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もう離さない!※
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寝室の扉を開き、友貴也の視線がベッドを捉えた瞬間、彼の身体が震え始めた。
これからここで起きることを想像して怖くなってしまったのかもしれない。
だが、ようやくここまできたんだ。
今更止められない。
「友貴也……大丈夫だよ、君を怖がらせたりしない。優しくするって約束するから……」
なんとかして友貴也の心を落ち着かせようとベッドに腰を下ろした。
友貴也が私を見つめるその目に欲情の色が見えてホッとする。
さっきの身体の震えは恐怖ではなく、きっと未だかつて経験のないことをすることに緊張していたのだ。
それがわかって安堵しながら友貴也をギュッと抱きしめる。
服越しに友貴也の速い鼓動が聞こえるが、私も同じくらい鼓動が速い。
なんせようやく出会った運命の相手との初めての夜だ。
ドキドキしないわけがない。
「八尋さん……」
いつものように私を呼ぶ声が聞こえるが、この島の人全員が呼ぶ私の呼び名で、これからも同じように友貴也に呼ばれたくない。
だって、友貴也は私の特別なのだから。
「そろそろ、崇史って呼んでくれないか?」
「た、崇史、さん……?」
私の望みを叶えるようにすぐに友貴也の可愛い声が私の名前を呼んだ。
それだけで、とてつもなく嬉しい。
友貴也に崇史と呼ばれる日をどれだけ待ち続けたことか……。
あまりの嬉しさに、友貴也のように心の声が漏れてしまった。
友貴也は私がずっと崇史と、特別な呼び名で呼ばれることを待っていたことに驚いていたようだ。
本当に私の気持ちには気づいていなかったのだな。
それについては少し寂しさもあるが、そんなところも可愛いと思えるくらいに余裕ができたのは、思いが通じ合ったからだろう。
「私が友貴也をいつ好きになったか、教えようか?」
ベッドに腰を下ろしたままで、こんな余裕な会話ができるのも、明日友貴也が休みだとわかっているからかもしれない。
こうして会話をすることで少しでも友貴也の緊張が解けるのなら、いくらでも時間をかけていい。
今までずっと待ち続けたのだから。
私がいつ友貴也を好きになったのか、わかっていない友貴也は可愛らしく小首を傾げる。
そんな仕草のひとつひとつに私は心を奪われる。
「私が友貴也を好きになったのは、店で初めて会ったあの日だよ」
あの時、ひと目見たその時から友貴也を自分のものにすることしか考えられなかった。
どうしたら私を好きになってくれるか、どうしたら私のものにできるか、毎日そればかりを考えていた。
「本当だよ。初めて会った瞬間から惹かれていた。あの日から、友貴也をこの腕に抱ける日をずっと待っていたんだ。だから、今日はもう離せそうにない」
私の言葉に友貴也の目にほんの少し戸惑いが見えるが、絶対に受け入れてくれるはずだと信じて、
「友貴也が嫌なら、今、私を拒絶してくれないか?」
と告げた。
頼む、受け入れてくれ!
そんな私の願いを叶えてくれるように、
「そんなっ、拒絶だなんて……するわけないです。俺も……」
という声が聞こえた。
ああ、これでもう離しはしない!
最後まで聞きもせずに友貴也の唇を奪った。
早々に舌を差し入れ舌を絡め、歯列をなぞり友貴也の甘い唾液を味わいながら口内を堪能する。
最初は私にされるがままになっていた友貴也だったが、途中からは自ら舌を絡めてくる。
友貴也とのキスを味わいながら、私の手は友貴也の上半身をはだけさせていた。
このまま友貴也が気づかない間に半裸にしようと思ったが、
「わっ! た、崇史さん……あの、電気……」
驚いた友貴也が唇を外し、電気を消して欲しいと言ってくる。
私としては、一瞬の幸運でも映像でもなくしっかりと実物を見られるチャンスだから、明るいままで愛し合いたいが、友貴也の嫌がることはしたくない。
「じゃあ、少しだけね」
リモコンで明るさを薄暗くすると、友貴也はホッとしたような表情を見せた。
これからたっぷりと裸を堪能できるんだからな。
今はこれでいい。
それに目が慣れてきたら、この明るさでも十分楽しめる。
ホッとして身体の緊張が解けたらしい友貴也をベッドに押し倒し、唇を重ね、そのまま友貴也の首筋に顔を埋めた。
ふわっと甘い香りがして、誘われるようにチュッと吸い付いた。
その瞬間、ピクッと友貴也の身体が跳ねて、痛くさせたかと心配したが、友貴也は今の痛みがなんなのかを理解していないようだった。
こんなにも初々しい友貴也を私のものにできる幸せ……最高だな。
「友貴也が私のものになった証を付けたかったんだ。もう誰にも渡さないよ」
そういうと友貴也が信じられないと言った目で私を見たから、引かれたかと思ったが、
「俺が崇史さんのものだなんて、嬉しいです!」
と嬉しそうに言ってくれる。
ああ、もう本当にこの子は私を煽る天才だな。
「そんなに煽ると激しくしてしまうよ、必死に抑えてるのに」
「いいです! もっと、俺を崇史さんのものにしてください!」
必死に抑えようとしているのを軽々と飛び越えていく友貴也の言葉にもう我慢できなくて、
「わかった。もう、我慢しないよ」
と伝えたと同時に、私の目の前でぷっくりと膨らんだ可愛い乳首に触れた。
これからここで起きることを想像して怖くなってしまったのかもしれない。
だが、ようやくここまできたんだ。
今更止められない。
「友貴也……大丈夫だよ、君を怖がらせたりしない。優しくするって約束するから……」
なんとかして友貴也の心を落ち着かせようとベッドに腰を下ろした。
友貴也が私を見つめるその目に欲情の色が見えてホッとする。
さっきの身体の震えは恐怖ではなく、きっと未だかつて経験のないことをすることに緊張していたのだ。
それがわかって安堵しながら友貴也をギュッと抱きしめる。
服越しに友貴也の速い鼓動が聞こえるが、私も同じくらい鼓動が速い。
なんせようやく出会った運命の相手との初めての夜だ。
ドキドキしないわけがない。
「八尋さん……」
いつものように私を呼ぶ声が聞こえるが、この島の人全員が呼ぶ私の呼び名で、これからも同じように友貴也に呼ばれたくない。
だって、友貴也は私の特別なのだから。
「そろそろ、崇史って呼んでくれないか?」
「た、崇史、さん……?」
私の望みを叶えるようにすぐに友貴也の可愛い声が私の名前を呼んだ。
それだけで、とてつもなく嬉しい。
友貴也に崇史と呼ばれる日をどれだけ待ち続けたことか……。
あまりの嬉しさに、友貴也のように心の声が漏れてしまった。
友貴也は私がずっと崇史と、特別な呼び名で呼ばれることを待っていたことに驚いていたようだ。
本当に私の気持ちには気づいていなかったのだな。
それについては少し寂しさもあるが、そんなところも可愛いと思えるくらいに余裕ができたのは、思いが通じ合ったからだろう。
「私が友貴也をいつ好きになったか、教えようか?」
ベッドに腰を下ろしたままで、こんな余裕な会話ができるのも、明日友貴也が休みだとわかっているからかもしれない。
こうして会話をすることで少しでも友貴也の緊張が解けるのなら、いくらでも時間をかけていい。
今までずっと待ち続けたのだから。
私がいつ友貴也を好きになったのか、わかっていない友貴也は可愛らしく小首を傾げる。
そんな仕草のひとつひとつに私は心を奪われる。
「私が友貴也を好きになったのは、店で初めて会ったあの日だよ」
あの時、ひと目見たその時から友貴也を自分のものにすることしか考えられなかった。
どうしたら私を好きになってくれるか、どうしたら私のものにできるか、毎日そればかりを考えていた。
「本当だよ。初めて会った瞬間から惹かれていた。あの日から、友貴也をこの腕に抱ける日をずっと待っていたんだ。だから、今日はもう離せそうにない」
私の言葉に友貴也の目にほんの少し戸惑いが見えるが、絶対に受け入れてくれるはずだと信じて、
「友貴也が嫌なら、今、私を拒絶してくれないか?」
と告げた。
頼む、受け入れてくれ!
そんな私の願いを叶えてくれるように、
「そんなっ、拒絶だなんて……するわけないです。俺も……」
という声が聞こえた。
ああ、これでもう離しはしない!
最後まで聞きもせずに友貴也の唇を奪った。
早々に舌を差し入れ舌を絡め、歯列をなぞり友貴也の甘い唾液を味わいながら口内を堪能する。
最初は私にされるがままになっていた友貴也だったが、途中からは自ら舌を絡めてくる。
友貴也とのキスを味わいながら、私の手は友貴也の上半身をはだけさせていた。
このまま友貴也が気づかない間に半裸にしようと思ったが、
「わっ! た、崇史さん……あの、電気……」
驚いた友貴也が唇を外し、電気を消して欲しいと言ってくる。
私としては、一瞬の幸運でも映像でもなくしっかりと実物を見られるチャンスだから、明るいままで愛し合いたいが、友貴也の嫌がることはしたくない。
「じゃあ、少しだけね」
リモコンで明るさを薄暗くすると、友貴也はホッとしたような表情を見せた。
これからたっぷりと裸を堪能できるんだからな。
今はこれでいい。
それに目が慣れてきたら、この明るさでも十分楽しめる。
ホッとして身体の緊張が解けたらしい友貴也をベッドに押し倒し、唇を重ね、そのまま友貴也の首筋に顔を埋めた。
ふわっと甘い香りがして、誘われるようにチュッと吸い付いた。
その瞬間、ピクッと友貴也の身体が跳ねて、痛くさせたかと心配したが、友貴也は今の痛みがなんなのかを理解していないようだった。
こんなにも初々しい友貴也を私のものにできる幸せ……最高だな。
「友貴也が私のものになった証を付けたかったんだ。もう誰にも渡さないよ」
そういうと友貴也が信じられないと言った目で私を見たから、引かれたかと思ったが、
「俺が崇史さんのものだなんて、嬉しいです!」
と嬉しそうに言ってくれる。
ああ、もう本当にこの子は私を煽る天才だな。
「そんなに煽ると激しくしてしまうよ、必死に抑えてるのに」
「いいです! もっと、俺を崇史さんのものにしてください!」
必死に抑えようとしているのを軽々と飛び越えていく友貴也の言葉にもう我慢できなくて、
「わかった。もう、我慢しないよ」
と伝えたと同時に、私の目の前でぷっくりと膨らんだ可愛い乳首に触れた。
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