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その後の二人+おまけ
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<side純>
同期の結婚式に参列したその日に、そのホテルで健人さんと信じられないくらい幸せな時間を過ごし、合間に食事をとりつつずっと愛し合い、そのまま新年まで迎えてしまった。しかも、愛し合っている最中に新年を迎えたんだと思う。
学生時代にさえ友達とカウントダウンなんかに出かけたこともなく、静かに紅白を見ながら年を越していた僕がそんな新年の迎え方をするなんてただただ驚きしかない。
でも、一つだけ言えるのは、今まで生きてきた中で一番幸せな新年を迎えたということだ。
たっぷりと愛されて、目を覚ました時に
「新年おめでとう」
と言われて驚いたけれど、大好きな人の腕に抱きしめられ、お互いの肌の感触を感じながら、一つになって新年を迎える。
こんなに最高な時間はないだろう。
ホテルの部屋のベルがなり、ルームサービスが届いたと知ると、健人さんはベッドから下りてかっこいい裸にガウンだけを羽織って、料理を受け取りに行った。
その裸がとてつもなくかっこよくてドキッとしてしまった。
僕はあんな素敵な人に抱かれたんだ……。
そう思うだけで身体の奥が疼いてくる。
どうやらもうすっかり僕は身も心も健人さんのものになってしまったようだ。
まだ身体が辛くてベッドから下りるのが難しい僕のために、ベッドにテーブルを設置してくれて、そこに持ってきてもらった料理を並べてくれる。
「わぁ! すごい! お節料理ですね」
「ああ、やっぱり正月はこれがないとね」
関東風のお雑煮もある。定番のおせち料理以外にもローストビーフや伊勢海老に鮑なんてすごいものも並んでかなり豪華だ。
口を開けるだけで健人さんが僕の食べたいものを食べさせてくれて、健人さんもずっと嬉しそうに僕のお世話をしてくれた。
食事を終えて、健人さんからこれからのことを話したいと言われた。
「私たちはこれから一生を共にすることになったから、別々の家で暮らすのはよくないと思うんだ。だから、一緒に暮らさないか?」
「一緒に? どこで暮らすんですか?」
「そうだな。いずれは二人の希望を全て兼ね備えた家を建てるのもいいし、高層マンションがいいなら純が気にいるところを探してもいい。だが、とりあえずは私の家で一緒に暮らそう。どうかな?」
「あの、僕……ちょうど今月更新で正月明けにでも手続きをしようと思っていたんです。だから……」
「そうか、それならちょうどよかった。三が日が終わったら、すぐに純の荷物を私の家に運んで解約手続きをしよう」
「荷物、入りますか?」
「大丈夫、心配はいらないよ。部屋が余っているからそこに全部入れたらいい」
あまり荷物を持つのは好きじゃないからそこまで多くはないから大丈夫そうだけど、それでもアパート一部屋分の荷物を入れられるほどの部屋が余ってるなんて……やっぱり社長さんってすごいんだな。
「それじゃあお願いします」
「ああ、わかった。ずべて私に任せてくれ。純の荷物は全てそのまま業者に運ばせるから純は何もしなくていいよ」
「えっ? 何も?」
「ああ。純は部屋に来てくれるだけでいいんだ」
その言葉通り、三が日が終わってホテルをのんびりとチェックアウトして、健人さんの自宅に向かう途中に業者さんから搬入完了の連絡が来ていた。
「あの、ここが健人さんのお家、ですか?」
「違うよ。今日からは私と純の家だ」
到着したのはここが東京だとは思えないほど、広い一軒家。
しかも家の敷地と同じだけ庭もある。
地下には広々としたガレージがあって、車が何台も止まっている。
こんなに広い家なら、僕の部屋の荷物なんて余裕で入るのは当然だ。
ここが、僕の家になる……。
いいのかな……。僕みたいな庶民がこんなすごい家で暮らすなんて……。
「純、気に入らないか? じゃあすぐにここより広くて新しい家を探すから、少し間だけここで我慢してくれ」
「そ、そんなっ! 僕、ここ好きです!!」
いいのかななんて思っていたけれど、これより広い家を探すなんてとんでもない!
慌てていうと、健人さんは嬉しそうに笑っていた。
僕の新生活はこの豪邸で始まるみたいだ。
<おまけの松島side>
「あ、松島! 今年もよろしくな」
「――っ、き、桐谷。お前……そんな顔で会社に来たのか?」
「顔? えっ、何かついてる?」
焦ったように顔をペタペタ触っているが、そういうことじゃない。
色気ダダ漏れで、愛されまくったのが丸わかりだ。
高槻社長は牽制のためなんだろうが、やりすぎだ。
桐谷の色気に男女問わず、釘付けになっている。
今までのギャップもあるんだろう。
ああ、今日は桐谷から離れないようにしないといけないな。
それにしてもやっぱり、愛されると人ってこんなに変わるものなんだな……。
同期の結婚式に参列したその日に、そのホテルで健人さんと信じられないくらい幸せな時間を過ごし、合間に食事をとりつつずっと愛し合い、そのまま新年まで迎えてしまった。しかも、愛し合っている最中に新年を迎えたんだと思う。
学生時代にさえ友達とカウントダウンなんかに出かけたこともなく、静かに紅白を見ながら年を越していた僕がそんな新年の迎え方をするなんてただただ驚きしかない。
でも、一つだけ言えるのは、今まで生きてきた中で一番幸せな新年を迎えたということだ。
たっぷりと愛されて、目を覚ました時に
「新年おめでとう」
と言われて驚いたけれど、大好きな人の腕に抱きしめられ、お互いの肌の感触を感じながら、一つになって新年を迎える。
こんなに最高な時間はないだろう。
ホテルの部屋のベルがなり、ルームサービスが届いたと知ると、健人さんはベッドから下りてかっこいい裸にガウンだけを羽織って、料理を受け取りに行った。
その裸がとてつもなくかっこよくてドキッとしてしまった。
僕はあんな素敵な人に抱かれたんだ……。
そう思うだけで身体の奥が疼いてくる。
どうやらもうすっかり僕は身も心も健人さんのものになってしまったようだ。
まだ身体が辛くてベッドから下りるのが難しい僕のために、ベッドにテーブルを設置してくれて、そこに持ってきてもらった料理を並べてくれる。
「わぁ! すごい! お節料理ですね」
「ああ、やっぱり正月はこれがないとね」
関東風のお雑煮もある。定番のおせち料理以外にもローストビーフや伊勢海老に鮑なんてすごいものも並んでかなり豪華だ。
口を開けるだけで健人さんが僕の食べたいものを食べさせてくれて、健人さんもずっと嬉しそうに僕のお世話をしてくれた。
食事を終えて、健人さんからこれからのことを話したいと言われた。
「私たちはこれから一生を共にすることになったから、別々の家で暮らすのはよくないと思うんだ。だから、一緒に暮らさないか?」
「一緒に? どこで暮らすんですか?」
「そうだな。いずれは二人の希望を全て兼ね備えた家を建てるのもいいし、高層マンションがいいなら純が気にいるところを探してもいい。だが、とりあえずは私の家で一緒に暮らそう。どうかな?」
「あの、僕……ちょうど今月更新で正月明けにでも手続きをしようと思っていたんです。だから……」
「そうか、それならちょうどよかった。三が日が終わったら、すぐに純の荷物を私の家に運んで解約手続きをしよう」
「荷物、入りますか?」
「大丈夫、心配はいらないよ。部屋が余っているからそこに全部入れたらいい」
あまり荷物を持つのは好きじゃないからそこまで多くはないから大丈夫そうだけど、それでもアパート一部屋分の荷物を入れられるほどの部屋が余ってるなんて……やっぱり社長さんってすごいんだな。
「それじゃあお願いします」
「ああ、わかった。ずべて私に任せてくれ。純の荷物は全てそのまま業者に運ばせるから純は何もしなくていいよ」
「えっ? 何も?」
「ああ。純は部屋に来てくれるだけでいいんだ」
その言葉通り、三が日が終わってホテルをのんびりとチェックアウトして、健人さんの自宅に向かう途中に業者さんから搬入完了の連絡が来ていた。
「あの、ここが健人さんのお家、ですか?」
「違うよ。今日からは私と純の家だ」
到着したのはここが東京だとは思えないほど、広い一軒家。
しかも家の敷地と同じだけ庭もある。
地下には広々としたガレージがあって、車が何台も止まっている。
こんなに広い家なら、僕の部屋の荷物なんて余裕で入るのは当然だ。
ここが、僕の家になる……。
いいのかな……。僕みたいな庶民がこんなすごい家で暮らすなんて……。
「純、気に入らないか? じゃあすぐにここより広くて新しい家を探すから、少し間だけここで我慢してくれ」
「そ、そんなっ! 僕、ここ好きです!!」
いいのかななんて思っていたけれど、これより広い家を探すなんてとんでもない!
慌てていうと、健人さんは嬉しそうに笑っていた。
僕の新生活はこの豪邸で始まるみたいだ。
<おまけの松島side>
「あ、松島! 今年もよろしくな」
「――っ、き、桐谷。お前……そんな顔で会社に来たのか?」
「顔? えっ、何かついてる?」
焦ったように顔をペタペタ触っているが、そういうことじゃない。
色気ダダ漏れで、愛されまくったのが丸わかりだ。
高槻社長は牽制のためなんだろうが、やりすぎだ。
桐谷の色気に男女問わず、釘付けになっている。
今までのギャップもあるんだろう。
ああ、今日は桐谷から離れないようにしないといけないな。
それにしてもやっぱり、愛されると人ってこんなに変わるものなんだな……。
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