ひとりぼっちのぼくが異世界で公爵さまに溺愛されています

波木真帆

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第一章 (出逢い〜両思い編)

フレッド   3

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シュウの目がゆっくりと開いた。

良かった、意識も戻ったようだ。

「湯が熱すぎて逆上せたようだな。冷たいものを用意させよう」

その声にマクベスがさっとレモン水を差し出した。

シュウはそのレモン水が気に入ったようでゴクリゴクリと美味しそうに飲んでいた。

お代わりをするかと尋ねたけれど、もう大丈夫だと言われグラスを下げさせた。
シュウは身体が小さいから、一度にそんなに沢山の量を飲むことができないのだろうな。

マクベスに食事の支度ができているかを尋ねると、すでにできていると言うので、私はシュウを連れてダイニングへと移動した。
ダイニングへ近づくほどにシュウの顔に緊張の色が見えてくる。

扉を開けると、シュウがあからさまにホッとした表情をみせた。

「どうした?」

気になって尋ねると、どうやら晩餐会であるような大きなテーブルがある部屋を想像していたらしい。

シュウはそちらの方が良かったのだろうか?
小さいダイニングの方がシュウと近づいて食事ができると思ってこちらにしたのだが……。

大きい方に移るかと尋ねるとシュウは慌てたようにこっちが良いと答えた。

やはりシュウは広すぎる部屋は苦手なようだ。
私も近い方がシュウのそばにいられるからな。
これから食事は必ずこの部屋にしよう。

「本日の前菜は真鯛のマリネ キャビアソースでございます」

真鯛か…。
シュウが私の大事な者だとマクベスが伝えたか。
シェフローリーも張り切って作ってくれたようだ。

真鯛はこの屋敷では特別に大切な客にしか出さないことになっている。
シュウが私にとって大切な客だということを屋敷のものにわからせるにはこれが一番手っ取り早いのだ。

シュウは目の前の真鯛に目を輝かせ喜んでいた。


「さあ、食べてくれ」

「はい。いただきます」

シュウが突然両手を合わせて不思議な言葉を話した。
『いただきます』と言ったか?
どう言う意味だろうか…。

気になって、シュウに言葉の意味を尋ねると

「『いただきます』は、食事をいただく時にする挨拶だよ。作ってくれた人に対してと、そして、その食材の命をいただくということに対しての感謝の気持ちを込めて美味しくいただきますという挨拶するんだ」

と教えてくれた。

作ってくれた相手への感謝はわかるが、食材の命をいただくことへの感謝とな。
なんと、素晴らしい考えなんだ。

シュウの教えてくれた素晴らしい考えに感化され、私も見様見真似で
『いただきます』」とシュウの挨拶を真似た。

マクベスは私が素直にシュウを真似たのに驚いた様子だったが、
「どうぞ、お召し上がりください」といって、部屋の隅に下がった。

綺麗な所作でフォークとナイフを巧みに操り、
とても美味しそうに食しているシュウは、まるで高位貴族のようだった。
これなら、食事のマナーの心配はなさそうだな。
シュウは貧しいと話していたが、もしかしたら元は貴族だったのかもしれないな。

シュウが食事をしている姿に気づいたことがある。

私に大切に扱われれば、使用人に対してみな多少なりとも思い上がった態度をとるものだが、シュウはマクベスが料理を置くたびに御礼を言い、食後には料理の感想を心から嬉しそうに言葉を発するのだ。

彼は人としてとても素晴らしい。

思えば、私は御礼どころか、味の感想など伝えたことはなかった。
マクベスは普段は黙々と食べる私を給仕するだけだから、シュウに話しかけられたのが嬉しいのかいつもより柔かで饒舌だ。

口に合っているようでよかった、そう言うと

「口に合うも何も、美味しすぎて頬っぺたが落ちてしまいそう。この食材は近くで採れたものなの?」

と聞いてきた。

普通、料理について尋ねるときは、どのように作ったか、何を使ったのかを聞きそうなものなのにシュウはその材料が近くで採れたものなのかを尋ねたことに私は少し驚いた。

シュウは先程の真鯛もきのこも新鮮で香りが良かったからそう思ったと答えたが、そんなにわかるものだろうか?

たしかに私も、魚でもなんでも王都で食していたものより、こちらに来てからの方が美味しいと感じるようになったが、今日初めて食したはずのシュウが新鮮さや香りに気づいたことに驚いてしまった。

シュウはきっと味覚に優れているに違いない。

このサヴァンスタック領が山の幸、海の幸に恵まれ、また果物を始めとした農業も発達していると教えると、シュウも自分の住んでいた場所について話してくれた。

シュウの国もここと同じような山や海に囲まれた自然豊かな場所だったようだ。
このオランディアの中で周りを海や山に囲まれているのはこの領地だけだ。だから、この地に転移したのだろうか?
それならば、この領地を与えていただいた国王に感謝だな。

そんなことを思っていると、シュウから驚きの質問が飛び出した。

不作や採れない時期はどうしているのかと。

まさか、シュウからこんな質問が来ようとは……。
そういえば、シュウは働いていたと言っていたな。どんな仕事だったかはよくわからんが、農作業にでも従事していたのだろうか?

私は肉や魚などに関しては乱獲しないようにすること、そして、農作物に関しては以前の干ばつでの経験を踏まえて、数ヶ月分の備蓄をできるようにしたことなどを話した。

シュウは私の言葉を聞いて、うーんと悩み込んだものの、すぐににこにことし出した。
一体シュウは何を考えてくれているんだろうか。

すると、突然シュウは私の右腕になれるように勉強を頑張ると宣言してくれたのだ。

ああ、シュウがそこまで真剣に思ってくれているとは、何たる喜び、何たる幸せ。
嬉しさでじっとシュウを見つめることしか出来なかった。

「フレッド?ぼく、変なこと言った?」

シュウの問いかけにやっと動き出した身体は嬉しさで自分で制御することもできずに気がついたら、彼の柔らかな手をぎゅっと握っていた。

私のためだけでなく、領地のためにも勉強を頑張るなどと言ってくれるなんて、未来の公爵夫人としての資質を備えているのではないか?
そう思うと、嬉しくなって、シュウに笑いかけるとシュウもまた私に微笑み返してくれたのだった。

その後もシュウとの会話を楽しみながら、食事は続き、魚料理、口直しのシャーベット、肉料理(今日は鹿肉)、そして最後にはシェフに頼んでおいた沢山のフルーツが飾られたケーキが出てきた。

シュウはそのケーキを見て今日一番の喜びを表した。

シュウに年齢を尋ねたときに、今日で17歳だと言っていたから、一緒にケーキを食べてお祝いがしたくてシェフに頼んだのだが、ここまで大喜びしてくれるとは思っていなかった。

誕生日には必ずケーキで祝う、それが我がオランディア王国のしきたりであるが、このケーキは大層甘い。シュウが甘い物を好きならば良いのだが…。

と思っていると、シュウが大粒の涙を流し始めた。

あれ? あんなに喜んでくれていたのにもしかして甘いものは苦手だったのだろうか?

慌ててシュウに謝ると、シュウはこんなケーキを食べてみたかったのだと私に御礼をいってくれた。

そうか。そういえば母親は失踪したと言っていた。
それではケーキでお祝いなどということはないだろう。涙を流すほど喜んでくれてよかった。

シュウは殊の外、フルーツを気に入っているようだ。

フルーツは時期によっては何も採れない時期もある。
そんな時期はケーキ屋も閉まってしまうことがあるほどだ。
この問題はなんとかしないといけないと考えてはいるが、なかなか難しいというのが現状だ。

「一番人気があるフルーツってなに?」

そう問われて、苺だろうと答えた。
マクベスもその意見には賛同し、そして、女性は他に桃やメロンを好み、男性は蜜柑をを好む人が多いと教えていた。

そうだな。甘すぎるフルーツはあまり得意ではないが、ミカンの中でも酸味の強い種類のものは私が好んでいるからか、よく食卓にでてくる気がする。

「この人気のあるフルーツが年中いつでも採れたらいいなって思ったりしない?」

年中?いつでも?そんなことは夢の世界だろうな。

「ああ、そうだな。王都ではフルーツは採れないから年中採れれば領地への旅行者も増えるかもしれないな」

王都周辺で採れるフルーツといえば、蜜柑ぐらいか?あれは王都の気候でも作れる強い作物だからな。

一年中人気のある果物を作ることができる……そんな夢が実現できれば、この領地はもっと豊かで発展して行くことだろう。
そんな夢物語を語り合いながら食後のコーヒーを飲む相手が私に出来るとは…こういうのを日常の幸せと言うんだろうな。

そんな話をしていると、シュウが可愛い声でお願いしたいことがあるとおねだりをしてきた。
何か物でもねだるのだろうか…服か?宝石か?

ああ、この家を出ること以外の望みならなんでも叶えてやろう。

何を強請られるかと聞いてみると、シュウはシェフに御礼が言いたいと言い出した。

私への初めてのおねだりがシェフへの御礼だとは…。
信じられない。何と欲のない子だろう。



数分後、シェフローリーは今にも倒れそうなほど真っ青な顔でダイニングへと現れた。
もしや、叱責を受けると思っているのか?

真っ青な顔をしたまま、恐る恐る呼び出された理由を尋ねてきた。

心配しているローリーに悪い事で呼び出したのではないこと、そしてシュウが御礼を言いたいと言っていると伝えると驚く表情を見せた。
それはそうだろうな、今までに数え切れないほどの人に我が家で食事を振る舞ったが、シェフに御礼が言いたいと申し出たのはシュウが初めてなのだから。

シュウはローリーの目を見ながら、食事を作ってくれたことへの御礼と、如何に料理が美味しかったかの感想と、そして、誕生日ケーキへの御礼を満面の笑みを浮かべて心の底からの嬉しい気持ちを伝えていた。

本当に御礼を言われるとは思っていなかったのだろう。
ローリーは来た時とは雲泥のように晴れやかな満面の笑みを浮かべ、シュウに御礼を述べた。

これだけの賛辞を言ってもらえることは料理人として本当に嬉しいことだろう。

ローリーに改めて、シュウが私の大切で大事な客かと言うことを伝え、シュウのために美味しい料理を作ってくれと頼むと『かしこまりました!』という大きな声をあげ、部屋を出ていった。

シュウはそんなローリーを見送りながら、料理が美味しかったこと、なによりお腹いっぱい食べられたこと、そして、話しながら楽しく食事ができたことも久しぶりの体験だったことを教えてくれた。

そういえば2年も1人で生活していたと言っていたな。

「これからはずっと食事は一緒だ。シュウに寂しい思いはさせないから安心してくれ」

そういうと、シュウは目にいっぱい涙を溜めたかと思うと、ポロポロと溢した。
何かシュウを傷つけることを言ってしまっただろうかと焦ったけれど、ふんわりとした笑顔で嬉しいと言うのが可愛くて、シュウの小さな身体を両腕で包み込むように抱きしめた。

ダイニングルームを出て、シュウを部屋へと送った。

シュウに何かあったら駆けつけるから安心して眠ってくれというと、シュウは安心したように笑った。

その笑顔に吸い込まれるように、私はシュウの頬に口付けた。

「えっ? キス?」

シュウが慌てたように口付けた頬を手のひらで押さえる。

キスとは口付けのことだろうか?
不思議な音の響きだがおそらく以前の世界の言葉なのだろうな。

思わず口付けをしてしまった言い訳にこの屋敷でのおやすみの挨拶なのだと伝えると、驚いた様子だったが
急に私に屈むようにお願いしてきた。

一体なんだろうと想いながらもシュウのお願いに私はシュウの目の高さまで屈むと、

『ちゅっ』

シュウが私の頬に口付けをした。

焦った私を後目しりめにシュウは

「ぼくからもおやすみのキス。おやすみ、フレッド」

あまりの出来事に
『あ、ああ』
という返事しか出来ないまま、シュウの部屋の扉は閉まっていった。

どれくらいその場所で立ち尽くしていたんだろう…

マクベスの『旦那さま』と呼ぶ声で我に返った私は、固まってしまった脚を引き摺るように自室へと向かった。

自室のソファーに座り、マクベスの淹れた紅茶で喉を潤し、ようやく落ち着きを取り戻した。

今考えなければならないこと、それはマクベスにシュウについてどこまで事実を伝えるべきかということ。

シュウから話を聞いてからずっと考えあぐねていたが、やはり全てを知っている味方がいた方が心強いだろう。

そう結論に至った私はマクベスを連れ自室に繋がる書斎へと足を運び、鍵をかけた。
ここは防音対策が施されており、内緒の話をするには適した場所だ。


「マクベス。これから話すことは私とお前だけの秘密だ。いいな」

「はい。旦那さま」

「シュウに泡オイルの反応があったという話はしたな」

「はい」

「だから、彼が私の伴侶であることは間違いない」

マクベスは私の目を見ながら大きく頷いた。

泡オイルは人間の皮膚に反応して、表面の汚れを落とし新しい皮膚を形成してくれる働きがある。
そのため洗い終わった後は赤子のような肌に再生する。それはシュウに説明した通りだ。

そう、肝心なのはここから。

その再生した肌はとても敏感に反応をする。
一番顕著に現れるのは、その再生した肌に自分以外の誰かが好意を持って・・・・・・触れた時。

肌が相性が良いと判断した時、双方に微弱な電流を発する。
しかし、触れた相手が好意を持っていても相性が合わないと判断された時には何の反応も現れない。

つまり、新しい肌、身体の細胞自身が
肌を重ねる人伴侶を選ぶのだ。

だから、泡オイルは【伴侶の証】と呼ばれている。

この効果が現れるのは再生した肌が本人の身体に馴染むまでの僅かな時間。
だから、今シュウに触れても何の反応も現れない。

シュウに説明もせずにこれを試したのは申し訳がなかったが、あくまでもこれは肌の相性が良いと判断されただけで、触られた本人の気持ちまでを変えるものではない。

しかし、シュウの肌に認められたという事実が、見目の悪い私があんなに美しい彼の傍にいても良いのだと背中を押してくれたようで安心するのだ。

「私はどんなことがあっても、彼を肌だけでない、本当の伴侶にする。たとえ、異なる世界の人間であろうとも…」

マクベスの淡いブラウンの瞳は、やはりそうかと物語るように私を見つめている。

「シュウは気づいたら屋敷の中庭にいた、と。そう話すシュウの目に嘘偽りはなかった。私もそれが真実だと思う。何より、彼の姿がそれを示しているだろう」

私の問いかけにマクベスは「はい」と答えた。

「私は、シュウは私のために異なる世界から来てくれたものだと思っている。しかし、彼はまだそこまでの感情を私に持ってはいないだろう。
それは仕方のないことだ。私の見目ではな…」

「いいえ、旦那さま。そのようなことは…」

「いや、それはいいんだ。
それより、シュウがここで働きたいと望むので、彼を私の秘書として雇うことにした」

「秘書でございますか?」

「そうだ。しかし、それはあくまでも彼に対する名目上だ。この屋敷の人間はもちろん、そして国内外に対してもシュウは私の婚約者として扱ってもらうつもりだ。
私は彼を手放すつもりはない。
外堀から埋めて、彼が私から離れることがないようにしたいのだ」

「かしこまりました。では、明朝シュウさまが起きられる前に使用人たちを全員集めておきます」

「ああ、頼む。それから、シュウには秘書の勉強をさせると言ってあるから、私の恩師でもあるスペンサー卿に来て頂こうと思っている。
未来の公爵夫人としてのマナーや振る舞いはもちろん、この国についての歴史や領地についても学ばせるつもりだ。
シュウは故郷で働いていたと言っていたが、彼の手に農作業で生じるような手荒れはなかった。
もしかしたら、故郷では家は高位貴族でなんらかの理由で没落して文官のような仕事をしていたのやもしれん。彼の節々にそのような片鱗が垣間見れた」

「はい、旦那さま。わたくしもそう思います。今日のお食事のマナーはそれはそれは素晴らしゅうございました」

注意深く見ていたが、ナイフとフォーク、スプーンの使い方はもちろん、食べ方も実に綺麗で驚いたものだ。


「それに彼は私の右腕となるべく勉強がしたいと言ってくれた。私はその言葉が嬉しかった。今まで私の伴侶にと紹介された者は、この公爵家で何不自由ない生活をすることしか考えないものばかりだった。
やはり、シュウは公爵夫人としての資質がある」

「はい。その通りでございます」

「スペンサー卿にはシュウのことは何と言ったら納得するだろうな?マクベス。遠い国の出身で、私と出会う理由が必要だな」

「はい。旦那さま。そういえば、わたくしの遠戚でアルフィジア(オランディアから一番遠い国)に嫁いだ娘がおります。シュウさまはそこの御子ということにするのはいかがでしょう?」

「ああ、アルフィジアならちょうどいいな。
よし、シュウはお前の遠戚でお前から彼を紹介され、私が一目惚れをして結婚を申し込んだと話しておこう。シュウはあの見た目だから、実家では外に出すことも出来ずにいたからシュウを知るものはほとんどいないといえばスペンサー卿も納得するだろう。
スペンサー卿には婚礼までの間、屋敷でシュウにこの国や領地についての勉強をさせたいといえばきっと引き受けてくださるはずだ。
使用人たちにもシュウを未来の公爵夫人として扱うように徹底しよう。ただし、シュウには気づかれてはいけない。
彼はシャイだからあまり囃し立てると国へ帰ってしまうとでも言っておこうか。
それからここの使用人にはいないとは思うが、私が屋敷にいない間、彼がこの屋敷で蔑まれたり侮られたりすることのないように注意はするが、マクベス、お前もしっかりと見張っているように」

「かしこまりました。旦那さま」

マクベスが部屋を出ていき、ひとりになった自室のソファーに深く腰を下ろした私は、窓の外に輝く月を見ながら
『ふぅーーーっ』と大きく息を吐いた。

シュウと出会ってからの数時間があまりにも濃すぎてあれは本当は白昼夢だったのではとさえ思えてくる。

しかし、シュウが口付けてくれた頬にはまだシュウの柔らかな唇の感触がありありと残っている。

それだけが私に安心感を与えてくれていた。

目を閉じるとすぐにシュウの笑顔が目蓋にうかぶ。

ベンチで初めてシュウと目を合わせたあの時、彼は誰しもが見ようとすらしない私の瞳をじっと見つめてくれた。

ベッドで再会した時も彼は私の瞳を見つめて、あろうことか心からの笑顔を見せてくれた。

あの笑顔を見た時、醜い私に一筋の光が差し込んだ。あの瞬間、私は恋に落ちたのだ。
まだ数時間しか会っていない彼の存在が私の中でどんどん増えてくる。

【伴侶の証】か………。

シュウの肌を交わす人伴侶に選ばれたことは、もちろん至極の喜びであった。
しかし、あくまでもそれはの相性が良いということだけ。

身体から落とせば、経験のないシュウのこと。
きっと私に落ちてくれることだろう。
けれど、それでは意味がない。

私は心を通わせて、シュウと身体を繋ぎたい。

シュウが心から私を愛してくれるようになる…
その願いはいつか叶うだろうか……。

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