっ。そんな狭量なフレッドがぼくは好きだよ」
チュッと唇を重ね合わせると、どうやらフレッドのスイッチを押してしまったようで、そのまま寝室に連れて行かれた。
それを嫌だと思うどころか、嬉しいと思ってしまうぼくも相当フレッドが好きなんだろうな。
<sideハーヴィー>
「ハーヴィー、サヴァンスタック公爵さまから早馬がきたぞ」
「ザックさま。もうお返事が届いたのですか?」
「ああ。喜んで招待を受けると書いてある」
「わぁ! よかったですね」
「ああ。ハーヴィーと出会わせてくださった公爵さまと、そして私たちの仲を深める時間を作ってくださったご伴侶さまにはお礼がしたいと思っていたからな。ハーヴィーもそう思ってくれているだろう?」
嬉しそうなザックさまの表情を見るだけで俺も幸せでたまらなくなる。
「はい。もちろんです。本当にあのパーティーに招待いただいて良かったです。ザックさまとこうして幸せな時間を過ごすことができたのですから」
「ハーヴィー、嬉しいがそろそろ私をザックと呼んでくれないか?」
「――っ、ですが辺境伯さまを呼び捨てになんて……」
ゴードンさまからお名前呼びになっただけでもドキドキとしているというのに。
さらに呼び捨てになんて……ただの子爵令息だった俺がそんなことできるはずがない。
「ハーヴィー、其方はもう子爵令息ではない。正真正銘、私の夫なのだぞ。しかも唯一の存在だというのに、敬称などつけられては其方との間に隔たりを感じてしまうのだ」
「そんな……っ」
「公爵さまのご伴侶さまは、呼び捨てどころか愛称で呼んでいらしたぞ。お二人が仲睦まじく会話をなさっておいでなのに、私がハーヴィーから敬称付きで呼ばれているのをみたらどう思われる?」
確かにシュウさまはあの公爵さまをフレッドと呼んでいらした。
その度に公爵さまは嬉しそうに見つめていらっしゃったな。
もしかしてザックさまも俺が呼び捨てで呼んだら、あんな表情を向けてくださるのだろうか?
「だから、ハーヴィー……いいだろう? 私は其方に呼び捨てで呼ばれたいんだ」
泣く子も黙る辺境伯さまが、俺に呼び捨てで呼ばれたくてこんな表情を向けてくるなんて……。
愛おしくてたまらなくなる。
「ふふっ。ザック……このまま、寝室に連れて行ってください……」
「――っ!!!!」
ザックの目を見つめながら、愛し合っている最中のような目で訴えてみると、ザックは一気に獣のように目の奥をぎらつかせて俺を抱きかかえ、寝室へと運び込んだ。
愛し合っている最中もずっとザックを名前で呼んだけれど、その度に中に挿入っているザックのモノがどんどん昂っていくのがわかった。
もうこれを知ってしまったら、ザックさまなんて呼べないな。
今回もまたお二人のおかげでザックとの仲が深まった気がする。
こちらにきていただいた時は十分おもてなしするとしよう。
そんなことを思いながら、それからしばらくの間俺はひたすらにザックの下で喘ぎ続けていた。
応援ありがとうございます!
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