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第四章 (王城 過去編)
花村 柊 37−2※
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「シュウ、そろそろ部屋に戻ろうか?」
フレッドと楽しい時間を過ごしている間に、気づけばあれほど燦々と降り注いでいた光が少し柔らかくなっている。
部屋の中ではあれほど時間が経つのが遅く感じたのに、ここで過ごすとあっという間だ。
ここ最近はお父さんとのお茶の時間以外は画室に引き篭ってたからな。
やっぱりフレッドと外で過ごすのは心地良い。
今日はここにきて本当によかった。
『日が落ちる前に厩舎に戻ってユージーンをブラッシングをしてやろう』
フレッドはそういうと、騎士さんから手渡されたタオルでぼくの足を優しく丁寧に拭ってくれた。
自分の足はささっと拭っただけですぐに靴を履き、ぼくを抱きかかえるとさっと岩場から軽やかに下りた。
ふふっ。フレッドってば、いちいちカッコ良いんだよね。
大体、岩場から飛び下りたっていうのにぼくにはなんの衝撃もないってすごくない?
どういう体幹してるんだろうなぁ、ほんと不思議だ。
ユージーンの背中に乗り、少し散歩をしながらゆっくりと厩舎へと向かっていると遠くの方からお父さんの声が聞こえた。
「んっ? あれはトーマ王妃の声か?」
「本当だ。ねぇ、何かちょっと揉めてそうな声だけど大丈夫かな?」
確か朝、ブルーノさんがお父さんは今日は午後から畑に行ってるって言ってたはず。
ジュリアン王太子も一緒にって言ってたからもしかしてお父さんとジュリアン王太子が揉めてるとか?
「お前たち、ちょっと見て来てくれ」
「はっ」
フレッドはすぐに周りにいた騎士さんたちに声をかけると、彼らは急いで駆け出していった。
「シュウ、私たちは先に厩舎に戻ろうか?」
と尋ねつつも、フレッドの視線はお父さんたちの声の聞こえる方に向いている。
騎士さんたちに様子を見にいってもらったとはいえ、やっぱり気になっているんだろう。
昨日の今日だからさすがにとんでもないことにはならないとは思うけど、いつもとは違うお父さんの声がやっぱりなんか気になる。
「ねぇ、ちょっと気になるから見にいってみない?」
「だが、トーマ王妃の元にはジュリアン王太子がいるのだろう?
シュウをあまりジュリアン王太子には近づけたくはないのだが……」
「だから離れたところからこっそりでいいから。だってトーマさまが心配だよ」
「うーん、わかった。だが、絶対に私から離れてはいけないよ」
「大丈夫。だって靴も履いてないし下りられないよ」
そういうとフレッドは納得したようにゆっくりと声の聞こえる方向へとユージーンを進ませていった。
近づいていくうちに段々とお父さんたちの会話が聞こえてくる。
『ちゃんと奥まで鍬を入れないと耕せないよ!』
『ほら、肘と膝曲げて身体全部使って耕さないと!』
どうやらジュリアン王太子に畑の耕し方を一生懸命説明しているみたい。
なんだ、揉めてるんじゃないのか。よかった。
お父さんが未来のオランディア国民のために食材を新しく作ろうとしている。
それを育てるためにどれだけ大変な思いをして畑を耕しているのかそれに気づいてほしいな。
きっとジュリアン王太子だってこの畑の重要性に気づくはず。
「見てごらんシュウ、あの『鍬』はトーマ王妃が作り出したのだぞ。我々の時代では皆が当たり前のように使っているがな」
フレッドはジュリアン王太子の持っている鍬を見ながらぼくの耳元でそう教えてくれた。
そうか、鍬ってこの世界にはなかったんだ。
お父さんの家は田舎だって言ってたし、普通に畑とかで使ってたんだろうから、それを参考に作ってもらったのかもね。
お父さんが作り出した鍬がぼくたちがいた時代では当たり前に使うくらい浸透してるってやっぱりすごいな。
「鍬って慣れないと腰を痛めるみたいだから、トーマさまは一生懸命ジュリアン王太子に教えてるんだね。
ふふっ。揉めてるんじゃなくてよかった」
「ああ、そうだな。じゃあ、ユージーンを厩舎に返そうか」
「うわぁーーっ!! 危ないっ!!」
ぼくたちがそう話して踵を返そうとしたその時、ジュリアン王太子の叫び声が響いた。
なにっ? と視線を向けると、ジュリアン王太子がさっきまで振り上げていた鍬がぼくたちの方へと飛んでくるのが見えた。
「わぁーーっ!」
驚いて声を上げることしかできないぼくと違って、フレッドは冷静に巧みな手綱捌きでさっとユージーンを後ろに下げると、飛んできた鍬は幸いにもユージーンの目の前に落ちて突き刺さった。
良かったとホッとしたのも束の間、ユージーンは突然の出来事に驚き、『ヒヒィーーーン』と今までに聞いたことがないような大きな声で嘶きながら両前足を上げ、二本足で仰反るように立ち上がった。
ぼくは恐怖に怯えながらも必死に『ユージーン、落ち着いて! 大丈夫だから!』と摩ったけれど、ユージーンの興奮は高まるばかり。
フレッドは『シュウ、大丈夫か?』とぼくを心配して声をかけつつ、一生懸命手綱でコントロールしようとしてくれているけれど、よほど怖かったのかユージーンの興奮は治まる気配がない。
なんとかして落ち着かせるしかないんだけど……どうしたらいいんだろう。
視界の隅にお父さんが心配そうな顔でぼくたちを見ているのがわかる。
「アルフレッドさん、柊ちゃん! 今、アンディーとヒューバート呼んでるからもう少し耐えて!!」
そう声をかけてくれた瞬間、ユージーンが急にお父さんに向かって駆け出した。
その素早い動きにフレッドでさえも対応できないくらいだ。
このままじゃ、お父さんにぶつかるっ!!
そう思った瞬間、ぼくの身体は自然に動いていた。
「トーマさまっ!! 危ないっ!!!」
ぼくはユージーンの背中からジャンプして、お父さんに飛びかかった。
「シュウーーっ!!!」
「姉上ーーっ!!」
フレッドとジュリアン王太子の叫び声が聞こえたのと、ぼくがお父さんと一緒に畑に転がり込んだのはほぼ同時くらいだった気がする。
お父さんの頭を守らなきゃと腕で必死に頭を守りながらぼくとお父さんはゴロゴロと畑に転がった。
いきなり飛び掛かられてきっとお父さんも驚いているに違いない。
それでもユージーンに飛びかかられるよりは多分マシだったはず。
倒れたところが畑で良かった。
普段使っていない筋肉を使ったからか、それともドサッとものすごい勢いで畑に転がったからか、おそらくどちらもなんだろうけど全身が痛い。
起き上がることもできずにぼくたちは畑に寝転がったままになっていた。
「……柊、ちゃん……」
微かにお父さんの声が聞こえる。
よかった、無事みたいだ。
でも、ぼくはぶつかった時の衝撃が激しかったのか痛みが強すぎて答えることができない。
『大丈夫だよ』って言ってお父さんを、そしてフレッドを安心させてあげたいのにぼくはなんでいつもこうなんだろう。
遠くでフレッドの声もする。
ぼくの名前を何度も何度も呼んでいるように聞こえてくるけれど、なんの反応を返すこともできない。
きっと心配しているだろうな。
ぼくは必死に声を振り絞って、『お……とう、さん……ごめ……ね』と伝えた。
目を覚ますとぼくはいつものベッドに寝かされていた。
「ああっ、シュウっ!!!」
温かいと思ったらずっとフレッドが手を握ってくれていたみたいだ。
「ふ、れっど……」
「なんて無茶をしたんだ!! シュウが目を覚さなくて私がどれだけ怖かったか……」
「ご、ごめ……な、さい……」
フレッドの綺麗な藍玉の瞳からたくさんの涙が流れているのが見えた。
泣きすぎて真っ赤に腫れてるのをみると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「違う、違うんだ。シュウ。怒鳴って悪かった。
シュウを守れなかった自分が不甲斐なくてどうしようもなくて……私の方こそ悪かった」
フレッドは大粒の涙を零しながら、ぼくをそっと抱きしめてくれた。
「――っ!」
少し身体を動かすだけでズキッと痛みを感じるのは畑に転がったせいだろう。
それでも痛みを極力感じないように抱きしめてくれるフレッドの優しさが心に沁みる。
「シュウ、無理しなくていい」
ゆっくりとぼくの頬を撫でながら安心させてくれる。
「お、とう……さん、は……?」
「シュウが自分の身を挺して頭を守ってくれたからな。打ち身はあったようだが心配しないでいいぞ」
「そ、か……よかっ、た……」
「シュウはそういうと思ったよ。自分より先にトーマ王妃のことを聞くだろうとな」
「……ぼく、は?」
「シュウは身体中を打ち付けていたが、骨は折れてはいないようだとマルセル医師が言っていた。
炎症を鎮める薬を全身に塗っているから直に良くなるはずだ。痛みが酷いうちは決して動いてはいけないよ」
諭すようなフレッドの言葉にぼくは小さく頷いた。
ジュリアン王太子はどうしただろう?
あれはあくまでも事故だ。
慣れない鍬を振り上げてすっぽ抜けてしまったんだろう。
ぼくたちに故意にぶつけようとしたのなら、危ないなんて教えたりはしないだろうし。
フレッドがユージーンを下げてくれたからこそこれだけで済んだんだ。
あれにユージーンが驚いてしまったのは予想外だっただろうけど、どれを見てもあれはどうしようもない不幸が揃った事故だ。
「じゅり、あん……おうた、いし……は?」
ぼくがそう尋ねると、フレッドは表情を固くしてクッと口を噤んだ。
その表情になんとなく嫌な予感がして、ぼくはもう一度声を振り絞って尋ねた。
すると、フレッドは
「心配しなくていい。今、ちょっと反省室に入っているだけだ」
と教えてくれた。
「は、んせい……し、つ?」
「ああ。だが、これは陛下が命令をしたのではないよ。ジュリアン王太子が反省すると仰って自らお入りになったんだ」
ジュリアン王太子が自分から?
そうか、目の前でぼくたちがあんなことになったんだもんね。
そりゃあ責任も感じるよね。
ぼくは無事だったしもう出してあげるように声をかけてもいいのではと思ったけれど、
「シュウ、今は何も気にせずに休まないといけないよ。さぁ、薬を飲んでもう一度ゆっくり休むんだ」
そう言われてぼくは口移しで甘いシロップのような薬を飲まされた途端、すぐに眠りが襲ってきた。
「ふ、れっど……そば、にい、て……」
フレッドの手の温もりを感じながらそう頼むと、
『大丈夫だ、次に目を覚ますときも必ず私はシュウのそばにいるよ。だからゆっくりおやすみ』
とほっぺたにフレッドの唇の感触を感じながらぼくはもう一度眠りについた。
「……んっふふっ……」
身体中を大きな手で撫でられる、そんな感触にくすぐったさを感じながらぼくは目を覚ました。
「シュウ? 悪い、起こしてしまったか?」
「ふ、れっど……」
「今、炎症と痛みを抑える薬を塗っていたところだったんだ。マルセル医師の薬はよく効いているようだよ。少し打ち身が治まってきたみたいだ」
「そ、う……なんだ……っん」
ぼくに説明しながらもフレッドの手の動きは止まらない。
少し顔を上げて下を見てみると、ぼくは全裸でベッドに寝かされていた。
全身に薬を塗るためには仕方ないのかもしれないけど、なんかめちゃくちゃ恥ずかしい。
なんでぼく途中で起きちゃったんだろう。
気づかなければ恥ずかしくなかったのに……。
そんなふうな感じで触られてるんじゃないのに、フレッドの大きな手に全身を撫でられていると変な気になってしまう。
怪我しているくせに、フレッドに心配かけてしまったくせに、そんなはしたないことを思ってしまうなんて……。
ああ、早く塗り終わってほしい。
フレッドは一生懸命お世話してくれてるのに変なことを考えてしまうのが申し訳なくてたまらないんだ。
「シュウ? どうした、大丈夫か?」
ぼくがフレッドに薬を塗り込まれるたびに身体を動かそうとしているのが気になるみたいだ。
「うう、ん……だ、いじょうぶ……」
「そうか? 痛みがあるなら教えてくれ」
「ありが、と……」
多分もうすぐ終わるはず。
もうちょっと我慢しなきゃ。
そう思うけれど、フレッドの大きな手で念入りに撫でられるたびに身体がゾクゾクと震えてしまう。
「ふぅ……」
やっとフレッドの手が身体から離れてホッとしていると、
『ひゃあ――っ!』
突然、ぼくのアソコに変な感覚があった。
「な、に……?」
慌てて下を向くと、フレッドの手がぼくのを包み込んでいる。
「ふ、れっどぉ……」
「大丈夫シュウ、心配しないでいい。こういうのは出してやらないとかえって病気になってしまうからな」
「そ、そう、なの……?」
「ああ。だから、私に任せていればいい」
「ああっ、っんん……んっ……ん」
優しげな笑顔を浮かべながらフレッドが手を動かすたびに途轍もない快感が襲ってきて、でも身体中に痛みもあって動くこともできないし、もどかしくてたまらない。
クチュクチュといやらしい水音が聞こえるのが余計に恥ずかしさを増す。
だって、ぼくだけ裸だし……この水音をぼくが出しているってことだもん。
パリッとした服を綺麗に着ているフレッドにこんなことをやらせちゃって……ああ、もう嫌になる。
毎日毎日フレッドと触れ合って眠っていたからって怪我をしてお世話してもらっている時まで反応しなくていいのに、ほんとぼくのバカ。
「んっ、んんっ……ふ、れっどぉ……、も、う……だ、めぇ……」
「いいよ、そのまま出してごらん」
さらに刺激が強くなり、ぼくはそのままフレッドの手に蜜を放ってしまった。
フレッドはぼくを見つめながら手についた蜜をペロっと舐め尽くしていく。
「ふふっ。甘いな。よかった、身体は元気そうだ」
嬉しそうに微笑むフレッドから甘い匂いがするけれど、やっぱり自分の蜜だと思うと恥ずかしくなる。
フレッドはさっとぼくのものをタオルで拭うと、その後は手際よくローブを着せてくれた。
「ふれっどぉ……ごめん、なさい……」
「んっ? シュウがどうして謝るんだ?」
「だってぇ……くすりぬってくれたのに……ぼく、あんななっちゃって……」
「ふふっ。そんなこと気にしてたのか。シュウの世話ができるのは私の特権なのだから、むしろ喜んでいるんだぞ私は」
そう言いながら、ぼくをそっと抱きしめてくれるフレッドが優しくて……ああ、やっぱりフレッドのこと大好きだなって改めて思った。
「ねぇ、ふれっど……いっしょにねてくれる?」
「ふふっ。甘えるシュウも可愛いな」
そういうとフレッドは嬉しそうにぼくの隣に滑り込んできて、ゆっくりとぼくの首の下に腕を回し腕枕をしてくれた。
久しぶりにフレッドの腕の中に包み込まれてホッとする。
「少し顔色が良くなってるな。シュウが寝ている間に飲み薬も飲ませていたんだぞ。わからなかっただろう?」
「そうなんだ……ふれっどのおかげだね……」
ずっと寝ていたせいかまだ喋りにくい感じはするけど、少しずつ治っている気はする。
「シュウの世話ができるのは楽しくてたまらないからな」
フレッドの心からの笑顔に幸せな気分になれる。
ぼくたちはしばらくの間、ベッドの中で久しぶりの甘い時間を過ごした。
急にトイレに行きたくなり、フレッドに伝えるとフレッドは嫌な顔をすることなく、それどころかなぜか嬉しそうにぼくをトイレに連れて行ってくれた。
手伝われるのはどうかと思っていたけど、流石に痛みがひどくて1人ではできそうになくてフレッドに手伝ってもらった。
「ごめんね、こんなことまで……」
「何言ってるんだ。シュウは気づいてないだろうがシュウが寝ている間にも何度かトイレを手伝ってるんだぞ」
どうやらぼくが寝ている間にも何度か手伝ってくれていたらしい。
でも寝ている間にやってもらうのと意識がある時に手伝ってもらうのは違う気がするけど……まぁ嬉しそうだからいいか。
「シュウが大丈夫そうなら少し話をしようか」
トイレが終わってリビングを通った時、そう声をかけられ『うん』と頷くと、フレッドはゆっくりとぼくを抱きかかえたままソファーに腰を下ろした。
「ジュリアン王太子のことだが……明日にはリャバーヤに戻ることになっている。
その前にシュウに謝罪をしたいと仰っているのだが、シュウはどうしたい?」
「もちろんあいたいよ。あれはじこだもん、じゅりあんおうたいしのせいじゃないよ」
「ふふっ。シュウはそういうと思ったよ。陛下もトーマ王妃も一緒にいてくださるそうだから安心するといい。
少し休んでからシュウの体調が良さそうなら、ここに来てもらうことにしよう」
「うん。ふれっど、ありがと……」
そういうとフレッドはゆっくりと立ち上がり、またベッドに寝かせてくれた。
フレッドと楽しい時間を過ごしている間に、気づけばあれほど燦々と降り注いでいた光が少し柔らかくなっている。
部屋の中ではあれほど時間が経つのが遅く感じたのに、ここで過ごすとあっという間だ。
ここ最近はお父さんとのお茶の時間以外は画室に引き篭ってたからな。
やっぱりフレッドと外で過ごすのは心地良い。
今日はここにきて本当によかった。
『日が落ちる前に厩舎に戻ってユージーンをブラッシングをしてやろう』
フレッドはそういうと、騎士さんから手渡されたタオルでぼくの足を優しく丁寧に拭ってくれた。
自分の足はささっと拭っただけですぐに靴を履き、ぼくを抱きかかえるとさっと岩場から軽やかに下りた。
ふふっ。フレッドってば、いちいちカッコ良いんだよね。
大体、岩場から飛び下りたっていうのにぼくにはなんの衝撃もないってすごくない?
どういう体幹してるんだろうなぁ、ほんと不思議だ。
ユージーンの背中に乗り、少し散歩をしながらゆっくりと厩舎へと向かっていると遠くの方からお父さんの声が聞こえた。
「んっ? あれはトーマ王妃の声か?」
「本当だ。ねぇ、何かちょっと揉めてそうな声だけど大丈夫かな?」
確か朝、ブルーノさんがお父さんは今日は午後から畑に行ってるって言ってたはず。
ジュリアン王太子も一緒にって言ってたからもしかしてお父さんとジュリアン王太子が揉めてるとか?
「お前たち、ちょっと見て来てくれ」
「はっ」
フレッドはすぐに周りにいた騎士さんたちに声をかけると、彼らは急いで駆け出していった。
「シュウ、私たちは先に厩舎に戻ろうか?」
と尋ねつつも、フレッドの視線はお父さんたちの声の聞こえる方に向いている。
騎士さんたちに様子を見にいってもらったとはいえ、やっぱり気になっているんだろう。
昨日の今日だからさすがにとんでもないことにはならないとは思うけど、いつもとは違うお父さんの声がやっぱりなんか気になる。
「ねぇ、ちょっと気になるから見にいってみない?」
「だが、トーマ王妃の元にはジュリアン王太子がいるのだろう?
シュウをあまりジュリアン王太子には近づけたくはないのだが……」
「だから離れたところからこっそりでいいから。だってトーマさまが心配だよ」
「うーん、わかった。だが、絶対に私から離れてはいけないよ」
「大丈夫。だって靴も履いてないし下りられないよ」
そういうとフレッドは納得したようにゆっくりと声の聞こえる方向へとユージーンを進ませていった。
近づいていくうちに段々とお父さんたちの会話が聞こえてくる。
『ちゃんと奥まで鍬を入れないと耕せないよ!』
『ほら、肘と膝曲げて身体全部使って耕さないと!』
どうやらジュリアン王太子に畑の耕し方を一生懸命説明しているみたい。
なんだ、揉めてるんじゃないのか。よかった。
お父さんが未来のオランディア国民のために食材を新しく作ろうとしている。
それを育てるためにどれだけ大変な思いをして畑を耕しているのかそれに気づいてほしいな。
きっとジュリアン王太子だってこの畑の重要性に気づくはず。
「見てごらんシュウ、あの『鍬』はトーマ王妃が作り出したのだぞ。我々の時代では皆が当たり前のように使っているがな」
フレッドはジュリアン王太子の持っている鍬を見ながらぼくの耳元でそう教えてくれた。
そうか、鍬ってこの世界にはなかったんだ。
お父さんの家は田舎だって言ってたし、普通に畑とかで使ってたんだろうから、それを参考に作ってもらったのかもね。
お父さんが作り出した鍬がぼくたちがいた時代では当たり前に使うくらい浸透してるってやっぱりすごいな。
「鍬って慣れないと腰を痛めるみたいだから、トーマさまは一生懸命ジュリアン王太子に教えてるんだね。
ふふっ。揉めてるんじゃなくてよかった」
「ああ、そうだな。じゃあ、ユージーンを厩舎に返そうか」
「うわぁーーっ!! 危ないっ!!」
ぼくたちがそう話して踵を返そうとしたその時、ジュリアン王太子の叫び声が響いた。
なにっ? と視線を向けると、ジュリアン王太子がさっきまで振り上げていた鍬がぼくたちの方へと飛んでくるのが見えた。
「わぁーーっ!」
驚いて声を上げることしかできないぼくと違って、フレッドは冷静に巧みな手綱捌きでさっとユージーンを後ろに下げると、飛んできた鍬は幸いにもユージーンの目の前に落ちて突き刺さった。
良かったとホッとしたのも束の間、ユージーンは突然の出来事に驚き、『ヒヒィーーーン』と今までに聞いたことがないような大きな声で嘶きながら両前足を上げ、二本足で仰反るように立ち上がった。
ぼくは恐怖に怯えながらも必死に『ユージーン、落ち着いて! 大丈夫だから!』と摩ったけれど、ユージーンの興奮は高まるばかり。
フレッドは『シュウ、大丈夫か?』とぼくを心配して声をかけつつ、一生懸命手綱でコントロールしようとしてくれているけれど、よほど怖かったのかユージーンの興奮は治まる気配がない。
なんとかして落ち着かせるしかないんだけど……どうしたらいいんだろう。
視界の隅にお父さんが心配そうな顔でぼくたちを見ているのがわかる。
「アルフレッドさん、柊ちゃん! 今、アンディーとヒューバート呼んでるからもう少し耐えて!!」
そう声をかけてくれた瞬間、ユージーンが急にお父さんに向かって駆け出した。
その素早い動きにフレッドでさえも対応できないくらいだ。
このままじゃ、お父さんにぶつかるっ!!
そう思った瞬間、ぼくの身体は自然に動いていた。
「トーマさまっ!! 危ないっ!!!」
ぼくはユージーンの背中からジャンプして、お父さんに飛びかかった。
「シュウーーっ!!!」
「姉上ーーっ!!」
フレッドとジュリアン王太子の叫び声が聞こえたのと、ぼくがお父さんと一緒に畑に転がり込んだのはほぼ同時くらいだった気がする。
お父さんの頭を守らなきゃと腕で必死に頭を守りながらぼくとお父さんはゴロゴロと畑に転がった。
いきなり飛び掛かられてきっとお父さんも驚いているに違いない。
それでもユージーンに飛びかかられるよりは多分マシだったはず。
倒れたところが畑で良かった。
普段使っていない筋肉を使ったからか、それともドサッとものすごい勢いで畑に転がったからか、おそらくどちらもなんだろうけど全身が痛い。
起き上がることもできずにぼくたちは畑に寝転がったままになっていた。
「……柊、ちゃん……」
微かにお父さんの声が聞こえる。
よかった、無事みたいだ。
でも、ぼくはぶつかった時の衝撃が激しかったのか痛みが強すぎて答えることができない。
『大丈夫だよ』って言ってお父さんを、そしてフレッドを安心させてあげたいのにぼくはなんでいつもこうなんだろう。
遠くでフレッドの声もする。
ぼくの名前を何度も何度も呼んでいるように聞こえてくるけれど、なんの反応を返すこともできない。
きっと心配しているだろうな。
ぼくは必死に声を振り絞って、『お……とう、さん……ごめ……ね』と伝えた。
目を覚ますとぼくはいつものベッドに寝かされていた。
「ああっ、シュウっ!!!」
温かいと思ったらずっとフレッドが手を握ってくれていたみたいだ。
「ふ、れっど……」
「なんて無茶をしたんだ!! シュウが目を覚さなくて私がどれだけ怖かったか……」
「ご、ごめ……な、さい……」
フレッドの綺麗な藍玉の瞳からたくさんの涙が流れているのが見えた。
泣きすぎて真っ赤に腫れてるのをみると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「違う、違うんだ。シュウ。怒鳴って悪かった。
シュウを守れなかった自分が不甲斐なくてどうしようもなくて……私の方こそ悪かった」
フレッドは大粒の涙を零しながら、ぼくをそっと抱きしめてくれた。
「――っ!」
少し身体を動かすだけでズキッと痛みを感じるのは畑に転がったせいだろう。
それでも痛みを極力感じないように抱きしめてくれるフレッドの優しさが心に沁みる。
「シュウ、無理しなくていい」
ゆっくりとぼくの頬を撫でながら安心させてくれる。
「お、とう……さん、は……?」
「シュウが自分の身を挺して頭を守ってくれたからな。打ち身はあったようだが心配しないでいいぞ」
「そ、か……よかっ、た……」
「シュウはそういうと思ったよ。自分より先にトーマ王妃のことを聞くだろうとな」
「……ぼく、は?」
「シュウは身体中を打ち付けていたが、骨は折れてはいないようだとマルセル医師が言っていた。
炎症を鎮める薬を全身に塗っているから直に良くなるはずだ。痛みが酷いうちは決して動いてはいけないよ」
諭すようなフレッドの言葉にぼくは小さく頷いた。
ジュリアン王太子はどうしただろう?
あれはあくまでも事故だ。
慣れない鍬を振り上げてすっぽ抜けてしまったんだろう。
ぼくたちに故意にぶつけようとしたのなら、危ないなんて教えたりはしないだろうし。
フレッドがユージーンを下げてくれたからこそこれだけで済んだんだ。
あれにユージーンが驚いてしまったのは予想外だっただろうけど、どれを見てもあれはどうしようもない不幸が揃った事故だ。
「じゅり、あん……おうた、いし……は?」
ぼくがそう尋ねると、フレッドは表情を固くしてクッと口を噤んだ。
その表情になんとなく嫌な予感がして、ぼくはもう一度声を振り絞って尋ねた。
すると、フレッドは
「心配しなくていい。今、ちょっと反省室に入っているだけだ」
と教えてくれた。
「は、んせい……し、つ?」
「ああ。だが、これは陛下が命令をしたのではないよ。ジュリアン王太子が反省すると仰って自らお入りになったんだ」
ジュリアン王太子が自分から?
そうか、目の前でぼくたちがあんなことになったんだもんね。
そりゃあ責任も感じるよね。
ぼくは無事だったしもう出してあげるように声をかけてもいいのではと思ったけれど、
「シュウ、今は何も気にせずに休まないといけないよ。さぁ、薬を飲んでもう一度ゆっくり休むんだ」
そう言われてぼくは口移しで甘いシロップのような薬を飲まされた途端、すぐに眠りが襲ってきた。
「ふ、れっど……そば、にい、て……」
フレッドの手の温もりを感じながらそう頼むと、
『大丈夫だ、次に目を覚ますときも必ず私はシュウのそばにいるよ。だからゆっくりおやすみ』
とほっぺたにフレッドの唇の感触を感じながらぼくはもう一度眠りについた。
「……んっふふっ……」
身体中を大きな手で撫でられる、そんな感触にくすぐったさを感じながらぼくは目を覚ました。
「シュウ? 悪い、起こしてしまったか?」
「ふ、れっど……」
「今、炎症と痛みを抑える薬を塗っていたところだったんだ。マルセル医師の薬はよく効いているようだよ。少し打ち身が治まってきたみたいだ」
「そ、う……なんだ……っん」
ぼくに説明しながらもフレッドの手の動きは止まらない。
少し顔を上げて下を見てみると、ぼくは全裸でベッドに寝かされていた。
全身に薬を塗るためには仕方ないのかもしれないけど、なんかめちゃくちゃ恥ずかしい。
なんでぼく途中で起きちゃったんだろう。
気づかなければ恥ずかしくなかったのに……。
そんなふうな感じで触られてるんじゃないのに、フレッドの大きな手に全身を撫でられていると変な気になってしまう。
怪我しているくせに、フレッドに心配かけてしまったくせに、そんなはしたないことを思ってしまうなんて……。
ああ、早く塗り終わってほしい。
フレッドは一生懸命お世話してくれてるのに変なことを考えてしまうのが申し訳なくてたまらないんだ。
「シュウ? どうした、大丈夫か?」
ぼくがフレッドに薬を塗り込まれるたびに身体を動かそうとしているのが気になるみたいだ。
「うう、ん……だ、いじょうぶ……」
「そうか? 痛みがあるなら教えてくれ」
「ありが、と……」
多分もうすぐ終わるはず。
もうちょっと我慢しなきゃ。
そう思うけれど、フレッドの大きな手で念入りに撫でられるたびに身体がゾクゾクと震えてしまう。
「ふぅ……」
やっとフレッドの手が身体から離れてホッとしていると、
『ひゃあ――っ!』
突然、ぼくのアソコに変な感覚があった。
「な、に……?」
慌てて下を向くと、フレッドの手がぼくのを包み込んでいる。
「ふ、れっどぉ……」
「大丈夫シュウ、心配しないでいい。こういうのは出してやらないとかえって病気になってしまうからな」
「そ、そう、なの……?」
「ああ。だから、私に任せていればいい」
「ああっ、っんん……んっ……ん」
優しげな笑顔を浮かべながらフレッドが手を動かすたびに途轍もない快感が襲ってきて、でも身体中に痛みもあって動くこともできないし、もどかしくてたまらない。
クチュクチュといやらしい水音が聞こえるのが余計に恥ずかしさを増す。
だって、ぼくだけ裸だし……この水音をぼくが出しているってことだもん。
パリッとした服を綺麗に着ているフレッドにこんなことをやらせちゃって……ああ、もう嫌になる。
毎日毎日フレッドと触れ合って眠っていたからって怪我をしてお世話してもらっている時まで反応しなくていいのに、ほんとぼくのバカ。
「んっ、んんっ……ふ、れっどぉ……、も、う……だ、めぇ……」
「いいよ、そのまま出してごらん」
さらに刺激が強くなり、ぼくはそのままフレッドの手に蜜を放ってしまった。
フレッドはぼくを見つめながら手についた蜜をペロっと舐め尽くしていく。
「ふふっ。甘いな。よかった、身体は元気そうだ」
嬉しそうに微笑むフレッドから甘い匂いがするけれど、やっぱり自分の蜜だと思うと恥ずかしくなる。
フレッドはさっとぼくのものをタオルで拭うと、その後は手際よくローブを着せてくれた。
「ふれっどぉ……ごめん、なさい……」
「んっ? シュウがどうして謝るんだ?」
「だってぇ……くすりぬってくれたのに……ぼく、あんななっちゃって……」
「ふふっ。そんなこと気にしてたのか。シュウの世話ができるのは私の特権なのだから、むしろ喜んでいるんだぞ私は」
そう言いながら、ぼくをそっと抱きしめてくれるフレッドが優しくて……ああ、やっぱりフレッドのこと大好きだなって改めて思った。
「ねぇ、ふれっど……いっしょにねてくれる?」
「ふふっ。甘えるシュウも可愛いな」
そういうとフレッドは嬉しそうにぼくの隣に滑り込んできて、ゆっくりとぼくの首の下に腕を回し腕枕をしてくれた。
久しぶりにフレッドの腕の中に包み込まれてホッとする。
「少し顔色が良くなってるな。シュウが寝ている間に飲み薬も飲ませていたんだぞ。わからなかっただろう?」
「そうなんだ……ふれっどのおかげだね……」
ずっと寝ていたせいかまだ喋りにくい感じはするけど、少しずつ治っている気はする。
「シュウの世話ができるのは楽しくてたまらないからな」
フレッドの心からの笑顔に幸せな気分になれる。
ぼくたちはしばらくの間、ベッドの中で久しぶりの甘い時間を過ごした。
急にトイレに行きたくなり、フレッドに伝えるとフレッドは嫌な顔をすることなく、それどころかなぜか嬉しそうにぼくをトイレに連れて行ってくれた。
手伝われるのはどうかと思っていたけど、流石に痛みがひどくて1人ではできそうになくてフレッドに手伝ってもらった。
「ごめんね、こんなことまで……」
「何言ってるんだ。シュウは気づいてないだろうがシュウが寝ている間にも何度かトイレを手伝ってるんだぞ」
どうやらぼくが寝ている間にも何度か手伝ってくれていたらしい。
でも寝ている間にやってもらうのと意識がある時に手伝ってもらうのは違う気がするけど……まぁ嬉しそうだからいいか。
「シュウが大丈夫そうなら少し話をしようか」
トイレが終わってリビングを通った時、そう声をかけられ『うん』と頷くと、フレッドはゆっくりとぼくを抱きかかえたままソファーに腰を下ろした。
「ジュリアン王太子のことだが……明日にはリャバーヤに戻ることになっている。
その前にシュウに謝罪をしたいと仰っているのだが、シュウはどうしたい?」
「もちろんあいたいよ。あれはじこだもん、じゅりあんおうたいしのせいじゃないよ」
「ふふっ。シュウはそういうと思ったよ。陛下もトーマ王妃も一緒にいてくださるそうだから安心するといい。
少し休んでからシュウの体調が良さそうなら、ここに来てもらうことにしよう」
「うん。ふれっど、ありがと……」
そういうとフレッドはゆっくりと立ち上がり、またベッドに寝かせてくれた。
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