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第四章 (王城 過去編)

花村 柊   21−2※

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「あっ、着いたみたいだよ」

「お父さん、先に降りる?」

「うーん、多分、エスコートが来るはずだから待ってようか」

2人で横に並んで座って待っていると、ガチャリと馬車の扉が開かれた。

まず現れたのはアンドリューさま。

「トーマ、大丈夫だったか?」

「うん。楽しかったよ」

「そうか、それなら良かった」

柔かな笑顔でお父さんの手を取り、ゆっくりと馬車を降りていく。
『ふふっ。本当に仲いいな』

「1人で何を笑ってるんだ?」

「えっ?」

お父さんとアンドリューさまの仲睦まじさに微笑ましく思っていると、目の前にフレッドが現れてびっくりしてしまった。

「シュウ、トーマ王妃とゆっくり話せたか?」

「うん。フレッドとアンドリューさまのおかげだよ。ありがとう」

「そうか、それなら良かった」

アンドリューさまと同じ言葉を繰り返すフレッドが面白くてつい『ふふっ』と笑みが溢れた。
やっぱり2人ってそっくりだよね。
なんか、可愛く思えちゃうな。

フレッドに手を引かれゆっくりと馬車を降りると、アンドリューさまとお父さんは腕を組んで歩いているのが見えた。
それをみたら、ぼくもフレッドと腕を組みたくなってぼくの方からギュッと抱きついてみた。

フレッドは少しびっくりしていたけど、組んだ腕を離すことなく嬉しそうにピッタリと身体を寄せ合った。


昼食を終え、フレッドと一緒に馬車に乗り込んだ。
お父さんたちの乗った馬車が走り出したのを確認してぼくたちの馬車もゆっくりと走り出した。

「トーマ王妃からどんな話を聞いた?」

あれ・・は絶対いうわけにはいかないから内緒にしとかなくちゃ!

多分、フレッドが聞きたがってるのはあっちの話だよね。

「フレッドもアンドリューさまから聞いたんでしょう? パメラさんのこと」

「ああ。少し厄介な話だな」

「うん。でも、大丈夫だよ。ぼくたちは唯一なんだし、それに……これ・・もあるし」

髪をそっと掻き上げて耳元のピアスを見せながらいうと、フレッドは嬉しそうに微笑んだ。

「そうだな。シュウは夜会の時は髪を上に結い上げるから、ピアスも目立つだろう」

「フレッドはいつも見えてるから安心だよね。でも……」

「どうした?」

「ううん、久しぶりにフレッドの金色の髪が見たいなと思っただけ」

ぼくは長すぎることもあって邪魔だから人に会わないような時間はウィッグを外していることも多いけど、フレッドの場合はいつ誰に会うかもわからないからと言って赤いウィッグをずっと付けたままだ。
確かに夜は、お風呂上がりのローブ姿のぼくを誰にも見せたくないと言って誰がきたとしても対応するのはフレッドだし、
朝は朝で寝起きのぼくを見せたくないと言ってフレッドが対応してくれるし、だからフレッドはウィッグを外すタイミングがないんだよね。

「そうか、シュウは私の髪が見たいのか」

「うん。だって、ぼくフレッドの髪大好きだから」

「ふふっ。嬉しいことを言ってくれるな。ならば、今日の夜、部屋では外すとしよう」

「ほんとー! いいの?」

「ああ、前もってブルーノに部屋に誰も来ないように言っておけば1日くらい大丈夫だろう」

久しぶりにいつものフレッドと一緒に寝られるんだ。
じゃあ、その時にお父さんから教えてもらったことをやってみようかな。
よしっ! 頑張るぞ!

ぼくがぎゅっとフレッドに抱きつくとフレッドも嬉しそうに抱きしめ返してくれた。

「シュウ、さっきのパメラ嬢の話しだが……」

「うん、どうかした?」

「陛下の話を聞く限り、どうも陛下にかなりご執心だったようだ。流石にあれほど国民に慕われているトーマ王妃に手出しはしてこないとは思うが、逆に私やシュウに手を出しやすいかもしれん。夜会の間は絶対に私から離れるな」

フレッドが本気で心配してくれていることがわかってほんの少しパメラさんのことが怖くなったけれど、フレッドの大きな身体で包まれていると安心感でいっぱいになってくる。

「うん。大丈夫。ぼく絶対フレッドから離れないから」

そう約束すると、フレッドは安心したように笑顔を見せた。

旅は何の問題もなく、順調に今日の宿泊所へと着いた。
昨日は意識をなくしてフレッドに抱き抱えられて部屋に入っていたからぼくにはその時の記憶がない。
ちゃんと宿泊所の人に挨拶をして中に入るのは今回が初めてだ。

「一晩よろしくお願いします」

案内してくれる宿の人に笑顔でそう声をかけると、

「はい。ご丁寧にありがとうございます。何かご不便なことがありましたら、すぐにお申し付けくださいませ」

と笑顔で返してくれて、とても印象のいい人だった。

今日の部屋は昨日よりは少し狭いけれど、2人で泊まるにはじゅうぶんの広さだ。
しかも、今日は部屋に大きなお風呂がついているらしい。
それが一番楽しみだ。


今日は部屋でのんびりしたいからと食事も部屋に運んでもらい、2人でゆっくりと食事をとった。
食事を片付けてもらってからブルーノさんにフレッドがこれから朝まで誰も部屋に近づけないようにと言うと、なんだろう……意味深な笑顔を向けて『かしこまりました』と部屋を出ていった。

パタンと扉が閉まったのを確認すると、フレッドはゆっくりと赤いウィッグを外してくれた。
お風呂場以外では見ることがほとんどなかったせいか、乾いてツヤツヤと輝いているフレッドの金色の髪を間近で見られるのはすごく嬉しい。

「やっぱりフレッドにはこの髪色がよく似合ってるね」

「シュウもこの艶やかな黒髪がよく似合っている」

フレッドはぼくを抱き上げると、

「シュウ、風呂に入るか?」

と尋ねてきたけれど、せっかくフレッドの乾いた髪を見られるのだし、お風呂に入るのは後でもいいよねとそのまま寝室へと連れて行ってもらった。

ぽすっとベッドに座らせると、ぼくの髪を大きな手で優しく撫でてくれた。

「珍しいな、風呂好きのシュウが風呂に入らぬとは」

「ふふっ。あとでゆっくり入るからいいの」

「そうか」

愛おしそうに手櫛で解かれるたびに身体にピリッと電流が走る。

「……んっ……」

思わず漏れ出た声が静かな寝室に響く。

「シュウ……愛してる」

「うん。ぼくもフレッドのこと……愛してるよ」

どちらからともなく唇が重なり、気づけば舌を絡め合う深いキスが始まってしまった。

ああ、いけない! このままじゃいつもとおんなじになっちゃう!
今日はぼくの方が積極的に行く予定だったのに!

慌てて唇を離すとフレッドは表情を曇らせながらぼくを見た。

「シュウ……口づけが嫌だったか?」

「ええっ? そ、そんなことないよ!」

悲しげな表情をするフレッドに申し訳なくて急いで訂正したけれど、フレッドは何か考え込んでいる様子だ。

「昨日あんなことがあったばかりで早急だったな。悪かった。シュウの身体も心配だし、今日はゆっくり休むとしよう」

「えっ……」

フレッドは驚いているぼくをベッドに横たわらせ隣に横になると、
そのまま『シュウ、おやすみ』とおでこにキスをして寝ようとしていた。

このまま寝るなんて絶対やだ!
イチャイチャもしてないし、一緒にお風呂にだって入ってないのに!
せっかくいつものフレッドになってもらって、夜はこれからなのに!!
今日はぼくは積極的に行くって決めたんだから!!

よぉし!

ぼくはゆっくりと身体を起こし、ローブに手をかけた。
そして、

「フレッド……ねぇ、見て……」

というと、目を瞑っていたフレッドがこちらを向いた。

そのフレッドに見せつけるように、ぼくはゆっくりとローブを脱いだ。

「し、シュウ……?」

フレッドはぼくの行動に驚いているようで目をまん丸にして見入っている。
ぼくはちょっと楽しくなってきて、フレッドに見せつけるように足を広げると、フレッドはゴクリと唾を飲み込んだ。

フレッドがぼくの裸を見てドキドキしてくれてるのが目に見えてわかったから、自然と笑顔が溢れた。

ぼくは裸のままフレッドに近づいて、フレッドのローブに手をかけた。
ハッと気づいたフレッドが手を動かそうとしたから耳元で

「フレッドは動いたら……だぁめ」

と囁いてみると、

「――っ!」

と息を呑んでピタリと動きをとめぼくの手の動きを見つめていた。

その隙にフレッドのローブを脱がすと、フレッドのモノは驚くほどに大きく天を向いてそそり立っていた。

「うわぁ……おっきぃ……」

思わず漏らした声にフレッドが反応して手で隠そうとしたけれど、
『動いちゃダメって言ったよね』というと、ゆっくりと手を後ろへけていた。

なんかぼくの言いなりになってるフレッドって……ちょっと可愛いかも。ふふっ。
もっといじめたくなっちゃうな。
そんな不思議な思いが湧き上がってきた。

ぼくが目の前で大きく昂っているフレッドのモノにそっと触れると、フレッドは身体をビクッと震わせていた。

「ふふっ。かわいい」

ぼくはゆっくりと身体を倒し、手のなかにある大きなモノにそっと舌を近づけた。
フレッドの目を見ながら舌を出し、フレッドのものを舐めると
『……ゔうっ、ふぅ……』
フレッドは口を手で一生懸命に覆いながらもずっとぼくの顔を見つめて悶えていた。

フレッドが感じてくれてると思うと、もっと気持ち良くしてあげたい思いが込み上げてきて、
ぼくはできるだけ大きく口を開くとフレッドのモノをパクッと咥えた。

「ゔぅ……っ」

ビクッと身体を震わせるフレッドを後目にぼくは口の中にあるモノを気持ち良くさせるのに必死になって
ジュポジュポと顔を上下に動かした。
大きすぎて口に入りきらない分は、手を添えて両手で扱き続けながら、口も同じように動かしていると、
口の中のフレッドのモノがどんどん大きくなっていくのがわかった。

「……はぁ……っ、しゅ、シュウが……エロすぎる……」

フレッドはトロンとした瞳でぼくの髪に手を差し込んで掻き上げてくる。
目があった時に先端を舌先でペロペロと弄ってみると、フレッドは身を捩らせながら必死に耐えているようだった。
その反応が面白くて、今度は根元から舌を這わせた。そして、裏筋の血管をなぞるように刺激を与えながら舐めると

「……ふぅ……んっ、くっ」

その度にフレッドは身を捩らせ必死に耐えていた。


「フレッド、きもちいぃ?」

「あ、ああ……最高だよ……」

その言葉が嬉しくてずっと舐め続けていると、口の中にほんの少し甘い味が広がった。
これはフレッドの蜜だ。
ああ、久しぶりに舐めた気がする。
やっぱりこれ、甘くて美味しい。
ほんの少しじゃ足りなくて、もっともっと飲みたいと思ってしまう。

我慢できなくなって、フレッドのモノをもう一度口のなかに入れ、じゅぷじゅぷと勢いよく動かすと、
『ああ……っ、も、う……イく……ぅ』
とぼくの髪を触っていた手でぎゅっと頭を掴んで動かないようにして、勢いよくぼくの口のなかに蜜を吐き出した。

ビュクビュルビュル、トプトプトプ……

溢してしまいそうなくらい大量の蜜がぼくの口のなかに放たれ、ぼくはそれを一滴も逃さないように口の中全部で味わって、コクンと飲み干した。

「ふふっ。おいしっ」

飲み干した口を開け舌を見せると、たった今大量に出したばかりのフレッドのモノがムクムクと大きくなっていくのが見えた。

やっぱり一度じゃ終わらないよね。
よかった。

ぼくはお父さんに言われたことを実行しようと、ゆっくりフレッドのモノに手を這わせ上下に擦り上げると大きく昂っていたフレッドのモノは更に大きくなって天を向いていた。

フレッドのモノが大きくなったのを確認して、ぼくはさっき脱いだローブに隠しておいた小瓶を取り出した。

そして、フレッドに見せつけるように小瓶の中身を両手に擦り付けると、フレッドの大きく昂ったモノに纏わらせた。
フレッドのモノがぼくの唾液とフレッドの先端から少し漏れ出た蜜と、そして小瓶のぬるぬるとした液体に塗れている。
それがテラテラと輝いていて、早く自分のなかに挿入いれてみたい衝動に駆られた。
ぼくは逸る気持ちに突き動かされて、ゆっくりと膝立ちをしてフレッドを跨ぎ、そのぬるぬるを纏ったフレッドのモノを自分のお尻に擦り付けた。

「シュウ……な、何を……」

フレッドは驚いて目を見張っていたけれど、そんなことが気にならないほどにフレッドの硬いものがぼくのお尻を擦る快感に陶然としてしまっていた。

フレッドのモノをゆっくりと自分のお尻の蕾にあてがい、ゆっくりと身体を落としていく。
じわりじわりと大きく猛ったものがぼくのなかに挿入ってくる。

「ああ……っ、す、ごい……ああっ」

これが唯一だからなのだろうか……あんなに大きなものが挿入ってきているというのになんの痛みもなく、ピッタリと隙間なく嵌っている感じが逆に気持ち良くて仕方ない。

「シュウ……無理するな、痛くないか?」

フレッドは心配しているけれど、決して抜こうとはしない。
それがフレッドも気持ち良いんだと思わせてくれて嬉しい。

「……いい、きもち、いぃ……ああ……っ」

あまりの気持ちよさに力が抜け、ペタンとフレッドの上に座り込んでしまった瞬間、
グチュンと音を立てて、ぼくの最奥へと嵌まり込んだ。

「ふぁ……っ」

ああ、フレッドがぼくの奥にいる。
それが嬉しくて動けずにいると、フレッドが突然ぼくの腰を持って大きく動き始めた。
ゆさゆさと身体を動かされるたびに奥がズンズンと穿たれる。

ぼくは繋がっているところをフレッドに見せたくて、後ろに手をついた。
フレッドの目の前でぼくの小さなモノがゆらゆらと上下に揺れながら、
じゅぷじゅぷと音を立てて繋がっているところが見える。
フレッドは腰を大きく動かしながらそれを食い入るように見つめていた。

「ああ……っ、フレ、ッド……も、っと……もっと……」

フレッドに見つめられながら揺さぶられるのが気持ち良くて、気づいたらぼくも感じるままに腰を動かしていた。

「……あっ、んっ……もう、イっちゃ……イっちゃう……あっ、だ……め……ああーっ!」

「……ゔ、くぅ……」

目の前でパーンと花火が上がったような衝撃がきた瞬間、ぼくのモノから思いっきり蜜が吹き飛んでいた。
と、同時にぼくの体内の奥の奥で温かなモノがじわりと広がっていく、そんな感覚があった。

『ふぅ……』
と、息を吐いて目の前のフレッドを見ると、フレッドの顔はぼくの出した蜜で汚れていた。

「ああっ! ごめん、フレッド!……ひゃっ……ん」

急いで拭いてあげようと動いた瞬間、まだ抜けていなかったフレッドのモノがゴリッとぼくの気持ちいい場所を掠めてしまい、思わず声が出てしまった。

一息ついたところに差し込まれた脳天を突き抜けるような快感に力が抜けてしまい、ぼくは横たわるフレッドに倒れ込んでしまった。

「ふふっ。今日のシュウは積極的だな。まだ足りないと見える」

『えっ?』と思った時には、ぼくは繋がったままフレッドに抱きかかえられ、そのままお風呂場へと連れて行かれた。
フレッドが歩く振動が伝わるたびに奥がキュンキュンと疼いて快感が止まらなくなる。

「もう、無理ーっ!」

そう言ったけれど、そのまま大きなお風呂場でフレッドに可愛がられてしまった。
結局、今日も最後にはフレッド主導に代わってしまっていてぼくの積極的は終わりを告げた。

今度こそ、最初から最後までぼく主導でやって見せるんだから!!
ぼくは密かに心に誓った。
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