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とめどない欲望※
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「こんなふうに無防備に可愛い寝顔を晒したりして……。私が狼なら、もうとっくに食べられているぞ」
平松くんの頬をそっと撫でながらそんなことを呟くと、
「や、ひろさん……っ」
と私の名前を呼びながら笑顔を見せる。
ああもう、このイリオモテヤマネコはどれだけ私に試練を与えるのだろうな。
だが、ここで手を出して殻にでも閉じこもってしまってはいけない。
じわじわと餌で手繰り寄せて、決して離れないところまで来てから捕獲しなければな。
平松くんの寝ているすぐ横に身体を滑り込ませると、私が入ってきたことにすぐに反応してくれた平松くんがそろそろと私に擦り寄ってくる。
私の可愛い子猫を好きなようにさせてあげようと思っていると、子猫はそのまま私の胸元に頭を乗せて笑顔を浮かべながら深い眠りに落ちていった。
まるで自分の居場所がここだと示すようなその動きに声を上げてしまいたくなるくらい嬉しくなる。
そっとそのまま両腕を平松くんの背中に回して閉じ込めると、平松くんはさらに笑顔を見せながらすやすやと気持ちよさそうに眠っていた。
ああ、可愛い……。
私が誰かを腕に抱きながら眠る日が来るとはな……。
信じられないが、このピッタリとハマる感覚が『魂の片割れ』そのものなのだろう。
元々は一人の人間だったと言われても納得してしまうほど、私の身体にピッタリと収まる。
抱き合っているだけでもこんな感覚なのに、平松くんの奥まで入り込んだ時にはどうなってしまうのか見当も付かない。
いつかその感覚を味わう日が来るまで、今のこの感覚を楽しんでおくとしようか。
平松くんの甘い匂いを堪能しながら熟睡した私は、あっという間に朝を迎えた。
起きるにはまだ早いが、平松くんが起きる前に全てを終わらせなければ。
それは、朝の生理現象というよりは激しく昂り過ぎているアレをなんとかすること。
私が欲に駆られているなんてこの子猫に知られてしまったら怯えさせるかもしれない。
まだそれを見せるには早すぎる。
私はそっと平松くんから離れてベッドを抜け出すことに成功した。
こんなふうになるなんていつぶりだろうな……。
そう思ってしまうほど、昂ったソレは下着とパジャマを痛いほど押し上げている。
ゆったりしたパジャマだが、この昂りだけは隠しようがない。
急いで風呂場に駆け込み、シャワーを浴びる。
腕に残る平松くんの肌の感触、そして、昨夜見た股間の可愛い膨らみや、可愛い乳首を思い出せば何もせずとも欲望の蜜が弾け飛ぶ。
自分が理解しているよりもさらに大きく成長しているソレに驚きながらも、やはり運命の相手を前にすればそうなってしまうのだなと納得する。
もう何度出したかもわからないほど欲望を吐き出し、なんとか落ち着かせてシャワーを出る。
平松くんがまだ起きていないことにホッとしながら急いで着替えて、一度店に下りた。
いつものように厨房を確認し、仕込んでいたものの様子を見てから、朝食用に少しタッパーに取り分けて自宅に戻った。
和食にしようかと思い、ご飯を研ぎ水に浸してから、冷蔵庫に常備している出汁を取り出して鍋に注ぎ入れ味噌汁を作る。
先ほど店から持ってきたものと、他に何を作ろうかと考えながら味噌汁用の長ネギを切っていると
「おはようございます、八尋さん」
と可愛い子猫の声が聞こえた。
「あっ、おはよう。もう起きたの? 早いね」
そう言いながらも、平松くんが起きてくる前に終えられたことにホッとする。
朝食までにはまだ少しかかるから、その間にお風呂でもと声をかけると嬉しそうに目を輝かせていた。
初めて家に行った時も朝から風呂に入っていたからきっとお風呂好きなんだろうと思っていたが、どうやらこちらにきてから好きになったようだ。
シャワーだけしか使ったことがなかったというから、本当に毎日が疲れ果てていたんだろう。
風呂の時間を削ってでも眠りたかったということだろうからな。
平松くんは今日はこのまま仕事だ。
スーツを取りにいかないといけないという彼に
「じゃあ、朝食食べたら散歩がてら、平松くんを家まで送るよ。着替えてから出社するといい」
というと、朝だから送らなくてもいいと言われてしまったがここで引くような私ではない。
常に私と一緒のところを見せておきたいというのもあるし、そもそも一人で外は歩かせたくない。
平松くんが風呂に入っている間に、朝食の支度を済ませる。
ついさっき自分が欲望の蜜を吐き出したところに平松くんがいると思うだけで滾ってくるが、なんとかそれを押し留めた。
風呂から出てきた平松くんが美味しそうにご飯を頬張ってくれるのを幸せだと感じながら、食後に平良のおばあちゃんからもらったピーチパインを出した。
恐る恐る手を出すのが本当にイリオモテヤマネコっぽくて可愛い。
「あまっ!! 何これ、おいしい!!」
パクッとピーチパインを口に入れてすぐにそんな可愛い素の表情を見せてくれる。
「朝から、こんなにいっぱい食べたの初めてです」
「これから仕事だから、しっかり栄養入れておいた方がいいんだよ。平松くん。少し痩せすぎだからこれでも足りないくらいだし、これからは私が責任持ってしっかり食べさせるから覚悟してて」
そう言うと平松くんは小さく頷いて見せた。
初めて会った日はまだ表情に疲れが見えていたし、頬も痩せこけていたけれど、栄養のある食事をたっぷり食べさせているおかげか血色も良くなってきたし、何より表情も明るくなった。
この調子で半年も食べて貰えば、すっかり健康的な身体になるだろう。
自宅に戻る平松くんを送り、着替えを済ませた彼と共に今度は会社に向かう。
会社の前で昼食用の弁当を渡したのは、彼が私のものだとしっかり見せつけておくためだ。
この狭い島の中はどこからだって見られていると考えた方がいい。
それが辛い人もいるだろうが、今はそれを使わせてもらおうか。
「夜も店で待ってるからね。仕事頑張って!」
背中に平松くんの視線を浴びながら、店へ戻った。
平松くんの頬をそっと撫でながらそんなことを呟くと、
「や、ひろさん……っ」
と私の名前を呼びながら笑顔を見せる。
ああもう、このイリオモテヤマネコはどれだけ私に試練を与えるのだろうな。
だが、ここで手を出して殻にでも閉じこもってしまってはいけない。
じわじわと餌で手繰り寄せて、決して離れないところまで来てから捕獲しなければな。
平松くんの寝ているすぐ横に身体を滑り込ませると、私が入ってきたことにすぐに反応してくれた平松くんがそろそろと私に擦り寄ってくる。
私の可愛い子猫を好きなようにさせてあげようと思っていると、子猫はそのまま私の胸元に頭を乗せて笑顔を浮かべながら深い眠りに落ちていった。
まるで自分の居場所がここだと示すようなその動きに声を上げてしまいたくなるくらい嬉しくなる。
そっとそのまま両腕を平松くんの背中に回して閉じ込めると、平松くんはさらに笑顔を見せながらすやすやと気持ちよさそうに眠っていた。
ああ、可愛い……。
私が誰かを腕に抱きながら眠る日が来るとはな……。
信じられないが、このピッタリとハマる感覚が『魂の片割れ』そのものなのだろう。
元々は一人の人間だったと言われても納得してしまうほど、私の身体にピッタリと収まる。
抱き合っているだけでもこんな感覚なのに、平松くんの奥まで入り込んだ時にはどうなってしまうのか見当も付かない。
いつかその感覚を味わう日が来るまで、今のこの感覚を楽しんでおくとしようか。
平松くんの甘い匂いを堪能しながら熟睡した私は、あっという間に朝を迎えた。
起きるにはまだ早いが、平松くんが起きる前に全てを終わらせなければ。
それは、朝の生理現象というよりは激しく昂り過ぎているアレをなんとかすること。
私が欲に駆られているなんてこの子猫に知られてしまったら怯えさせるかもしれない。
まだそれを見せるには早すぎる。
私はそっと平松くんから離れてベッドを抜け出すことに成功した。
こんなふうになるなんていつぶりだろうな……。
そう思ってしまうほど、昂ったソレは下着とパジャマを痛いほど押し上げている。
ゆったりしたパジャマだが、この昂りだけは隠しようがない。
急いで風呂場に駆け込み、シャワーを浴びる。
腕に残る平松くんの肌の感触、そして、昨夜見た股間の可愛い膨らみや、可愛い乳首を思い出せば何もせずとも欲望の蜜が弾け飛ぶ。
自分が理解しているよりもさらに大きく成長しているソレに驚きながらも、やはり運命の相手を前にすればそうなってしまうのだなと納得する。
もう何度出したかもわからないほど欲望を吐き出し、なんとか落ち着かせてシャワーを出る。
平松くんがまだ起きていないことにホッとしながら急いで着替えて、一度店に下りた。
いつものように厨房を確認し、仕込んでいたものの様子を見てから、朝食用に少しタッパーに取り分けて自宅に戻った。
和食にしようかと思い、ご飯を研ぎ水に浸してから、冷蔵庫に常備している出汁を取り出して鍋に注ぎ入れ味噌汁を作る。
先ほど店から持ってきたものと、他に何を作ろうかと考えながら味噌汁用の長ネギを切っていると
「おはようございます、八尋さん」
と可愛い子猫の声が聞こえた。
「あっ、おはよう。もう起きたの? 早いね」
そう言いながらも、平松くんが起きてくる前に終えられたことにホッとする。
朝食までにはまだ少しかかるから、その間にお風呂でもと声をかけると嬉しそうに目を輝かせていた。
初めて家に行った時も朝から風呂に入っていたからきっとお風呂好きなんだろうと思っていたが、どうやらこちらにきてから好きになったようだ。
シャワーだけしか使ったことがなかったというから、本当に毎日が疲れ果てていたんだろう。
風呂の時間を削ってでも眠りたかったということだろうからな。
平松くんは今日はこのまま仕事だ。
スーツを取りにいかないといけないという彼に
「じゃあ、朝食食べたら散歩がてら、平松くんを家まで送るよ。着替えてから出社するといい」
というと、朝だから送らなくてもいいと言われてしまったがここで引くような私ではない。
常に私と一緒のところを見せておきたいというのもあるし、そもそも一人で外は歩かせたくない。
平松くんが風呂に入っている間に、朝食の支度を済ませる。
ついさっき自分が欲望の蜜を吐き出したところに平松くんがいると思うだけで滾ってくるが、なんとかそれを押し留めた。
風呂から出てきた平松くんが美味しそうにご飯を頬張ってくれるのを幸せだと感じながら、食後に平良のおばあちゃんからもらったピーチパインを出した。
恐る恐る手を出すのが本当にイリオモテヤマネコっぽくて可愛い。
「あまっ!! 何これ、おいしい!!」
パクッとピーチパインを口に入れてすぐにそんな可愛い素の表情を見せてくれる。
「朝から、こんなにいっぱい食べたの初めてです」
「これから仕事だから、しっかり栄養入れておいた方がいいんだよ。平松くん。少し痩せすぎだからこれでも足りないくらいだし、これからは私が責任持ってしっかり食べさせるから覚悟してて」
そう言うと平松くんは小さく頷いて見せた。
初めて会った日はまだ表情に疲れが見えていたし、頬も痩せこけていたけれど、栄養のある食事をたっぷり食べさせているおかげか血色も良くなってきたし、何より表情も明るくなった。
この調子で半年も食べて貰えば、すっかり健康的な身体になるだろう。
自宅に戻る平松くんを送り、着替えを済ませた彼と共に今度は会社に向かう。
会社の前で昼食用の弁当を渡したのは、彼が私のものだとしっかり見せつけておくためだ。
この狭い島の中はどこからだって見られていると考えた方がいい。
それが辛い人もいるだろうが、今はそれを使わせてもらおうか。
「夜も店で待ってるからね。仕事頑張って!」
背中に平松くんの視線を浴びながら、店へ戻った。
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