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番外編
可愛い王子さま 1
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以前いただいたリクエストを基に書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
途中で視点が変わります。
* * *
「シュウ、申し訳ない。明日から三日間、家を空けることになった」
「えっ、どこにいくの?」
「昨日までの大雨で隣の領地で大規模な災害が起こったらしい。その支援に行ってくる」
「あっ、じゃあぼくも一緒に」
「私もシュウを一緒に連れて行きたいのだが道中もかなり足場が悪くなっていて、馬車での旅もかなり大変なものになりそうなのだよ。そんな中、シュウを連れて行くのは危ないとマクベスもデュランもルーカスも皆、口を揃えていうから今回だけはシュウをこの屋敷に置いておいた方が安心だと思うんだよ」
本当に苦渋の決断なのだろう。
申し訳なさそうにそう言われては一緒に行きたいだなんてそんなわがまま言えるわけがなかった。
フレッドと三日も離れて過ごすなんて……気が遠くなるけれど、災害で困っている人の助けに行くのだから応援しよう。
「フレッドと離れるのは寂しいけれど、フレッドに公爵としての仕事を頑張って欲しいからぼくも頑張るよ。でも……できるだけ早く帰ってきて……。フレッドがいない夜は寂しすぎるから……」
「ああ、わかったよ。シュウ……わかってくれてありがとう」
「ねぇ、フレッド……その代わり、フレッドがいない間ずっと消えないようにぼくに赤い花をつけてほしい……」
「――っ!! ああ、もちろんだよ! シュウ……私にもつけてくれるね?」
「うん。フレッド……寝室に連れてって……」
「シュウっ!!」
ぼくたちはこれからの寂しい時間を補うように深く深く愛し合った。
* * *
「じゃあ、シュウ。行ってくるよ」
「フレッド……行ってらっしゃい」
「ああ。お土産買ってくるからな」
「ううん、お土産なんていらないから無事に帰ってきて……」
「シュウ……大丈夫だよ」
私は目を潤ませたシュウを強く抱きしめ、シュウの柔らかな唇に口づけを贈り屋敷を出た。
「ああ……シュウと離れるのがこんなに辛いとはな……」
「本当に……シュウさまの悲しげなお顔を拝見しただけで私もつられてしまいそうになりました」
「デュラン、できる限りのことをして早く領地に帰るぞ」
「承知しました!」
シュウのことを思って離れることを決意したはずだったのに、こんなにも辛いとは……。
やはり私たちは唯一。
少しの時間でも離れるべきではなかったのだな……。
シュウ……泣かせてすまない。
もう少しの辛抱だからな。
* * *
「行っちゃった……」
「すぐにお帰りになりますよ。ですから、ご心配なさらずに……」
「ありがとう、レオンさん。ぼく、少し部屋で休むね」
みんなが心配してくれているのはわかっているけれど、なんだか心にぽっかりと穴が開いたようで落ち着かない。
屋敷の中で離れて過ごしたことはあるけれど、やっぱり物理的な距離って気持ち的に大きいんだなって思う。
でもいつまでもぼくが落ち込んでいたら、みんなも心配させてしまう。
少しだけ……少しの間だけ一人になって、気持ちを落ち着けるから。
それまで待っていて……。
ぼくは自分の気持ちを落ち着けるために、ぼくはパールを連れてぼくたちの部屋の奥にある秘密の隠し部屋に入った。
ここにきたばかりの頃、この部屋の存在を教えてもらって夜、二人でたくさんおしゃべりしてたっけ。
美味しいお菓子を用意してくれて……毎日楽しかったな。
最近は忙しくてこの部屋に来る機会も少なくなっていたけれど、やっぱりここは落ち着く。
それに……いつ入ってもフレッドの匂いがして安心するんだよね。
だからこそ、フレッドがいない三日間はここで過ごそうかな……なんて思ってしまう。
フレッドの椅子に座り、今までの思い出に耽っているとだんだんと眠たくなってきた。
やっぱりフレッドの匂いに包まれていると安心しちゃうんだな……。
ぼくはパールを抱いたまま、いつの間にか眠ってしまっていた。
* * *
「き、君は誰だ?! どうやってここに入った?」
その聞き覚えのある声にぼくは目を覚ました。
「うーん、だれ?」
寝ぼけていたぼくの目に、綺麗な金色の髪と淡い水色の瞳の人物が見える。
「フレッド! もう帰ってきてくれたの?」
ぼくがあまりにも寂しがっていたから早く帰ってきてくれたんだ!
嬉しくて抱きつこうとしたのに、フレッドはなぜか
「な、なぜ君みたいな美しい人が私の名前を?」
と後退りながら驚愕の表情を見せ、ぼくに触れようともしてくれない。
「フレッド? どうしたの? ぼくを驚かそうとしているの?」
近づこうとするぼくからどんどん離れていくフレッドの対応に驚きが止まらない。
「ねぇ、どうしちゃったの?」
「わ、私は君のことを知らないんだ。だから、君が話していることが理解できない」
「えっ? どういうこと?」
「どういうことと言われても……そもそも、君は私と普通に話しているが……私のことを気持ち悪いと思わないのか?」
「えっ? 気持ち悪いってどうして……? あ――っ!」
そう口にして気づいた。
確かに目の前のフレッドはフレッドに間違いないけど、ぼくが知っているフレッドより随分若い。
もしかして、ここって以前の世界の過去、とか?
それならぼくのことを知らないというのも、フレッドが自分の容姿に自信がないのも納得がいく。
どうしてここにきてしまったかはわからないけど、もしかしたらあの部屋が見せてくれている夢なのかも。
きっとそうに違いない。
夢の中だとしても、傷ついていた頃のフレッドを救うことができたらそれは嬉しいことだ。
「ねぇ、あなたはサヴァンスタック公爵さま? それとも、フレデリック王子さま?」
そう尋ねたのは、今いる場所がさっきの部屋と違っていたことに気づいたからだ。
もしかしたらお城の中なのかもしれないと思って聞いてみると、
「わ、私はこの国の第二王子・フレデリック・ルイス・オランディアだ」
と少し怯えながらも教えてくれた。
「王子さま。失礼しました。あの、王子さまはおいくつですか?」
「私は10歳だ。君も同じくらいではないのか?」
「失礼な! ぼくは17歳です!」
「えっ! まさか……っ」
「ふふっ、一緒だ」
フレッドの驚く顔があの時、ぼくの年齢を尋ねた時のフレッドと同じで思わず笑ってしまった。
「一緒、とは?」
「ああ、いいんです。こっちの話ですから。それよりも、ぼくのことは柊と呼んでくださいね。王子さまのことはなんとお呼びしたらいいですか?」
「えっ……君、いや……シュウが呼んでくれるなら、さっきのように……その、フレッドと呼ばれたいが……」
「ふふっ。はい。じゃあ、フレッドと呼ばせてもらいますね」
にっこりと微笑むと、フレッドは一気に顔を赤くして、その場に蹲った。
「どうしたんですか? 体調でも?」
「いや、なんでもない。気にしないでくれ」
必死な表情でそういうけれど、しばらくの間フレッドは蹲ったまま立ち上がることはなかった。
楽しんでいただけると嬉しいです。
途中で視点が変わります。
* * *
「シュウ、申し訳ない。明日から三日間、家を空けることになった」
「えっ、どこにいくの?」
「昨日までの大雨で隣の領地で大規模な災害が起こったらしい。その支援に行ってくる」
「あっ、じゃあぼくも一緒に」
「私もシュウを一緒に連れて行きたいのだが道中もかなり足場が悪くなっていて、馬車での旅もかなり大変なものになりそうなのだよ。そんな中、シュウを連れて行くのは危ないとマクベスもデュランもルーカスも皆、口を揃えていうから今回だけはシュウをこの屋敷に置いておいた方が安心だと思うんだよ」
本当に苦渋の決断なのだろう。
申し訳なさそうにそう言われては一緒に行きたいだなんてそんなわがまま言えるわけがなかった。
フレッドと三日も離れて過ごすなんて……気が遠くなるけれど、災害で困っている人の助けに行くのだから応援しよう。
「フレッドと離れるのは寂しいけれど、フレッドに公爵としての仕事を頑張って欲しいからぼくも頑張るよ。でも……できるだけ早く帰ってきて……。フレッドがいない夜は寂しすぎるから……」
「ああ、わかったよ。シュウ……わかってくれてありがとう」
「ねぇ、フレッド……その代わり、フレッドがいない間ずっと消えないようにぼくに赤い花をつけてほしい……」
「――っ!! ああ、もちろんだよ! シュウ……私にもつけてくれるね?」
「うん。フレッド……寝室に連れてって……」
「シュウっ!!」
ぼくたちはこれからの寂しい時間を補うように深く深く愛し合った。
* * *
「じゃあ、シュウ。行ってくるよ」
「フレッド……行ってらっしゃい」
「ああ。お土産買ってくるからな」
「ううん、お土産なんていらないから無事に帰ってきて……」
「シュウ……大丈夫だよ」
私は目を潤ませたシュウを強く抱きしめ、シュウの柔らかな唇に口づけを贈り屋敷を出た。
「ああ……シュウと離れるのがこんなに辛いとはな……」
「本当に……シュウさまの悲しげなお顔を拝見しただけで私もつられてしまいそうになりました」
「デュラン、できる限りのことをして早く領地に帰るぞ」
「承知しました!」
シュウのことを思って離れることを決意したはずだったのに、こんなにも辛いとは……。
やはり私たちは唯一。
少しの時間でも離れるべきではなかったのだな……。
シュウ……泣かせてすまない。
もう少しの辛抱だからな。
* * *
「行っちゃった……」
「すぐにお帰りになりますよ。ですから、ご心配なさらずに……」
「ありがとう、レオンさん。ぼく、少し部屋で休むね」
みんなが心配してくれているのはわかっているけれど、なんだか心にぽっかりと穴が開いたようで落ち着かない。
屋敷の中で離れて過ごしたことはあるけれど、やっぱり物理的な距離って気持ち的に大きいんだなって思う。
でもいつまでもぼくが落ち込んでいたら、みんなも心配させてしまう。
少しだけ……少しの間だけ一人になって、気持ちを落ち着けるから。
それまで待っていて……。
ぼくは自分の気持ちを落ち着けるために、ぼくはパールを連れてぼくたちの部屋の奥にある秘密の隠し部屋に入った。
ここにきたばかりの頃、この部屋の存在を教えてもらって夜、二人でたくさんおしゃべりしてたっけ。
美味しいお菓子を用意してくれて……毎日楽しかったな。
最近は忙しくてこの部屋に来る機会も少なくなっていたけれど、やっぱりここは落ち着く。
それに……いつ入ってもフレッドの匂いがして安心するんだよね。
だからこそ、フレッドがいない三日間はここで過ごそうかな……なんて思ってしまう。
フレッドの椅子に座り、今までの思い出に耽っているとだんだんと眠たくなってきた。
やっぱりフレッドの匂いに包まれていると安心しちゃうんだな……。
ぼくはパールを抱いたまま、いつの間にか眠ってしまっていた。
* * *
「き、君は誰だ?! どうやってここに入った?」
その聞き覚えのある声にぼくは目を覚ました。
「うーん、だれ?」
寝ぼけていたぼくの目に、綺麗な金色の髪と淡い水色の瞳の人物が見える。
「フレッド! もう帰ってきてくれたの?」
ぼくがあまりにも寂しがっていたから早く帰ってきてくれたんだ!
嬉しくて抱きつこうとしたのに、フレッドはなぜか
「な、なぜ君みたいな美しい人が私の名前を?」
と後退りながら驚愕の表情を見せ、ぼくに触れようともしてくれない。
「フレッド? どうしたの? ぼくを驚かそうとしているの?」
近づこうとするぼくからどんどん離れていくフレッドの対応に驚きが止まらない。
「ねぇ、どうしちゃったの?」
「わ、私は君のことを知らないんだ。だから、君が話していることが理解できない」
「えっ? どういうこと?」
「どういうことと言われても……そもそも、君は私と普通に話しているが……私のことを気持ち悪いと思わないのか?」
「えっ? 気持ち悪いってどうして……? あ――っ!」
そう口にして気づいた。
確かに目の前のフレッドはフレッドに間違いないけど、ぼくが知っているフレッドより随分若い。
もしかして、ここって以前の世界の過去、とか?
それならぼくのことを知らないというのも、フレッドが自分の容姿に自信がないのも納得がいく。
どうしてここにきてしまったかはわからないけど、もしかしたらあの部屋が見せてくれている夢なのかも。
きっとそうに違いない。
夢の中だとしても、傷ついていた頃のフレッドを救うことができたらそれは嬉しいことだ。
「ねぇ、あなたはサヴァンスタック公爵さま? それとも、フレデリック王子さま?」
そう尋ねたのは、今いる場所がさっきの部屋と違っていたことに気づいたからだ。
もしかしたらお城の中なのかもしれないと思って聞いてみると、
「わ、私はこの国の第二王子・フレデリック・ルイス・オランディアだ」
と少し怯えながらも教えてくれた。
「王子さま。失礼しました。あの、王子さまはおいくつですか?」
「私は10歳だ。君も同じくらいではないのか?」
「失礼な! ぼくは17歳です!」
「えっ! まさか……っ」
「ふふっ、一緒だ」
フレッドの驚く顔があの時、ぼくの年齢を尋ねた時のフレッドと同じで思わず笑ってしまった。
「一緒、とは?」
「ああ、いいんです。こっちの話ですから。それよりも、ぼくのことは柊と呼んでくださいね。王子さまのことはなんとお呼びしたらいいですか?」
「えっ……君、いや……シュウが呼んでくれるなら、さっきのように……その、フレッドと呼ばれたいが……」
「ふふっ。はい。じゃあ、フレッドと呼ばせてもらいますね」
にっこりと微笑むと、フレッドは一気に顔を赤くして、その場に蹲った。
「どうしたんですか? 体調でも?」
「いや、なんでもない。気にしないでくれ」
必死な表情でそういうけれど、しばらくの間フレッドは蹲ったまま立ち上がることはなかった。
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