1 / 259
プロローグ
しおりを挟む
「いつの間にここに入り込んだんだ?」
普段は誰も来ない小さな公園の片隅にあるベンチでうたた寝をしていた柊は、急に頭上から聞こえた声に驚いて身体を起こした。
えっ?なに?だれ?
柊の目の前には、年は30歳くらいだろうか、夕日を浴びてキラキラと輝く金色の髪に、淡い水色のような瞳が印象的な長身の男性が少し離れたところに立っていて、あまりの格好良さに柊は目を離せずにいた。
かっこいい…。
瞬きをすることを忘れるほどにあまりにもじーっと見過ぎたからか、それとも柊が返事をしなかったからか、彼は違う言葉で問いかけてきた。
「君はここで何をしている?」
その言葉に柊はハッと我に返って辺りを見回した。
昼間だったはずの明るさは夕陽の色に変わり、
雑草が鬱陶と伸び切った小さな公園は跡形もなく姿を消し、足元には手入れの施された芝生が広がり、少し離れた場所には噴水があり、柊の背後には大木ではなく、ヨーロッパのお城のようなお屋敷が見えた。
「えっ?ここは……どこ?」
「ここは我がサヴァンスタック公爵家の中庭だ」
「サ、サヴァ…?」
聞いたこともない名前を告げられ、柊はビックリしてその場に立ち上がった。
その瞬間目の前が真っ暗になったかと思うと全身の力が抜け柊はその場に倒れ込んだ。
遠くで『危ない』という声が聞こえた気がしたけれど、柊はもう身体を動かすことも出来なかった。
普段は誰も来ない小さな公園の片隅にあるベンチでうたた寝をしていた柊は、急に頭上から聞こえた声に驚いて身体を起こした。
えっ?なに?だれ?
柊の目の前には、年は30歳くらいだろうか、夕日を浴びてキラキラと輝く金色の髪に、淡い水色のような瞳が印象的な長身の男性が少し離れたところに立っていて、あまりの格好良さに柊は目を離せずにいた。
かっこいい…。
瞬きをすることを忘れるほどにあまりにもじーっと見過ぎたからか、それとも柊が返事をしなかったからか、彼は違う言葉で問いかけてきた。
「君はここで何をしている?」
その言葉に柊はハッと我に返って辺りを見回した。
昼間だったはずの明るさは夕陽の色に変わり、
雑草が鬱陶と伸び切った小さな公園は跡形もなく姿を消し、足元には手入れの施された芝生が広がり、少し離れた場所には噴水があり、柊の背後には大木ではなく、ヨーロッパのお城のようなお屋敷が見えた。
「えっ?ここは……どこ?」
「ここは我がサヴァンスタック公爵家の中庭だ」
「サ、サヴァ…?」
聞いたこともない名前を告げられ、柊はビックリしてその場に立ち上がった。
その瞬間目の前が真っ暗になったかと思うと全身の力が抜け柊はその場に倒れ込んだ。
遠くで『危ない』という声が聞こえた気がしたけれど、柊はもう身体を動かすことも出来なかった。
応援ありがとうございます!
55
お気に入りに追加
3,888
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる